下村敦史のレビュー一覧
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ネタバレ色々見落とさないように頑張って読んでいたが、真犯人には辿り着けず。何かが腑に落ちんと思って推理編へ。7つのネタバレのうち、何個かはそうなのかな?と思っていた通りであったが、そのネタバレに翻弄された。そもそも当たり前だけど知ってないとこんなネタバレ書けんわな〜ってところが盲点。フィクション目線で読んだしまってたのかも。まんまと思い込まされてしまった。作中の自分を囮に未然に犯罪を防ぐ名探偵の話も面白い(実際それに当たりそうな名探偵が出てくる)がミステリー作者が真犯人を炙り出すために事実ベースの小説を書くというのも新しいなと思った。
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SNS「リアリズム」で「タナトス」と名乗る者が殺害予告を投稿した。そしてその通りに名指しされた人物が不審な死を遂げ、現場には投稿された文面が貼り付けられていた。その後も同一犯によるものと思える事件が続き、ネット上では「タナトス」への殺人依頼の投稿が絶えなくなる。現代社会の恐ろしさを描いたミステリです。
軽い気持ちで誰かを憎んだり、あるいは殺意を覚えることは誰にでもあるのではないかと思います。だけれどそれを公の場で表出するのは絶対ダメだよね。SNSは楽しくもあるけれど、「好き」なことで楽しくあるべきだよなあ、と実感しました。愚痴と不満と怨嗟を吐き出したところで、ネガティブが加速してしまうだけのような気がします。それこそこんな風に付け込まれてしまうかも。
ここで描かれる怒りや恨みがあまりにカジュアルなのも恐ろしいところです。殺意を抱くハードルが低すぎて、こんなことで殺されたらたまったものじゃない、という心境になりました。事件の構図が予想外に二転三転するところはわくわくして一気読み。「タナトス」の狡猾さは恐ろしいのだけれど、このラストはあまりにも皮肉でした。 -
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舞台は1991年のスペイン・バルセロナ。
未完の大建築といわれるサグラダ・ファミリア贖罪聖堂を背景に、稀代の天才建築家アントニオ・ガウディが遺した真実をめぐる歴史ミステリーです。
物語のベースとなるのは、歴史的な建造物を巡る重厚な謎。独自のアイデンティティを守るために戦ってきたカタルーニャの歴史や文化を知っていればいるほど、作品に漂う切実さと深みがより一層際立ちます。
そんな荘厳なサグラダ・ファミリアの尖塔に、突如として見つかる冷たき遺体。遺体の友人であり、事件に関する大きな秘密を知る日本人石工を父に持つ佐々木志穂が、警察すらも信用できない極限の状況の中で、真実にたどり着くために「遺された物」を必死に追い求めていきます。
やはり下村作品の真骨頂というべきか、物語は二転三転し、読者を最後まで翻弄し続けます。歴史のロマンと予測不能なサスペンスが美しく融合した、まさに『ダ・ヴィンチ・コード』のような知的興奮が好きな人にはたまらない一冊です。 -
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※7つのネタバレはネタバレに含まなくてもいいですよね? 表紙にも出てるのでそこはご容赦いただきたい。
推理することは苦手で、推理小説を読んでも犯人やトリックを考えられないタイプの私。それでも、珍しくあるトリックは気づくことができた。なんなら、過去の章に気づくこともできて、共犯者まではわかったものの……主犯は見破れなかった!!
惜しいところまで行けたなー! なんてちょっとした達成感を味わうことができた作品。推理小説初心者にはうってつけなのかも?
さて、なぜトリックに気づくことができたのかと言えば、理由は単純。
冒頭に含まれた7つのネタバレのおかげである!!
