古市憲寿のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2014年初版
乙武洋匡 対談
現代社会のおかしさ、課題についての8篇の対談集。
若手論客8人対乙武さんという対談本 (R25の対談企画の書籍化)。八人八様の社会への向き合い方・戦い方を紹介しつつも、共通している「既存勢力・既得権益との向き合い方」については東氏のまとめた「内側・外側」のまとめがわかりやすい。既存のルールの上でも戦える準備をする=内側。既存のルールを真っ向否定し、トリックスター的に変革を目指す=外側。
論壇会にも世代があるし、スタンスの違いもあるということがなんとなくわかった一冊。それにしても乙武さんのスタンスがいい意味でずるい。いいところを結局持っていくような構成でした -
Posted by ブクログ
読みやすいけど、これを出発点に考えを深める可能性がありそうな一冊。ショッピングモール、保育園、など題材は身近。だからなんだ、といいたくなるような個人の感想的な部分もあるけど、それすら裏付け部分に厚みがあるために興味ひかれた。
興味深かったのは、社会的な運動をする際、それ自体を楽しむのか、変革を目的として啓蒙をするのかという二つのタイプについての話。前者は波及力は少ない代わりに永続的、後者は無理が生じて破綻しやすい。。など。
確かに、周りをかえよう!という運動ってどこかしんどい。多分本人も、まわりも。割合の問題と思うけど、自分はこれが楽しい!という割合が高いほど長続きしやすいだろな。 -
Posted by ブクログ
國分&古市の軽い対談集。古市さんがいつもの調子で國分さんの発言をうまく引き出している。軽いけど、それなりに考えさせられる点もある。
IKEAとコストコでは、消費社会を否定するのではなく、新たな意味を消費者側が付加していく(ゲームセンターが高齢者のたまり場となっている例)ことで、望ましい方向に少しずつ変えていけるのではないか。それをこの本では「社会の抜け道」と言っている。
今の社会システムにはいろいろとマイナス面もあるけど、それをひっくり返すのではなく、少しずつ上書きしていくことで、少しずつシステムを変えていくべきだし、現実的にはそれしかできない、という主張はもっとも。
革命一発で社会を変 -
Posted by ブクログ
予想していたとおり居酒屋トーク的にスタートしていく。いろんな本が紹介されているので、わあ読むものがまた増えたなあ、と喜びながら。しかし、本は過去のことが記録されているもので、世の中のオンタイムからは遅れてしまうのだ、キャッチアップできないのだ、とも…まあいいや。
消費派と半消費派的立場からショッピングモールをあれこれ。新しい公共の場であるとも、疎外感や帰るときの虚無感など。
本書は外国の例も出しながら、あくまでも日本の「社会」を論じていて、そしてあくまでも社会の全体像ではない、と言っている。ただそこに示されている抜け穴、水漏れ穴は僕にはわりと好意的に映る。人生は、つまらないと隷属する。不満があ -
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Posted by ブクログ
「スケッチ」という言葉は非常に便利だなと思いました。
働きかたのスケッチ集&これまでの労働観の再検証がメインの本。
古市さんの世渡り上手さがあってこその内容でした。
「当たり前だと思われていたことが、実は歴史や文献を読み解くと当たり前じゃないんだよ 」という、社会学系の一般書によくある手法がとられている章もありますが、確かにそういう目で見ると「働きかた」論も面白いです。
学術論文からイロモノ本まで膨大な資料を参照されているけれど、それを面白おかしく編集する古市さんの力は、批判はあれどやっぱり凄いです。
いつものごとく、結論ナシ。上手に煙に巻かれてしまいました。
イラッとさせてくれる脚注も健