下村敦史のレビュー一覧

  • 黙過

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    『黙過』〜知っていながら黙って見逃すこと。

    下村 敦史さんのメディカル・ミステリー。
    最初に四つの独立した短編があり、それぞれ登場人物も背景も流れも異なり、一応、謎の解決を見る。

    しかし、最後、五つめの短編て、前四つの話が巧妙に絡み合い、最後、驚きの真実が明らかになる。

    ・優先順位
    ・詐病
    ・命の天秤
    ・不正疑惑
    ・究極の選択

    人と人、命の重さとは?
    人間の命と動物の命の重さは?
    いろいろ難問が出てきますね。
    どんでん返しは、さすがです。

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    2022年09月23日
  • 絶声

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    めっちゃ壮大な絵本読ませられてるような感覚

    特に大きな場面切り替えなし
    登場人物少なめ

    やっぱり最後は
    ええええ⁈
    となった作品

    必ず2回読みたくなる!

    とかよく聞く広告ことば

    いや、私はホントに2回読んだよ(笑)
    なぜなら…
    読み方が…

    あー!!もう何言ってもネタバレになる!

    また忘れた頃に
    絶対に読もう〜

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    2022年07月23日
  • 生還者

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    登山に興味ないし、出だしから、彼がとか、男はとかって、って一体誰?って思うと、なかなか読み進められず一年放置してて、再度それを我慢して読み始めると、次々と謎が深まり気がつけば一気に完読。とても楽しい読書の旅でした。

    印象に残った一文-------
    「生きるためには誰もが様々な選択をしている。赦されるもの、赦されないもの。外から判断して責めるのは簡単だろう。だが、果たしてそれは正義だろうか。」

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    2022年05月03日
  • 真実の檻

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    初めての下村敦史さん。
    私には読みやすい文章でさくさく読めた。
    一記者が一学生と一緒に仕事とは言えない状況でこんなに動ける?仕事抜きでそんなに付き合ってくれる弁護士さんとかいる?みたいな少々引っかかる所はあったけど…。
    ラストの衝撃で細かい事はどうでも良くなった。
    いくつかの事件を調べ直す、遠回りのストーリーのようだったけど、後半であぁそういうことなのね〜繋がったスッキリ感の方が優った。

    また下村敦史さん。読んでみたい。

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    2022年04月09日
  • 真実の檻

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    ネタバレ

    冤罪に関する特番の中で冤罪被害者家族の家の本棚にあったのが映っていて気になって購入した作品
    その直感を信じてよかったと思うくらいには面白くて引き込まれた作品

    父親の事件の前にもいくつかの事件を調べていくんだけど #警察 の操作手法への疑問や闇が描かれたりしている

    勿論この話は #フィクション でありそんな事実はないけれど、実際には色んな冤罪や不祥事等が発生している事から似たような事はあるのではとつい思ってしまう

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    2022年03月13日
  • 黙過

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    医療ミステリとしてツイッターでおススメいただいたので読んでみた初めての作家さん。
    短編かと思いきや、<最後の話でそれまでのすべてがつながる系>だった。
    勘のいい方はもっと早く気づくのだろうけれど、私は最後の話で、「え?」「ええ~っ!」となりました。

    こう説明すると、「あ、どんでん返し系ね」との認識で終わってしまうかもしれないけれど、本書のテーマは「命」です。
    テーマが命とは、これまたありがちじゃんと思われる向きもあるかもしれませんが、けっこうガチで「命に順列はあるのか」と突き付けてきます。
    それも人間だけでなく動物をも含め、そしてこれをさらに突き詰めていくと、植物ももちろんのこと、この世の生

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    2022年03月08日
  • 叛徒

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    警視庁の通訳捜査官の七崎 隆一。
    過去に、同じ職にあった義理の父の不正を告発し、そのせいで、義父は自殺。
    そこから、家庭も職場も、針の筵となった。

    歌舞伎町で起こった中国人の刺殺事件。
    その直後、息子の部屋で隠していた血だらけのジャンパーを発見する。
    もしかして、息子は、事件と関係しているのか?

