カズオ・イシグロのレビュー一覧
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とても長いとても良い作品。ちょっと時間掛かってしまったが、途中で見失なうことなくなっ。ラストのお母さんと再会する場面は 遅いホント遅いから 孤児だったマフィンの為だけに中国人に奴隷になって生きるしかないお母さんが哀れ過ぎる、孤児だったマフィンではなくなっ。戦争が悪いと言えばそれまでだけど、やっぱ叔父のイギリス人かな地獄に堕ちなきゃならないのは。マクドナルドの立ち位置がわからないのと危険な戦闘地帯をいるわけがない両親を探してアキラ似の日本人と一緒にいる所もわからないのと娘のジェニファーの存在がどこに向かうのかと1番わからないのは解説が一言も入ってこないって事 カズオイシグロの読みたいの読めたの -
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ネタバレカズオ・イシグロらしい記憶を辿る旅。
過ぎ去ってしまった時への郷愁、おぼろげであり、夢のようであり、心に確実に刻まれた感覚、忘れがたいのに指の間からこぼれ落ちていく切なさ。
近未来のSFだったり、中世ヨーロッパだったり、どこが場面だったとしても、その通奏低音は変わらないのだが、今回は探偵の物語。戦前、戦中の上海租界とイギリスを舞台が舞台。
前半、なかなか進まない中にも主人公の自我の強さ、探偵小説としては楽観的な展開に(探偵小説ではないのでそれ自体は構わないのだが)、後半の展開はスリリングというより目を閉じたくなる内容で、ゆっくりとした展開のうちに自分がどれだけ主人公に感情移入していたかに気付か -
購入済み
副題から分かるように全ての短編に音楽の要素が出てきますが、もうひとつの「夕暮れ」はどういうことだろうと思いながら読んでいました。訳者あとがきにも書かれていましたが、音楽以外にももうひとつ男女関係・夫婦関係の危機というモチーフも全ての短編に共通しています。登場人物皆もう若くなく、ある人は結婚した時の状況とはお互いの関係や自分の感情や人生に求めるものが変わっていたり…。こういう人生の盛りを過ぎてそれでも残りの人生を生きていく人々を「夕暮れ」という言葉で表現しているのでしょうかね。思えば『日の名残り』もそのような意味合いでしたか。
ひとつひとつ心にしんみりとした感覚を残す短編でおすすめです。 -
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ノーベル文学賞をとってからもう6年か。もともとノーベル賞に興味はなかったけれど、当時、カズオイシグロの受賞を聞いたときはびっくりした。
彼の作品は全部読んでいて、好きな作家の一人だったから。
映画『日の名残り』を観たのがきっかけで、カズオイシグロを知り、原作を読んだ。
そしていつものように、好きな作家の作品は出版された順番に読んでいきたいと思い、『遠い山なみの光』から順に読んでいった。
読めば読むほどはまっていく。
ノーベル文学賞受賞記念講演を収録した本作は、スピーチであるせいかとても読みやすい。でもぎゅっと大切なことが詰まっている。
『日の名残り』のくだりでは、まさに私が一番好きな部分に -
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カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『わたしを離さないで』で、また、2012年4月に、NHKで「カズオ・イシグロを探して」と題したドキュメンタリーが放送され、日本でもより知られるようになりました。
『夜想曲集』(2009年)は、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という副題が付いた、初の短編連作集。どの物語も、人生の後半や終盤にある人物が、自らの過去(=夕暮 -
購入済み
淡々とした中にあるインパクト
特殊な暮らしにおける日常の描写、心情が淡々と書かれているものの、ミステリーがちりばめられているよう不思議な小説でした。
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ネタバレ名作「日の名残り」と同じように、自分なりのポリシーを持って難しい時代を生きた老人の回想という形をとっている。
老人は戦時中に、愛国心を支えるような活動をしてきた画家。一時期は高い地位を得ていた(それも本人の記憶の中だけで、実際はどうだったのか、最後の方には現実と記憶の乖離も考えられるようになっているのが面白い)。
戦後、新しい価値観が広がる世の中で、自分のしてきたことに対する誇りや反省、保身、様々な感情が入り乱れる。娘や義理の息子たちにどう思われているかも気になるし、威厳は保ちたいし…。
「時代の変化」の中で、小さな一個人が翻弄される…というほど大げさな設定でもない(戦場に行くわけでもなく、戦