下村敦史のレビュー一覧
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ネタバレ面白かった。
山岳カメラマンの主人公と、その相棒だった天才クライマー樋口を中心とした話。友情とロマン。最後は少し泣けた。ここまで信頼できる相棒を持てるって、なんだか羨ましくなる。
終盤にいくまで過去と現在が入れ替わり立ち替わりで時系列がよく分からず、今どんな状況だったっけ?と少し混乱したけど、読み進めてく内にだんだん馴染んできて終盤はすらすら読めた。メインのネタが少し複雑なのもある。
あと主人公お前、なんでそこで会社をとるんだ。何年も苦楽を共にした樋口をなんでそんな簡単に捨てるんだよ。樋口が可哀想すぎた。が、最終的には相棒には全部理解できたようで良かった(良かったのか??悲しすぎるな -
Posted by ブクログ
すごく混乱する話だった。登場人物のほとんどが大山正紀で、今どの大山正紀が喋ってるの、今どの大山正紀について語られてるの、と立ち止まってしまった。本筋自体はシリアスだし深刻な問題の筈なのに、大山正紀が多すぎてところどころ忍び笑いが漏れてしまう。
今まで自分の中では深く考えたことがなかった同姓同名問題が、思考実験のように様々な観点で検証されているようでとても興味深かった。同姓同名故の展開も真犯人の正体も捻りが効いていて面白い。
一方でSNSって地獄だなと思った。特に負の側面が強調されて描き出されているせいもあって重い溜め息をついてしまう。とは言え決して極端な話でもなく確かに既視感があるので始末が悪い。発言の前には沈黙は金、言わぬが品性、あたりを思い起こしたい。 -
Posted by ブクログ
登場人物、全員大山正紀(おおやままさのり)という狂気の一冊。めっちゃ面白いし、キャラクターの書き分けが上手いから意外と頭がこんがらがることなく読めた。ただ、間で休憩するの一回くらいにしないと、リセットしたらめっちゃややこしくなりそう(笑)
最初にがっつり登場する大山正紀は、プロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟く日を夢見て練習に明け暮れる日々。活躍を機に有名大学へのサッカー推薦が決まるが、そんな矢先、日本中を震撼させる女児惨殺事件が起きる。犯人はすぐに捕まったのだが、その名前が大山正紀だった。それが原因としか思えないタイミングでサッカー推薦が消えてしまう。
それから7年後。プロサッカー選手になれなかった大山正紀は、殺人事件の犯人が少年であり、刑期を終えて出てくることを知る。さらにネットには「大山正紀同姓同名被害者の会」が立ち上がっていた。参加してみると十数人の、殺人犯と同じ名前ということが理由で人生がうまくいかなかった大山正紀たちが集まっていた。彼らは協力して自分が殺人犯ではないことを証明するために、犯人の住所を特定し、顔を公開することを思いつく。
展開がめちゃくちゃ面白くて、ページを捲る手が止まらず、最後どうなるのか楽しみに読み切った。
あらすじでは伝わらないけれど、めちゃくちゃ社会性のある小説だった。殺人犯と同姓同名という事実と、SNSの暴力性をこれでもかと突きつけられた気がする。自分が何もしていないことを証明すること、そんな方法を考えている間にも大山正紀を非難する投稿は増え続ける。
ネットの普及で情報が溢れ、簡単に検索される時代、自分の名前を検索したら殺人犯が表示されてしまうやるせなさ、本当に日本のどこかで起きている話だと思う。 -
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ネタバレ『同姓同名』が中国でベストセラー、TikTokで話題、中学生ビブリオバトルでチャンプ本に!
どんでん返しの名手によるエンタメミステリ短編集。
どんでん返された数が多ければ多いほど、あなたの頭は凝り固まってる!
常識とか普通とか思い込みとか。まっさらにして読んでみてください。
SNSにも正義警察が蔓延る現代日本。
「あなたはそんなに正しいの?」あなたの知らない自分に出会える目から鱗だらけのミステリ集。
「見て見ぬふり」 教室のいじめ。みんな見て見ぬふりをするけれど
「保護」 コンビニの前で制服姿の彼女に出会った僕は
「完黙」 素人相手にクスリは売らない闇社会の男は
「ストーカー」 トイレで彼を殺した女の家に彼氏が現れて
「罪の相続」 俺の息子は殺される理由もなく殺された
「死は朝、はばたく」 刑務所から出てきた男に絡む少年たちは
どんでん返しの名手といわれるだけあって、本当に面白かったです。短編集なのであいた時間にもさくっと読める。それぞれ独立していて、6つの話はつながっていません。一番だまされたのが「保護」、特に考えさせられたのは「死は朝、はばたく」でした。
正義中毒という言葉があるけれど、完全な正義というのはないんだなと思わされますね。倫理というものについて読者に問いかけてくる。こういう作品を多くの人が読むことって実はすごく価値があると思いますね。 -
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後天的な障害を抱える人々がリハビリなどを行う施設NPO『天使の箱庭』の施設長、荒瀬が殺された。殺人の容疑者は全盲の入所者・美波優月。だが美波は、深夜に荒瀬に呼び出されて襲われたが殺してはいない、と主張。弁護依頼を受けた刑事弁護人の竜ヶ崎恭介は絶対不利な状況のなか、真相解明に乗り出すが…。
『同姓同名』などで話題になった下村敦史さん。ようやく初読み。
数週間前、テレビで自宅を公開していたけど、なかなかクセのある邸宅で、ユーモアあふれる方だった。
読み始めてすぐに犯人の目星がついてしまうのはちょっと残念。だけど、そこに行きつくまでのストーリーを楽しむことができた。
法廷でのやり取りは実際に見学した人でしか味わえない臨場感があり、「こうやって裁判って進んでいくのか」と感心。
最後の種明かしも、こういう作品に慣れてしまっている人には単純なことかもしれないけど、何にも考えずに読み進めるタイプの私としては、驚き、なるほどの連続だった。
たくさんの参考文献が載っていて下村さんはちょっとでも気になることがあったら、調べる方なんだと好感が持てた。
初下村作品で星4.5かな。四捨五入で5にします。 -
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安楽死をテーマにした下村さんの作品。
ホスピスで起きた三件の不審死。そして、安楽死措置を行ったとして、神崎医師が逮捕され裁判にかけられる。
神崎医師は、裁判で黙秘を貫く。
なぜ、患者思いの優しい彼は、安楽死措置を行ったのか?
そして、なぜ、黙秘を貫くのか?
そこには、深い苦悩があった。
それぞれの立場から綴られる物語。
・望まれない命
・選択する命
・看取られる命
・奪われた命
・償う命
・背負う命
命のあり方や、人の生き方など、すぐに答えは出ませんが、どれも深いテーマの内容です。
特に、第四話の『奪われた命』は、涙なしでは読めません。