    息子を守るため、独自に捜査を始める。
    職場で、わざと通訳内容(中国語)を変えたり、捜査方針を変えたり。
    気が付けば、やっていることは、義理の父と同じことでは?

    最後にどんでん返しがありますが、更に、もう一枚のどんでん返しも...凄いですね。

    正義の在り方を問うミステリーです。
    必読の一冊ですね

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    2022年01月08日
  • 生還者

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    登山知識が乏しく、「カラビナ」という専門用語しか分からなかった為、ザイル、ビバーク、アイスアックスとか一つ一つ用具の写真や意味を検索しながら読んだので、時間が掛かりました。どういう展開になるのかドキドキし、一気読みしてしまいました。

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    2022年01月02日
  • 悲願花

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    幼い頃、両親による一家無理心中に巻き込まれ、ひとり生き残ってしまった女性。彼女は最愛の両親に殺されかけた記憶を抱え、他人への信頼や愛情を疑いながら生き続けた。

    そんな主人公が偶然出会ったのは、無理心中で娘を殺害したが、自らは生き残り、懲役刑を終えた女性。主人公は自分の過去を隠し、彼女に接近する。

    家族に殺害された女性と家族を殺害した女性。2人の心情の変化を軸に展開されるストーリー。途中、主人公家族の死の原因を作った男が登場。ここから、一気にストーリーは盛り上がり、意外な方向へ。

    家族殺人に関わる登場人物たちの揺れ動く心情をしっかり描写しつつ、ミステリー性も両立している見事な作品。さらに、

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    2021年09月24日
  • 刑事の慟哭

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    先が気になって一気読みした。
    冒頭のシーン、裁判員制度、2件の殺人事件。
    全てが繋がった瞬間の高揚感は凄まじいのに、ストーリー自体はやるせない。
    誰もが自分の居場所を探していて、それは主人公の田丸も同じで。
    ホント歯痒くて、お願いだからもうちょっと器用に立ち回ってくれと何度思ったことか。

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    2021年09月19日
  • 真実の檻

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    2015年 大学生の石黒洋平が 母の残した写真から【実の父親が1994年、 現職の検察官がおこした殺人事件の犯人】
    であると知ってしまう
    しかし調べるうちに冤罪の可能性も?…

    雑誌記者や 当時敵対していた弁護士達と一緒に
    過去の冤罪事件などの関係者達との出会い

    何が正義か
    正義とは【病】なのか?
    人はどのように墜ちて行くのか?

    事件の真相は!?

    この作品は なかなか面白かったです(゜ロ゜;ノ)ノ
    最後の結末に かなり驚かされましたΣ(゜Д゜)

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    2021年08月15日
  • 悲願花

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    文庫帯に書かれている各感想が、決して誇張ではないと実感できる傑作。
    圧巻なのは、終盤での墓場のシーン。
    まさに、オセロで黒が白に次々と反転するかのよう。
    さらに、主人公たちに希望を持たせる爽やかなエピローグ。
    著者の巧まざる技と仕掛け(ある個所で、主人公と同様気づかなかった)に、やられた!との充足した気持ちに満たされた読後感。
    一家心中の果てに生き残り、両親を加害者と思い、被害者意識を持ち続け苦しむ娘幸子。
    子どもを巻き込む無理心中を図り生き残ってしまった母親の雪絵。
    被害者と加害者ともいうべき二人が出会うことによって、事態が動き出す。
    そして、雪絵の生き残った娘美香、両親を心中に追いやった加

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    2021年07月06日
  • 生還者

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    2転3転する展開に夢中になる。

    普段は1冊読むのに数日にかけて読むのですが思わず一気読み。

    文句なしの星5個評価です!

