あらすじ
高知で農家を手伝う北嶋英二の双子の兄が自殺した。「農地を祇園京福堂の清水京子に譲る」と書かれた遺書を持ち英二は京子を訪ねるが、彼を兄と間違い“失踪した恋人”との再会を喜ぶ姿に真実を伝えられない。ところが翌日、京子と職人の密会が発覚。京子は兄を愛していたのかそれとも――。ここは腹黒の街。美しき京女の正体を“よそさん”は暴けるか。
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Posted by ブクログ
本音と建前とがありますが、言葉の裏側を考えさせられる事には慣れておりません。
京都という街のイメージがピッタリとハマる小説でした→行った事はありませんが
花街の話や寺社仏閣、文化の話などを見ると、京都に旅行する前に読んだ方が良い一冊と思えました。
しかし、作中の京都人達の会話が日常的に行われているのであれば、東北人の私からすると非常に疲れるなぁと思いました。
でも東北人は京都人達から詰られても気が付かないかもしれないとも思いました。
それと、下村作品の文章のくどさ(良い意味で)と伏線の貼り方にに京都のルーツを感じました。
親と一緒に農業を営む英二のもとに突然帰省してきた双子の兄妹の英一!!!
英一は農地の生前贈与を要求し、要求が満たされた後突然の自殺!!?
英一は『京都の清水京子という人が2月の末まで訪れたら土地を譲ってくれと』謎の遺言を残す?
土地を奪われる不安と英一の死の謎を追って弟の英一は魅惑的な伏魔殿祇園の街へと一人向かう・・・
英一の死の謎と、清水京子とは何者なのか・・・
巻末に『京都はいい所なので一度はおいでやす』とありましたが、この言葉はそのまま受け止めて宜しいのでしょうか?
Posted by ブクログ
本の裏表紙に…
ここは腹黒の街。美しき京女の正体を"よそさん"は暴けるか。
って…なんちゅうお題目やねん!笑
ミステリーやねんやろうけど、半分、京都案内みたいな感じ。
それも花街とか、古い京都の伝統も含めての。京都の人の裏表の態度も入ってる。
「都をどり」「鴨川をどり」「壬生狂言」、地名の由来(ドロドロやけど)などなど。
京都の年中行事を含めて。祭りは、祇園祭やなく、葵祭を中心に!
更に、闇の京都みたいなのも。
裏表は、洛中の商売人らの話なんやろうな。老舗の。和菓子とか、西陣織とか…
私は京都市出身とはいえ、洛中やないからね。京都ちゃう!って言われる…
(伏見出身です)
その割に水は、御香宮とか言ってるし、あれは伏見や!まぁ、そんな大したとこやないけど…
昔から、洛中に住んでる若い子に雑談してて聞いた事あるけど、
「いや、伏見は京都でしょ!」
「なら、山科は?」
「…それは…^^;」
って感じでした!
注)少し前の話なんで、今今は、分かりません!
京都市民にしても、京都市以外は京都やないみたいなとこあるもんね。
「は?俺ら京都やっちゅうねん」
「ほんま?どこ?」
「長岡京や」
「ほな京都市ちがうやん。…」
(本文より)
伏見稲荷も出て来るな。(地元です。)
なぜに、祇園の人がJR奈良線で行くの!京阪電車使ってや!
(おけいはん愛が凄い!!)
豆知識 お山する→稲荷山を参拝。
「近畿地方…」では、違う意味で使ったな。
話逸れた(^◇^;)
お兄ちゃんが、出て行って、急に田舎に帰って来て、すぐに自殺。京都絡みが分かって。京都である女性に会おうと…
なんかミステリーというより、言葉の裏の裏を類推する感じで、しんど〜
本音はどれやねん!!
京女!怖い!!!
いけずやわ〜
まぁ、実際には、そんなに、極端な事なかったけど、ただ、洛外なんで…(−_−;)
京都に旅行とかで行く前に読めば、少しはネタになるかも?
解説は、「京都ぎらい」の著者が描いてる皮肉…
洛中で町家ぐらしの人らは、京大入学を否定的にとらえるのか…
京大いくような息子は、家をつぎたがらへん。
***************
時間的に遅くに上映時間変わってる!
