カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    とても辛い内容でした。
    ふんわりとわかるようでわからず色々想像しながら読み、最後の最後で全てが繋がる構成が、主人公達と同じ体験をしているような演出でしょうか。
    読むたびに感想が変わり、新たな発見もありそうです。もう一度読みたくなりますが、心が持たないのでいつか機会があれば。
    日の名残りがとても面白かったので、著者の他の作品も読もうと思います。

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    2026年08月29日
  • 日の名残り

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    以前読んだ『文学効能事典』に本作が載っており、気になったので今回読みました。

    正直、読み切れるか不安がありました。
    というのも、以前イシグロさんの別の作品を読んだ時に読みきれず途中で断念してしまったからです。

    しかし、本作は楽しく、そして心地よく読むことができました。うれしいです。

    その理由を考えてみると、
    小説では珍しく文章が丁寧語で読んでいて心地よさがあること、また執事という仕事を通して「品格」「偉大さ」「紳士」とは何かについて一緒に考えるのが楽しかったからだと思います。翻訳が良かったというのもあるのかもしれません。
    品格について、スティーブンスの父(父も執事)の
    怨みを抱いている指揮官に対しても平然と関わる姿が、非常に印象に残りました。これが「本当の品格」というものかと納得しました。

    執事という仕事を忠実に、品格を持って全うするスティーブンスが素晴らしいなと思いました。
    冒頭で、主人のファラディ様(アメリカの人)のアメリカンジョークになんとか応えようとするスティーブンスがとても微笑ましかったです。
    ラジオを聴いて勉強するところはかわいいと思いました。
    雇人がジョークで主人を楽しませるのも仕事のうち、と捉えているのが、懸命な姿勢でいいなと思いました。

    お偉いさんがたの会談の内容はあまりよくわかりませんでした。イギリスの1930年前後の社会情勢が詳しくわかれば、より楽しめるだろうなと思いました。

    最後に……スティーブンスへ。

    終盤、カーライル医師に品格とは何かと問われた際、「公衆の面前で衣服を脱ぎ捨てないこと」と言えたあなた。
    すごく成長していると思いましたよ!

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    2026年08月24日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    臓器提供のためのクローンたちの物語という、色々な展開をさせられそうな突飛な設定でありながら、終始抑制のきいた文章で「人生の中で選ばなかった(選べなかった)選択肢」を見つめる主人公の胸の内を描いているのが唯一無二だと感じた。

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    2026年08月23日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    日記帳を覗き見している感覚になる小説でした。友人との出会いと別れ、保護官の葛藤が終始辛かったです。立場が変わると今まで仲が良かった友達と距離ができてしまうのは現代でも当てはまってしまうのかな?と切ない気持ちになりました。

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    2026年08月22日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    純文学っぽい、文章に浸る感覚のある本だったと思う。
    最初はなんのお話かわからなかったけど、読み進めていくと徐々に明らかになっていく流れが面白かった。

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    2026年08月19日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    良かった!!!さすがカズオイシグロ、全然裏切らない。
    病気の子どもをAIロボットに学習させて、もしも死んでしまったらそのロボットに成り切ってもらおう、という計画。その計画を巡って、その人たらしめる唯一無二の何かはあるのか?という疑問の答えが、その人自身にはないかもしれないけど、周りの人からのその人への想いは、絶対何にも代えられないものだ(だからロボットには代替できない)、という結論だったのが、何となくわかる気がするし、ジーンとしみじみ良いなあと思う。
    あとカズオイシグロの書く子どもは、ただ可愛いだけの存在ではないところが好きだ。子ども同士の微妙な関係とか、他の人の前では別人になってしまうところとか、すごくリアルだし子ども社会も残酷なのよ、と訴えてくる。わかる。子どもの絶対、は絶対では無いけど、その瞬間だけは絶対だという事も描かれてて、好きなポイントの一つだなあと思う。

    親になったらまた読みたいかも知れない。

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    2026年08月15日
  • 日の名残り

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    映画が好きで、この度原作も読んでみようと。
    最初はなかなか進まなかったけど、後半にかけてグンと惹き込まれた。

