古市憲寿のレビュー一覧
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最近の若者は「ムラムラ化」しているとのこと。狭いコミュニティで仲間たちとなんとなく楽しくつるんでいることを幸福と感じている。これを「村々化」という。 しかし、そうした日常に閉塞感も感じていて、なにか社会貢献とか世界を変える良いことをしたいとも感じて「ムラムラ」している。そんな状況なので例えば災害とかでボランティアが必要な状況がくると、率先して参加する。日本が戦争する国になると危機感をもって、デモに参加したりする。(その逆の立ち位置のデモ、例えば在特会とかの場合もある)要するにマンネリ化した日常を変化させる非日常が出現すると、それに喜んで飛び込んでしまうというこだ。
言われてみればそうかも -
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(いい意味で)偏屈だなと思っていた社会学者による、少子化問題・保育園待機児童問題についての論。
テレビで見る古市さんと比べると、当たり前の正論ばかりで、全く偏屈じゃなかったし、最終章の結論まとめは、どこか温かくて、現代社会を過剰に絶望視したい性格と年頃の私でも『未来に希望を持ってもいいのかな』という気になったり。
わたし自身、子ども関係の仕事に携わっており、かつ、結婚四年目でまだ子どもを持つ気もなく(きっと今後も産む気になれない)、なんかこのトピックにまとわりつかれながらの20代を過ごしてきたなと。自分が産むor産まないはさておき、この世に産まれてきた子どもには、せめて幸せであってほしいし(す -
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「マーケティングの嘘」ではコストコが流行った理由を「3世代消費」としていたが、本書は「遠足型消費」にあるとする。こちらの主張の方が、一般論としては受け入れられている気がする。
「『遠足型消費』とは、小学校の遠足のように、日常の延長として消費やレジャーを体験型で楽しむスタイル。行く前の日はちょっと楽しみで、日常と少しだけ離れたキラキラした空間で、キラキラしたものを買い、キラキラした時間を過ごすこと。
基本的に日帰りの日常の中で楽しむ、ささやかなオアシス。ハワイのオアフ島ではなく、車で行けるスーパー温泉やショッピングモール。高級レストランのフレンチではなくて、ちょっと素敵なキッチン道具を使っての -
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脱原発のデモの光景が脳裏に浮かんだ。
国会議事堂に向かって何かを騒ぎ立てる群衆。ニュースで見た光景。
そこに安倍首相が敢然と矢面に立ち持論を展開しようとしているイメージを描いた。 なにかバゲット車のようなもので見渡せる高いところに立ち、街頭演説のようなマイクを握りながら、脱原発論に対する自身の意見を訴えているところだ。すると物が投げつけられる、もしかしたら銃撃されて死んでしまうかも知れない。そんな邪念が介在し、映画に出てきそうな防弾ガラスケースに包まれた首相に変わった。このままだと妄想が別の方向へ進みそうだったから、3Dホログラムを使って首相自身は官邸から群衆に対して主張をする状況に落ちつけ -
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現代におけるリーダー待望論や「クール・ジャパン」、さらにネット・バッシングや日本の雇用形態などといったさまざまなテーマについて考察をおこなっている本です。
エッセイのようなスタイルで書かれているので、気楽に読むことができるというメリットはありますが、これらのテーマの全体を貫くような、来たるべき社会についてのグランド・デザインが示されているわけではありません。新書形式で刊行されているとはいえ、元来はさまざまな雑誌に掲載された著者のエッセイをまとめた本なので、やむを得ないのかもしれませんが。
ただし、本書の最後の方に収録されている「闘わなくても「革命」は起こせる」というエッセイでは、著者はシェ -
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おなじみの社会学者・古市憲寿と、若手の左寄り哲学者・國分功一郎の共著、対談集。國分もlifeで知って、とても面白いしっかりした人だなという印象を持っていた。哲学者って名乗るのは結構大変だと思う。哲学の仕事って真理の探究でしょ。思想とは違う、っていうのはイメージで線引きはわからないけど、でも逆にそう名乗っているのが新鮮。
本の内容としては、現状、日本の社会制度や流行りなんかをバシバシと批判する感じ。古市はノルウェーに、國分はフランスに、共に学生時代留学していた経験があるので、そこと日本との違いをいいところ悪いところを上げながらやり合うのは、結構面白かった。相変わらず古市は自由で現代の権化。でも -
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テレビでよく見かける若手の社会学者、古市憲寿の社会学入門。社会学とは何か、という質問を、日本を代表する12人の社会学者に尋ねて回る対談の書籍化です。非常に読みやすく、かつ程よくアカデミックですごく読みごたえがありました。それぞれの社会学者が取り組む社会学者としてのアプローチをたどりながら、社会学の位置づけを多角度から理解できたと思う。
最近の学問は理論の探究から、事象の理解にシフトしている。そこに善し悪しはないだろう。だからこそ常にダイアローグを忘れてはいけない。個と全体の、一般と特殊の、理論と計量の。そしていつも問い続けることを忘れてはいけない。私たちの住む社会について、私自身について。
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若手社会学者の肩書を持つ、古市憲寿が12人の社会学者と対談する。最初に聞く質問が、
「社会学ってなんですか?」
というもの。
各人それぞれの社会学の定義を持っているが、その中で橋爪大三郎の定義が一番すんなり受け止められた。
いわく、社会科学の成立と同時に社会学は誕生した。
政府とは何か、法律とは何かを考え始めたら政治学ができた。
市場がだんだん一般的になるにつれて経済学ができた。
政治学も、経済学も扱わない「社会」というものについて、社会を丸ごと考察する社会学が誕生した。
つまり、特定分野の社会科学が誕生していった結果の残り物が社会学である。
そして、特定分野のタコツボ