下村敦史のレビュー一覧

  • 刑事の慟哭
    裁判員制度の欠陥と警察組織の居場所がなくなってしまった刑事に焦点を当てた小説。
    終わりの場面では、ほろっとくる箇所もあり、読後もしばらく余韻にひたっていられる。
    田丸刑事のシリーズがあれば読んでいきたい。
  • 同姓同名
    『人はみんな他人を攻撃しすぎなんですよ』
    この言葉が刺さった。
    批判して暴言はいて苦しめて、その人がたまたま死んでないだけ。まさにそう。
    人の気持ちに立ってみる。 これに尽きる
  • ヴィクトリアン・ホテル
    伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン·ホテル」は、明日その歴史にいったん幕を下ろす。ホテルを訪れた宿泊客それぞれの運命はー。視点がコロコロ変わるのですが、混乱することもなくスルスルと読めていけます。そして見事に騙されました!
  • 同姓同名
    SNS社会の現代、考えさせられる1冊でした。
    登場人物がほぼみんな大山正紀なので若干混乱しますが、事件が解決する終盤は怒涛の伏線回収。全てが綺麗に繋がります。
  • ヴィクトリアン・ホテル
    202302/下村敦史だし帯の惹句にもあるので、"そういう"目線で読んでしまい驚きはあまりなかったんだけど、それでも面白かった!これに限らず、そういう部分でエンタメとしての面白さを入れつつ、出会いだったり優しさ・善意だったり人間を描く、見事な作家の一人だと思う。
  • 法の雨
    202307/面白かった…。毎回テーマも舞台も趣向もキャラも見事で一気読み&作家買い必至の下村敦史。
  • ヴィクトリアン・ホテル
    字だから可能だった構成ですね。

    ドラマとかだったら服装や年齢で
    いったりきたりが予測できちゃいそう

    思いやりでさえ人を傷つける
    優しさは呪いではない

    皆さまに幸あったようで何よりです^_^

    裏表示に『ラスト30ページに特大の衝撃と深い感動が待ち受ける』とあるのは、感動の押し売りか笑

    だっ...続きを読む
  • 悲願花
    結構、複雑な話だった。
    確かに幸子の行為は行き過ぎだと思ったし、結果的に間違ったことをしたわけだが、子供の時に負ってしまった傷はそれだけ大きかったということでしょう。でも知らなくても済んだかもしれない真実を知ってしまってこれからどう立ち直っていくのでしょうね。
  • 黙過
    短編かと思いきや、最後の一章"究極の選択"で全てが絡み合う良構成。
    命の尊厳、種の優位性などの重いテーマながら、患者喪失の謎や厄介な詐病等々織り込まれるミステリが良い。
  • 絶声
    思惑が思惑を呼び、事実と解釈が絡み合う遺産相続サスペンス。
    父が失踪し、死亡届が受理されようとするそのとき、更新されたブログを中心に利己心が衝突していく。
    展開のスピードがテンポ良く、読みやすいがキャラクターの魅力というより、ストーリーとしての面白さに重きを置いた作品。
  • 悲願花
    大好きな下村淳史作品
    …だったけど

    どうしても幸子のことが好きになれず…

    被害者は被害者という肩書の武器をもっているので
    なんでも許されるのかというとそれは違う
    ということ

    共感と同情は違う

    なんて考えながら
    幸子にイライラしながら読んでた

    最後までしっかり読んでるあたり
    やっぱり面白かっ...続きを読む
  • ヴィクトリアン・ホテル
    改築の為、100年の歴史に幕を下ろす『ヴィクトリアン・ホテル』。

    数人の視点で描かれますが、本の帯にある、『衝撃と深い感動』にどう着地するのかな、と淡々と読んでいました。
    がこれがいけなかった。

    ホテルミステリー、とも書いてある通り、本書にはある仕掛がありました。この手の手法、気付く事もあります...続きを読む
  • 黙過
    帯に『あなたは5回騙される』とあったけど、確かにその通り。別々のストーリーの4つの短編でそれぞれ騙されて、最後の『究極の選択』で大どんでん返し。こんな騙され方があるんだ!という感じ。
    終盤はパズルのピースが次々とはまっていくように、全ての疑問が思わぬ形で見事にはまっていくのはとても気持ちよかった。
    ...続きを読む
  • 闇に香る嘘
    中国残留孤児の兄は主人公が全盲になった後日本に帰って来たんやけど、態度に違和感を覚えた主人公は兄が偽物ではないかと疑い調べる話。読み進める度謎は増えるし疑いは深まるんやけど、終盤一気に謎が解けて伏線回収も鮮やか!家族愛の深さが伝わる。
  • ガウディの遺言
     スペインの都市、バルセロナ。歴史的建造物のサグラダ・ファミリアを舞台にしたサスペンスミステリー。
             ◇
     サグラダ・ファミリアの尖塔に吊り下げられた死体が発見された朝。聖堂建設のため石工として働く父親が失踪したことに志穂は気づく。

     吊られた死体がアンヘルという父親の友人だったこ...続きを読む
  • 法の雨
    無罪判決を連発する裁判官嘉瀬。彼に無罪を何度も出された検察官の大神。看護師による組長殺人事件でも無罪判決を下された。判決を決めてすぐに嘉瀬は倒れ、認知症となってしまう。大神は施設に嘉瀬を訪ね、判決について問いただすが、、、というお話。その中に嘉瀬の孫などの絡み合い、なかなか面白いリーガルミステリーだ...続きを読む
  • 黙過
    本筋とはあまり関係ないけれど、中盤に少し登場の天童教授が魅力的でした。

    「本来、無知は罪ではない。90パーセントの一般人が答えられる常識問題を間違ってしまった人でも、90パーセントの一般人が答えられない非常識問題の答えを知っているかもしれない。
    誰もが知っている知識を知らなかったからといってその人...続きを読む
  • ガウディの遺言
    冒頭から死体が、カタルーニャ地方にサクラダファミリアは、あるんですね。
    ガウディが、実家の土地を売り払ってまで建てたかったこの教会は何だろうと。考えて、本とは脱線して、サクラダファミリアをググって見た、2030年には出来上がるとか、ただ彫刻写真を観るには、塔の上の方はチャエーンソーで削った様にかくか...続きを読む
  • ガウディの遺言
    ガウディーの意思や現状がよく理解できた。
    あくまでの小説の中の話だが、ガウディーの本当の意思とは別に建築が進んでいるという設定には面白さを感じた。
    完成がかなり前倒しになったという話は聞いている。またみに行きたい。
  • ガウディの遺言
    ガウディとサグラダファミリアが好きって人、または興味があるって人は必見かな。物語を抜きにしても下手なガイドブック読むよくよくわかる。それほどに登場人物が熱く、それは猛烈に熱く語りつくしてくれるから、これホント小説なの?って疑問を抱いてしまうほどだった。下村さんの本はこれ!と言ったおすすめ本があるわけ...続きを読む