あらすじ
正義を見破れ! 全編どんでん返しミステリ集
一億総”正義の暴走族”時代を生きる
今日もスマホを握りしめ怒っている
「正義系」の私たちのための
常識大逆転ミステリ。
『同姓同名』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』の著者最新作も話題作!
今日もどこかで誰かが絶賛炎上中。
「暴露系」ーー俺があいつの悪事を晒してやる。
「報道加害」ーー夫を殺した毒婦のネタを掴んだ。
「エスカレート」ーー私が殺されたらどうするんですか!
「誤認逮捕」ーー現場にはいつもヤツがいる。
「再犯」ーー犯人は「厚生」できるのか。
「死刑反対」ーー法の下、人を殺すなんて何事だ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
暴露系インフルエンサー芳郎はエビデンス無き拡散により、自ら窮地に陥ってしまう。
正義を建前にゴシップをばら撒く週刊正義の窓際記者の藤原の、先走りすぎるスクープの結末。
ストーカー被害を受け付けない警察に対して、巧妙な手立てで対抗する高嶺彩佳。
美人局の被害に遭いながらも不当に逮捕された五味の警察への復讐は、意外な形で五味のアリバイとなり…。
性犯罪者の更生プログラムを主催する、「再起の光」荒貝あやかの本当の目的は…。
死刑制度に反対する集団が持つ、死刑制度への脆弱な感情論の隙を突いたある犯罪者の告白。
いずれも正義の使い方の様々な形を、手を替え品を替え皮肉な要素をたっぷり含ませて読ませてくれ、正義のありかたを考えさせられた面白い小説だった。
Posted by ブクログ
大どんでん返しの連続で面白かったです。
逆転正義も読んでいたので、これは期待できるなと思っていたら予想以上でした。
どの話も後半になるにつれてリードが良くなってきて読み応えありました。
Posted by ブクログ
とても読みやすい短編が6作。
どんでん返しが数作、
グッと考えされられる社会派作品もあり。
「死刑になりたかった」と供述する父、
「死刑になることは無いから」と供述する中学生の息子、
死刑制度は存続か?廃止か?
・・・・・
Posted by ブクログ
「暴露系」
「報道加害」
「エスカレート」
「誤認逮捕」
「再犯」
「死刑反対」
正義をテーマにした6話収録の独立短編集。
2023年に刊行された『逆転正義』の続編だが、前作未読でも全く問題ない。
本書が描くのは正義を掲げながら暴走するネット世論の危うさだ。
形勢が変われば掌を返し、責任を曖昧にしたままアカウントを削除する。
今時のSNS事情がリアルに反映されていた。
どんでん返しも健在で、ミステリーとしての満足度も高い。
作者は“匿名の正義”の軽さと残酷さを容赦なく突きつけて来る。
物事を多面的に捉える事の重要性を改めて感じた。
Posted by ブクログ
正義とは何か。
哲学的にはどのように定義されているのかは知りませんが、正義というのは非常に曖昧なものなのではないかと思います。
例えば、昔ニュースが何かで見た記憶があるのですが、裁判で自分の請求が認められなかった時に、弁護士が『不当判決』と書かれた幕をマスコミに向けて掲げていたことがありました。
これは確か民事裁判だったと思うのですが、原告対被告という2項対立においてはお互いに自分が正義で相手が悪、ということになるんだろうなと思うのです。
だから、自分の請求が認められないということは裁判所が相手方すなわち悪の肩を持った、ということになりそのような判決は『不当だ』という図式になるのかなと思います。
しかしながら、逆の立場から言えば相手方、これまた悪を否定したということになり、それは正義が執行されたという図式になるんだろうなと思います。
つまり、正義というのは立場によって全く意味が変わってくるものだと言えるように思うのです。
そんな事を考えながら本作を読むと、『正義とは何か』という命題に戻っていくように思われました。
まあもっとも、話として面白いんだからそんな小難しい事を考えながら読まなくてもいいんじゃね、というのもアリだとは思いますが。
