カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

     途中までよくわからなかったが、最後の方になってどういう話だったのかわかる気がした。
     スティーブンスが首相、外相、駐英ドイツ大使リッベントロップの会談をうまく凌いで幸福感を感じるが、その20年後に分かった女中頭の自分への恋慕の情がそれをふいにしてしまった。スティーブンスは鈍感すぎた。僕も読んでる最中全く気が付かなかったから鈍感なのかなと思った(笑)
     解説を読んで分かった気になったが、自分でわからなかったのが悔しい。また読みたい。

    0
    2025年12月17日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    カズオ イシグロの短編集。男と女の惹かれ合う思いや言葉、外国のその地での情緒の他に、何よりも流れ出てくるメロディーの調べが心地よい。そしてくるりと笑ってしまう展開。これまで読んできたイシグロ氏の著作の中でこんなに面白みのある本、あったでしょうか。映像化されたら、どれもこれもまた違った楽しいものになるでしょうね。

    0
    2025年12月13日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    万里子に繰り返し「なんでそんなもの持ってるの」と言われる、あの綱。
    あれは景子の首に掛かるものだったのか。
    佐知子の記憶が現在の心境によって揺らがされていることに気づいてハッとさせられた。

    0
    2025年12月06日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    前半は何となく退屈で、途中で読むのをやめようかと思いましたが、全体に漂う奇妙な雰囲気と、いくつかのテーマ(提供など)が気になって、読み進めていくうちに、少しずつ状況が明らかになって、途中からは猛スピードで読み終えました。
    残酷な現実や少しだけの穏やかな時間が、淡々とした語り口とは対照的で、強烈に印象に残りました。
    同じ著者の別の作品も読んでみたいと思います。

    0
    2025年12月05日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    クララに癒されながら、同時に不穏な世界観も楽しめた。
    この本はChat GPTに選書して貰ったので余計に感慨深い……クララと比べるとバカだけど選書センスが最高!

    0
    2025年11月25日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    カズオイシグロは難解だ、
    訳文だからか私の読解力不足だからか読みづらい、
    映画にもなってるそうなのでイージーそうなそっちから読めばよかったか?
    なんて逡巡を口笛で飛ばす読後感です。
    氷河期世代で仕事人間たる私には、重みが残りました。
    仕事を選んできた人生に後悔はないか?と問われるとイエスと即答できない。
    同じように仕事を選んできたあの人にも、読んで欲しい。

    0
    2025年11月23日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    AFの存在が、こんなに大きくなる世界は、そう遠くないと感じる。
    身体性を持つことができるか?
    身体性が必要なのか? はわからない。

    自分(AF)の中で、正義を確立することができるのかは、ちょっと怖いとも思える。

    0
    2025年11月22日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カズオイシグロは、前にも日の名残り、私を離さないでを読んだことがあり、
    今回映画化されたことを受けて興味をもって読んだ。
    流れ、雰囲気は日の名残りに近い。
    途中途中のエピソードが何に繋がるのか、なんでそのようなことを思い出すのか、最後に少しわかる。

    相変わらずの読後感に圧倒されたが、今回一番圧倒されたのは、意外にも巻末の三宅香帆さんの書評だった。
    書評に解説が書いてあり、人によってはつまらなく感じるかもしれないが、自分は三宅さんの書評を読んでこの本の理解と読後感を深めることができた。

    人は誰しも人には言えないことを抱えて生きる。
    そして、テクニック的には書かれていないことを想像して読むのが

    0
    2025年11月19日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    学生の頃、ドストエフスキーを読んで訳が分からず、今もまだ読み返せていないのだけど。先生がドストエフスキーは物語の中で色んなことを語っていると言っていた。
    イシグロさんも、本作で、ここでは語り尽くせないくらい多くのことを語っていると私は感じた。

    世界はSFとも言える、とても冷酷で無慈悲で、でも多分実現可能な社会。
    その奇怪な世界において、子どもたちの心は、とても鮮明に映し出されている。

    ヘールシャムは学校であり、家であり、故郷。
    先生は親であり、生徒は友であり、恋人であり、家族でもある。
    子供達の未来は、決まっている。
    この圧縮された世界は、あまりに残酷だ。

    だけど、キャシーの語るヘールシ

    0
    2025年11月20日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    途中まで何の話かわからなかったが、事実が明るみになりはじめる第2章後半からは、どうなっていくのか気になり読み進めた。
    キャシーとトミーには、淡々とした中でも確実に存在する希望と諦めを感じたし、最後死を受け入れるしかない提供者の運命と、ささやかな人としての一生がいかに儚いながらも美しいかを、描写から直に感じるのではなく、キャシーの日常とそれに対する回想、憧憬にふれることで、想像させられた。

    0
    2025年11月18日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    訳文だからか、読むのに難儀しました。
    けれど読後はじわーっと来る。
    人間存在ってなんぞや。
    アンドロイドに教えられる。

