カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    翻訳ものは誰が翻訳したかによっても評価が分かれると思いますが、とても読みやすかったです。訳されることを前提に書いていると知った時は驚きました。
    音楽をテーマに5つの短編が収録されていますが、一つ一つ異なるテイストで楽しく、すぐに世界に引き込まれました。
    余韻のある読後感も心地よい一冊だと思います。

    0
    2025年08月10日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    「私を離さないで」を読んで深い感動に打ちのめされた私は、「クララとお日さま」が「私を離さないで」に共通した点があることに嬉しさを感じながら読み終えた。
    AIと人間を扱う小説や映画はすでに数多くあるが、AI側の視点に立った小説は異彩を放っている。
    綿密に計算された語り口はカズオ・イシグロ・ワールド全開だ。見事に「私を離さないで」と同類の感動を与えてくれた。

    0
    2026年09月23日
  • 浮世の画家〔新版〕

    Posted by ブクログ

     時代の空気感がよくわかる。戦中の正義は戦後の悪となり、個人が信じたものも否定されてしまう。それでも家族を思う気持ちは大切だと思った

    0
    2025年03月29日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    5篇の短編からなる。
    「夜想曲」などに出てくるリンディーガードナーはカズオ・イシグロのお気に入りキャラだろう。
    天真爛漫なセレブに売り回されるミュージシャンたち。
    5篇の短編はすべて音楽に関係のあるストーリーで、切なく、ときにクスッと笑える要素を含む。

    0
    2025年02月02日
  • わたしたちが孤児だったころ

    Posted by ブクログ


    とても長いとても良い作品。ちょっと時間掛かってしまったが、途中で見失なうことなくなっ。ラストのお母さんと再会する場面は 遅いホント遅いから 孤児だったマフィンの為だけに中国人に奴隷になって生きるしかないお母さんが哀れ過ぎる、孤児だったマフィンではなくなっ。戦争が悪いと言えばそれまでだけど、やっぱ叔父のイギリス人かな地獄に堕ちなきゃならないのは。マクドナルドの立ち位置がわからないのと危険な戦闘地帯をいるわけがない両親を探してアキラ似の日本人と一緒にいる所もわからないのと娘のジェニファーの存在がどこに向かうのかと1番わからないのは解説が一言も入ってこないって事 カズオイシグロの読みたいの読めたので時間があればまた読もうかな

    0
    2024年11月16日
  • 充たされざる者

    Posted by ブクログ

    どこまでも続く混沌とした世界。希望を求めながら、信念を抱きながらも、どうしようもない世界に身を置く人たちの声が響き合う。
    そんな物語(物語ではないかもしれない)を900ページにわたって総合的に立ち上げている。良い意味で退屈。読み続けるのに苦労したが、唯一無二の読書体験だった。
    柴田元幸さんがイシグロベストに挙げるのも納得の一作。

    0
    2024年09月18日
  • わたしたちが孤児だったころ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カズオ・イシグロらしい記憶を辿る旅。
    過ぎ去ってしまった時への郷愁、おぼろげであり、夢のようであり、心に確実に刻まれた感覚、忘れがたいのに指の間からこぼれ落ちていく切なさ。
    近未来のSFだったり、中世ヨーロッパだったり、どこが場面だったとしても、その通奏低音は変わらないのだが、今回は探偵の物語。戦前、戦中の上海租界とイギリスを舞台が舞台。
    前半、なかなか進まない中にも主人公の自我の強さ、探偵小説としては楽観的な展開に(探偵小説ではないのでそれ自体は構わないのだが)、後半の展開はスリリングというより目を閉じたくなる内容で、ゆっくりとした展開のうちに自分がどれだけ主人公に感情移入していたかに気付かされた。
    稀有な作家、これにて全作品を読破。次作も楽しみで仕方ない。

