逢坂剛のレビュー一覧
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逢坂剛『最果ての決闘者』中公文庫。
アメリカ西部を舞台にした歴史冒険長編小説。シリーズ物であったとは全く知らなかった。本作はシリーズの第4作にあたるらしい。
冒頭からの怒濤の展開が続き、納得する間もなく、新撰組の土方歳三がアメリカの西部に渡る。時折ストーリーがワープするかのように物語はあれよという間に新たな展開を迎える。端折り過ぎがたまに傷だが、まあまあ面白い。
箱館で頭部に被弾し、意識を失った土方歳三は時枝新一郎の手により、新一郎の妹の時枝ゆらと共にアメリカに密航する。意識を取り戻した土方は過去の記憶を失い、内藤隼人の変名でゆらと船員のピンキーと共にアメリカの西部をさ迷う。
悪徳保安 -
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逢坂剛『百舌落とし 上』集英社文庫。
百舌シリーズの完結編。
タイトルの『百舌落とし』とは百舌の瞼をテグスで縫うなどして飛べないようにして囮にする残虐で卑怯な狩猟方法のことらしい。
シリーズを通して読んでいないと解り難い部分が多々あるのが残念。肝心の百舌の正体がなかなか明らかにならぬままにストーリーは展開する。
元大物議員の茂田井滋が自宅で何者かに殺害され、まるで『百舌落とし』になぞらえたかのように両目の瞼を縫い合わされた状態で発見される。
元警視庁の捜査官で探偵となった大杉、彼の娘で現役警官のめぐみ、公共安全局に席を置く倉木美希はそれぞれ独自に捜査を始めるが、過去に百舌事件を知る新