カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • 日の名残り

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    これぞカズオ・イシグロ!という名作。
    英国の美しい情景や伝統を描きながら、人間ってこうだよね…というリアルが詰め込まれている。

    英国の執事の一人称視点で物語が描かれる。
    人生をかけて仕えた主人への尊敬や、世間からの評判への後ろめたさ、後悔、恥辱、仕事への誇り、不器用な恋愛等、主人公の中で色んな感情がごちゃ混ぜになった結果、自分に不都合な事実や出来事に蓋をして、自分に都合の悪い部分を隠した主人公の語りが続く。

    そのため、話の核心にもやが掛かったような進行に気持ち悪いなあと思うのだが、これが人間のリアルだよね、ということなのだろう。

    日本にはない執事の文化が興味深かった。

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    2026年01月13日
  • クララとお日さま

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    ネタバレ

    評価は正確にいうと⭐︎3.5。
    学生時代に読んだ『わたしを離さないで』の世界観が好きだったので、あらすじから似たような雰囲気を察知してこちらも読んでみた。

    AIロボット視点で語られる美しくて精細な情景描写に対し不穏な気配が根底に漂っていて、そのアンバランスな雰囲気が本当に良かった。
    ただ、ディズニー的なファンタジー要素があるとは思ってなくて、そこだけちょっと拍子抜けだったかも。

    作中でたびたび登場する用語の意味を調べたときに、検索結果に出てきたAIによる要約で物語の核となる計画のネタバレを喰らってしまったことが本当に悔やまれる。
    それさえ無ければもっと衝撃を味わえたかもしれない。

    ラスト

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    2026年01月04日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    自分達のオリジナルのための人生。この世界の真実の方が私個人としては気になるが、その点に重きは置かれず青少年期からの人間関係がメインの小説でありました。あまり好きなタイプの小説ではありませんでしたが、まあまあ面白かったです。

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    2026年01月03日
  • 夜想曲集

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    カズオ・イシグロに触れたのはほんの数冊(その内一冊は二十年近く前に読んでよく分からなかったというオチまである)なので今作の軽やかで、時に切なく、時に楽しいバラエティに富んだ内容なのは驚かされた。
    人生の出会いと別れ、それら一つ一つに悲しんでどうするのか。いつか必ず終わる一時のどんちゃん騒ぎ──そんな風に言われたようだった。
    文体も優しく包み込むような雰囲気があり、静かにジャズをかけながら浸りたい。

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    2025年12月22日
  • 日の名残り

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    「クララとお日さま」を読んで著者の別作品に興味が湧き、英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞作と知り、期待して読み始めましたが、取り立てて特別の感動を感じませんでした。
    英国の品格ある執事としての理想を追求する主人公スティーブンス、女中頭として同じ館で働き始めたミス·ケントン、主人公に思いを募らせるケントンと執事としての役目に没頭してその思いに気づかないスティーブンスとの切ないやり取り。
    ダーリントン卿に絶対の信頼感を抱き、その高潔な人格を持つ主人に仕えることこそ執事の本望であると仕えるも、敗戦国ドイツと祖国イギリスの間を取り持とうと卿が奔走するも人々から中傷を浴び、また、自分の過ちもあったことを吐

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    2025年12月21日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    イシグロの作品って、今にも駆け出しそうなのにずっと腕を掴まれてるような感覚に陥る。細部をしっかり見せて静かなフィナーレを迎える、そんな感じ。この本もそうだった。青空が広がっているはずの描写でさえも少し灰色がかっていて常に唯ならぬ空気を纏ってる。

    ディストピアとは思わず読んだので心の準備ができておらず...。人生を全うするのが最善と言われているけど、彼らもそうなんだろうか?介護し提供するだけ人生が最善?...そんなのあまりに悲しすぎる。

    私にとって死は常に意識しているわけではないから、突如その場面に出くわすと恐怖を覚える。なら彼らは?意識せずとも隣にある死と向き合いながら前向きに生きることは

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    2025年12月20日
  • 夜想曲集

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    繊細な台詞と開かれた結末。読後、何日も心に残り続けるイメージが、まるで作品自体が語りかけてくるかのようだ。ただし、英語版で読んだほうがイタリアの情緒や登場人物の感情が’、より生々しく伝わったかも知れない。

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    2025年12月08日
  • 日の名残り

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    後半一気に面白くなるタイプの本。ナチドイツ周辺の歴史的な知識があればもっと面白く読めたかもしれない。信念を突き詰めるのもひとつの素敵な生き方だと思うが、スティーブンスは色々なものを引き換えに差し出しすぎたのだろうと思う。人間臭くてよかった。ストーリー展開の派手な物語ではないので、時々眠くなるけれど、日の名残り、というタイトルがしっくりくる穏やかでノスタルジックな小説だと感じた

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    2025年11月24日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    他のレビューで見たような、最後の語りから想像できる部分が、私にはよく分からず、残念だった。もう一回読んだら分かるかな。
    マリコはどうなったの?と分からないことばかりで、放り出されたような気持ちになった。
    これもこの小説の良さなのかな…
    ただ、戦後長崎の価値観が変化していく様や、その中で逞しく生きていく女性たちの生活感あふれる情景など目の前で広がっていくようだった。
    そして当時の生や死の近さも、とても辛い描写もあったが、その分生々しさがとてもよく伝わった。

    もう一度読んでみたい。

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    2025年11月16日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    映画化されていた為、読んでみた。わかりやすい会話ですーっと読めてしまうが、何をいいたいのかがわからずに最後もあっけなく終わってしまった。解説を読んでぼんやりと感じていた事が明確になった。強烈なインパクトがある話ではないが、なんとなく記憶に残っていく気がする。

