カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    やっぱりカズオ・イシグロの本。情景描写が上手くてどんな風景を見ているのかよくわかる。あと登場人物が時々出てくるやつとかが多くてあれ?こいつ誰だっけと思うことがあったり。あなたも当然知ってるよねのスタンスで新キャラを出してくる。
    話はかなりグレーな感じだけど、やっぱり落ち着いた雰囲気を出しながら読者に考えを出させようとする。
    ほんの中には答えがありそうでない感じ最高にカズオ・イシグロ

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    2026年05月20日
  • 日の名残り

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    真面目な執事の生涯を綴った物語。執事としてのプライドと、仕事第一が故に見過ごした男女の機微。
    豊かな情景描写と細やかな心の動きの表現が淡々とした日常を鮮やかに思い浮かばせる。

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    2026年05月14日
  • 日の名残り

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    イギリスの歴史本を借りたのでせっかくならイギリス文学を、と一緒に借りた本。

    「この人、執事としての矜持にこだわり過ぎて生きにくそうだなぁ」と思いながら読み進めていたが、最後はとても哀愁を感じる終わり方だった。

    当時のイギリスの貴族文化がどんなものだったのかわかっておらず、教養のなさが浮き彫りになるような感想しか浮かばなかった。
    解説でこの作品の読み方を学んだ。

    この作品から味わえることの半分も味わえてない気がしている。

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    2026年05月06日
  • クララとお日さま

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    静謐
    映画化良さそうじゃねと思った、、
    明言せずに設定を雰囲気とか背景で匂わせてくる本だった

    『でも、カパルディさんは探す場所を間違ったのだと思います。特別な何かはあります。ただ、それはジョジーの中ではなく、ジョジーを愛する人々の中にありました。』

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    2026年04月29日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル文学賞受賞記念講演を文庫化したもの。
    イシグロ作品、2020年くらいまでに日本語で出版されたものについては全て読んでいるので、作品に関するちょっとした解説のようなものもご本人の口から聴くことができてとてもありがたかった。私なりの作品に対する解釈が大きく外れていないことも嬉しかった。
    イシグロ作品はどれも、語り手である主人公が根本的な部分で嘘をついていて、それ分かるとき深淵が顔を出す…という内容なのだけれども、どうしてこのスタイルで小説を描こうと考えたか、ヒントを得た別の作品(音楽や映画など)についても紹介しながら解説されていてとても面白かった。
    彼の中での『日本』という国についても言及

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    2026年04月05日
  • 日の名残り

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    カズオ・イシグロはディストピア小説しか読んだことがなかったので、これもあらすじを見ずにSFだと思って読み始めた。
    主人公が普通の人間か、中盤まで疑いながら読んでしまった笑

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    2026年04月04日
  • 日の名残り

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    私が未熟だからなのか、イギリスの歴史に無知だからなのか、感動できずに終わってしまった。
    自分の仕事に誇りを持つことと、作り上げた考え方に固執すること、そのバランスが難しい。
    そして執事の文化がわからないけれど、主人に忠誠を誓いどんな要望にも従うのか、時には主人よりも賢く主人の道を正す方が良いのか、そのあたりがものすごく難しい世界だと思った。
    もっと歳を重ねたら共感できるようになるのか。。。
    今の所女中頭のスティーブンスへのもどかしさが1番共感できるポイントだった。

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    2026年04月01日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    長崎を旅した時のさまざまな情景が心に浮かび、もしかしたら本当にこういうことがあったのかもしれないな、なんて思ってしまった。

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    2026年03月28日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    最初の方は読みやすくすらすら読めましたが、途中気が滅入ってしまいました。
    特に、リックとヘレン、その昔の恋人とのやり取りは、この物語の中でも特に醜悪なやり取りだったと思います。
    クララが純真で愛情深く謙虚なAFであるからこそ、そのやり取りがより醜く見えてしまい、そこから読み進めるのが億劫になってしまいました。
    また、その反面、クララのお日さまに対するあまりにも真っすぐな感情には、「そんなことで病気が治るわけがないのに……」という苛立ちのようなものを覚えてしまいました。
    なので、最後にジョジーの病気が治ったことにはとても驚きました。ご都合主義的というか、ファンタジーなシーンだと思いましたが、その

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    2026年03月24日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    ネタバレ

    主人公の悦子は記憶の中の佐知子に自分の罪を投影していたのだろうか。それとも佐知子は本当にあんな女だったのだろうか。とにかく佐知子は愚かで嫌な母親のように描かれている。娘の万里子は完全に被害者だ。女の子の唯一の心の支えの子猫を殺してしまうシーンは本当に心が痛んだ。子供のことをよくわかっていて、誰よりも考えているようなことを言うが、結局なにも見えていない。少なくともそのように読者の目には映る。しかしそれは佐知子が本当にそういう人間だったのか、それとも悦子が佐知子を通して自分を責めていたのか、わからないままだ。
    なぜ悦子は二郎と離婚し、イギリスへ渡ったのか。なぜ景子は自殺してしまったのか。そのあたり

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    2026年03月12日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    ネタバレ

