カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • クララとお日さま

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    人工フレンドのクララが、ジョジーの回復を
    お日さまに願う姿が印象的だった。
    宗教の概念がないはずの彼女が
    自然と“祈り”のような心を持つのが美しく切ない。

    ラストの「歩き方」にジョジーを重ねる場面も
    実際の再会ではなく
    クララの記憶が見せた投影なんだろう。
    静かでやさしい物語だけど、
    読後にじんわり効いてくる。

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    2025年06月19日
  • 夜想曲集

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    好きな作家の短編集。もう少し音楽に造詣が深ければ (背景が分かれば) より味わえるのだろうが、分かったのはABBAのdancing queenだけというお粗末な自分には少々 (?) レベルが高かった。音楽と男女の関係をモチーフに、時の流れの残酷さ (過去も未来も) と共にどこか「日の名残り」を連想させるノスタルジックな雰囲気や人間関係の機微を感じさせられる。

    全般読みやすい文章で、ハチャメチャなものから、コメディタッチなものまでテイストが違う作品も含めてサラッと楽しめるのは短編集ならでは。音楽に疎くても。

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    2025年04月20日
  • クララとお日さま

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    あまり得意ではない翻訳もの。
    近未来的な話なので輪をかけた苦手分野。
    そのせいかなかなかページが進まず、ずいぶん読み終わるまで時間がかかってしまった。
    ロボットが主人公ということでか、あまり細部まで明らかにならず物語はすすんでいき、最後も含みを持たせて終わる…
    それでも余韻が残り、ああ、カズオイシグロってと思わざるを得ない。

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    2025年04月11日
  • 充たされざる者

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    難しかった…退屈といえばもうそれまでだし、不条理?とかそういう世界を楽しめる人向けかなと。休み休み、どうにかこうにか読んだけど、よくわからなかった。私はストーリーがないとダメなんだなぁと思った。

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    2025年03月29日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    語り手の小野によって戦前・戦後の様子が語られていて、序盤はつらつらと読んでいたけど、途中から「ん?」という内容が増えてきて、どんどん「ん?え?ん?」となり、ページをめくる手が止まらなくなりました。面白かったです!

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    2025年03月29日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    戦後の日本が舞台
    有名な画家の晩年
    下の娘の結婚話が直前で流れてしまい・・・
    そして画家は過去を語る
    今の話もありますがほとんどは過去のできごと
    でした

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    2025年03月26日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    『「浮世の画家」でいることを許さないのです』という小野の言葉。モリさんは歓楽(耽美主義)に美しさを見出し、「浮世」を描くが、時代が進むにつれて小野は師の「浮世」への考えに対して自分の考えを表す。ただ、小野の当時の作風について改めて考えると、小野が導き出した精神主義的な作風もまた、大きく見ると「浮世」だと言える。小野自身もまた時代に翻弄された「浮世」の画家なのでは。
    小野に限らず、この作品の時代背景も、紀子の縁談も、一郎の好むヒーローも、時と共に流動的に変化している。浮世の中で人々は時代に合わせて生きている。
    小野の語りからは、古風かつ独善的で自己を正当化しようとする性格が滲み出ている。当時を思

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    2025年03月06日
  • 夜想曲集

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    2024/6/9

    初イシグロ
    淡かった

    五個?の短編
    あのイギリス田舎の、ホテル勧める話が一番すき
    あと友達の家めちゃくちゃにする話もいいな

    内容というより、ジャズ聞にながら時間を楽しむ本だわ

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    2025年02月08日
  • 夜想曲集

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    カズオ・イシグロの短編集。

    音楽と夕暮れって、本当によく付けたタイトルだと思う。いわゆる人生の黄昏時を表現してるんだけど、短編の主人公5人とも自分とはかすりもしない人生を歩んでいながら、もう節々に「その気持ち分かるわー」と感心する時がある。

    カズオ・イシグロって、そういった誰の人生でも経験する言葉にし難い気持ちを文章に表現するのがすごく上手い。

    正直ストーリー的にはそれほど引き込まれなかったんだけど、その絶妙な文章に出会いたいために、また他の作品も読みたくなってしまうんですよ。

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    2024年09月28日
  • 日の名残り

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    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)下働きの妄想ロードムービーてなもんか、読後感は夕焼け

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]執事だろ!

