カズオ・イシグロのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んでる最中はハラハラしながらすごく引き込まれてあっという間に読み終えたのだけれど、終わってみれば霧の中、結局何が言いたかったんだ?と、呆然、立ち尽くす、そんな読後感。
鬼、霧、赤い髪の女、夢、蝋燭、黒後家、兎、船頭、島、雌竜、戦士、山査子、全てが記号?でも一体何の?
もう、置いてかれ過ぎて、考えてもわからないから、ネット上の色々な方の書評や考察、また、作者ご本人のインタビュー内容で答え合わせ。
結果、全っ然違うこと考えて読んでたわ、自分。何故だろう、冒頭から一つの仮説に囚われ過ぎて、結局、物語終盤までその疑念が拭えなかった。
その仮説というのも、実はこの物語に登場する人物全員 -
Posted by ブクログ
あのカズオイシグロ氏の長編。
やはりイギリスにベースを置く作家は、ファンタジーの世界にも造詣が深くなるのだろうか?
アーサー王が去り、円卓の騎士は年老いてもまだ生きていた時代のイングランドの話。
イメージ的には、トールキン指輪物語の第一部旅の仲間に非常に近い世界だが、もちろんトールキンの焼き直しではなく、イシグロ氏の設定した世界での完全なオリジナル。
派手に盛り上がるシーンはないが、情景描写が非常に細やかで、主人公の息遣いまで感じられるようなリアルさ。
そして深まる謎とその解決、展開。
じわじわと面白く、最後まで一気に読んでしまった。
面白かった。 -
購入済み
淡々としたノスタルジー
高評価のレビューがいっぱいの中、すいません。
ノーベル文学賞を取ったというニュースで初めて知り、読んでみました。
期待が大きすぎたのか若干がっかりしました。
何の予備知識もなく、提供、3-4度目の提供で使命を終える、とのことから主人公たちがどういう子供たちなのか検討はつきました。
不思議だった施設での授業や保護官とのやりとりが後に明らかにされますが意外性や驚きがなく終わってしまいました。
こういう目的のために生まれてきた子供たちの話は日本の漫画でかなり昔にも読んでいたので、その時の衝撃が大きかったのと、内容もはるかに壮大(漫画的)だったからかもしれません。
ちなみに清水玲子