Posted by ブクログ
その怒り、本当に正義ですか?――“暴走する善意”を突きつけるどんでん返しミステリ。
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下村敦史さんの作品は、社会問題をただ描くだけでなく、物語としての楽しさも兼ね備えている点が魅力ですが、『暴走正義』もまさにその路線のど真ん中にある一冊でした。
現代社会を覆う「正義の暴走」をテーマにしながら、全編どんでん返しというミステリーの快感もきっちり押さえているので、考えさせられつつも最後まで一気に読めます。
とくに印象的なのは、正義の“対立”そのものが暴走の源になっていく構造。
**正義の反対は悪ではなく、別の正義**――この作品は、その言葉をまざまざと実感させてくれます。そこにSNSやインターネットが加わることで、個人の怒りが簡単に増幅し、さらに複雑にねじれ、誰かを追い詰めてしまう。まさに今の社会そのものです。
下村さんの語り口は、社会への警鐘でありながら、どこか中山七里さん的な“物語としてのドライブ感”もあって、改めて自分の好みがこのあたりにあるんだなと気づくきっかけにもなりました。
想像力さえ働かせれば防げるはずの暴走も、現実には多くの人が他者の立場を想像できず、結果として“正義”が刃物のように人を傷つける。
そんな現代の危うさを、本作はミステリーとして見事に描いています。
読後には、テクノロジーの恩恵を受けつつ、
“自分の正義は誰かを傷つけていないか”
と一度立ち止まる大切さを静かに教えてくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
6話の短編小説。
SNSでデマや誤情報が溢れている中、正義とは何かを考えるために手を取ってみました。
ニュースで日頃から見る話題がテーマになっていたこともあり、読みやすく感じました。
SNSやニュースで流れる表面上の情報だけではわからないこと、当事者ではわからないこと、本質とは何かを考えさせられると同時に、自分も情報に踊らされている一人ではないかとも感じました。、
Posted by ブクログ
色んな可能性があるなって。
思い込みって本当に良くないと思うし、過信し過ぎるのも良くないな。
私が正しいと思っていたとしても、良い意味で自分を疑ってみた方が良いのかも。
Posted by ブクログ
読みやすくて面白かったです。
『逆転正義』は読んだことないので、それに付随する面白さは感じれてないですが、単独の作品としても面白かったです。
1つの事実に対して、当事者によって捉え方・感じ方は当然変わるなぁと。
それを良し悪しと断罪するのではなく、議論すれば良いのにとは普段から思います。
Posted by ブクログ
『逆転正義』とどこかでなにかが繋がっています。暴走した正義の行方をお見逃しなく。と言う不思議不可解な言葉。今風のSNSを駆使したミステリーの登場です。正義とは何か深く考えずにはいられない読み応え充分な作品特に「エスカレート」の息もつかせぬどんでん返しの極致のお話でした。下村敦史さんのいまだかつてない作品集に拍手喝采でした。あなたもぜひ読んでこの醍醐味を味わってください。
Posted by ブクログ
最初の何編かは、SNS絡みのありがちな、がそうきたかというどんでん返し。
もうええかなぁと思いつつ、最後まで!と頑張ったら、「再犯」や「死刑反対」はとても考えさせられる展開だった。
Posted by ブクログ
短編全部が繋がっているかと言うとそうでも無く。
自分にも思いあたる内容もあるので、ただただ振りかざしてはいかんと反省。
SNS全盛だけれどそれだけの内容では無いが、
誰かも書いてたけど、後半失速した感はあり読後感はウ~ン。。。
Posted by ブクログ
画面越しに見える「悪」は、本当に「悪」なのか。本書を読み進めるうちに、私たちが日常的に触れている情報の不完全さに、戦慄を禁じ得ませんでした。