7つのネタバレはすべて嘘はついていない。
ただし、どう捉えるかが大きなポイントである。
特大のヒントを与えられた状態から始まる推理小説。
ネタバレありの理由もロジカルに説明されていたので、個人的にはなかなか満足の作品だった。 -
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ネタバレトリッキーな推理小説。
面白い作風だなぁ。
今回は表紙と題名に吊られて思わず購入した作品なのだが、当たりで嬉しい。
最後のまとまりも美しく、著者の他作品も読みたくなった。
『ネタバレあり』を謳っている本書、「うーむ、こう書かれているが、極力ネタバレを見ずに読もう」とほぼほぼ先入観なしで読むという作者の意図に反する読み方をしてしまう。笑(推理もへったくれもない)
それでも(むしろ「だから」かもしれないが)、作中の展開にドキドキが止まらなかった。
特に水中の描写にはハラハラ。
また、ありきたりなロマンス要素がなかったのもいい。
ただ、露悪的に振舞ったあの人のセリフの数々だけは演技と後でわかっても顔を顰めてしまう…。
肝心の推理パートにおいても、訪問者の正体はある程度推測できたが、話の持っていき方が面白い!
少しチープな所も否めないが、ミステリーのお約束と言ってもいい動機にも納得。
自力で解けた謎もあったが、大部分は驚きの連続で、ミステリーってこの謎解きの快感が病みつきになるよね〜っ!と大満足。
一気読み出来たので、読み終わった時にはものすごい充実感があった。
個人的には新しい推理小説のあり方を見せてもらったようで大満足でした。
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ネタバレありつつ、島で殺人が起こる、お話(?)。
最初に7つのネタバレがされ、島でのルポ(?)的なお話が展開されていく。
未解決事件の作品として話が展開し、終盤は読者からの手紙を紹介しつつ、その作品の真相の答え合わせをする形。
(作品編と解答編とで紙の色が異なっている)
序盤からとある違和感を感じ、それが何かしら意味を持つのだろうと思ったら、やっぱりだった。
ただ、真犯人と真相は予想とは程遠いものだった。
入れ替わりについては考えていたのだけどなぁ。
ネタバレを念頭に起きつつ、引っかかるもんかと読み進めていたけども、ネタバレをを引っかけにも使っていてすごいなぁ、と思いました。
あと、謎のフルネームについてははミスリードだったのかなぁ?。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「許されたかったら許しなさい。他人に寛容を求めるならまず自分が寛容になりなさい。それはいつかきっとあなたのためになるから」
この一文がとてもよく刺さった。
様々な人々が行き交う高級老舗ホテルを舞台に、時を超えた出会いと、それぞれが抱える苦悩や葛藤が描かれていて面白かった。
SNSが蔓延る今の時代、心無い声に傷つきながらも、出会った人たちの言葉を通して「優しさ」や「正しさ」と向き合っていく登場人物たちに、いつの間にか見入ってしまった。
本当の優しさとは何なのか、人を許すことや寛容であることにはどんな意味があるのか。そんなことを考えさせられた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ずっと気になっていた本が待望の文庫化ということで、さっそく読み始めた。
本作最大の特徴は、なんといってもタイトルにある通り、全員が犯人であり、被害者であり、そして探偵であるという点である。
一見「そんなことあり得るのか」という破綻寸前、もといすでに瓦解の音が聞こえてしまいそうな設定だが、7人の登場人物たちは、「我こそは犯人」と主張するために次々と他者の主張の綻びを見抜く「探偵」となり、そしてまた他者が「犯人」に踊り出るたびに実は「被害者」の側面も見えてくる。
このようなひりついた空気の中で、最後の最後に明かされる事実は、ここまでなんとか食らいついて読んでいた読者を鮮やかに振り払ってくる。「君たちが見ていた世界は…」と。
正直なところ、普段からトリックを解明しながら読み進める読書をほぼしていない私にとって、次から次へと展開される、ある種の多重解決とでも言えるようなトリックの展開は、凡百の脳みそを置いてけぼりにしてしまう部分もあった。だがそれは、私の能力が足りていないだけであり、それでもこの作品を最後まで読み進めた時にどんでん返しを見事に食らう。