カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • 日の名残り

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    内省的で抑制された文章、よく考えられたプロット。
    イギリスを舞台とした日本の私小説のようでいて、
    それでいて英国精神がに根底に流れる本。
    日本の作家でいえば村上春樹氏と近いのかもしれないが
    イシグロの方が剛直か。

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    2026年04月20日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    『日の名残り』を読み終えた時は、ただただ、素晴らしい読書体験だった。という感じだった。
    けど、この作品は、どこに注目して感想を持ったらよいか、わからなかった。臓器移植を目的とされて作られたクローン人間の話しであることを知っていたのが悪かったのか?読んでいるときもどこが「盛り上がり」なのか、わからなかった。
    でも、今、わたしなりに思うことは、どんな社会であろうと「どこに立つか」で世界は変わるということ。そう気づくと、あらゆるエピソードが「盛り上がり」だった。すごすぎ。

    はぁ〜、トミー!早くキャシーを迎えにいってあげて。

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    2026年06月14日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    6年ほど前から読みたいと思っててやっと読みました。
    序盤では、寄宿学校での話かなーなんて思っていたらとんでもない。びっくりしました
    登場人物たちは抵抗をしようとしながら、結局は自分の運命を受け入れていくのもかなしい

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    2026年06月09日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    希望と後悔と、過去と未来と、価値観の変化と…

    新しく何事もなかったかのように作られていく土地とその陰に間違いなく存在しているジメッとした何か。
    イギリスの素敵なイメージの静かな庭とそこに降る雨。

    とにかくゆらゆらする。
    でも何か一本あるような気がする。

    何度も読み返して汲み取っていきたい作品。

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    2026年06月09日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    今まで読んだカズオ・イシグロの作品とは少し違う。回想はしているが、冒険の要素が強いし、主人公の自尊心が高い。そのためか、数日で読み切ってしまった。いつもは、もっと時間をかけて読んでいるのに。同じ作者でも、違う印象を受けるのは初めてだったので、面白い体験だった。

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    2026年06月07日
  • 日の名残り

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    戦前のイギリスの執事が、数日間のドライブでの旅を舞台に、自分の人生を振り返る。執事という仕事にささげてきた自分、父親、そして元女中頭のミス・ケントンなど、旅の場面場面で多くの回想を交えながら、誇りとやるせなさの混じったような気持ちを吐露していくような内容に、古い時代の異国の物語ながら、郷愁を感じてしまう作品でもあった。著者の作品は初読で、他の有名作も読んでみたい。

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    2026年06月07日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    最後の盛り上がりまでが長い…読んでて単調すぎて辛くなりましたが、最後のところはまぁ良かったかなぁと。最初は施設にいるキャシー視点からずっと物語が進むとこがとても単調。キャシーたちは『臓器提供』のために生まれてきたことは薄ら分かっている。あるとき、外から自分たちがどう思われていてどう扱われているのか、キャシー達がちゃんと気づいたとき、はっとさせられました。

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    2026年06月06日
  • 日の名残り

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    イギリスの大きな屋敷で執事をしている主人公は、雇い主からの提案で小旅行をする。

    旅行中、
    以前の雇い主の元での様々な出来事を思い出し、
    読み手に語る。

    その語り口調がイギリス上流階級の、
    伝統を重んじるかんじで、
    主人公の真面目さを感じた。

    真面目さでいうと、
    ジョークをよく飛ばす今の雇い主への対応に
    気を揉んでいる様子が面白かった。

    ラジオや本を読んでどう冗談を言ったらいいか
    勉強して雇い主のジョークに適切に答えることを
    「新しい任務」として大真面目に頑張ったり、、

    冗談を冗談で上手く返して、
    雇い主を楽しませられないのは職務怠慢にあたるのではと考えたり、、

    架空のことをいつまで

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    2026年06月04日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    カズオ・イシグロさんの著書は2冊目でしたが、やはりクライマックスまでが長い。笑
    気が短い自分なので早く結末が知りたくなってしまう。
    ただ圧巻のラストでは、登場人物の運命に泣きました。

    科学技術と倫理という普遍的な問いを残酷に突きつけてくる一冊でした。

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    2026年06月04日
  • クララとお日さま

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    AF(Artificial Friend:人工親友)の女の子であるクララの目線で語られる、未来の世界の物語。
    他のカズオ・イシグロ作品でもしばしば見られるように、柔らかく優しい語り口でとんでもないディストピアを描き出す。(好き!)

    クララは病弱な女の子、ジェシーの家に買い取られ、ジェシー、その母親および家政婦と共に暮らすようになる。ジェシーの"親友"としての役割に邁進するクララだが、ジェシーの病状は次第に悪化し、さらに家族の仄暗い秘密も明らかになっていく。
    物語の世界において当たり前に存在するらしい、優勢思想的な技術もストーリーに影を落とす。

    クララは非常に優れた人工知

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    2026年05月24日
  • 日の名残り

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    最初から最後までなにもなく静かに流れていく日常
    でも世界は確実に動いていて、それをある執事の語り口から垣間見ていく不思議な体験でした。
    自分はスティーブンスはプロ意識の高い優れた人だとおもったけれど、感想を語った相手のAIが反論してきて少し面白かったです。
    わたしは歪んでいるのだろうか、、、

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    2026年05月23日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    グッとくる言い回し、作者の新奇性に富んだメッセージ、みたいなものは良い意味でない。精緻に主人公の内面が積み上げられていく過程で、物語世界も解像度が上がっていく感覚が唯一無二。遺伝子工学の発展やその倫理的問題について議論がなされる現代において、作者自身の思想や意見を表面化させずに描ききるところに感動した。あと、最終盤での昔のトミーの癇癪について触れる場面が良かった。

