逢坂剛のレビュー一覧

  • 百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)

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     新宿の雑踏で起こった爆発事件。二人の死者と負傷者二十一人を出した惨劇で亡くなったふたりのひとりは爆弾の所持者とされるフリーライターで、もうひとりは本庁公安部の特務一課に所属する倉木警部の妻だった。男は左翼グループのメンバーだったのか、それとも――。妻を失った倉木尚武は捜査のメンバーを外されながらも、真相を追っていく。一方、能登半島の突端にある孤狼岬につながる道路を傷だらけで歩いていた〈彼〉が発見される。〈彼〉は記憶を失っていて、自分が何者か分からなくなっていた。

     ということで、本書は逢坂剛が1986年に発表した一作。『カディスの赤い星』などと並んで、著者の代表作のひとつとされている作品ですね。妻を失った公安の刑事が傷だらけ(本当に傷だらけになります)になりながら、真相を追っていく姿を、硬質な文体と複雑な構成で描かれていきます。

     後書きでも作者自身が触れていますが、過去と現在の時系列が行ったり来たりする一筋縄ではいかない構成が魅力的な作品で、さらにはミステリ的にもある大きな仕掛けが用意されているのですが、そのトリッキーさが暗い真実と孤独に闘う〈ふたり〉の姿を描いたハードボイルド的、警察小説的な要素と混じり合っても、決して水と油になっていないところが素晴らしかったです。

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    2025年03月09日
  • 裏切りの日日

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     警視庁公安部に所属する刑事の桂田は、右翼の大物として知られる遠山から、一通の手紙を見せられる。それはテロも辞さない左翼グループ『東方の赤き獅子』の名が記された殺害予告だった。情報を掴むために、桂田とコンビを組む相方の浅見は張り込みをはじめる。時を同じくして、浅見のもとにひとりの男が訪ねてくる。特別監察官の津城は、逸脱した捜査や取り調べを行い、金の流れにもおかしいところを感じる桂田を調べているらしいのだが――。

     というのが、本書の導入。文庫裏の内容紹介に書いてある部分なので、言ってしまってもいいような気はするのですが、本書の一番の読みどころになる部分は敢えて伏せました。結構中盤に来てから起こることなので……。

     まったく別のところにあったふたつの点が結ばれて、綺麗な線になる。警察小説としてはもちろん、本格ミステリとしても秀逸な作品だと思います。心情描写は最低限に、簡潔で無駄のない研ぎ澄まされた文章も魅力的な一冊です。

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    2025年03月08日
  • 緑の家の女

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    岡坂神策シリーズ の短編集です。現代調査研究所…何やってるとこか全くわからないのですが笑 私立探偵ような仕事をしてるけど実際はルポライターだというセニョール岡坂。昭和感漂うレトロな大人の探偵小説って感じです。角川文庫から改題された3冊だけ購入してありましたがう、やっぱ出版順に読むべきだったかな?と若干後悔しています。でもとても面白いです。流石逢坂剛先生

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    2025年01月24日
  • 最果ての決闘者

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    めちゃくちゃ面白いです。こうなってくると続きブラック・ムーンを早く読みたくなるのですが、まだ文庫出てないんですよね。まさかこんな気になる結末になるとは…MOZUを超えました。そして土方歳三をさらに好きになる…完全にフィクションであるのに。

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    2025年01月16日
  • 果てしなき追跡(下)

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    最初の衝撃が大きかったので心配で目が離せませんでした笑 そしてやはり下巻も主役はゆらでした。この広い西部で1人の日本人を探す途方もない旅…最後は西部劇の如く一瞬でケリがつきましたが。私的にすごく好きな話です。そのまま次作を読みます

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    2025年01月06日
  • 果てしなき追跡(上)

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    上巻は完全に時枝ゆらが主役です。齢十七にして記憶喪失の男を抱えアメリカ船へ…彼女の強さと隼人を想う心、そして覚悟…とても逞しい。大和撫子とほ彼女のような女性を言う…個人的にそうあってほしいと思うほどに素敵な女性です。そして運命は下巻へ

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    2024年12月29日
  • のすりの巣(百舌シリーズ)

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    500ページを超える分量ですが、スイスイと読めてしまう不思議。おなじみの登場人物たちが東京を縦横無尽に駆け回る。それにしても料理の描写が個人的に好きです。Tボーンステーキ食べたい 笑
    さて、次回作、次回作。

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    2024年10月19日
  • よみがえる百舌(百舌シリーズ)

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    3作を立て続けに読んでしばらくぶりの本作でしたが、前作までの内容が次々によみがえり、複雑に絡み合っていきました。
    圧巻の600ページでしたが、非常に読みやすく映画を見ているかのようでした

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    2024年06月27日
  • 百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)

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    シリーズがいつの間にか完結していたので一から再読。綿密に練られたストーリーは何度読んでも飽きさせない。
    公安所属で冷徹な倉木と正義に燃える公安嫌いな刑事の大杉とに奇妙な絆が芽生えるシーンが好きだ

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    2024年06月13日
  • 百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)

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    職場の読書家の人から教えてもらったこの本。逢坂剛さんは初読み。記憶の片隅、かなり前にドラマ化された「MOZU」というタイトルが薄っすら脳を刺激する。ドラマはあまり見ない方なので内容は知らないけど面白そうだった印象だけ微かにもやもやする。まるでこの記憶喪失の主人公みたいに。なかなかハードボイルドな様相でスタート。いきなり爆破テロ。そこから崖の上から突き落とされるシーンへ。そして事件は展開していき事の次第が進んでいく。読み応え十分。そこに二転三転する罠。シリーズがたくさんあるらしいのでもう少し読んでみよう。

