逢坂剛のレビュー一覧
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百舌シリーズ第5弾。
探偵:大杉は拳銃・麻薬強奪事件から「ノスリのだんな」を追い、特別監察官・美希はある美人刑事をマークする。
そして徐々に2つが絡み合い巨大な陰謀が姿を現す物語。
美希が追う美人刑事は、警察内で派手な異性関係の噂があり、大杉の事件とは一見関係なさそうに見えて終盤怒涛の追い込みとなります。
読んでいて非常にハラハラする展開というよりも、絶望的な展開がきます。
でも2人の不屈の精神で犯人に徐々に追いついてきます。
このシリーズの展開の良さは相変わらずです。
ただ個人的に巨悪が来すぎて若干疲れ気味に感じてしまいました。
ただ本シリーズ好きにはやはりお勧めの作品です。 -
Posted by ブクログ
調査員、岡坂神策シリーズの連作短編。
表題作ほか、4編が収録されている。
この「緑の家の女」は、1995年に刊行された「ハポン追跡」を改題、修正したものだそうだ。
と、奥付前を読んで、あ、昔、「ハポン追跡」は読んだんだと、読んだ後で思い出す。
ま、こんなていたらくだから、同じ本を何冊も買ってしまうんであります。
御茶ノ水に「現代調査研究所」を構える岡坂神策は、探偵ではなく、本職はルポライター。
ただ、事務所の移転問題で恩がある桂本弁護士(同じビルに弁護士事務所がある)から、ムチャぶりともいえる案件調査を頼まれることがしばしば。
それが、なかなか剣呑な事件に発展することもあるのだ。 -
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人格を作り上げるのは心なのか、脳なのか。
精神科医である主人公南川藍子は、もちろん心因性の異常を治療する医師だが、腕利きの脳外科医・丸岡庸三は、脳の損傷による外傷性の人格異常を提示する。
治療、実験によって露わにされる隠されていた人格。
今はもっと多くの事柄が解明されていると思うけれど、それでも脳の機能は謎が多い。
過去の衝撃的な出来事が、人格をゆがめていく。
それは心の傷だろうと、体の傷だろうと。
藍子と丸岡のやり取りが、学術的ではあるけれど、読みやすい文章で分かりやすく書いているので、面白かったな。
けれど、もう少しキャラクターを整理して、というか、整頓してくれるとスムーズな展開になっ -
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こんな事故、現実にはありえないでしょ!と思いながら読んでいたのに、実在した事故だった。「パロマレス米軍機墜落事故」
水爆4個も積んでの飛行も信じがたいのに、空中補給って…。プルトニウムで汚染された土地に住み続けて、農業も再開したのか!とか、そんなことばかりが気になり前半はなかなか入り込めなかったが、後半そこは無理やり納得してスパイ探しに集中した。まさかのあの人!予想をかすりもしなかった。さすが!お終いの謎ときに頭が混乱。あの人とこの人の人生が入れ替わって…。そして、悲しい事実。水爆を甘く見てはいけない。当時の認識ってこんなものだったのか。 -
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面白かった!
MOZUシリーズ第2弾
前作に引き続き、公安、警察の権力抗争にやくざが絡むパターン。まさに前作の続きといったところ。
本作では大杉と美希がメインのストーリ展開となります。
前作は百舌は新谷は双子の弟でした。
本作では、能登半島で海に突き落とされた兄が北朝鮮で生きながらえていて、前作の黒幕に復習を果たすというストーリ展開。
前作の事件の真相を明らかにすべく活動していた倉木は再びつかまってしまい、病院にてロボトミーの手術をされてしまうことに。そして倉木を救うべく一人で乗り込んだ美希も結局はとらわれてしまうことに。
二人はどうなる?っいうところで病院に大杉と津城登場。
ことの真相が明 -
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逢坂剛さんの作品には、御茶ノ水、神保町界隈がよく出てくる。
「古今の多くの小説家が通いつめてきた神保町だが、この街への思い入れにおいて追随を許さないのが逢坂剛である」と千街晶之さんが今作の解説に書いている。
ワタシが逢坂さんのファンである理由の一つに、このことが大いに関係する。御茶ノ水はワタシが青春を過ごした街だからだ。
20代前半、駅前の喫茶店でバイトをし、そのバイトにのめりこみ、恋をし、大学をやめ…。
いろいろあったなぁ。
この作品には、御茶ノ水駅に近いビルで調査研究所なるものを開き、さまざまな種類の調査を行う岡坂紳策の短編5編が収録されている。
岡坂神策シリーズ、いつも御茶