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    2025年11月08日
  • クララとお日さま

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    子どもの友達として開発された人工知能を持ったロボットであるクララの一生を描いたSF小説。

    身体が弱いジョジ―の家族に迎えられ、ジョジ―の幸せを願って行動するクララ。
    相手の気持ちをおもんばかり、感情すらもつクララが純粋な心を持った人間のように思える。

    対して、処置した人としない人、人間とロボット、第2世代と第3世代…と何かにつけて比較し態度を変える人間たち。

    人間を人間たらしめるものは何か。
    知能が高いロボットは、人間に使われるべき存在なのか。
    考えさせられた1冊だった。

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    2025年11月02日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    映画を見て、すごくよかったので原作も手に取った。
    むずかし〜〜〜もうちょっと考えないと咀嚼しきれない!
    もう一回読もうかな!

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    2025年10月28日
  • 日の名残り

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    かなり前に読んだものの再読。

    前半部分はわりと覚えていたのに、ミスケントンと再会する場面を全く覚えてなかった…。
    でもそのお陰で新鮮に楽しく読めました。

    当時も思ったけれど、私みたいに歴史的背景や知識がなくても、主人公の執事としての日常や矜持、過去の日常についての独白が続くのに、退屈せずにどんどん読める。

    スティーブンスは執事としては忠誠心があって優秀かもしれないけど、遊びがなくて、人に対して不器用で鈍感で空気が読めないところがイラッとしつつ段々と可愛らしく思えてくる。

    個人的には言葉遣い一つで登場人物の印象も変わると思っているので、作家さんが書いた言語で読みたいのだけれど、こちらの訳

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    2025年10月21日
  • 忘れられた巨人

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    ネタバレ

    かなり読み終わるまで辛かった。難解。
    老夫婦が息子のの住む村に行く間のファンタジー?
    記憶が消されたり、夫婦が離れ離れになったり、とてもついていけなかった。
    老夫婦はその後どうなるのか?
    私の読解力のなさで、なんかモヤモヤ霧に包まれたように終わった。

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    2025年10月12日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    広瀬すずさん主演の映画を観た後、わからない感があったので原作を読みました。とてもスッキリです。カズオ・イシグロさんの作品の深さを知りました。

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    2025年10月11日
  • 日の名残り

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    序盤から中盤にかけて退屈だなあと思いながら読んだ。執事たるものこうあるべきとか御主人のこととかそういうことばかりで。ところが中盤以降、徐々に小さくゆらゆらと燃え上がる何かが起こってくる。ちょっと先が気になってきたという状況がやってくる。最後にその燃え上がる何かが弾けるのかと思いきや、そのままゆらゆらして消えていった。そんなお話でした。あと読んでいて感じたのは、スティーブンスに対して「ええ、それはなあ…」という場面が多かった。もちろんこれは自分が現代の日本で生きているという状況で、かつ執事文化にもイギリス文化にも馴染みがないものにとってはなかなか書かれているもの全体を深く味わうことが難しかった。

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    2025年10月10日
  • 充たされざる者

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    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)疾走してる感じ、フロストパクリぽい。でも読ませる。

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]事件が頼み事になってるフロストだな。

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    2025年10月08日
  • 日の名残り

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    お堅いお仕事小説
    脱線に次ぐ脱線がとても長い…ただ物語をつくりこむ執筆の凄さ、そして前作同様 静かな物語だったのを感じた

    今作もイシグロ氏による回想、文学用語の信頼できない語り手 と呼ばれてる物語だった
    わたしを離さないで から入った方が多いと思われる、今作物語はこちらも少し悲劇的に描かれてて、雇主だった者の過ち、女中の思いを気づけなかったなどが最後に想いにふけながら終わってく。しかし見知らぬ男との夕刻の話、つまりダーリントン卿との時間は素晴らしいものではあったのだと、イギリスの執事とはこれほどの仕事で素晴らしくあったのだとと思わせるような内容だった

    誰にでも一生懸命のとき、じっくり考慮し

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    2025年10月07日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    ネタバレ

    映画→原作を経ても理解が難しい作品だった。カズオイシグロ作品は深く話の真理を追い求めると更に分からなくなるので、抽象的に読むのが1番読みやすいのかなと思う笑 でも読んだ人の分だけ解釈があるのは面白いなとも思う。私は悦子は景子のことを後悔するあまり、「自害させない為にどうすれば良かったか」を佐知子と万里子との思い出に重ねて、話していたのだと思った。その中には自戒も込めて、ありもしないような話も入れていたのだと思う笑 これを踏まえてまた映画が観たくなった。

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    2025年10月06日
  • 日の名残り

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    自分の領分において他人との境界含め自分の関与すべき物事を徹底的に分別して、努力次第で自分の掌中に収まる目の前の物事をコツコツと行い、穏やかな生活を維持していくスティーブンス。
    自分の範囲を限定するのではなく手を伸ばす意欲を持てば政治においても人間関係においても多くに触れられて自分で舵を切れるという見方もあるかもしれないが、自身の環境はコントロール不能な側面が多いため、知識の補填や強い意志でどうにかなるものではない(3日目夜ハリーの語る品格への疑念)。スティーブンスはあまりに頑固で枠内に収めることに気を取られすぎているので、関与すべき、関与できる範囲を自ら狭めているような気もするが。
    ああすれば

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    2025年10月05日