カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    【文学の森】2025年9月クールのテーマ作品。

    戦後の世の中、価値観の違う人たちが精一杯生きる姿を静かに描いている。
    わからない部分もあったので、平野啓一郎さんの解説を聞いたあと、再読したい。

    翻訳物は基本的に苦手だが、本作に関しては全く違和感なく、素晴らしいと感じた。日本語の表現の多彩さを考えると、原作より表現が豊かになっているのではないかと思った(原作は読んでないけど)。

    石川監督の映画も気になる。

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    2025年09月22日
  • 日の名残り

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    素晴らしい作品だった。雇主が戦前戦後の欧米各国の思惑に翻弄され失意の中で去る話、女中頭の過去と現在の話。最終的には、執事も前を向いてジョークにまず向き合おうとこの旅を経て思えた事、何もかもが素敵なストーリー。
    カズオ・イシグロの本の中で、マイベストです。

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    2025年09月19日
  • クララとお日さま

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    AIロボットと人間の関係や、家族の在り方、知識の意味、人とAIの違いとは何かなど考えさせられることが多い本であった。
    AIは本当に人間になりうるものなのか、違いは何なのか、脅威となりうるものなのか。
    最近では、技術の進歩によって、自然に発生したものを改善する方法が多くでてきている。
    そのような技術に向き合い、どのように扱っていくのか、これから人間に課された大きな課題であると感じた。

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    2025年09月02日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    「わたしを離さないで」について

    ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが端正な筆致で綴る、ある女性の人生の物語。

    提供者を慰める介護人の職に長くついていた女性。彼女が職を辞めるにあたり、自分のこれまでの人生、特に生まれ育ったヘールシャムで仲間と過ごした日々を回顧する。

    提供者、介護人など説明なく出てくる言葉の意味が、女性の回想から次第に明らかになってくるにつれ、世界の残酷な姿が浮かび上がってくる。
    この世界の真実は、SF小説のファンならばすぐに見当がついてしまうだろう。

    読みどころは、むしろ小説としての巧さ、人間描写の厚みの部分だ。大きな状況に翻弄される主人公たちが、小さな人間関係にすがる姿がなんとも哀しく映るのだ。

    #切ない

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    2025年08月29日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    初めて読んだカズオ・イシグロ作品です。

    自分が非常に遅読なのもあり、主人公であるクララの(おそらく瞳の)「箱」で描写される風景を想像をするのに時々苦労してゆっくり読んでいました。

    少年少女の心に寄り添い支えるための人工親友=AF(Artificial Friend)であり本作の主人公でもあるクララ。
    彼女の目を通して一人の少女とその周りのことが語られていきます。

    「向上措置」やそれに関係する差別ともいえる風景などが垣間見えるディストピアのような世界観。
    クララが寄り添う少女ジョジーに忍び寄る死の影、ジョジーの母親クリシーの穏やかならぬ心、ジョジーの親友で措置を受けていないリックの将来・・

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    2025年08月26日
  • 夜想曲集

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    老歌手からもうすでにいい。構成とキャラ設定、ストーリーの流れ、全部拍手喝采。行を追うのが止まらない。

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    2025年08月19日
  • 夜想曲集

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    翻訳ものは誰が翻訳したかによっても評価が分かれると思いますが、とても読みやすかったです。訳されることを前提に書いていると知った時は驚きました。
    音楽をテーマに5つの短編が収録されていますが、一つ一つ異なるテイストで楽しく、すぐに世界に引き込まれました。
    余韻のある読後感も心地よい一冊だと思います。

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    2025年08月10日
  • クララとお日さま

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    「私を離さないで」を読んで深い感動に打ちのめされた私は、「クララとお日さま」が「私を離さないで」に共通した点があることに嬉しさを感じながら読み終えた。
    AIと人間を扱う小説や映画はすでに数多くあるが、AI側の視点に立った小説は異彩を放っている。
    綿密に計算された語り口はカズオ・イシグロ・ワールド全開だ。見事に「私を離さないで」と同類の感動を与えてくれた。

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    2025年07月20日
  • 浮世の画家〔新版〕

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     時代の空気感がよくわかる。戦中の正義は戦後の悪となり、個人が信じたものも否定されてしまう。それでも家族を思う気持ちは大切だと思った

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    2025年03月29日
  • クララとお日さま

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    人工知能搭載のロボットAFクララの周りの人の幸せを一心に願う健気さ、純粋さに心打たれた。
    物語の雰囲気、語り口が「わたしを離さないで」に似ていて丁寧な言葉の中に哀愁が漂う。

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    2025年03月20日
  • 夜想曲集

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    5篇の短編からなる。
    「夜想曲」などに出てくるリンディーガードナーはカズオ・イシグロのお気に入りキャラだろう。
    天真爛漫なセレブに売り回されるミュージシャンたち。
    5篇の短編はすべて音楽に関係のあるストーリーで、切なく、ときにクスッと笑える要素を含む。