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    2026年05月20日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    どうやって提供を受け入れたのか、、受け入れる他に選択肢がなかったから諦めたのか。愛し合う二人への猶予は与えられず、展示会はただの社会へのアピールだったなんて知ったら絶望してしまう。世論がヘールシャムの人権尊重に賛同しなくなる流れは実にリアルだった。 キャスの視点で読むと、提供者を恐ろしく思うマダムやメアリ先生に疑問と悲しみを感じるけれど、私もクローン人間ににこやかに話しかけることはできないだろう。 トミーとキャスが愛し合ってるとルース含めわかっていたのが驚いた。訳がとても自然で落ち着きのある文章で良かった

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    2026年05月16日
  • 日の名残り

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    夕方の窓辺に座って読んでみたりした。エモ。
    一番好きなシーンは何度か出てくるスティーブンスがアメリカのジョークを習得しようと試みるシーン。後書きで失われる英国の伝統と栄光を表した物語と紹介されていたが、それを読んでから、このシーンで、新生アメリカに時代の主導権を奪われて、それに迎合していくイギリスをスティーブンスが体現してるように思えた。カズオイシグロはこれで三冊目、とても気に入ったので全制覇を目指したい。

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    2026年05月11日
  • 忘れられた巨人

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    忘れられた巨人

    はじめての「カズオ イシグロ」でした。
    物語はアーサー王時代直後のイングランド。血で血を洗う争いが収まり、竜の吐息のせいで人々が諍いを忘れ平安に暮らしている。
    アクセルとベアトリスの老夫婦はある日忘却の彼方にある息子の元へ旅立とうと決意する。
    鬼を退治した戦士と鬼にさらわれて咬まれてしまったために村を追われた少年と旅を続けるうち、忘却の原因が竜の吐息のせいだと知り、その竜退治につきあうことになる。
    竜退治のために派遣され長年それを果たせずにいるドンキホーテのような騎士も加わりますが、騎士の本当の目的は・・・
    竜が退治され記憶が甦ることによって、甦る殺戮の記憶、そして復讐の念。

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    2026年05月11日
  • 日の名残り

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    「品格の有無を決定するものは、みずからの職業的あり方を貫き、それに堪える能力だ」
    「私はダーリントン卿にお仕えしたことで、この世界という車輪の中心に、夢想もしなかったほど近づくことができた」
    「もしかしたら実現していたかもしれない別の人生を、よりよい人生を──たとえば、ミスター・スティーブンス、あなたといっしょの人生を──考えたりするのです」

    品格という言葉が多く出てきて、仕事のスタンスや取り組み方が良くも悪くも硬派だなと。プロフェッショナルであることに疑いはないが、いまのライフを重んじる考え方とはまた違うかも。
    別の人生があったら…と思ってしまうのは古今東西変わらないのだろうと。最後は夕焼

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    2026年05月10日
  • 日の名残り

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    アメリカ人の主人ファラディは、旅をすることに通じて、自国のことやスティーブンス本人に自身に目を向けさせようとしたのだろうか。短い旅が始まり、スティーブンスが過去を見つめ始める。彼は仕えていたダーリントン卿を救うことは叶わなかった。また彼自身の私生活も失敗であったと断定せざるを得なかった。旅の最後にそれに気づいた彼は、選択の余地があるとは思えない人生の中でも少し前を向いて進もうとしているのかもしれない。

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    2026年05月06日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    最初はちんぷんかんぷんやったけど、途中からは主人公キャシー、ルース、トミー3人の人間模様にやきもきしつつも共感した。最後はヘールシャムができた経緯を知って、何のために生きるのか、幸せな人生とは?を考えさせられた。
    3人の哀しい運命は最初から決まっていてそれを変えることはできなかったし、先生がヘールシャムで実現したかったことはただのエゴかもしれない。それでも結果的にヘールシャムでの豊かな日々はその後のキャシーの人生を彩り、心の支えになっていたんだろうなと思う。
    誰かとぶつかったり愛し合ったり共に楽しく過ごす、何気ない日々の瞬間にこそ生きる醍醐味があるのだと再認識した。
    でもヘールシャムで豊かな生

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    2026年05月05日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    映画化されたものは役者さんの演技が非常に素晴らしく、それはそれで見ごたえあったのだけど、最後の種明かしがあまりに納得いかず、モヤモヤしすぎて原作買ってしまいました。
    今はイギリスで暮らす悦子が回想する戦後間もない長崎での暮らしーー時代の変化に苛立ちを隠せない義父と冷淡な夫、恋人についてアメリカに移住さえすれば自分にも娘にも新しい道が開けると信じている、悦子とは対照的なように見える女性・佐知子。その回想の中には、子殺しの不穏なイメージが繰り返し立ち現れて、主人公がすすんで語ろうとはしないその後の離婚とイギリスへの移動、そして娘の自殺という犠牲がほのめかされる。すべてを語ろうとしない秘密をかかえた

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    2026年05月02日
  • クララとお日さま

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    献身的なクララが運命を変える、的なハートフルな話と思いきや、かなりブラックな話だと感じた
    確かに、クララ目線ではジョジーが回復して、様々な体験ができてハッピーなのかもしれないが、実際は用済みとして廃棄されている
    途中にもところどころ、向上手術を受けたか受けていないかで格差が決定づけられている描写や、ジョジーの母親の言動に違和感しかないなどの要素が散りばめられており、現代の能力主義の行き着く先として、人の心の温かみが軽視され、誰もが取り替えのきく代用品になる暗い未来が描かれていると感じる

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    2026年05月01日