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Posted by ブクログ
秀逸で分かりやすく面白い。
物語としても素晴らしく、翻訳も本当に素晴らしい。
ただ語学的にただしく訳しただけでは作品にならない。音符通りに正確に弾いただけでは音楽にならないのと同様に、という言葉に痺れた。
そこに、翻訳の「美学」を感じる。
物語に登場する博士に対して、不安や恐怖からそんなことはあり得ないと批判を繰り返していた博士の甥が、そんなあり得ないことが現に自分の目の前に起こってしまった時の頭の中の感情と思考のメーターの振り切れようが半端ではない。
否定していた人間が今度は打って変わって、先陣をとって博士をも置き去りにする勢いで突き進む人間になってしまった。
反動で余計に勢いがつく。
その変わりようと言えば滑稽で仕方がない。
それまでひたすらビビりまくっていたその甥が言う。
「叔父にしては生ぬるい」と。
人間というのは、
頭の中の思い込みである常識を断固として譲らないが、目の前にそれに反する事実が露わになった瞬間に、こうも態度がガラリと180度変わるのかというのを作者のヴェルヌは面白く描き出してくれている。
科学というのは、コロコロと更新されて変わる。
ニュートンは地球の年齢を5万年と見積もっていたが、現在では45.5億年とされている。
空想科学小説であり、その科学の論理の元に書かれた小説の中で、科学などの合理主義を本質的には否定しているという、ただの文学でもなく、ただのSF小説でもない、何層にも深みが感じられる秀逸な物語。
Posted by ブクログ
2018年30冊目。
小学生の頃、ヴェルヌの『海底二万里』を渡されて、ほとんど読まずに放棄していたことを思い出す。
これだけ想像力が刺激され、未知の世界にワクワクできるヴェルヌの作品を逃していたことを後悔。
『地底旅行』は、大人になって読んでも心踊る、素晴らしい本だった。
危険な地底への旅に邁進する鉱物学者の叔父リーデンブロック教授のキャラクターが強烈。
科学者でありながら、旅にとって不都合で、旅を差し止めるような危険性を示唆する理論には真っ向から反対。
自分が進むべき理由だけを盲信して突き進む。
なんだかドン・キホーテみたいだなと思いながら読んでいたら、役者あとがきにも同じことが書かれていて「やっぱり!」と嬉しくなった。
こういう盲信の力には憧れがある。
地底だけでなく、海底や月世界の想像上の旅まで書き上げているヴェルヌの想像力に脱帽。
どれも読んでみたい。
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