    0
    2025年11月16日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     時代は第二次世界大戦の後,1950年代。
     執事スティーブンスは、現在はアメリカ人の主人に仕えているのだが、主人が帰省する間、かつて同僚だった女中頭に会いにいくことになった。かつてかれらは、有力貴族ダーリントン卿に仕えていた。物語は大半は、旅中で想起される戦前の出来事(1920〜30年代くらい)が中心となっている。
     ダーリントン卿は、政界にコネを持ち、その屋敷は幾度のなく国際政治上の密会の場となっていた。そして、スティーブンスは主人に心酔していた。彼は、ダーリントン卿がいかに偉いか、ということを何度も回想している。
     と同時に、そのように高らかに誇張されることによって、その陰にあった(が実

    0
    2025年11月06日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    こーれはすごい
    まるで実在する執事が滔々と自らの職業人生を語っているかのようで、ノンフィクションの自伝を読んでいるような錯覚に陥りそうになる
    確かな構成力に加えて生真面目な執事が時折見せる人間臭さや登場人物の会話など、ここまでのリアリティと緻密さをもって細部まで描き切る著者の筆致の力量に圧倒された

    0
    2025年11月02日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    人間よりもいつしかクララに共感する。彼女と祈り、彼女の代わりに胸を痛めるうちに、共感を行動に移す力を自分こそが手放しかけていることに気づかされる。

    0
    2025年10月24日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    AIが身近なロボットとして富裕層の家庭が手に入れられる時代があるならば、まさにこういう未来があるのではないかと非常にリアリティのある内容を、AI親友ロボットの一人称視点で語られる物語。
    今の世のAIが質問に何とか答えようとして情報を寄せ集め嘘をついてくることや、よく想像される人に取って代わるというような、興奮性の刺激となる流れでない。淡々と、静かに、しかし確かな川底に流れる熱さをもって、世や人間の美しさや不思議さ、愚かさ、差別、またAIのこころや信仰のような思考の波をとりあげていく。

    冒頭で、ショーウィンドウにいるAIロボットのクララが “コーヒーカップのご婦人とレインコートの老人” を見、

    0
    2025年10月21日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    深い。
    これは秘密にしたい後悔という「亡霊」の物語である。
    それは足元にからまった縄のように、私たちに気もつかぬうちに絡まりついている。

    0
    2025年10月18日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    子供の良きAF(人工親友)になるべく開発された人型AIクララを語り手に、病弱な少女ジョジーとの出会いから別れまでが描かれる。

    クララは観察眼に優れ勉強熱心で優秀なAFだけど、人の心の機微には疎く淡々とした言動の描写からやはり人間とは違う存在なのだと改めて感じさせられる。観察と学習を繰り返した末に、人の心や感情は模倣できるのか。
    終盤、人間に作られた存在であるクララが文字通り自身を犠牲にして主人であるジョジーを救おうとする健気さに心打たれた。

    AIは人間の道具なのか、パートナーなのか。心とは、優しさとは。
    近い将来、こんな未来がくることもあり得るのだろうかと考えさせられる結末だった。
    機械が

    0
    2025年10月01日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    英国貴族のダーリントン卿と、その名家に仕える執事のスティーブンス、ミスケントンの3人を中心とした物語です。スティーブンスの回想録になっていて全て口語調で書かれています。そのため読みやすく、当時のダーリントン家で行われている会合や執事として働いている情景が鮮明に浮かんでくるため、没入感が素晴らしかったです。とにかく真面目で堅物なスティーブンスの人柄も良い味が出ています。

    この物語の最大の魅力としては、3人ともが自らの「人生」と深く向き合っていることです。それぞれが自らの信念のもと進む道を決断・選択しているのですが、上手くいかずに後悔、そして苦悩・・・といったシーンが描かれています。そのため、「

    0
    2025年09月23日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公の女性は、本当にできた人だと思った。舅にも優しく、逆らわず、古い価値観にとらわれていることも受け入れて相手を立てている。自分勝手な知り合いの頼みごとも断らず、わがままな言動にも怒らずに付き合う。お金まで貸してあげる。とにかく怒るということがない。そういう姿に「なんてできた人なんだろう」と思った。
    でも、今の彼女の状況を知ると「あれ?」と思う。離婚し、外国人と再婚している。ピアノ教師には意地悪な嘘までつく。あの時、舅に合わせていたのも本心じゃなかったのかもしれない。夫との離婚の理由も、恵子に何があったのかも明かされないままだ。
    それでも、ニキの新しい価値観には理解を示していて、そこには相変

    0
    2025年09月22日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    映画に比べて全てがぼんやりしていた。悦子は確かにいい母親ではなかったのかもしれない。でも、母親だからといって、自分のための選択ができないのはおかしい。とにかくこの時代は特にみんなが傷を負っていて、大人も大人のままではいられなくて、現代なら受け入れられる選択も景子を追い詰めたのだと思う。景子視点、二朗視点、景子の父親視点も気になる。

    0
    2025年09月21日