下村敦史のレビュー一覧

  • 黙過

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    去年秋頃アメリカで豚の腎臓を人に移植成功!というニュースがありましたね〜
    それを思い出しました。
    各短編に強引なこじつけにも感じる言動が多々見られ読みながら少し冷めてしまう事もしばしば…。
    が、一つの定義に対しそれぞれの立場からそれぞれの正解が違う。
    見る側面を変えればどちらが正しいのか…答えが出ない、そんな問題定義に頭は右往左往、心はそれぞれの心情に寄り添ってしまう。
    人の生き死にを誰がどのように決めるべきなのか…

    医学の進歩はゆっくりと、でも着実に前に進んでいるんですね。

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    2022年06月27日
  • コープス・ハント

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    ネタバレ

    死刑判決を受けた連続猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の1件の犯行否定と遺体捜しの告白を受けて、真相解明に動き出す女刑事の折笠。
    一方で三人の少年YouTuberの「遺体捜し」も進んでいく。
    この2つの話、それぞれ謎を絡めてハラハラ緊張感を保って読ませるなぁ。それが見事に交わった時、一気に緊張から興奮へと変わりサスペンス・ミステリの持ち味をたっぷり味わえる。
    異常な人間性は生まれつきなのか後天的なものなのか。答えの出ない重いテーマの中に、過去の自らの罪に向き合う宗太とにしやんという一筋の光を残してくれて救われた。

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    2022年05月25日
  • 黙過

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    表紙がさー笑笑あなたは5回騙されるって書かれると。
    騙されてなるものか!って気持ちで読んじゃうよね。笑笑
    いや、騙されるんだけど、そっち!?え!?そっち!え!!!ラストはそっち!!!!みたいな。

    短編のような長編になってて、じわりじわりと真相が顔出します。

    しかも。終わったかのように見えた最初の事件が、、、、とか、それ真相と思われてホントは違うの!?待って!!!!!、
    ってなるのよねぇ。

    面白かったんだけど、この後付け表紙がなければもっとびっくりしたような気がしたのはわたしだけ?

    なんか一回目の返しあたりで、あと四回騙すんでしょ?わたしを。って思いながら読んでしまったもの、笑笑

    この

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    2022年05月22日
  • サハラの薔薇

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    ネタバレ

    乗っていた飛行機がサハラ砂漠に墜落。砂漠からのサバイバル中に殺人がおこる。さらにゲリラに襲われるアクションシーンが続く。味方は誰?どうして襲われるのか? 放射性廃棄物絡みの話だったとはねー。

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    2022年05月14日
  • 黙過

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    移植医療を考えさせられます。
    移植するにはドナーが必要であり、いない場合にはどうすれば助けられるのか?
    他に倫理観を考えさせられる話が最後の結末に纏まり、最後まで面白く読めました。

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    2022年04月19日
  • 叛徒

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    己の正義を曲げてでも、犯さなければいけない罪なんてあるだろうか。
    立場によって、正しさも異なる。
    分かっていても胸が苦しい。
    息子の疑惑を晴らすため、通訳捜査官という立場を利用して秘密裏に捜査する七崎。
    彼の言動が危なっかしすぎて、終始ハラハラさせられた。
    まあそれが面白いのだけど。

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    2022年04月03日
  • 真実の檻

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    ‪大学生の洋平は‬、 ‪実の父親が殺人を犯し、死刑囚として拘置所に収容されていることを知る‬。 ‪しかしその事件には冤罪の可能性があり‬、 ‪僅かな希望にかけて洋平は調査を始めるが…‬。 ‪司法の実態、闇を覗いてしまったようで‬、 ‪全て事実だとしたら恐ろしい…‬。 ‪正義のあり方について考えさせられます。

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    2022年03月10日
  • 絶声

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    202110/帯の煽り(どんでん返しノンストップミステリー、数学の名問、等々)の割には、どんでん返し感はなく真相も読めてしまいやすく若干期待外れではあった。タイトル「絶声」というのもピンとこない。登場人物達(特に長女長男)のキャラも強引過ぎて、コマを進める役感が強く見えるのは惜しい。下衆キャラの相葉が一番生き生きと描かれてなんならちょっと憎めなさも感じてしまうのは面白かった。下村敦史なので期待値が高くなってしまい、結果今回はがっかり感となってしまったけど、遺産ネタにブログ更新を絡めるという面白さとか、やはり今勢いのある作家の一人ではある。

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    2021年11月24日
  • 絶声

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    突如失踪したら大金持ちの老人。老人の息子や娘が失踪宣告を出し、遺産を分け合おうとするが、少しでも自分に有利なように画策するというお話。
    金持ちほど金に汚いというのと、金持ちになると金の力でいろんな人が寄ってくるが、結局のところ孤独なんだなあ、という感想を持った。

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    2021年11月14日
  • 真実の檻

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    もしもあなたの父親が死刑囚だったらあなたはどう思いますか?
    この作品のテーマは「冤罪」です。とても重いテーマです。現実でも社会問題になっています。主人公の父親がまさかの死刑囚?もしも自分がその境遇にいたら、ゾッとしますね。この作品には、様々な法律の裏の部分が描かれています。怒涛のクライマックス是非ご覧ください。