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    2021年04月29日
  • 生還者

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    とても面白かった。
    ミステリーとしてとてもうまく仕上がっていて読み応え抜群でした。山の怖さ、登山者の心理をうまく描写していて緊張感のある中で一気読みすることができました。多くの伏線が、きれいに回収されていて読後感もとてもよかったです。おすすめですね。

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    2021年03月20日
  • 悲願花

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    腰壁のような帯には思わず読んでみたくなるようなコメントが散りばめられている。
    読んでみたらまさにそのとおり!

    主人公の幸子は一家心中の生き残り・・・
    人と付き合うにも必ず自分の過去のネガティブな部分が邪魔をする。
    自分の過去との訣別のため家族が眠る墓へと向かう。
    そこには、過去に一家心中を図り生き残ってしまったシングルマザーだった雪絵がいた・・・
    幸子は雪絵に自分の母を重ねてしまう・・・

    加害者と被害者の物語

    そして、本作には聖人と言って良い程の登場人物が降臨します。そんな人になりたいとも思いました。

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    2021年03月13日
  • 悲願花

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    下村敦史『悲願花』小学館文庫。

    一家心中で生き残った被害者と加害者の双方の苦しみをテーマにしたミステリー小説。

    後半の全ての予想を覆す展開には驚いた。そして、後を引くような結末。重いテーマなのに取りこぼしも無く見事に昇華させた著者の手腕には感服した。

    夫婦のいさかいが絶えず、裕福でない家庭に育つ山上幸子に訪れた一時の夢のような時間。ある日、幸子の一家は遊園地でこれまで経験したことの無い贅沢な時間を過ごすが、両親は家に火をつけ、一家心中を図る。両親と兄妹を失い、たった独り生き残った幸子。

    孤児院で育ち、工場の事務員として働き始めた幸子は忌まわしき過去と訣別しようと両親の墓を訪れると、そこ

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    2021年03月10日
  • 生還者

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    ネタバレ

    序盤からあるいくつかの謎がなかなか明らかにならず、それどころか食い違う証言や新たな疑問がどんどん出てきて、とてもやきもきさせられます。

    それで嫌な気分になるわけではなく、むしろ読むモチベーションがどんどん上り、最後まで駆け抜けるように読み切ってしまいました。

    あとがきに「ルービックキューブのようにおもしろい」とありましたが、それに完全同意ですね。なかなか色が揃わないけれど、終盤はたたみかけるように色が揃っていく様が、クライマックス以降あれよあれよという間に真相が解明されていく展開に似ていると思います。

    白馬岳での美月たち女性陣の行動には、ほんとにそんなことを美月がしたのかなぁと少しスッキ

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    2021年03月10日
  • 生還者

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    なんと素晴らしい冒険小説!冬山の魅力、圧倒的な大自然の力、人間の根源的な弱さ、本音、良心との呵責、いろんなものが赤裸々に描写されて人間らしさとは、をまざまざと見せつけられる作品です!ほんとに圧巻!

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    2020年12月26日
  • サハラの薔薇

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    スケールが大きい読み応えがある冒険小説!まさに徹夜で読んでしまった一冊!砂漠、活劇、のみならず核、環境といった現代の社会問題をも絶妙に絡み合わせて重厚だが疾走感がある描写に脱帽です

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    2020年12月19日
  • 失踪者

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    ネタバレ

    辛い
    読み終わっても涙が止まらない

    なぜ会社を辞めてくれなかったんだ
    なぜ一緒にK2をのぼらないんだ

    樋口さんの方に感情移入してしまい、読むのがつらかった

    もしあそこで真山が会社を辞めていたら?そのルートも読みたいなぁと思った。

    最期は自分の意思でクレバスの中で息絶えたと思うと…
    シウラグランデをおとして、K2に登る二人を読みたかった

    山はいい
    体力なくて登れないから山岳小説は大変ありがたい

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    2020年09月19日