カズオ・イシグロのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ忘れられた巨人
はじめての「カズオ イシグロ」でした。
物語はアーサー王時代直後のイングランド。血で血を洗う争いが収まり、竜の吐息のせいで人々が諍いを忘れ平安に暮らしている。
アクセルとベアトリスの老夫婦はある日忘却の彼方にある息子の元へ旅立とうと決意する。
鬼を退治した戦士と鬼にさらわれて咬まれてしまったために村を追われた少年と旅を続けるうち、忘却の原因が竜の吐息のせいだと知り、その竜退治につきあうことになる。
竜退治のために派遣され長年それを果たせずにいるドンキホーテのような騎士も加わりますが、騎士の本当の目的は・・・
竜が退治され記憶が甦ることによって、甦る殺戮の記憶、そして復讐の念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「品格の有無を決定するものは、みずからの職業的あり方を貫き、それに堪える能力だ」
「私はダーリントン卿にお仕えしたことで、この世界という車輪の中心に、夢想もしなかったほど近づくことができた」
「もしかしたら実現していたかもしれない別の人生を、よりよい人生を──たとえば、ミスター・スティーブンス、あなたといっしょの人生を──考えたりするのです」
品格という言葉が多く出てきて、仕事のスタンスや取り組み方が良くも悪くも硬派だなと。プロフェッショナルであることに疑いはないが、いまのライフを重んじる考え方とはまた違うかも。
別の人生があったら…と思ってしまうのは古今東西変わらないのだろうと。最後は夕焼 -
Posted by ブクログ
最初はちんぷんかんぷんやったけど、途中からは主人公キャシー、ルース、トミー3人の人間模様にやきもきしつつも共感した。最後はヘールシャムができた経緯を知って、何のために生きるのか、幸せな人生とは?を考えさせられた。
3人の哀しい運命は最初から決まっていてそれを変えることはできなかったし、先生がヘールシャムで実現したかったことはただのエゴかもしれない。それでも結果的にヘールシャムでの豊かな日々はその後のキャシーの人生を彩り、心の支えになっていたんだろうなと思う。
誰かとぶつかったり愛し合ったり共に楽しく過ごす、何気ない日々の瞬間にこそ生きる醍醐味があるのだと再認識した。
でもヘールシャムで豊かな生 -
Posted by ブクログ
映画化されたものは役者さんの演技が非常に素晴らしく、それはそれで見ごたえあったのだけど、最後の種明かしがあまりに納得いかず、モヤモヤしすぎて原作買ってしまいました。
今はイギリスで暮らす悦子が回想する戦後間もない長崎での暮らしーー時代の変化に苛立ちを隠せない義父と冷淡な夫、恋人についてアメリカに移住さえすれば自分にも娘にも新しい道が開けると信じている、悦子とは対照的なように見える女性・佐知子。その回想の中には、子殺しの不穏なイメージが繰り返し立ち現れて、主人公がすすんで語ろうとはしないその後の離婚とイギリスへの移動、そして娘の自殺という犠牲がほのめかされる。すべてを語ろうとしない秘密をかかえた -
Posted by ブクログ
表紙と、そして『音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』という副題から簡単に想像できる通り、この作品集には、人生の黄昏時の雰囲気漂う男女の別れを描いた短編が、五編収められている。
思えば夕暮れは、最もロマンチックな瞬間ではないだろうか。
一日で限られた特別な時間帯にだけ、目に映る独特の斜光。それは人によってはただの黄色い光線にしか映らないかもしれない。
だがよくよく考えてみると、その光線とそっくりそのままの夕陽が、将来再び僕らの下を訪れることは決してないのである。
そのような夕暮れ時に、同様にかけがえのない相手であったに違いない男女が、お互いに最後の別れを交わすのだ。
この作品集は、このような悲