下村敦史のレビュー一覧
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成年後見人制度の恐ろしさが分かります。
弁護士や司法書士の先生方の小遣い稼ぎでは?と疑いたくなる様な制度です。
更に、裁判とは起訴されたらこんなにも有罪率が高いのかというのにも驚きました。
主人公の一人である大神検事は度重なる逆転無罪を一人の裁判からくらい打ちひしがれていた・・・
ヤクザの組長殺しの疑いで一審で有罪判決を受けていた看護師の高裁での裁判でまたしても、無罪病判事が無罪判決を宣言した直後裁判官が倒れた?
物語にはもう一人の主人公、幸彦は医大に合格し、友人達から祝杯を受けている時にある事実が知らされる・・・
二つの物語は交錯していく!!!
作者の小出し小出しにする技術 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3日前に読み終えた著者の山岳ミステリー「生還者」からの続け読みとなりましたが、しっかりと完成度が上がってますねぇ〜(^^)
同じ山岳ミステリーですが、登場人物も含めて全く別の作品で決して前作の続編ではありません。
主人公は真山道弘、助演が真山の親友である樋口。
10年前の転落事故でクレバスに置き去りにした樋口を真山が迎えに行くシーンから物語は始まります。
クレバスの底で発見した樋口の遺体は10年前より歳を重ねていた。
これが本作最大のミステリー。
その謎を解き明かす為、真山は樋口の過去を追うことを決意する。
そして、2人が山岳部に所属していた過去へと物語は遡り、過去と現在を行き来 -
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医療ミステリとしてツイッターでおススメいただいたので読んでみた初めての作家さん。
短編かと思いきや、<最後の話でそれまでのすべてがつながる系>だった。
勘のいい方はもっと早く気づくのだろうけれど、私は最後の話で、「え?」「ええ~っ!」となりました。
こう説明すると、「あ、どんでん返し系ね」との認識で終わってしまうかもしれないけれど、本書のテーマは「命」です。
テーマが命とは、これまたありがちじゃんと思われる向きもあるかもしれませんが、けっこうガチで「命に順列はあるのか」と突き付けてきます。
それも人間だけでなく動物をも含め、そしてこれをさらに突き詰めていくと、植物ももちろんのこと、この世の生 -
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警視庁の通訳捜査官の七崎 隆一。
過去に、同じ職にあった義理の父の不正を告発し、そのせいで、義父は自殺。
そこから、家庭も職場も、針の筵となった。
歌舞伎町で起こった中国人の刺殺事件。
その直後、息子の部屋で隠していた血だらけのジャンパーを発見する。
もしかして、息子は、事件と関係しているのか?
息子を守るため、独自に捜査を始める。
職場で、わざと通訳内容(中国語)を変えたり、捜査方針を変えたり。
気が付けば、やっていることは、義理の父と同じことでは?
最後にどんでん返しがありますが、更に、もう一枚のどんでん返しも...凄いですね。
正義の在り方を問うミステリーです。
必読の一冊ですね -
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幼い頃、両親による一家無理心中に巻き込まれ、ひとり生き残ってしまった女性。彼女は最愛の両親に殺されかけた記憶を抱え、他人への信頼や愛情を疑いながら生き続けた。
そんな主人公が偶然出会ったのは、無理心中で娘を殺害したが、自らは生き残り、懲役刑を終えた女性。主人公は自分の過去を隠し、彼女に接近する。
家族に殺害された女性と家族を殺害した女性。2人の心情の変化を軸に展開されるストーリー。途中、主人公家族の死の原因を作った男が登場。ここから、一気にストーリーは盛り上がり、意外な方向へ。
家族殺人に関わる登場人物たちの揺れ動く心情をしっかり描写しつつ、ミステリー性も両立している見事な作品。さらに、 -
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文庫帯に書かれている各感想が、決して誇張ではないと実感できる傑作。
圧巻なのは、終盤での墓場のシーン。
まさに、オセロで黒が白に次々と反転するかのよう。
さらに、主人公たちに希望を持たせる爽やかなエピローグ。
著者の巧まざる技と仕掛け(ある個所で、主人公と同様気づかなかった)に、やられた!との充足した気持ちに満たされた読後感。
一家心中の果てに生き残り、両親を加害者と思い、被害者意識を持ち続け苦しむ娘幸子。
子どもを巻き込む無理心中を図り生き残ってしまった母親の雪絵。
被害者と加害者ともいうべき二人が出会うことによって、事態が動き出す。
そして、雪絵の生き残った娘美香、両親を心中に追いやった加