断片的な事実だけを掬い上げ、善悪の審判を下して世界へと発信することの暴力性。当事者にしか見えない複雑な背景を無視した「正義の暴走」は、救いではなく破壊しか生み出しません。何が正義で何が悪か。一面的な視点による即断がいかに危険であるかを、痛烈に突きつける衝撃作でした。
Posted by ブクログ
時代をよく反映してるなぁ。
どれも、身近で起こっていてもおかしくない。
短編だが少しずつリンクしていく。
もう少し深く知りたいなぁと思う所もあるかな。
Posted by ブクログ
金原ひとみさんのYABUNONAKAを読んだ後に、無意識にこの本を手に取って読んでいたことに何か運命めいたものを感じた。
どんでん返しとはいうものの、両方の側面に正義はあるのかもしれない。
何が正しくて何が間違っているのか。真実は決して1つとは限らない。
SNSで同志を見つけるのはとても簡単すぎて、それが自分の信じる正義を無意識に暴走させてしまうのだろう。
価値観や先入観や思い込みから生じる認知の歪み、想像も出来ない解釈をする人が世の中にはたくさんいて、それを煽るのもSNSだ。
正当性は主張しても正義を振り翳してはいけない。
コロナ禍以降Twitterのあまりにもアレすぎた。自分たちの鬱憤を晴らすためだけの行動にしか見えなかった。そんなタイムラインに嫌気がさしてなんとなく少し距離を取ったのだけれど、何かモヤモヤが晴れたというか腑に落ちた。これが理解が深まったという事なのかもしれないし想像力が拡がったという事なのかもしれない。
正義の反転から生まれるものが何かが重要なのであり、想像力を拡げることで真逆の側面まで俯瞰して物事を捉えられるか。
見誤ることのないようにしたいと思いつつも、間違っているなと思ったら過去の自分を戒めて、自分なりの正義をアップデートしていかなくてはならない。
Posted by ブクログ
6編から成る中編集。私自身、YouTubeやSNSでの過剰な露出に辟易する事があるのでどう落とし前をつけるのか楽しみにしながら読んだ。
逆転正義の登場人物も顔出してるみたいで、再読しなきゃと思った。
Posted by ブクログ
正義なのかもしれないけれど、暴走するとそんなこと関係なくなるわ。誰かに何かを伝えてようとするのなら、しっかりとした裏取りが必要。噂話とか他人のことをとやかく言おうとするから、話が捻じれていくのではないのかな。自分のことだけ言えばいいのに。
Posted by ブクログ
2025/07/29予約 14
「暴露系」インフルエンサーの仁義なき戦いが面白かった。正義を追求すると言うより、過ちは叩くべし、ついでに鬱憤晴らしも兼ねる、が最近の風潮だと思うので納得感はある。さらにそんな人をうまく使う、もう一枚上手がいるんだな。
Posted by ブクログ
いずれも手垢の付いたテーマだけと、やっぱり考えさせられる。ただ「再犯」は理解できなかった。他も下村さんらしからぬ浅さ。「赤の他人が物事の表面だけを見て“真相”知った気でいると、いつか足をすくわれる」いくらなんでもこんなお粗末な記者はいないだろう。「疑惑を報じて、間違いが発覚しても素知らぬ顔して、次の暴露へ。正義のつもりで」うーむ。
Posted by ブクログ
SNSでも取り沙汰されるようなテーマでの正義の暴走と手のひら返しを描いた短編集。
普段からSNSで政治や社会問題を見てる人にとってはものすごく身近で、自身もその愚かな集団の一人とわかっていながらも他人を馬鹿かなと思ってしまうあの感じ、が散りばめられてるなと思いました。
どれも面白いですが、短編ゆえ掘り下げることもなくさっくりあっさり終わってしまうのが残念。
Posted by ブクログ
面白くない、とは言わない。タイトルの「暴走正義」の通り、主観的正義は暴走をはらむ危険性にあふれており、それがストレートに表現されている6編ではある。普通の作家であれば褒めたいところだが、下村氏はこんなストレートな表現で満足してはいけない作家だ。誰でもわかる表現を下村氏のような作家に求めてはいない。もっとテーマの深淵を覗かせてくれるような描写力・表現力を十分もっているので、このレベルが上梓されるのは個人的に本意ではない。