行こ!
「近畿地方のある場所について」
観て来た!
文庫とは違った感じかな。
しかし、なんで、夜に行くかな〜
まぁ、これに限らずやけど、明るいうちに行けばええのに!夜になったら明日にするとか!
怖いやん。
ジャンプ女おったかな?ちょっと出てたけど、別にジャンプ女って言ってないし。
こんなん取材してたら、そのうちなんか起こるって!
最後は、どんでん返し的で、まぁまぁ、面白かったけど、救いはない!w
「ムー」読んで、作戦会議や!
Posted by ブクログ
本音を明かさない京都の文化。
生みたくないがためにそうしたのに派生するズレや摩擦、これ普通に職場や近所付き合いでよくあるよねーなんて(京都以外でも)
京子さんが、普通に怖い。
Posted by ブクログ
京の女に誑かされて兄が死んだと考えた双子の弟が京都に行ってその真相を探す中で、京都人とやりとりをしていく中で、京都風のコミュニケーションで真意が分かりにくいまま進んでいき、最後に基礎設定が明らかになったところで真意がジワジワとわかってくる。その伏線回収を分かりやすく主人公が気付いた形で示してくれて分かりやすい。いいことがそうでないかは別として率直なコミニュケーションだけが全てではないし、相手を思いやる言い方にもなるということがよくわかる。物語としても背景にある京文化の読み物としても面白かった。
Posted by ブクログ
賛否両論あるようですけど、お上品、気遣い、謙遜の京言葉の裏の意味があとからじわじわボディブローのように効いてきて、私はおもしろく読めました
バックグラウンドが違えば言葉の意味も変わってくる
そこに含まれる絶妙なニュアンスも変わる
「人の気持ちは、“京女”にかぎらず、容易には分からないものだ」その通りだなぁと思いました
Posted by ブクログ
双子の兄の死の真相を探るために京都に行くミステリー作品ですが、他の方々の評価も頷けるなと感じました。
京都の言葉の一つ一つにある皮肉や棘と言ったものがこの作品の伏線であり、物語の深みを増すものとして機能しているが、京都の京女を皮肉っているようにも感じられます。
この作品の本質として、ミステリーの面白さももちろんのこと、人の言葉には余白があり、人に話す言葉の一つ一つには人それぞれの意味と尺度があるということを再認識させるものであると痛感しました。そういった意味では、京言葉の皮肉を題材にするというのは非常に挑戦的かつ素晴らしい作品に感じました。
Posted by ブクログ
日本人に限らず外国人も憧れる京都。おっとりとして日本の女性を象徴しているように言われる京女。
…をディスった本?
読み始めは、京都の言葉が鼻について疲れてしまったけど、これって敢えて嫌らしくしてる?と思ってから面白くなった。
読み終えて改めて表紙の後を読んだら、ちゃんと書いてある。「腹黒の街。美しき京女の正体を暴けるか?」読み出す前に、ここを読むべきでした。
Posted by ブクログ
双子の弟英二が自殺した兄の不思議な遺言の謎に迫るべく京都で謎を解いていく。
こんなストーリーですが、果たして今まで高知で農業を営んできた弟が各地を放浪してきた兄になり変われるのかという疑問さえ克服できれば、真実は何かを探る楽しいミステリの世界に浸れます。
「京都」の色々な風習や考えが伏線であったり、謎であったりして楽しめました。
京都の人がここで描かれているような人でないとは思いますが、いかにもありそうと思えるところが怖いです。
作者はまさしくここに描かれた高知出身の父と京都出身の母の子で、編集者が京都出身というのも、物語を読み終わって納得感がありました。
Posted by ブクログ
自殺した兄の遺書の真相を確かめるため、京都に赴いた双子の弟。
訪ね当てた恋人に兄と間違われ、そのまま成り済ます。
京都人の本音を見せない躱し方やはぐらかし方に惑わされる弟、謎めいた手紙の意図は、そして成り済ましはいつばれるのか、ハラハラしながら頁をめくる。
しかし、終盤にきての意外や意外・・・・
著者の巧みなミスリード(漢字ではなく、かなを使うなど)に、主人公ともども惑わされてしまった。
京都祇園や舞妓の裏話的な詳述は、花街探訪を体験したかの如くであり、また、直接的な物言いをしないという京都の土地柄及び京都人の人柄についても、読後少し参考になったかな。
Posted by ブクログ
京言葉の裏を書いた少し不思議なミステリ。
私は普段からかなり分かりやすい嫌味じゃないと
気が付かないくらい
人の言葉の裏というものに無頓着なので
京都では生きていけないな…。
もちろん脚色されたものだとは思っているけど
裏を読まないといけない土地、私には住めそうもないや…。
Posted by ブクログ
結局、最初から英二とわかってたん?