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    2024年05月07日
  • 幻の翼(百舌シリーズ)

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    ドラマとは別物として。少しだけ展開が読めましたが(その展開だと面白いだろうなぁと期待も込めてましたので)スイスイと読むことができました。良作ですね。

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    2024年03月23日
  • 百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)

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    ドラマから入り、原作を読みました。
    記憶喪失の登場人物がテレビの歌番組を見ていて僅かながら記憶が戻る描写が個人的にスゴイと思いました。

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    2024年03月18日
  • 百舌落とし 下(百舌シリーズ)

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    長きにわたった百舌シリーズが完結しました。逢坂先生お疲れ様でしたm(__)m が、まさかこういう最後になるとは。百舌という亡霊に取り憑かれた主人公たち…百舌なんて殺人鬼も御免ですが、こんな陰謀論者渦巻く日本に彼らのような英雄がいたことが救いかな?

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    2024年02月25日
  • 百舌落とし 上(百舌シリーズ)

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    最終巻は上下巻ということでまずは上巻(言うまでもない笑)…一連の百舌事件の裏に隠されてきた陰謀。政治家の都合による公安省の設立…諜報機関や警察を私物化しようなどと恐ろしいことを考える

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    2024年02月25日
  • 鏡影劇場(下)(新潮文庫)

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    2024.01.22〜01.30
    今までにない構成の、本当に意表を突いた小説。
    途中で、ヨハネスは「この人だな」と気がついた。が、そんなオチでも、最後まで面白く読めた。
    E.T.Aホフマンの小説を読んだことがないけど、彼の癖、性格が現れている小説だと思った。所々、謎があるけど、謎のままというのが、E.T.Aを元にしてるから、良いんだろうな。
    面白かったです。ご馳走様でした。

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    2024年01月30日
  • 幻の翼(百舌シリーズ)

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    『百舌』シリーズの2作目。一作目の『百舌の叫ぶ夜』での倉木のまるでターミネーターのようなキャラのインパクトが大きくて、倉木の活躍を期待して読み始めたのだけど、今作は大杉に好感度大。
    義理堅くて情に熱くてかっこいいなぁ、って。この世界の嘘と横暴にまみれた警察界は合わないだろうなぁ。ルパン三世のキャラでいうとシリアスな銭形警部のイメージ。

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    2023年10月16日
  • 熱き血の誇り(下)

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    ネタバレ

    違法な人工血液を追っていた麻矢は、真相を知る元婦長・鳥飼キヨ子と連絡を取れ、焼津の海岸に呼び出されるがそのまま行方不明となる。友人でフリーカメラマンののぶ代は必死に彼女の行方を捜索するが杳としてしれなかった。しかし調べるうちに輸血を人工血液に代替えする病院がある新興宗教と通じていることを知る。一方、遠くスペインのカディスから一組の男女が幼い娘とともに逃避行してくる。彼らは事件に巻き込まれ殺し屋に追われていた。白い人工血液を巡って起きる数々の事件、全ての謎が一本の線で繋がっていった先に驚愕の結末が! 超一流の傑作エンタテインメント!

    面白かった。序歌的に出てきた戦国時代の親子の物語は、そこで回収するのか、というのがまず一個。また、人工血液の為に攫われたと思われていた麻矢が、実は麻矢の血液を貰うために攫われたというのは良い意味で裏切られて面白かった。人工血液を開発しようとした会社が、それに失敗したあげく、輸血のための血液を必要とするのが面白かった。

    また、隠し子騒動は面白かったが、産廃業者を隠れ蓑としたヤクザ組織や宗教団体があまり活かさられていない気がした。もう少し深く描いて欲しかった。

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    2023年09月29日
  • 熱き血の誇り(上)

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    ネタバレ

    「白い人工血液」の謎から始まる、壮大な仕掛けの超エンターテインメント!

    製薬会社の秘書・麻矢は、「人殺しの会社」と受付に押しかけてきた男から、ある写真を預かる。それは病院で死亡した男の父親の解剖写真で、白濁した内臓が写っていた。麻矢の会社が開発した白い人工血液、フロロゾルが使われたことで父親は死んだというのだ。フロロゾルの存在を全く知らなかった麻矢は、写真を男に渡した元婦長鳥飼キヨ子を訪ねて静岡に向かう――。戦国時代の母子哀話、遠くスペインはカディスから逃れてきたフラメンコ歌手とギタリスト、輸血を禁じる謎の新興宗教、海岸の失踪事件。壮大な仕掛けが徐々に一つの線で繋がっていく、超エンタテインメント!

    上巻では、上に書いてあることが次々と起こり、始まった感がありワクワクする展開だった。古森が怪しい気がしてならない。

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    2023年09月25日
  • 逆襲の地平線

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    今回新たにジャスティが加わり、パーティーも賑やかになりました。アメリカ大陸を北上し、先住民に攫われた白人の娘を追う。ジェニファが大きく成長して存在感が増してきたところで、次作は6年前に遡るんですね…元々はそっちが読みたかったので楽しみです。

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    2023年08月13日
  • アリゾナ無宿

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    だいぶというか無茶苦茶面白いです。ストーン、サグワロ、ジェニファ…彼ら3人が主役の西部劇。それぞれのキャラの個性と絡みがアメリカンジョークも入って凄く楽しい笑 賞金稼ぎの話なので勿論腕も立ち、また生い立ちが謎めいていたりで… 次作も楽しみです。

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    2023年08月03日