下村敦史のレビュー一覧

  • 悲願花
    『あなたの罪は、生き延びてしまった事です』
    一家心中の被害者と加害者、2人の女性が出会う時、いったい何が起きるのか。

    作者の下村さんは、よくこの様なシチュエーションが生み出せますね、凄いです。

    様々な思惑や過去の経緯など、見えていた景色が、ラストで一変します。
    まさに、オセロで盤面が黒から白に一...続きを読む
  • コープス・ハント
    「1件は俺の犯行じゃない。"思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しのはじまりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。
    一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」...続きを読む
  • 生還者
    『生還者』
    緊張感     ★★★★★
    ラストシーン  ★★★★★★
    意外性     ★★★★★
    ――――――――
    (小説より)
    「山では自分の命を預け、相手に命を預けられる。絶対的な信頼がなきゃ、相棒はつくれない。人と信頼を繋げないなら、いつか死ぬ。」
    ――――――――
    舞台は「山」です。しかも冬...続きを読む
  • 同姓同名
    ヒリヒリつらい系かと思いきや(あらすじ読め)段々とミステリー色強くなってきて、ハラハラしながら読み進めました。
    ついフライング読みしがちでw途中で最後辺りを読んでみましたが、カンニングするつもりが逆に謎が深まってしまいましたw
    なんせ登場人物がほぼ全員同じ名前なので。
    どの人がどの人なのか?この人は...続きを読む
  • 逆転正義
    描かれるのはさまざまな形の「正義」。だけれどそれは本当に正しいのか。固定観念と先入観がラストでぐるっと反転してしまうミステリ短編集です。
    「正義」を掲げると正当性が生まれ、強くなれるような気がするけれど。誰にとっても正しい絶対的な正義なんてなかなかないことだし、むしろそれが害悪になることさえも。独り...続きを読む
  • ヴィクトリアン・ホテル
    ?!??!!!??!!!!という感じ。すごかった。初めて紙に書いて整理してしまった。
    あのパターンねと思ったけど、だとするとここはどうなの?え?ここも?こんなに?みたいな。何度読み返したことか。

    善意のつもりでやったことでも批判はくる。批判する側も悪意があるわけではない。「こうしたらこういう批判が...続きを読む
  • 闇に香る嘘
    盲目の男性、孫の腎臓移植に向けて兄に相談したら協力できないと言われる、そこから全ての疑惑が始まる、、、この人、本当に私の兄なのか?
    もうあらすじだけで気持ち掴まれてしまいました。
    話しは中国残留日本人孤児をベースに進んで行き、最後は優しい気持ちで終わる話しでした。
    戦争と言えば原爆の話しや日本に居な...続きを読む
  • 黙過
    下村さんの作品は今のところハズレなし。
    本作は特に優れたミステリーでした。
    「優先順位」「詐病」「命の天秤」「不正疑惑」「究極の選択」からなる医療ミステリーの短編集。
    それぞれ異なる話のはずが「究極の選択」で全てが繋がり、各編で解決したはずの謎がひっくり返されます。見事な構成で不自然さや違和感もあり...続きを読む
  • 闇に香る嘘
     謎が短いペースでやってくるので、続きが気になって、どんどん読み進めました!
     目が見えないハラハラ感がたまらなかった!
     最初は残留孤児がテーマなのかと思うと難しそうで抵抗感が生まれそうだったけど、すごく読みやすいし、実際はどうだったのか、さらに調べてみたくなりました。

    目が見えない人は白杖を持...続きを読む
  • 生還者
    面白かった。

    全然知らない世界だから、ちっちゃいことに気にせず(つい重箱の隅をつついてしまう)
    一気にすすめて良かった。

    最後、自分が思う嫌な展開だったら
    読んだことを後悔するだろうと思ったけど
    主人公はちゃんと大切なことを気づいてくれて良かった。
  • 生還者
    本作はBOOKOFFで購入!