    0
    2024年08月17日
  • 充たされざる者

    Posted by ブクログ

    面白かったの一言に尽きる。ページが進めば進むほど引き込まれていった。不思議な雰囲気が癖になる。カズオ・イシグロ作品の中でいちばん好きかも。

    0
    2024年05月14日
  • 夜想曲集

    購入済み

    副題から分かるように全ての短編に音楽の要素が出てきますが、もうひとつの「夕暮れ」はどういうことだろうと思いながら読んでいました。訳者あとがきにも書かれていましたが、音楽以外にももうひとつ男女関係・夫婦関係の危機というモチーフも全ての短編に共通しています。登場人物皆もう若くなく、ある人は結婚した時の状況とはお互いの関係や自分の感情や人生に求めるものが変わっていたり…。こういう人生の盛りを過ぎてそれでも残りの人生を生きていく人々を「夕暮れ」という言葉で表現しているのでしょうかね。思えば『日の名残り』もそのような意味合いでしたか。
    ひとつひとつ心にしんみりとした感覚を残す短編でおすすめです。

    0
    2024年08月17日
  • 日の名残り

    購入済み

    面白くてすんなり読めました

    サー・カズオイシグロの作品を読むのはこれが初めてでしたが、冒頭からすんなり読めて良かったです。
    大好きなドラマ「ダウントンアビー」の世界を楽しめました。主人公のドライブ中の描写も以前旅行した時のイギリスの田園風景が目に浮かぶようでした。
    どちらかというと主人公より元女中頭のミス・ケントンに感情移入して読後感はどことなく悲しかったですが、他の方のレビューを読むと主人公もミス・ケントンも過去を振り返った上で希望を持って未来に歩み出す物語なのかもと思います。なかなか深い物語です。

    #深い

    0
    2024年04月16日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

    Posted by ブクログ

    ノーベル文学賞をとってからもう6年か。もともとノーベル賞に興味はなかったけれど、当時、カズオイシグロの受賞を聞いたときはびっくりした。
    彼の作品は全部読んでいて、好きな作家の一人だったから。

    映画『日の名残り』を観たのがきっかけで、カズオイシグロを知り、原作を読んだ。
    そしていつものように、好きな作家の作品は出版された順番に読んでいきたいと思い、『遠い山なみの光』から順に読んでいった。
    読めば読むほどはまっていく。

    ノーベル文学賞受賞記念講演を収録した本作は、スピーチであるせいかとても読みやすい。でもぎゅっと大切なことが詰まっている。
    『日の名残り』のくだりでは、まさに私が一番好きな部分について書かれていて、本を通して作家とつながった気がしてわくわくした(カズオイシグロさんに届いてますよーと伝えたい)。

    本の存在の大切さ(というかなんというか)をあらためてかみしめた。

    ということで、次は『日の名残り ノーベル賞記念版』を読もう。

    0
    2023年06月12日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『わたしを離さないで』で、また、2012年4月に、NHKで「カズオ・イシグロを探して」と題したドキュメンタリーが放送され、日本でもより知られるようになりました。
    『夜想曲集』(2009年)は、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という副題が付いた、初の短編連作集。どの物語も、人生の後半や終盤にある人物が、自らの過去(=夕暮れ)を、ジャズ、クラシック、ポピュラーなどの音楽とともに振り返ります。
    この連作短編集を読んで私は、自分が若い頃にこの本に出会ったならば、今とは違い、ストーリーの展開や場面設定の巧妙さにばかり感嘆しただろうと思います。しかし、人生も優に半ばを過ぎ、振り返る時間が堆積した今、私がこの短編集から読み得たのは、感情の渦に巻かれ、愚かしい選択を繰り返してきた人間の、それでも肯定する他ない人生への愛着でした。
    いずれにせよ、これが私の人生だった。そしてこれからもそれは同じ――。作家と出身地を同じくする私は、身勝手にも、遠いイギリスからそんな激励をもらった気持ちなのです。(K)

    紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2012年1月号掲載。

    0
    2024年05月13日
  • 忘れられた巨人

    Posted by ブクログ

    読んでいくうちにこれは童話ではないか、と思うようになった。守り人と同じようなプロットである。挿絵がないだけで、漢字にルビを振れば子どもが読める本である。竜退治という最終目的とアーサー王の騎士が出てくるのでイギリスであるが、日本の子どもでも読める。