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    2025年02月02日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    とても長いとても良い作品。ちょっと時間掛かってしまったが、途中で見失なうことなくなっ。ラストのお母さんと再会する場面は 遅いホント遅いから 孤児だったマフィンの為だけに中国人に奴隷になって生きるしかないお母さんが哀れ過ぎる、孤児だったマフィンではなくなっ。戦争が悪いと言えばそれまでだけど、やっぱ叔父のイギリス人かな地獄に堕ちなきゃならないのは。マクドナルドの立ち位置がわからないのと危険な戦闘地帯をいるわけがない両親を探してアキラ似の日本人と一緒にいる所もわからないのと娘のジェニファーの存在がどこに向かうのかと1番わからないのは解説が一言も入ってこないって事 カズオイシグロの読みたいの読めたの

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    2024年11月16日
  • 充たされざる者

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    どこまでも続く混沌とした世界。希望を求めながら、信念を抱きながらも、どうしようもない世界に身を置く人たちの声が響き合う。
    そんな物語(物語ではないかもしれない)を900ページにわたって総合的に立ち上げている。良い意味で退屈。読み続けるのに苦労したが、唯一無二の読書体験だった。
    柴田元幸さんがイシグロベストに挙げるのも納得の一作。

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    2024年09月18日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    カズオ・イシグロらしい記憶を辿る旅。
    過ぎ去ってしまった時への郷愁、おぼろげであり、夢のようであり、心に確実に刻まれた感覚、忘れがたいのに指の間からこぼれ落ちていく切なさ。
    近未来のSFだったり、中世ヨーロッパだったり、どこが場面だったとしても、その通奏低音は変わらないのだが、今回は探偵の物語。戦前、戦中の上海租界とイギリスを舞台が舞台。
    前半、なかなか進まない中にも主人公の自我の強さ、探偵小説としては楽観的な展開に(探偵小説ではないのでそれ自体は構わないのだが)、後半の展開はスリリングというより目を閉じたくなる内容で、ゆっくりとした展開のうちに自分がどれだけ主人公に感情移入していたかに気付か

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    2024年08月17日
  • 充たされざる者

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    面白かったの一言に尽きる。ページが進めば進むほど引き込まれていった。不思議な雰囲気が癖になる。カズオ・イシグロ作品の中でいちばん好きかも。

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    2024年05月14日
  • 夜想曲集

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    副題から分かるように全ての短編に音楽の要素が出てきますが、もうひとつの「夕暮れ」はどういうことだろうと思いながら読んでいました。訳者あとがきにも書かれていましたが、音楽以外にももうひとつ男女関係・夫婦関係の危機というモチーフも全ての短編に共通しています。登場人物皆もう若くなく、ある人は結婚した時の状況とはお互いの関係や自分の感情や人生に求めるものが変わっていたり…。こういう人生の盛りを過ぎてそれでも残りの人生を生きていく人々を「夕暮れ」という言葉で表現しているのでしょうかね。思えば『日の名残り』もそのような意味合いでしたか。
    ひとつひとつ心にしんみりとした感覚を残す短編でおすすめです。

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    2024年08月17日
  • 日の名残り

    購入済み

    面白くてすんなり読めました

    サー・カズオイシグロの作品を読むのはこれが初めてでしたが、冒頭からすんなり読めて良かったです。
    大好きなドラマ「ダウントンアビー」の世界を楽しめました。主人公のドライブ中の描写も以前旅行した時のイギリスの田園風景が目に浮かぶようでした。
    どちらかというと主人公より元女中頭のミス・ケントンに感情移入して読後感はどことなく悲しかったですが、他の方のレビューを読むと主人公もミス・ケントンも過去を振り返った上で希望を持って未来に歩み出す物語なのかもと思います。なかなか深い物語です。

    #深い

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    2024年04月16日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル文学賞をとってからもう6年か。もともとノーベル賞に興味はなかったけれど、当時、カズオイシグロの受賞を聞いたときはびっくりした。
    彼の作品は全部読んでいて、好きな作家の一人だったから。

    映画『日の名残り』を観たのがきっかけで、カズオイシグロを知り、原作を読んだ。
    そしていつものように、好きな作家の作品は出版された順番に読んでいきたいと思い、『遠い山なみの光』から順に読んでいった。
    読めば読むほどはまっていく。

    ノーベル文学賞受賞記念講演を収録した本作は、スピーチであるせいかとても読みやすい。でもぎゅっと大切なことが詰まっている。
    『日の名残り』のくだりでは、まさに私が一番好きな部分に

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    2023年06月12日
  • 夜想曲集

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    短編集。笑って、しみじみして、唸って、ため息ついてまた笑って。
    一番好きなのは「降っても晴れても」。
    どれもラストは僕好みだった。

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    2022年09月19日
  • 夜想曲集

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    カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『わたしを離さないで』で、また、2012年4月に、NHKで「カズオ・イシグロを探して」と題したドキュメンタリーが放送され、日本でもより知られるようになりました。
    『夜想曲集』(2009年)は、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という副題が付いた、初の短編連作集。どの物語も、人生の後半や終盤にある人物が、自らの過去(=夕暮

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    2022年09月05日