カズオ・イシグロのレビュー一覧

  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    淡々と残酷な真実が明らかになるような描写が上手い。
    キャシー達もそれを受け入れていて、当然だと思っているのが伝わる

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    2026年02月26日
  • 夜想曲集

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    表紙と、そして『音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』という副題から簡単に想像できる通り、この作品集には、人生の黄昏時の雰囲気漂う男女の別れを描いた短編が、五編収められている。

    思えば夕暮れは、最もロマンチックな瞬間ではないだろうか。
    一日で限られた特別な時間帯にだけ、目に映る独特の斜光。それは人によってはただの黄色い光線にしか映らないかもしれない。

    だがよくよく考えてみると、その光線とそっくりそのままの夕陽が、将来再び僕らの下を訪れることは決してないのである。
    そのような夕暮れ時に、同様にかけがえのない相手であったに違いない男女が、お互いに最後の別れを交わすのだ。

    この作品集は、このような悲

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    2026年02月25日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    少年、少女たちの成長と心の動きが丁寧に積み重なる中、明らかになっていく事実と虚構が読み手の心をも心地よく支配していく。

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    2026年02月23日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    希望も絶望もない、それは受け入れ。
    介護者として働くキャシーは31歳、「この仕事は潮時だ。」と感じると同時に子供時代施設での日々を思い返す。その記憶は彼女たちには残酷な事実でした。

    訳者あとがきには、この小説「ネタバレOK」と記載がありますが、やっぱり明かすには気が引けますね。
    序盤に近い中盤で、彼女たちが生きる意味と謎があっけないほど唐突に明かされます。

    「あなた達に夢は要りません。」
    そんな彼女たちが過ごした青春時代。

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    2026年02月19日
  • 日の名残り

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    アンソニー・ホプキンス主演の実写映画を鑑賞後、早速読んでみました。
    英国貴族ダーリントン卿が住んでいた荘厳な邸宅は、今はアメリカ人の手に渡っていた。ダーリントン卿に何十年と仕えていた執事スティーブンスはお屋敷に残ったものの、当時のスタッフ達は離れていき人手不足に困り果てている。
    そんな折、当時女中頭を務めていて結婚を機に屋敷を離れた元同僚ミス・ケントンからダーリントンホールでの日々が懐かしいと郷愁を滲ませる内容の手紙が届く。
    ミス・ケントンがお屋敷に戻ってきてくれるのではという期待を込めて、スティーブンスは彼女に会いに行くことを決めたその道中、素晴らしい故郷の風景に

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    2026年02月19日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    いつか救いがあるかもと信じて読み進めていたので悲しくなった
    もう一回読むにはかなり勇気がいると思うので、その日が来るのかはわからない

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    2026年02月01日
  • 充たされざる者

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    とある街の式典に招かれた著名ピアニスト・ライダー。けれど式典の詳細もはっきりせぬまま、数々の依頼事に巻き込まれ…。曖昧な記憶、徒労感と高揚が入り交じる長い数日間の物語は、両親や妻子と離れて世界を彷徨う一人の男が見ている夢の世界のよう。
    自分のことばかりな街の人々、けれど次第に彼らはライダー自身の自己中心的な部分の投影、分身のように思えてくる。長大な文章に込められた、自分を見てほしい、認めてほしいという欲求。しかし視線は虚しくすれ違い、誤解はもはやほぐせない。旅の終点に、いつかライダーはたどり着けるのだろうか。

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    2026年01月25日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

     自分の大切な人が「提供」を必要としたときのことを考えてゾッとした。
     私たちの生はたくさんの犠牲の上に成り立っていて、その上で幸福を享受する自分の傲慢さみたいなものを自覚させられた。辛い、けど、この事実から目を背けることは許されない。向き合わなければならない

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    2026年01月26日
  • 遠い山なみの光〔新版〕

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    映画を観て、じゅうぶん理解できたのか分からなかったので、本を読んでみようと思った。読み終わって、ますます分からなくなった気がする。
    映画はもっと具体的なしかけ?があるが、本は違う。読み手に委ねるというか、映画とは違う気がした。どちらにしろ原作も映画も、カズオ・イシグロ作品だなと思ったこと。映画のほうが映像で目に入ってくるので、より分かりやすいのに、それでも全部は語らず、受け取り側に委ねるところは原作と変わらないのかもしれない。読んだことのある人と考察したくなる。この作品がデビュー作とは、さすがとしか言いようがない。

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    2026年01月25日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    とても、苦しい。
    トミーと結ばれたあとの心情があまりにも悲しい。
    もっと早くこうなれていれば、という想いが常に付き纏う。提供者という運命にあるからこその苦しみ。

