カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いつか救いがあるかもと信じて読み進めていたので悲しくなった
    もう一回読むにはかなり勇気がいると思うので、その日が来るのかはわからない

    0
    2026年02月01日
  • 充たされざる者

    Posted by ブクログ

    とある街の式典に招かれた著名ピアニスト・ライダー。けれど式典の詳細もはっきりせぬまま、数々の依頼事に巻き込まれ…。曖昧な記憶、徒労感と高揚が入り交じる長い数日間の物語は、両親や妻子と離れて世界を彷徨う一人の男が見ている夢の世界のよう。
    自分のことばかりな街の人々、けれど次第に彼らはライダー自身の自己中心的な部分の投影、分身のように思えてくる。長大な文章に込められた、自分を見てほしい、認めてほしいという欲求。しかし視線は虚しくすれ違い、誤解はもはやほぐせない。旅の終点に、いつかライダーはたどり着けるのだろうか。

    0
    2026年01月25日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     自分の大切な人が「提供」を必要としたときのことを考えてゾッとした。
     私たちの生はたくさんの犠牲の上に成り立っていて、その上で幸福を享受する自分の傲慢さみたいなものを自覚させられた。辛い、けど、この事実から目を背けることは許されない。向き合わなければならない

    0
    2026年01月26日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    映画を観て、じゅうぶん理解できたのか分からなかったので、本を読んでみようと思った。読み終わって、ますます分からなくなった気がする。
    映画はもっと具体的なしかけ?があるが、本は違う。読み手に委ねるというか、映画とは違う気がした。どちらにしろ原作も映画も、カズオ・イシグロ作品だなと思ったこと。映画のほうが映像で目に入ってくるので、より分かりやすいのに、それでも全部は語らず、受け取り側に委ねるところは原作と変わらないのかもしれない。読んだことのある人と考察したくなる。この作品がデビュー作とは、さすがとしか言いようがない。

    0
    2026年01月25日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても、苦しい。
    トミーと結ばれたあとの心情があまりにも悲しい。
    もっと早くこうなれていれば、という想いが常に付き纏う。提供者という運命にあるからこその苦しみ。

    0
    2026年01月25日
  • 浮世の画家〔新版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    20260118ー0130NHKドラマで渡辺謙が主演。それが面白かったので原作を入手。心理描写が過去と現在を行きつ戻りつしながら、戦後の日常が淡々と進んでいく。

    0
    2026年02月01日
  • 夜想曲集

    Posted by ブクログ

    短編集。カズオイシグロの「少し前に一世を風靡したのに今はもう若い世代の尊敬を受けられない初老の男」に対するこの執着はなんなんだ。日の名残も含めていろんな人種、いろんな職業を着せ替えては、若い頃から繰り返し「昔はすごかった男」の物語を描き続けていてcreepyでさえある。

    2話目の音楽の趣味のいい英語教師の話がいちばん書き手自身が投影されていそうなのに、プロットはメチャクチャで笑ってしまった。

    0
    2026年01月24日
  • 浮世の画家〔新版〕

    Posted by ブクログ

    遠い山なみの光の主人公の父親と同じカテゴリーに属する、戦前にステータスがあって尊敬されていた男性が、戦後にそれまでの若者たちからの尊敬を一気に失って怒りと戸惑いの後に自分の中の落とし所を見つけていく物語

    どちらの男性も途中で子や孫に対して上っ面だけの論理でmanipulateしようとする場面が本当にムカついて、その父親をさらに上っ面だけの傾聴でmanipulateしようとする嫁や長女の姿が、つい最近の日本でもまだ女と役割として求められていた、あるいはまだ求められていることと合わせてさらに怒りを感じるとともに、これをもう亡き父にはしなくてよい/してあげられないことを虚しく思った

    0
    2026年01月24日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

    Posted by ブクログ

    ノーベル文学賞受賞記念講演
    途中で止めて、いったんトムウェイツのRuby's Armsを聴かずにはいられなかった

    0
    2026年01月24日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    スティーブンスの鈍さが最後まで一貫していたのが良かった。確かに彼は卿の判断を信じただけの受動的な人間だが、それについて思索を巡らせることができる時点で立派な人物だと思った。

    0
    2026年01月19日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    自分が生まれた意味・・・
    親の顔を見たこともなければ、親は存在しないとされて育つ。
    性的な雑誌の中に自分と似た人を必死に探し、「わたしを離さないで」と、赤ちゃんに見立てた毛布を抱いて揺らす。
    キャシー、トミー、ルースともに言葉にはしないけれど、親、自分を無条件愛するはずの人を探している。
    言葉で表現されないからか、その想いがひしひしと伝わってきて切なかった。
    最後まで救われなかった。有刺鉄線の向こうの荒涼とした風景の向こうでトミーの姿が浮かんで消えた・・・

    0
    2026年01月18日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    気になっていたクララとお日さま