    映画では掴み切れなかったダーリントン卿の立場、それに対するスティーブンスの思いなんかも分かって、切なくなった。
    スティーブンスに対するイメージもかわったな。また映画もみなおしたい。

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    2026年08月07日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    解説に「細部まで抑制が効いた」とあるけど、本当にそんな感じ

    序盤のまだ何もわからない状態での一歩進んだと思ったらまた振り返ってみたいな文章が中々きつかったのですが、施設はなんなのか、そもそも彼等はなんなのかがわかってからはスラスラ読み進められた。

    読み終わってみたは彼等はしっかり「人間的」であったと思うし、ヘールシャムは「特別」だったと思う。

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    2026年08月05日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    昔に映画を見た作品。

    ようやくいまになってというのが悲しいと言うトミーの気持ちが、とてもつらい。嬉しいのに、悲しい。

    自分たちが提供者として育つことに何の疑問も持たない、当たり前となっている。受け入れている。誰も取り乱さない。
    クローンの性格はポシブルを反映しているのか。
    キャシーがこのまま提供者になることなく、寿命を全うするとしたらどうなるのだろう。そういった人はこれまでにいたのだろうか。

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    2026年08月01日
  • 日の名残り

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    英国の執事であるスティーブンスが、思い出を振り返りながら旅をする話。記憶の儚さとか、主人公の鈍感さなどが、人間らしくて興味深かった。

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    2026年07月22日
  • 日の名残り

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    30年ぶりの再読。素晴らしい本でした。若い頃は、女中頭の好意にまともに応えられない執事の臆病さを歯がゆく思いながらも、品格を追求する姿勢に共感して自分もそんな風でありたいと思ったものでした。それから30年が経って品格とは程遠い自分を見ながらこの本を読むと、この執事の臆病さと愚かさは自分と変わらないと感じてしまいます。
    旅に出て昔を回想しながら徐々に自分の過ちに気づき、最後に再会した女中頭との話のなかで自分の臆病さのせいで失ったものに気づいて涙する。しかし日の名残りの時こそが人生の最良の時だと思い至って、これからのことを前向きに考える。
    自分の気持ちに正直に自分の人生を一生懸命に生きる女中頭のミス・ケントンと比べて執事のスティーブンスは頭でこねくり回すばかりで何が大事かがわからないのですが、それでも2人ともがとても素晴らしい人生を生きている、と感じました。

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    2026年07月07日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    約ネバ


    どんな本か忘れないためだけに書いた感想です。読まなくて大丈夫です。


    提供されることが普通であると、内臓が悪くなったら“提供者”の内臓をもらえると当たり前に思えてしまう世界怖すぎる。

    マダムや先生たちは、提供者たちが家畜ではなく価値のある人であることを世界に伝えるために、絵を描かせていたのね。

    技術が進歩し始めた時くらい、内臓移植ができるようになったくらいの時代に、人間という、提供者という家畜のようなものが生まれなくて(日本だから知らないだけかもしれないけど)よかったと思う。
    もし戦争中だったら、相手国の捕虜とかとっ捕まえて提供者にしてそうだな。

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    2026年07月05日
  • クララとお日さま

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    AFのクララの語り口に時々違和感を感じ
    これがAIだからか、と思う。
    AIとの向き合い方をいろいろ考えた

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    2026年07月02日
  • 日の名残り

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    日本人作家による英国文学を読むのは初めてだ。著者がノーベル文学賞を受賞した際に話題となり、読もうと思いつつも長年積読状態だったが、ようやく読み終えた。

    まず感じたのは、翻訳の秀逸さである。翻訳文学特有のぎこちなさは皆無で、まるで日本語で書かれた物語を読んでいるかのようだった。

    本書は、執事スティーブンスが休暇中の旅を通して、自らの半生を一人称で振り返る物語である。序盤では、自らが立派な執事であったことを誇り高く語る。しかし回想が進むにつれ、その言葉の隙間から、動揺や疑念、そして決して表には出さなかった感情が静かに滲み出てくる。それは後悔なのか、それとも取り返しのつかない人生への失意なのか。読者に明確な答えは示されない。

