カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • 浮世の画家〔新版〕

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     時代の空気感がよくわかる。戦中の正義は戦後の悪となり、個人が信じたものも否定されてしまう。それでも家族を思う気持ちは大切だと思った

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    2025年03月29日
  • クララとお日さま

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    人工知能搭載のロボットAFクララの周りの人の幸せを一心に願う健気さ、純粋さに心打たれた。
    物語の雰囲気、語り口が「わたしを離さないで」に似ていて丁寧な言葉の中に哀愁が漂う。

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    2025年03月20日
  • クララとお日さま

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    生成AIのまた先のAIで感情に寄り添うことができるロボットというちょっと不気味な設定。太陽の光が生きるか死ぬか大事なクララにとって黒煙はよっぽど退治しないといけないものだったのかな。初めてのカズオイシグロさんの作品だったけど視点がすごく面白くて違う本も読んでみたくなった!

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    2025年02月07日
  • 夜想曲集

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    5篇の短編からなる。
    「夜想曲」などに出てくるリンディーガードナーはカズオ・イシグロのお気に入りキャラだろう。
    天真爛漫なセレブに売り回されるミュージシャンたち。
    5篇の短編はすべて音楽に関係のあるストーリーで、切なく、ときにクスッと笑える要素を含む。

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    2025年02月02日
  • クララとお日さま

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    分厚くて最初分かりにくくて読みにくそうだな、と思っていました。
    しかし少し我慢して読み続けると、AIと人間という一言では表しきれない関係に魅了されました。
    最後はとても感動、、、ページ数に圧倒されて読んでいない人には是非読んで欲しいです。止まらなくなります。

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    2025年01月12日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    とても長いとても良い作品。ちょっと時間掛かってしまったが、途中で見失なうことなくなっ。ラストのお母さんと再会する場面は 遅いホント遅いから 孤児だったマフィンの為だけに中国人に奴隷になって生きるしかないお母さんが哀れ過ぎる、孤児だったマフィンではなくなっ。戦争が悪いと言えばそれまでだけど、やっぱ叔父のイギリス人かな地獄に堕ちなきゃならないのは。マクドナルドの立ち位置がわからないのと危険な戦闘地帯をいるわけがない両親を探してアキラ似の日本人と一緒にいる所もわからないのと娘のジェニファーの存在がどこに向かうのかと1番わからないのは解説が一言も入ってこないって事 カズオイシグロの読みたいの読めたの

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    2024年11月16日
  • 充たされざる者

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    どこまでも続く混沌とした世界。希望を求めながら、信念を抱きながらも、どうしようもない世界に身を置く人たちの声が響き合う。
    そんな物語(物語ではないかもしれない)を900ページにわたって総合的に立ち上げている。良い意味で退屈。読み続けるのに苦労したが、唯一無二の読書体験だった。
    柴田元幸さんがイシグロベストに挙げるのも納得の一作。

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    2024年09月18日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    カズオ・イシグロらしい記憶を辿る旅。
    過ぎ去ってしまった時への郷愁、おぼろげであり、夢のようであり、心に確実に刻まれた感覚、忘れがたいのに指の間からこぼれ落ちていく切なさ。
    近未来のSFだったり、中世ヨーロッパだったり、どこが場面だったとしても、その通奏低音は変わらないのだが、今回は探偵の物語。戦前、戦中の上海租界とイギリスを舞台が舞台。
    前半、なかなか進まない中にも主人公の自我の強さ、探偵小説としては楽観的な展開に(探偵小説ではないのでそれ自体は構わないのだが)、後半の展開はスリリングというより目を閉じたくなる内容で、ゆっくりとした展開のうちに自分がどれだけ主人公に感情移入していたかに気付か

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    2024年08月17日
  • 充たされざる者

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    面白かったの一言に尽きる。ページが進めば進むほど引き込まれていった。不思議な雰囲気が癖になる。カズオ・イシグロ作品の中でいちばん好きかも。

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    2024年05月14日
  • 夜想曲集

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    副題から分かるように全ての短編に音楽の要素が出てきますが、もうひとつの「夕暮れ」はどういうことだろうと思いながら読んでいました。訳者あとがきにも書かれていましたが、音楽以外にももうひとつ男女関係・夫婦関係の危機というモチーフも全ての短編に共通しています。登場人物皆もう若くなく、ある人は結婚した時の状況とはお互いの関係や自分の感情や人生に求めるものが変わっていたり…。こういう人生の盛りを過ぎてそれでも残りの人生を生きていく人々を「夕暮れ」という言葉で表現しているのでしょうかね。思えば『日の名残り』もそのような意味合いでしたか。
    ひとつひとつ心にしんみりとした感覚を残す短編でおすすめです。

