あらすじ
ダイヤが埋められたギター「カディスの赤い星」を追ってスペインに渡った漆田は、ギター製作家ラモスの孫娘・フローラが属する反体制過激集団FRAPのフランコ総統暗殺計画に巻き込まれる……。スペイン内戦時の秘密を軸に、日本とスペインを舞台に展開される、サスペンスにみちた国際冒険小説。直木賞受賞作。
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Posted by ブクログ
バイタリティあふれる主人公がおれSUGEEEと大活躍し
職業的うんちくや床屋政談も盛り込んだ
中高生ならぬ中高年むけライトノベル
とは時代劇と呼ばれるものだが
本作も題材が江戸時代でないだけで中身は同じ
といったら失礼だろう
大衆向けエンターテイメントとは大衆がそれをもとめているのだから
そうあるべきである
にしても25年前にかかれたとしても古めかしい描写だが
古めかしいからこそ笑いつつ読める
現在同じようなことを現代を舞台に書いたら馬鹿であり
つまりだから時代劇は舞台が現代でないのだから
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単行本で発行された直後に購入し、一晩で読んだ記憶が残っている。この作品がきっかけで逢坂剛にのめり込んだ。新装版を改めて読み、やはりおもしろいの一言である。
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『カディスの赤い星』を追ってスペインに渡った漆田は反体制過激派と治安警察の闘いに巻き込まれる。
果たして、『カディスの赤い星』は… サントスは…
本当に面白い国際冒険小説である。しかも、サスペンス、ミステリー、ハードボイルドの要素もたっぷり盛り込まれており、最後の最後まで楽しませてくれる。これが、四半世紀前の作品とは。
物語の重要な鍵となるスペインのフラメンコギターの描写もなかなか良い。度々登場するパコ・デ・ルシア…懐かしい。アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンとのライブを思い出した。
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後半のテンポの良さとストーリーテリングには舌を巻いたけど、いかんせん舌が最近肥えすぎてて最後までページめくる手が止まらないほどの衝撃はなかった。
というのも、第七章 フランコ暗殺のくだりでいったん終わってしまったんよね。その後の後日談にあんまり興味をそそられなかった。日本からスペインに渡った後半部のスリル感が日本に来た瞬間腑抜けてしまったので「まだあと一章あるのかよ…」という感じでちょっと読むの放置しちゃったんよね。
その一章で次々と色んな事が明らかにされていくわけだけど、謎という謎が自分の中であんまり残っていなかった(忘れてた)。一気読みしたらもっと面白く読めたかも。
とはいえ、その最後の章も種明かしだけあって面白かった。
ただなぁ……ラストシーンがあんまり好きじゃない。本当に好みだけど。
好きじゃないかなぁ……
王道とは言え大団円が好きなので。
まあそれだけ主人公に感情移入していたということ。
キザなセリフだけど、主人公が言う分にはかなり自然に見えてしまうし、何より優しい。だからこそ、ラストの展開が好きじゃなかっただけ。
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下巻から舞台はスペイン。
もう主人公(漆田)がPRマンという事実を忘却させられる大活劇に唖然(何度死にかけるのw)。
帰国してからはエピローグくらいかなと思っていたが、それにしては残りページの量が多い。そこからのミステリ解決編的怒涛の展開には「満腹でもう食べられないよう」と贅沢な悲鳴をあげた。
後味は決して良くないし、漆田の皮肉屋キャラも鼻についたが、総じて高カロリーな大盛り焼肉定食のような満足感であった。
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上巻と下巻で世界観がまるで変わる。
上巻は広告業界のビジネスストーリー。漆田の仕事ぶりがとてもスマートで、時々爆笑してしまうほどの面白さだったが、下巻は、何故一般人がそんな危ない目に!と思うほどハラハラドキドキの展開だった。
この本が3つの賞を受賞したのも頷ける。
冒険あり、推理あり、恋愛あり…。ついていくのに必死だった。
サンチェスがいいキャラだった。でもやっぱり漆田に惚れたかな(笑)
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いや〜(●´∀`●)ノ面白かった!
上巻は日本が舞台で「サントス」という人探しがもっぱらやったけど、下巻の舞台は主にスペインで、内容もガラッと変わって、めっちゃハードボイルドε=(ノ。・`д・)ノ
主人公の漆田さん、命かけすぎー!!
一体どうなるのー?って、先が読めなくてハラハラしました。
最後はちょっと悲しい結末があったけど、読み応えあるお話でした。
読んでいる間のイメージは、西島さん&真木さんでした(*´艸`*)
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登場するスペインの各土地にはすべて回ったことがあるが、明らかに現地取材を経て書かれている。歴史的背景や当時(1985年頃)の社会状況についても良く調べられている。登場人物の繰り広げる物語にはちょっと漫画的なところもあるが、背景に感じられるリアリティがすごいので、成長し過ぎた大人が読んでも十分に楽しめる。
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初逢坂剛。1986第96回直木賞作品。スペインに魅せられた逢坂剛のハードボイルド作品。作家になる前10年前に書きあげた実質処女作ということらしい。
「カディスの赤い星」を追ってスペインに渡り、反体制集団のフランコ総統暗殺計画に巻きこまれる日本とスペインを舞台に展開されるドラマ。
テンポとしゃれた会話、何よりスペインへの思い入れが楽しい。いつかのんびりと1ヵ月くらいまわろう。
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(上下あわせた感想)
上巻では舞台が日本。PRマンが顧客である楽器会社の依頼、これもスペインのギター製作者の依頼なのだが、によりサントスということしか分かっていない人物を探すことから始まる。
上巻は何か進行も遅く、ところどころにある少し間の抜けた冗談にも若干興ざめの感もあるのだが、下巻に入りスペインに舞台が移ってからは話しがフランコ総統暗殺になると話しが一気に展開し、テンポも早くなる。 一気に読める。
ただお気に入りの登場人物が居ないので好感を持つ感じではない。
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ただの、PRマンの仕事じゃない。
外国のテロ組織に乗り込むなんていくらマージンもらえばやるんだよ!って話。普通の経費じゃ済まないよ。
ブラックすぎて笑えた。
後半の怒涛のネタバレのオンパレード。
世間狭すぎ。近場だけでやりすぎ。
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そんなに何度も同じようなピンチに見舞われるなんて…と思わずにはいられなかったけど、通信手段が発達していない時代のミステリーはやっぱりおもしろい。
Posted by ブクログ
スペインと日本をギター一本が結ぶ、壮大なハードボイルド。
まず細かさに驚く。スペインはヨーロッパの中ではイスラム教の影響が色濃く残る異質な国だというのが、現代に生きるわたしのイメージだった。だが自由の国として歩むようになったのはつい最近だと知ったときのまず、歴史的な面白み。そして日本からスペインへ移動してから無茶苦茶とまで言えるような主人公がぶち当たる壁の冒険性。そこにハードボイルドには欠かせない美女もからんで…。大人な雰囲気もしっかりとあるというか、冒険性の多少のルパン的な子供っぽさとそのほかの大人の雰囲気が絶妙にミックスされているのだ。
特に後半、スペインへ行ってからの物語の終息までの展開が怒涛。スペイン中を飛び回り読者は本書を読むだけでスペインを多少なりとも知ることが出来る描写も楽しめる。
ただ、なんていうか大人の小説なのだ。盛り上がり方も冒険性を通して子供っぽさがあるのだが、逢坂さんの文章がダンディ。
北森鴻は楽しめるけどこれを楽しむにはまだ年齢が足りないのかな、と思ってしまった。