【感想・ネタバレ】新装版 カディスの赤い星(下)のレビュー

あらすじ

ダイヤが埋められたギター「カディスの赤い星」を追ってスペインに渡った漆田は、ギター製作家ラモスの孫娘・フローラが属する反体制過激集団FRAPのフランコ総統暗殺計画に巻き込まれる……。スペイン内戦時の秘密を軸に、日本とスペインを舞台に展開される、サスペンスにみちた国際冒険小説。直木賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

後半のテンポの良さとストーリーテリングには舌を巻いたけど、いかんせん舌が最近肥えすぎてて最後までページめくる手が止まらないほどの衝撃はなかった。
というのも、第七章 フランコ暗殺のくだりでいったん終わってしまったんよね。その後の後日談にあんまり興味をそそられなかった。日本からスペインに渡った後半部のスリル感が日本に来た瞬間腑抜けてしまったので「まだあと一章あるのかよ…」という感じでちょっと読むの放置しちゃったんよね。
その一章で次々と色んな事が明らかにされていくわけだけど、謎という謎が自分の中であんまり残っていなかった(忘れてた)。一気読みしたらもっと面白く読めたかも。
とはいえ、その最後の章も種明かしだけあって面白かった。
ただなぁ……ラストシーンがあんまり好きじゃない。本当に好みだけど。
好きじゃないかなぁ……
王道とは言え大団円が好きなので。
まあそれだけ主人公に感情移入していたということ。
キザなセリフだけど、主人公が言う分にはかなり自然に見えてしまうし、何より優しい。だからこそ、ラストの展開が好きじゃなかっただけ。

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2024年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(上下あわせた感想)
上巻では舞台が日本。PRマンが顧客である楽器会社の依頼、これもスペインのギター製作者の依頼なのだが、によりサントスということしか分かっていない人物を探すことから始まる。

上巻は何か進行も遅く、ところどころにある少し間の抜けた冗談にも若干興ざめの感もあるのだが、下巻に入りスペインに舞台が移ってからは話しがフランコ総統暗殺になると話しが一気に展開し、テンポも早くなる。 一気に読める。

ただお気に入りの登場人物が居ないので好感を持つ感じではない。

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2012年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スペインと日本をギター一本が結ぶ、壮大なハードボイルド。
まず細かさに驚く。スペインはヨーロッパの中ではイスラム教の影響が色濃く残る異質な国だというのが、現代に生きるわたしのイメージだった。だが自由の国として歩むようになったのはつい最近だと知ったときのまず、歴史的な面白み。そして日本からスペインへ移動してから無茶苦茶とまで言えるような主人公がぶち当たる壁の冒険性。そこにハードボイルドには欠かせない美女もからんで…。大人な雰囲気もしっかりとあるというか、冒険性の多少のルパン的な子供っぽさとそのほかの大人の雰囲気が絶妙にミックスされているのだ。
特に後半、スペインへ行ってからの物語の終息までの展開が怒涛。スペイン中を飛び回り読者は本書を読むだけでスペインを多少なりとも知ることが出来る描写も楽しめる。
ただ、なんていうか大人の小説なのだ。盛り上がり方も冒険性を通して子供っぽさがあるのだが、逢坂さんの文章がダンディ。
北森鴻は楽しめるけどこれを楽しむにはまだ年齢が足りないのかな、と思ってしまった。

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2012年02月23日

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