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    2024年08月17日
  • 日の名残り

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    面白くてすんなり読めました

    サー・カズオイシグロの作品を読むのはこれが初めてでしたが、冒頭からすんなり読めて良かったです。
    大好きなドラマ「ダウントンアビー」の世界を楽しめました。主人公のドライブ中の描写も以前旅行した時のイギリスの田園風景が目に浮かぶようでした。
    どちらかというと主人公より元女中頭のミス・ケントンに感情移入して読後感はどことなく悲しかったですが、他の方のレビューを読むと主人公もミス・ケントンも過去を振り返った上で希望を持って未来に歩み出す物語なのかもと思います。なかなか深い物語です。

    #深い

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    2024年04月16日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル文学賞をとってからもう6年か。もともとノーベル賞に興味はなかったけれど、当時、カズオイシグロの受賞を聞いたときはびっくりした。
    彼の作品は全部読んでいて、好きな作家の一人だったから。

    映画『日の名残り』を観たのがきっかけで、カズオイシグロを知り、原作を読んだ。
    そしていつものように、好きな作家の作品は出版された順番に読んでいきたいと思い、『遠い山なみの光』から順に読んでいった。
    読めば読むほどはまっていく。

    ノーベル文学賞受賞記念講演を収録した本作は、スピーチであるせいかとても読みやすい。でもぎゅっと大切なことが詰まっている。
    『日の名残り』のくだりでは、まさに私が一番好きな部分に

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    2023年06月12日
  • 夜想曲集

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    短編集。笑って、しみじみして、唸って、ため息ついてまた笑って。
    一番好きなのは「降っても晴れても」。
    どれもラストは僕好みだった。

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    2022年09月19日
  • 夜想曲集

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    カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『わたしを離さないで』で、また、2012年4月に、NHKで「カズオ・イシグロを探して」と題したドキュメンタリーが放送され、日本でもより知られるようになりました。
    『夜想曲集』(2009年)は、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という副題が付いた、初の短編連作集。どの物語も、人生の後半や終盤にある人物が、自らの過去(=夕暮

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    2022年09月05日
  • 忘れられた巨人

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    読んでいくうちにこれは童話ではないか、と思うようになった。守り人と同じようなプロットである。挿絵がないだけで、漢字にルビを振れば子どもが読める本である。竜退治という最終目的とアーサー王の騎士が出てくるのでイギリスであるが、日本の子どもでも読める。

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    2022年05月05日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    淡々とした中にあるインパクト

    特殊な暮らしにおける日常の描写、心情が淡々と書かれているものの、ミステリーがちりばめられているよう不思議な小説でした。

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    2022年03月18日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    ネタバレ

    名作「日の名残り」と同じように、自分なりのポリシーを持って難しい時代を生きた老人の回想という形をとっている。
    老人は戦時中に、愛国心を支えるような活動をしてきた画家。一時期は高い地位を得ていた(それも本人の記憶の中だけで、実際はどうだったのか、最後の方には現実と記憶の乖離も考えられるようになっているのが面白い)。
    戦後、新しい価値観が広がる世の中で、自分のしてきたことに対する誇りや反省、保身、様々な感情が入り乱れる。娘や義理の息子たちにどう思われているかも気になるし、威厳は保ちたいし…。
    「時代の変化」の中で、小さな一個人が翻弄される…というほど大げさな設定でもない(戦場に行くわけでもなく、戦

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    2021年08月07日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    カズオ・イシグロのノーベル賞受賞記念講演の日本語訳。
    毎日新聞のウェブサイトで英語・日本語訳の両方とも読めるので少し迷ったが、やはり、手元に置いておこうかなと。
    生い立ち、何に気をつけて小説を書いているか、今の時代とこれからの未来について思うこと、丁寧に語られています。
    I'll have to carry on and do the best I can.
    左ページは英語、右ページは日本語。赤いハードカバーの小さな素敵な本でした。

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    2021年06月04日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    日常がもっと好きになるような小説だった。その時代の空気感、時代感が伝わってきた。自分自身の理想の世界を作り上げるために生きていたっていいじゃないか。どんな現実にぶつかってもそれが自分の信念なら変える必要はないと、自分の人生観を考えさせてくれた作品だ。

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    2021年05月14日
  • 充たされざる者

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    とても風変わりな作品。私はこういうの好き。

    夢の中のように脈絡なく続くストーリー、歪んだ時間、辿り着かない目的地、見知らぬ知人達(矛盾してるけど"見知らぬ知人"が正しい表現だと思う。)
    永遠と続くワンカットシーンのような小説。

    読後は長い夢を見終わったような気だるさ。

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    2020年11月16日