どういうことか。
英一を恨んでたのに告別式には来てた?
本当は好きだから?
難しいな。
でも京都語の嫌味な中身、解説みたいな文章でわかりやすく知れて、京都の人がこわくなりました。一部の人がそうであって他の京都の方々は普通なのかな。
おもしろ京都。
Posted by ブクログ
古本屋さんで見つけて、興味が湧いたので購入。
京都の人が嫌いになったとか、怖いというクチコミが多いと感じたが、わたしは嫌味や皮肉を上品に相手にぶつける様が面白かった。言い回しやその意図から学ぶこともあったし、言葉の裏の意味が明かされていくのも楽しかった。後半はこの台詞はどんな意味か予想しながら読んでいた。
最後まで本心が分からない京子に、怖さを感じながら上品で美しくも感じた。
Posted by ブクログ
京言葉?のもつ特性をこの小説からだけで判断することはかなり怖いことだと思いますが、この小説でのローカルルールだと認識するのであれば、なるほど面白い試みだと思いました。
中盤まではいつまで京都の話するんだ…?と思わなくもなかったですが、終盤で小出しに情報が更新され、二転三転する展開と心情は読んでいて面白かったです。
こういうミステリーの作り方もあるんですね。
Posted by ブクログ
2024.07.01
まず著者のファンです。他の作品には好きなもの多いです。だからこそがっかりです。
双生児だからといって、心を通わせた人のことを間違え「続ける」って考えられますか?
ちょっと設定にムリがありすぎる。だから展開が苦しくなる。私は京都の人のことはよくわかりませんが、京都の人を敵に回してまでこだわって描くコンセプトでしょうか?
これは編集担当者がやめましょうというべき作品だったのでは?
Posted by ブクログ
双子の兄が自殺し、残された遺言から京都に住む兄の恋人のもとへいろいろなことを探りに行く弟。京都という土地柄と、恋人が老舗和菓子屋の一人娘ということもあり、簡単には兄の情報がわからない。
京都ならではの「よそさん」には本音を明かさない文化が面白いが、自分はそのような文化に溶け込むのは無理だと思った。
Posted by ブクログ
ミステリー(どんでん返し)、京都の伝統、女心のキーワード。
設定としてはあり得ないと思うが、引き込まれた。
やや解説が長いが、京都の雰囲気をよく引きだしていると思う。
何が真実かわからないという状態が最後まで残るがこういう小説もありだと思う。
Posted by ブクログ
実家を飛び出した双子の兄が突然帰省し、生前贈与を持ちかけた。
両親が生前贈与を認めた矢先、ある理由から兄が自殺してしまう。
部屋で見つけた手紙をきっかけに、兄になりすまして京都で真相を探る。
なるほど。
京都が舞台だからこそ《会話すべてが伏線》っていうのが成立するのね。
面白い発想だわ。
Posted by ブクログ
高知で農家を手伝う北嶋英二の双子の兄が自殺した。「農地を祇園京福堂の清水京子に譲る」と書かれた遺書を持ち英二は京子を訪ねるが、彼を兄と間違い〝失踪した恋人〟との再会を喜ぶ姿に真実を伝えられない。ところが翌日、京子と職人の密会が発覚。京子は兄を愛していたのかそれとも――。ここは腹黒の街。美しき京女の正体を〝よそさん〟は暴けるか。