    以前から読みたいなぁと思っていたところ目についたので手に取りました♪


    さて、私にとっての山登りは小説の中だけでの話で実際に登山をしてみた事はありません。
    →湊かなえさんの小説を読んで登りたいと思ったことはあります。
    本作の主人公達は山に登る理由があり、困難に挑もう...続きを読む
  • ガウディの遺言
    サグラダ・ファミリアに関するミステリーだけど
    面白い
    スペインの歴史 文化の香り
    ガウディの想像力
    その意志を継いで聖堂にハンマーを振るう石大工
    建設中の聖堂の中で起きた殺人事件に
    巻き込まれた日本人親子
    何となく関係の中に違和感があった親子だが
    イタリア旅行中に殺された母親のことも絡んで
    解決する...続きを読む
  • 法の雨
    成年後見人制度の恐ろしさが分かります。
    弁護士や司法書士の先生方の小遣い稼ぎでは?と疑いたくなる様な制度です。

    更に、裁判とは起訴されたらこんなにも有罪率が高いのかというのにも驚きました。


    主人公の一人である大神検事は度重なる逆転無罪を一人の裁判からくらい打ちひしがれていた・・・

    ヤクザの組...続きを読む
  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します
    『全ては樹木が語ってくれました。』
    柊さんの決め台詞が出ると、スカッとします。

    樹木にまつわるトラブルを請け負う『緑の窓口』。
    まるで新幹線の窓口の様ですが、ここは区役所の一部署。
    異動初日に、区役所職員の天野くんは、人より植物を愛する不思議な樹木医・柊 紅葉さんと出会う。

    様々な揉め事に巻き込...続きを読む
  • ヴィクトリアン・ホテル
    見事に騙された、騙されて良かったと思える本。
    時々こういう出会いがあるから、読書ってイイなぁと思う。

    ノスタルジックでロマンチック!面白い、というか、流れる空気感が好き。
    優しさについて、ジェネレーションギャップのアップデートについて等…色々考えさせられた。
    確かに、一気読みした後に二度読みしたく...続きを読む
  • 闇に香る嘘
    優しい嘘が至る所に。泣くよこれは(涙)
    戦争等の辛い話は苦手なので、読めるかどうか不安だったけど、引き込まれたー。止まらない。素晴らしい。
    本だからこそ味わえるミステリー。
  • コープス・ハント
    最初、ミステリーにありそうなベタな犯罪から始まったので、読むのを止めようかと思いつつも、読み進めると、スタンドバイミーっぽくなってきて、何だかワクワクしてきた。
    でも、思いもよらぬ展開になり、犯人は彼だったのか〜と、ミステリー小説を堪能できた。

    しかし、内容的には、とても重く、
    毒親、ひきこもり、...続きを読む
  • ガウディの遺言
    「情熱の砂を踏む女」に続く下村スペイン作品第2弾。サグラダファミリアやアントニオ・ガウディを題材にしながら、バルセロナ・カタルーニャの迫害の歴史も学べる、超お得な歴史ミステリー。すごく準備されて上梓されたことがわかる歴史部分もミステリー部分も中身の非常に濃い内容で、超絶面白かった。何か賞を取らせてあ...続きを読む
  • ガウディの遺言
    ガウディの遺したものに関する事件で、ミステリーとしてとても面白かったし、何よりスペインの歴史やガウディについて非常にわかりやすく書かれている。スペインでは、一般的にスペイン語とされるカスティーリャ語とカタルーニャ語があることも私は知らなかったが、カタルーニャ人のアイデンティティについても知ることがで...続きを読む
  • 闇に香る嘘
    最初に思っていた結末と全然違う結末だった。
    点字の謎も面白かったが、全体的なストーリーを通しての謎解きのような感覚が面白かった。
    2人の兄を疑い、真実を知り、家族としていい結末になるようにする、この筋書きがとてもスルッと入ってきた。
    結果全てが上手くまとまるストーリーでした。