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    2025年09月27日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    ネタバレ

    ページが進むにつれ、小野に対して、「お前…」と思いながら読んでしまった。もちろん日常で人にお前なんて言うことはないのだけれど。

    戦時中に体制翼賛の戦争画を描いて評価されていた画家の晩年。

    自分のしたことを後悔はしていないが、世間の目のせいで忸怩たる思いを抱えて、無自覚ではあるかもしれないが気持ちも少し揺らいでいるといった感じ。

    弟子にしたことを後悔してなさそうなあたりは恐ろしい。

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    2024年08月10日
  • 忘れられた巨人

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    感想
    記憶。無くしてしまえば楽。楽しいことも悲しいことも何もない。神から授けられた救済。前を向いて歩いて行くための準備。

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    2024年01月27日
  • 忘れられた巨人

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    この作家さんの3冊目ですが、やはり独特の雰囲気がありました。外国の作品だからでしょうか?途中解りにくい所があるので、何回も読むぐらいな熱心さが必要かもしれません。

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    2024年01月26日
  • 夜想曲集

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    なんかお洒落な感じの短編集だった。人生の黄昏的なところを描く人なのかな。ちょっと沁みるところもある。夫婦関係が悪化する様子とか。
    若いとき読んだ「日の名残り」はものすごい退屈だったけど、今読んだら面白いのかな。クララ~は面白かったし。

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    2024年01月22日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    カズオ・イシグロの作品で初めて読んだもの。全部繋がってはいるけど、長かった。ジャンルをつけがたい不思議な作品。かなり読み進めて、ようやく物語が動き出した感があり、どこか欠けてもダメなんだろうけどやっぱり長かったなという印象。とにかく主人公のクリストファーにいらいらしてしまう。人間らしい作品。みんな思い込みで生きてるよな、いいわけいいながら生きてるよなを、突きつけられた。

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    2023年11月23日
  • クララとお日さま

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    ・ 人間と同様の観察能力を持つAI搭載アンドロイド、クララ。「子どもの親友」としての機能ゆえか、やや幼い。とくに、科学的知識と科学的観察方法が不十分であるため、因果関係を誤って認識してしまう。冒頭の物乞いと犬の「復活」についての、誤った因果関係の認識が、その後のストーリーでの重要な意味を持つことになる。この点は、原始宗教の萌芽ともとれる。
    ・ 科学技術の発達が、子ども達の環境を歪めていく。そのことを純真なAIの目を通すことによって、中立的に描くことができている。
    ・AIは人間をコピーできるのか、人間の「心」は複雑すぎないか、そもそもコピーできない魂のようなものがあるのか、という問いかけもある。

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    2025年12月07日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    『日の名残り』『わたしを離さないで』の著者、カズオ・イシグロ氏の作品。

    10歳で両親が謎の失踪を遂げた主人公クリストファー・バンクスは、成長し名探偵としての名声を獲得した後、両親の失踪事件を解決するために立ち上がります。

    あらすじからすると探偵小説のようですが、探偵小説ではありません。しかし前半は美しい文章と、過去の回想から浮かびあがる様々な事実にワクワクです。

    …が、後半は突如として支離滅裂な行動を繰り返す主人公、品のない使い古されたチープな不幸、ありきたりで悲惨な結末にかなりうんざり。(世の中とはそういうもの、という作者のメッセージ!?)

    『わたしたちが孤児だったころ』の「わたした

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    2023年05月16日
  • 忘れられた巨人

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    "まるでおじいちゃんおばあちゃん版のドラクエみたいだな"のレビューが気になって手にとりました♪

    ドラクエと言えばFC版のドラクエⅢ
    あのこわ〜い音楽に合わせて、「おきのどくですがぼうけんのしょはきえてしまいました」のメッセージが出たときのショックは今でも覚えています…w
    けど、本書は大丈夫!
    途中でしおりを挟んでおけば消えることはないでしょう!
    安心して続きから始めれます!


    ドラゴンクエスト風に

    カズオ・イシグロエスト 〜忘れられた巨人〜

    主人公はアクセルとベアトリスの老夫婦
    遠い地で暮らす息子に会うために冒険に出かけます
    冒険に出るこの大地は人の心や記憶に影響を

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    2023年05月08日
  • 忘れられた巨人

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    老夫婦が息子に会いに旅に出るのですが、戦士や鬼に噛まれた少年や年老いた騎士と会い、寄り道?をしつつ旅を続ける話。

    ファンタジーでした。

    竜の吐く息により、記憶を失ってしまう世界が舞台。

    老夫婦の仲がとてもよく、解説にも老夫婦によるファンタジーと書かれてありましたがその通りです。

    ただ、とても読むのに時間がかかりました。(特に最初の方)
    読み終わったあと、一瞬、?となりますが、事態を把握すると切ない話でした。

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    2023年02月02日
  • 夜想曲集

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    カズオイシグロの短編集。タイトルにある「夕暮れ」とは、サンセットタイムだけではなく、人生の夕暮れ(中年から初老の世代)とか男女関係の夕暮れ(別れの予感がある状態)を指しているようだ。熟年離婚、旅先での喧嘩、不安を感じる結婚相手など、何かしら影を感じる設定である。
    登場人物はいずれも「若さ」「付き合いたての頃」「才能」への憧れを持っており、やるせなさを織り交ぜながら切ないストーリーが展開する。それでも、コメディの要素が含まれる話も2話入っていて、ユーモアたっぷりの登場人物とぶっ飛んだ展開に驚かされ、思わずクスッと笑ってしまう場面もあった。切ないストーリーでテンションが下がった読み手としては救われ

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    2022年11月23日