    私はこの物語を、「仕事や信念に人生を捧げた結果、その人生は本当に幸福だったのか」という問いを投げかける小説として読んだ。

    今の私には、この問いに対する答えはまだない。人生経験を重ねたときに、もう一度読み返したくなる一冊なのかもしれない。

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    2026年06月28日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    希望と後悔と、過去と未来と、価値観の変化と…

    新しく何事もなかったかのように作られていく土地とその陰に間違いなく存在しているジメッとした何か。
    イギリスの素敵なイメージの静かな庭とそこに降る雨。

    とにかくゆらゆらする。
    でも何か一本あるような気がする。

    何度も読み返して汲み取っていきたい作品。

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    2026年06月09日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    今まで読んだカズオ・イシグロの作品とは少し違う。回想はしているが、冒険の要素が強いし、主人公の自尊心が高い。そのためか、数日で読み切ってしまった。いつもは、もっと時間をかけて読んでいるのに。同じ作者でも、違う印象を受けるのは初めてだったので、面白い体験だった。

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    2026年06月07日
  • 日の名残り

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    ネタバレ

    戦前のイギリスの執事が、数日間のドライブでの旅を舞台に、自分の人生を振り返る。執事という仕事にささげてきた自分、父親、そして元女中頭のミス・ケントンなど、旅の場面場面で多くの回想を交えながら、誇りとやるせなさの混じったような気持ちを吐露していくような内容に、古い時代の異国の物語ながら、郷愁を感じてしまう作品でもあった。著者の作品は初読で、他の有名作も読んでみたい。

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    2026年06月07日
  • 日の名残り

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    イギリスの大きな屋敷で執事をしている主人公は、雇い主からの提案で小旅行をする。

    旅行中、
    以前の雇い主の元での様々な出来事を思い出し、
    読み手に語る。

    その語り口調がイギリス上流階級の、
    伝統を重んじるかんじで、
    主人公の真面目さを感じた。

    真面目さでいうと、
    ジョークをよく飛ばす今の雇い主への対応に
    気を揉んでいる様子が面白かった。

    ラジオや本を読んでどう冗談を言ったらいいか
    勉強して雇い主のジョークに適切に答えることを
    「新しい任務」として大真面目に頑張ったり、、

    冗談を冗談で上手く返して、
    雇い主を楽しませられないのは職務怠慢にあたるのではと考えたり、、

    架空のことをいつまでも考え続けるわけには
    いかない、人並みの幸せはある、もしかしたら
    人並み以上の幸せかもしれないということを
    早く気づいて感謝すべきでしたわ、
    という言葉が印象的だった。

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    2026年06月04日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    AF(Artificial Friend:人工親友)の女の子であるクララの目線で語られる、未来の世界の物語。
    他のカズオ・イシグロ作品でもしばしば見られるように、柔らかく優しい語り口でとんでもないディストピアを描き出す。(好き!)

    クララは病弱な女の子、ジェシーの家に買い取られ、ジェシー、その母親および家政婦と共に暮らすようになる。ジェシーの"親友"としての役割に邁進するクララだが、ジェシーの病状は次第に悪化し、さらに家族の仄暗い秘密も明らかになっていく。
    物語の世界において当たり前に存在するらしい、優勢思想的な技術もストーリーに影を落とす。

    クララは非常に優れた人工知能を有しているが、人間と比較すればその思想は単純である。それでも、登場人物の中で、彼女が一番優しく、信心深く、そして正しく感じられる。しかし、ラストシーンで彼女がハッピーエンドを迎えられたわけでもない。

    知性の複雑さが正しさに直結するわけではないこと、そして正しくあることが幸せに直結するわけでもないことが見につまされる。
    愛、知性、信仰、倫理観、家族、友達…どこまでが人間だけのものなのか。愛、知性、幸せとは一体何なのか。読者の心に投げかける物語。

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    2026年05月24日
  • 日の名残り

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    最初から最後までなにもなく静かに流れていく日常
    でも世界は確実に動いていて、それをある執事の語り口から垣間見ていく不思議な体験でした。
    自分はスティーブンスはプロ意識の高い優れた人だとおもったけれど、感想を語った相手のAIが反論してきて少し面白かったです。
    わたしは歪んでいるのだろうか、、、

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    2026年05月23日