下村敦史のレビュー一覧
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下村敦史『失踪者』講談社文庫。
『生還者』に継ぐ、壮大なスケールで描かれる山岳ミステリー。細部まで巧く考えられたミステリーであり、10年という時間と地理的なスケールの大きさにも驚かされた。気が付けば、早く真相を知りたいと願いながらも、読み終えたくないと願うジレンマに苦しむ自分が居た。
2016年、山岳カメラマンの真山道弘は10年前にクレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を捜しにシウラ・グランデ峰を登る。真山はクレパスの底に変わり果てた姿の樋口の遺体を発見するが、有り得ないことに遺体は明らかに歳を取っていた……
下村敦史の作品には裏切られることがなく、安心して読める。 -
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下村敦史『叛徒』講談社文庫。
やはり下村敦史は巧みで、面白い。通訳捜査官という異色の警察官を主人公にした警察ミステリー小説である。ミステリーと同時に進行する家族の物語も非常に良い。
通訳捜査官の七崎隆一は同職の義父の不正を告発し、自殺に追い込んだことから、職場でも家庭でも居場所を失う。歌舞伎町で起きた殺人事件の捜査直後に、息子の部屋で血まみれの衣服を発見した七崎は目撃情報と併せ、息子が犯人である可能性に戦慄し、単身捜査を始める…
組織に属するが故の正義と組織の存続というジレンマ。そこに大切な家族が絡んだ時、如何に行動するのが、正しいのか…
“裏切り”の黒いミステリー -
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ネタバレネタバレされているのに騙される爽快感。
読む前は、解決してやろうじゃん!という気持ちで読んでいたけど推理なんてする余裕もありませんでした。
というかこのネタバレがトリックになっていたのが凄い。随分詳細に書いているなとは思っていたけどこういう違和感をスルーしてしまうのが毎度悔しい。
ここからはネタバレに対して私が推理(?)していたこと。
1、島での最初の犠牲者は名探偵
これは東堂院さんだと思うでしょう?!
もう雰囲気も名前も名探偵だけど作中で東堂院が「名探偵」とは言われなかったのは引っかかってました。
後は死体の顔が見えなかったのも怪しいなと思っていたけど、名探偵が東堂院さんだと思い込んでいた私 -
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大変興味深く読み進めていけた!自分の兄は本当は偽物なんじゃないか、、という疑いから真実を知る話。
社会問題の切り込みとしての「中国残留孤児」のテーマはこの夏読んでよかった。1945年以降、日本はどうしても夏と戦争は切り離せない。
後ろに出てくる参考文献の一覧から余程準備したのだろうと推察される。並々ならぬ下調べの痕跡がある小説は作者の血と汗を感じられて好き。
そしてミステリーでは全盲×薬の濫用で記憶が曖昧という、目が見えるのが当たり前だと思ってる読み手からすると超絶信用できない主人公というのもこのミステリーの面白さを際立たせてると思う。なお主人公だけでなく、登場人物も誰が真実を述べてるのか分 -
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ネタバレあぁ〜、なるほど!だからこのタイトルなのね。
ずっと死人が出て来ない、クローズドサークル物、というのだろうか。
とある会社の社長が首吊り自殺をした。
関係者が7人、廃墟に閉じ籠められるが「社長を殺した犯人だけが生き残ることができる」という、珍しい設定。
それぞれが「自分こそが犯人だ」と自白するのだが、お互いその自白の穴を指摘し合い、結局だれが犯人なのかがわからない...
という内容。
自白部分が何パターンもあって人数も多いし、ちょっとこんがらがってしまう。
関係者たちの自白がどこまでが真実かわからないのがちょっと残念。
特に心に残ったのは最後の部分のこのセリフ。
抜粋↓
「世の中 -
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閉ざされた館の設定を作るのが、時代が進むに連れて難しくなって来たような気がします。
閉ざされた島、怪しい洋館、雪の中の山荘、崖崩れで孤立した別荘の、クローズドサークル物は読んでて楽しいです。
自分も本作のような浪漫の詰まった館を建てたいなぁと思ってしまいました。
併せて、前半での建築士とのやりとりについて、ほぼほぼ建築業に携わる人も納得の会話です!
そして、最後の2ページ・・・
大作家、御津島磨朱李が建てた洋館に招待された、若手の小説家達、編集者、書評家そして探偵?
洋館の主人は集められた者達へ、ある予告をする!
スマホは取り上げ、外は吹雪等の制約のもと事件のような事が、薄らと起こって -
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ネタバレ予備知識なんも入れずに、一気読みしてもいい時間を確保して読むのがごほうび、そんなミステリ。
訳ありそうに散りばめられたネタバレの数々も「なんかしかけあるんやろ…」と脳をガバガバにして読みました。
とても楽しかったです。
某ワルな態度のひとが、「これはフリで本当は良い人だろうな」と思いながら読んでいました。
オープンウォーター持ってるので、地下洞窟でダイビングする描写怖かったです。閉所恐怖症には耐えられん!!
インチキ医療で金儲けする出版物が許せないのは「わかる~」という動機。頭悪い人だましてお金かせぐのではなく、面白い本出して儲けてほしい。
ミステリの可能性は無限大だな… と思いました