    正直、読み進めるのに苦労した。
    それもそのはず。
    この物語は、人工知能搭載ロボット(AF)のクララが
    主役なのだから。

    子供の成長を手助けするロボット、クララ。
    病弱な少女ジョジー。
    ふたりの友情が育まれつつ、ジョジーを取り巻く
    大人たちの問題にクララが巻き込まれていくが、
    クララは、見聞きしている情報を正確に捉え分析し、クララなりの答えを出していく。
    その結果は。。。

    この物語は、クララを通じて多くのことを考えさせ
    られた。
    子供に対する大人の倫理観と感情論。
    環境に対する問題。
    クララは静かに分析し。
    ジョジーは冷静になりつつも大人達の考えに
    導かれる

    0
    2026年01月17日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    登場人物たちの置かれている状況や世界観は現実に存在しない異様なものである。
    その異質さによって読み手は興味をそそられるが、だんだんとその異質さが当たり前のように感じられる説得力がある語り方だった。
    実際、物語が進んで彼らの置かれている状況が明確になっても、読んでいる側はそれが当たり前のように受け入れられるような作品だった。

    そのような特異な状況の中で描かれるのは、登場人物たちの繊細な人間関係の描写である。
    自分たちとは異なる環境で描かれる、人間関係における微妙な心の動きを描かれることで、よりリアルに感じることができた。

    0
    2026年01月10日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文章の所々にこの本の世界の残酷さが織り交ぜてあって、読み進めていくうちに世界観を理解することになる。
    最終的に提供者になると分かっている環境で、逃亡する人がいないことを不思議に思った。諦めから来る義務感なのか、責任感なのか、どうなんだろう。

    0
    2026年01月04日
  • 日の名残り

    Posted by ブクログ

    ひたむきで有能な執事の残りの人生を失意の中に放り込まず、ユーモラスに締めくくってくれたイシグロに拍手。

    0
    2026年01月03日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    Posted by ブクログ

    お話としての面白さはそれはそうとして、読んでて印象的だったことが色々とあったので書いてみる

    ・読み始めた日に仕事で調べたことがあって、出てきたパソコン知恵袋みたいなページの質問者の名前が主人公の名前だった。キャシーH。これ、すさまじい偶然じゃない?しかもそれに答えてるのがAIっぽいのがまた面白すぎる。読んだことある人だったのかな?ユーザーネームとしてめっちゃセンスある。巡り巡ってこんな偶然が知らないところで生まれてるわけだし。

    ・1ページ目読んだ途端に、前読んだ執事のおじいさんの話の情景が浮かんできて、まぁそれは同じくカズオイシグロが書いた「日の名残り」なんだけど、
    「日の名残り」とそのお

    0
    2026年01月06日
  • クララとお日さま

    Posted by ブクログ

    カズオ・イシグロは好きで何冊も読んできたが、なぜか読んでいなかったクララとお日さま。ノーベル文学賞受賞でものすごい話題になってからの第一作目で、推しがとんでもなく有名になりすぎてなんだか距離が…みたいな感覚?

    ようやく文庫版を手に取る。読み始めたらもう一気に読んだ。相変わらず静謐でシンプルな素敵な文章。「私を離さないで」のような、読者に隠されたままの世界の秘密(今回はとうとう最後まですべては明かされなかった)。そして、人工知能ロボットという、人間の世界を学習中の、語り手として信頼をしきれない主人公クララ。読者は足元がぐらつき、視野が制限されたまま、クララの目を通して、クララの主であるジョジー

    0
    2025年12月28日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    確か『わたしを離さないで』を読んだ時にも感じたことなのだが、ずーっと感じる不安感、不穏な感じがここにもある。

    読んでいると次第に悦子が佐知子と重なってくる。
    そして、バサっと終わってしまう。

    池澤夏樹氏の解説がとてもいい。
    「人間は互いに了解可能だという前提から出発するのが哲学であり、人間はやはりわかりあえないという結論に向かうのが文学である。」
    「それでも、われわれは日本語でこれを読みながらでも、これがあくまでも英文学、むしろ英語文学の作品であることを忘れない方がいい。訳がいかに巧みで、会話が日本語としていかに滑らかに流れていても、登場するのがすべて日本人でも、これは日本文学ではない。」

    0
    2025年12月25日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

    Posted by ブクログ

    時代の移り変わりとそれが生む歪み。被害者というのは語感がやや強すぎるのだけれど、時代の流れに、パラダイム・シフトに晒され、翻弄された人々。その生き様。
    メッセージを読み取るのが難しい作品だったけど、解説を読むと色々なことがしっくりくる感じがした。

    佐知子と万里子、藤原さん、緒方さんという他人についての回想が全編を占めるにも関わらず、全ての要素が今の悦子に帰結していく点で、この物語の構成は爽快感すらある。イギリスへの移住と景子の自死、その詳細が語られることはほぼ無いのにも関わらず、回想とのシンクロ性が、悦子の人生に纏わり付く陰の輪郭をぐっと強めている。
    集団的なトラウマ、というのがこの小説の主

    0
    2025年12月21日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

    Posted by ブクログ

    ノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロさんの講演録です。
    興味深い内容でしたので、イシグロさんのルーツについてもっと知りたいと思いました。

    0
    2025年12月19日