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Posted by ブクログ
為替市場における裁定機会の存在。ミクロ経済学とマクロ経済学をつなげる物理学の繰り込み。経済学が科学になりきれないのは素直に観測事実を認める体質が欠けているから、という著者の本音と思しき記述があった。エコノフィジックスもカオス、フラクタル、遺伝的アルゴリズム等あって面白そう。小さな誤差を増幅するメカニズムがカオス現象につながるところからフラクタルとの関連性への理解がしやすかった。売買の過程で生じる変化はお金の観点で不連続変化なので、解析や予測が難しい。べき分布とフラクタルの関係。アトラクタも出てきた。根が物理の人が書いているので、個人的には分かりやすくとても面白かった。
Posted by ブクログ
★べき分布からフラクタルへ★多量のデータを解析すれば、金融商品の価格変動の分布は、正規分布よりすそ野が広いべき分布になるとのこと。これは理論ではなく観測の結果。だからこそ予想以上の危機が頻発する。べき分布を基にしたブラックショールズ式がなぜ生まれないのかと不思議に思うが、データを増やすほど平均や分散が逆に拡散してしまう(とんでもない値が混じってしまう)のがべき分布の特徴だけに、数学的に扱いが難しいようだ。
文末に記してある研究の価値評価の考え方は興味深い。研究開発にどれだけカネとヒトを費やすかには、研究開発の工程をシナリオごとに考えて中止時期も考慮したうえで全体の価値を判断する方法(リアルオプション)があるという。研究成果はべき分布に従う(ほとんどが微少だがときに大当たりする)と考えられ、ならば効果を上げるにはまずはサンプル数を増やすべき。青色発光ダイオードの価値について、研究者の立場からは、「特に重要だったと思われるのは失敗した結果を報告した地味な文献」という。数多くの失敗例を学び、見当することで、独創的な研究の道を速やかに進めたはずだから。「失敗を記録することが科学の底力」というのは重い指摘だ。
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