    淡々と物語は進むが、先がきになる話だった。
    戦後に海外へ行く女性がどんなことを感じ
    どんなことを考えたのか。

    読み終わった時、なんだかよくわからなかったというのが感想だ。
    2組の親子が交錯し、重なる。
    なぜ二郎と別れイギリスへ来たのか。

    私にはちょっと難しかったかな。

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    2026年03月05日
  • 夜想曲集

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    大きなドラマが待ち受けているわけではないが
    あとがきを読むと、カズオイシグロはチェーホフに大きく影響を受けているようなので
    なるほどと思う

    5篇目のチェリストにて
    まだ足を踏み入れたこともない庭園が遠くに見えました。
    という節がとても羨ましく思えた

    わたしもミス・マコーマックのような人からそのようなレッスンを受けてみたい
    まだ足を踏み入れたこともない庭園、そんな世界を私も自分の音で見てみたい


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    2026年02月26日
  • 充たされざる者

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    あ、こういう話か…いや、こういう話か…を繰り返し、主人公がカフェに出向く頃にはもうどんな話でもなくなっていて、熱が出る直前に見るやけに長いリアルな夢程度のロジックでゆるゆると話がつながっていく。目覚めてもう疲れてるみたいな読後感。

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    2026年02月24日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    『私たちが孤児だったころ』は、探偵小説の形式をまといながら、実際には“記憶”と“喪失”をめぐる静かな内面劇として立ち上がる作品だ。
    物語を読み進めるほど、主人公クリストファー・バンクスが追い求めているのは事件の真相ではなく、幼いころに失われた世界そのものなのだと気づく。

    記憶の“ずれ”が生む静かな痛み

    クリストファーは名探偵として語られるが、彼の回想はどこか曖昧で、幼少期の上海は理想化され、現実と記憶の境界はにじんでいる。
    この“にじみ”が物語の核心であり、読者は彼の語りをそのまま信じることができない。

    家族の影が、沈黙の中で形を変える

    クリストファーが両親の失踪を追う動機は、探偵とし

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    2026年02月27日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    イシグロカズオの信頼できない語り手モノは面白いな、と思う。主人公が信じ込んでいる、両親失踪事件の真相が、上海で調査を進めるに連れてぜんぜん思っていたのと違うことが分かっていく。

    主人公の語りと、回想によって話があっちこっちに飛ぶ構成がちょっと分かりにくい。これが文学上の手法としての「意識の流れ」ってやつなんだろうな…(イシグロカズオのノーベル賞インタビューで、失われた時を求めてに影響を受けてるって話してたからそういうのを感じる)

    舞台になってるのが、第二次世界大戦前後の上海、というのも好きだった。
    というか、チャプター4くらいの上海回想編にたどり着くまでが面白く感じられなくて、頑張って耐え

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    2026年02月09日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    感想は難しい。
    大人の欲望に振り回された子供の一生、って感じかな。
    戦争が引き起こす悲劇。
    血のつながりと同様の友愛。
    残酷な真実と、その上で得た名声。

    切ない物語なのに、不思議と穏やかな感情で締めくくるところで多少救われる。

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    2026年01月18日
  • 充たされざる者

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    いやー、しんどかったです。オーディブルで聞いてしまったので、最初、あれ?と思ってもすぐに振り返ることができず、何度も聞き直して、それでも訳がわからず、かなり混乱しましたが、途中から、夢の世界みたいな、過去も現在もごちゃ混ぜなのかなと思い、わからなくても前に進みました。訳がわかりませんでしたが、これはこれで、すごい小説だと思います。

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    2026年01月16日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    Audible
    かつて、彼の作品を読んだ時に原文で読みたいと思ったほど美しい文章だった。それは、この彼の5作品目となる長編小説でも変わらない。

    日中戦争中の上海が主な舞台なので、日本語を話せないという著者だが、それでも中国を苦しめた阿片と、中国を攻める日本軍のことはどのような思いで描いたのだろうと思わずにはいられなかった。それがこの物語を時々苦しくしたが、イデオロギーに固執していないのは救いだった。

    上海で生まれ育ったイギリス人の少年が、相次いで両親が失踪し、故郷イギリスの叔母の元で育てられ、やがてケンブリッジ大学を卒業した後、探偵として名士になる。遺産を相続した後は、孤児を養女に取るほど

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    2026年01月16日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    物語が断片的で、全体を把握するのが難しかった。戦後の混乱期や思想の転換期という時代に翻弄され、後悔を抱えながらも故郷の長崎での思い出を振り返る女性のお話。

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    2026年01月13日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    評価は正確にいうと⭐︎3.5。
    学生時代に読んだ『わたしを離さないで』の世界観が好きだったので、あらすじから似たような雰囲気を察知してこちらも読んでみた。

    AIロボット視点で語られる美しくて精細な情景描写に対し不穏な気配が根底に漂っていて、そのアンバランスな雰囲気が本当に良かった。
    ただ、ディズニー的なファンタジー要素があるとは思ってなくて、そこだけちょっと拍子抜けだったかも。

    作中でたびたび登場する用語の意味を調べたときに、検索結果に出てきたAIによる要約で物語の核となる計画のネタバレを喰らってしまったことが本当に悔やまれる。
    それさえ無ければもっと衝撃を味わえたかもしれない。

    ラスト

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    2026年01月04日