    0
    2022年05月05日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    購入済み

    淡々とした中にあるインパクト

    特殊な暮らしにおける日常の描写、心情が淡々と書かれているものの、ミステリーがちりばめられているよう不思議な小説でした。

    0
    2022年03月18日
  • 浮世の画家〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    名作「日の名残り」と同じように、自分なりのポリシーを持って難しい時代を生きた老人の回想という形をとっている。
    老人は戦時中に、愛国心を支えるような活動をしてきた画家。一時期は高い地位を得ていた(それも本人の記憶の中だけで、実際はどうだったのか、最後の方には現実と記憶の乖離も考えられるようになっているのが面白い)。
    戦後、新しい価値観が広がる世の中で、自分のしてきたことに対する誇りや反省、保身、様々な感情が入り乱れる。娘や義理の息子たちにどう思われているかも気になるし、威厳は保ちたいし…。
    「時代の変化」の中で、小さな一個人が翻弄される…というほど大げさな設定でもない(戦場に行くわけでもなく、戦犯に問われるわけでもない、娘の縁談の心配をするくらい)、にも関わらず、国家に翻弄された多くの人々の姿を、鮮やかに切り取っているような印象がある。

    0
    2021年08月07日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

    Posted by ブクログ

    カズオ・イシグロのノーベル賞受賞記念講演の日本語訳。
    毎日新聞のウェブサイトで英語・日本語訳の両方とも読めるので少し迷ったが、やはり、手元に置いておこうかなと。
    生い立ち、何に気をつけて小説を書いているか、今の時代とこれからの未来について思うこと、丁寧に語られています。
    I'll have to carry on and do the best I can.
    左ページは英語、右ページは日本語。赤いハードカバーの小さな素敵な本でした。

    0
    2021年06月04日
  • わたしたちが孤児だったころ

    Posted by ブクログ

    日常がもっと好きになるような小説だった。その時代の空気感、時代感が伝わってきた。自分自身の理想の世界を作り上げるために生きていたっていいじゃないか。どんな現実にぶつかってもそれが自分の信念なら変える必要はないと、自分の人生観を考えさせてくれた作品だ。

    0
    2021年05月14日
  • 充たされざる者

    Posted by ブクログ

    とても風変わりな作品。私はこういうの好き。

    夢の中のように脈絡なく続くストーリー、歪んだ時間、辿り着かない目的地、見知らぬ知人達(矛盾してるけど"見知らぬ知人"が正しい表現だと思う。)
    永遠と続くワンカットシーンのような小説。

    読後は長い夢を見終わったような気だるさ。

    0
    2020年11月16日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2017年12月7日ストックホルムでの
    スピーチを左ページに英語、右ページに翻訳
    を載せた本。

    1979年秋24歳から始まり、子供時代、
    自分の心の中の日本とそれを書くこと、
    プルーストや歌手などから作品に影響を受けたり、
    人間間の関係を書くことの大切さに
    気付いたり、現在の世界の状況を憂い、
    自分がその一助となれるか、若い作家への
    期待と希望、文学は多様になるべき、など
    が語られています。

    0
    2020年10月30日
  • 日の名残り

    mac

    ネタバレ 購入済み

    人生の黄昏

    一部ご紹介します。
    ・「わしはあんたの言うことが全部理解できているかどうかわからん。
    だが、わしに言わせれば、あんたの態度は間違っとるよ。
    いいかい、いつも後ろを振り向いていちゃいかんのだ。
    後ろばかり向いているから、気が滅入るんだよ。
    なんだって?昔ほどうまく仕事ができない?
    みんな同じさ。いつか休む時が来るんだよ。
    わしを見てごらん。隠退してから、楽しくて仕方がない。
    そりゃ、あんたもわしも、必ずしももう若いとは言えんが、それでも前を向き続けなくちゃいかん」
    「人生楽しまなくっちゃ。夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ。
    みんなにも尋ねてごらんよ。夕方が一日でいちばんいい時間だって言うよ」

    0
    2022年09月30日