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    2021年10月28日
  • 絶声

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    下村敦史『絶声』集英社文庫。

    毎回、違うパターンのミステリーで楽しませてくれる下村敦史。今回は7年半前に失踪した父親の巨額の遺産を巡るミステリーだ。

    非常に読み易くはあるが、ミステリーとしては今一つ物足りない。下村敦史の作品としては珍しくハズレの部類。

    父親の失踪から7年半。父親の死亡が確定するまで残り1時間半を待ち望む欲の皮が突っ張った3人の子供たち。しかし、失踪した父親のブログが更新され、巨額の遺産相続は保留とされる。

    本体価格680円
    ★★★

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    2021年10月26日
  • 黙過

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    4つの短編が最終話で、パズルのごとく組み合わされる連作医療ミステリ。構成がしっかりと練られていて、ミステリとしての完成度はもちろんのこと、生命倫理に深く切り込むテーマ性、そして専門的な知識を話に落とし込む技術も、素晴らしい一作です。

    個人的には第3話の「命の天秤」で養豚場を舞台にしたミステリが特に新鮮でした。特殊な舞台設定名ながら、説明や描写が分かりやすくスッと入ってくるのが本当にすごいと思います。

    各短編でそれぞれに微妙な違和感が残ります。どこか無理やり説明をつけた感じであったり、動機に必然性を感じにくいところがありました。そこだけ切り取ると、何とも言い難い評価になってしまうのですが、そ

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    2021年10月03日
  • 刑事の慟哭

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    202107/主人公の厄介者扱い描写がちょっとくどく感じたり、都合良い展開や説得力不足のまま進んだり、と惜しい面もあるけど、やはり今作も一気に読ませる見事な筆力。今後も楽しみに読ませてもらう作家さんの一人。

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    2021年09月14日
  • 悲願花

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    生き残りかぁ、周りには喜ばしいこととして扱われるのだろうが、本人的にはそれはそれで苦しい出来事なんだろう。
    逆の立場の人間と出会ってしまったら、どういう心境だったのか確かめたくなるというものだろうな。うん。
    それで納得できるのか。

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    2021年08月27日
  • 悲願花

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    一家心中の生き残りである幸子。同じ境遇のある親子と出会った事によって、幸子の歪んだ被害者意識は思わぬ方向に。いつでも被害者は加害者にもなりうるわけで。最後に幸子が怨んでいた郷田との墓地でのやり取りはやるせない思いになってしまった。郷田の言う通り誰かを怨んだままの方が良かったのか。幸子が少しだけ前向きになっていったところが救いでした。

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    2021年07月27日
  • 黙過

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    いやもうホントなんて題材を扱うんだ。
    “命の重さ”と“人としての尊厳”を問う短編集。
    読みながらいろんなことを考えてしまって、正直騙されるどころじゃなかった。
    その選択は正しかったのか間違っていたのか。
    今の自分には判断できないけど、おそらく受け入れることはできないだろうなと思った。

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    2021年07月20日
  • 黙過

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    3.3
    短編集だが最後の話ですべての短編が集約されていく形式。一つ一つの短編にオチはなく、謎が残されたままで最終話を迎えていくが、伏線が弱くオチも途中で見えてしまったのが残念であった。5回騙されない。
    しかし、各々の話において命について考えさせられる構成となっている。話の中ではジャーナリストが自分に置き換えて考察しているが、自分だったらどうするか考えながら読むのは楽しかった。

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    2021年07月12日
  • 悲願花

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    ネタバレ

    202103/帯や書店ポップで驚きのドンデン返し展開が散々匂わされてたので、そういう目で読んでしまい、手紙の件も肝の登場人物氏も推測通りで驚けず(苦笑)。「闇に香る嘘」が良かったので期待でハードルあがったのもあるけど、物足りなかった。とはいえ、リアルに苛立ちを感じる登場人物描写の巧みさと一気読みしてしまう面白さは間違いない。希望ある結末も良かった。

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    2021年06月07日
  • サハラの薔薇

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    考古学者が遺跡でミイラを発見した後、飛行機が墜落し、サハラ砂漠のど真ん中でサバイバル!次々と襲う災難をくぐり抜けられるか⁈
    砂漠でのサバイバルは臨場感があってとても良かったのだか、途中の戦闘描写がどうもしっくりこなくて、若干残念な感じではあった。
    もう少しエジプトの歴史や砂漠行を極めた作品だったら好みだったかも。

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    2021年05月20日
  • 悲願花

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    一家心中の被害者と加害者。
    2人の女性の出会いがもたらす社会派ミステリー。
    自身の行動を正当化したくなる気持ちが分かるからこそ、改めてそれを文章で見せられると軽い嫌悪感を覚える。
    終盤で明かされた真実には驚かされた。
    その一方で、被害者と加害者って一体何なのか?について考えさせられた。

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    2021年05月08日