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    2026年01月25日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    ネタバレ

    20260118ー0130NHKドラマで渡辺謙が主演。それが面白かったので原作を入手。心理描写が過去と現在を行きつ戻りつしながら、戦後の日常が淡々と進んでいく。

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    2026年02月01日
  • 夜想曲集

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    短編集。カズオイシグロの「少し前に一世を風靡したのに今はもう若い世代の尊敬を受けられない初老の男」に対するこの執着はなんなんだ。日の名残も含めていろんな人種、いろんな職業を着せ替えては、若い頃から繰り返し「昔はすごかった男」の物語を描き続けていてcreepyでさえある。

    2話目の音楽の趣味のいい英語教師の話がいちばん書き手自身が投影されていそうなのに、プロットはメチャクチャで笑ってしまった。

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    2026年01月24日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    遠い山なみの光の主人公の父親と同じカテゴリーに属する、戦前にステータスがあって尊敬されていた男性が、戦後にそれまでの若者たちからの尊敬を一気に失って怒りと戸惑いの後に自分の中の落とし所を見つけていく物語

    どちらの男性も途中で子や孫に対して上っ面だけの論理でmanipulateしようとする場面が本当にムカついて、その父親をさらに上っ面だけの傾聴でmanipulateしようとする嫁や長女の姿が、つい最近の日本でもまだ女と役割として求められていた、あるいはまだ求められていることと合わせてさらに怒りを感じるとともに、これをもう亡き父にはしなくてよい/してあげられないことを虚しく思った

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    2026年01月24日
  • 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー

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    ノーベル文学賞受賞記念講演
    途中で止めて、いったんトムウェイツのRuby's Armsを聴かずにはいられなかった

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    2026年01月24日
  • 日の名残り

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    スティーブンスの鈍さが最後まで一貫していたのが良かった。確かに彼は卿の判断を信じただけの受動的な人間だが、それについて思索を巡らせることができる時点で立派な人物だと思った。

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    2026年01月19日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    自分が生まれた意味・・・
    親の顔を見たこともなければ、親は存在しないとされて育つ。
    性的な雑誌の中に自分と似た人を必死に探し、「わたしを離さないで」と、赤ちゃんに見立てた毛布を抱いて揺らす。
    キャシー、トミー、ルースともに言葉にはしないけれど、親、自分を無条件愛するはずの人を探している。
    言葉で表現されないからか、その想いがひしひしと伝わってきて切なかった。
    最後まで救われなかった。有刺鉄線の向こうの荒涼とした風景の向こうでトミーの姿が浮かんで消えた・・・

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    2026年01月18日
  • クララとお日さま

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    気になっていたクララとお日さま

    正直、読み進めるのに苦労した。
    それもそのはず。
    この物語は、人工知能搭載ロボット(AF)のクララが
    主役なのだから。

    子供の成長を手助けするロボット、クララ。
    病弱な少女ジョジー。
    ふたりの友情が育まれつつ、ジョジーを取り巻く
    大人たちの問題にクララが巻き込まれていくが、
    クララは、見聞きしている情報を正確に捉え分析し、クララなりの答えを出していく。
    その結果は。。。

    この物語は、クララを通じて多くのことを考えさせ
    られた。
    子供に対する大人の倫理観と感情論。
    環境に対する問題。
    クララは静かに分析し。
    ジョジーは冷静になりつつも大人達の考えに
    導かれる

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    2026年01月17日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    登場人物たちの置かれている状況や世界観は現実に存在しない異様なものである。
    その異質さによって読み手は興味をそそられるが、だんだんとその異質さが当たり前のように感じられる説得力がある語り方だった。
    実際、物語が進んで彼らの置かれている状況が明確になっても、読んでいる側はそれが当たり前のように受け入れられるような作品だった。

    そのような特異な状況の中で描かれるのは、登場人物たちの繊細な人間関係の描写である。
    自分たちとは異なる環境で描かれる、人間関係における微妙な心の動きを描かれることで、よりリアルに感じることができた。

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    2026年01月10日
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

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    ネタバレ

    文章の所々にこの本の世界の残酷さが織り交ぜてあって、読み進めていくうちに世界観を理解することになる。
    最終的に提供者になると分かっている環境で、逃亡する人がいないことを不思議に思った。諦めから来る義務感なのか、責任感なのか、どうなんだろう。

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    2026年01月04日
  • 日の名残り

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    ひたむきで有能な執事の残りの人生を失意の中に放り込まず、ユーモラスに締めくくってくれたイシグロに拍手。

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    2026年01月03日