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世界第2位のGDPを誇る経済大国、中国。だが実態はつかみづらい。その経済力が世界秩序を揺るがすと見る「脅威論」から、正反対の「崩壊論」まで、論者によって振れ幅が大きい。本書では、「中国の経済統計は信頼できるか」「不動産バブルを止められるか」「共産党体制の下で持続的な成長は可能か」など、中国経済が直面する根本的な課題について分析。表面的な変化の奥にある、中国経済の本質を明らかにする。
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Posted by ブクログ
無関心ではいられない中国経済の動向をネタに、経済学の様々な道具を紹介しつつ使ってみせる。経済学初学者のための良書だと思う。デット・デフレーション、リフレ政策、金融政策・通貨価値・対外資本取引のトリレンマ、資本の過剰蓄積、ユーロ圏の罠、ルイスの転換点、ゾンビ企業、深圳のエコシステム(産業生態系)、囚人...続きを読むのジレンマと報復・評判・分断、アリババの仲介システム、ハイエクの自生的秩序、等々の概念が具体的な事例に即して語られており勉強になった。また中国政府の様々な経済政策の変遷を、それぞれコンパクトにまとめて説明してくれているのもありがたい。中国経済にについてよりフラットな見方ができるようになった気がする。
これは良書。先人の実績も参考にしながら、的確な切り口で現在の中国を切り取っています。中国は相当歪んだ国ではあるけれど、多様で柔軟であることが感じられます。中国ビジネス関係者にとっても役に立つ本ではないでしょうか。
日経の書評は★★★★★。媚びるわけではありませんが、私もそう思いました。 本書は近年の中国経済が直面しているいくつかの重要な課題について、「経済学の標準的な理論と、それを前提とした近年の実証研究の結果を踏まえながら」分析を行なっています。 例えば、中国の経済格差の問題については、まず中国国家統計局...続きを読むが発表したジニ係数の推移を紹介し、「2008年にピークを迎え、その後やや縮小に向かうというトレンドは正しい」と推論します。その背景として農家所得の上昇と、それに伴う、都市における非熟練労働者の減少をデータを示しながら明らかにしてゆきます。すなわち、事実認識を読者に提供したデータ、経済理論をベースに確固たるものとして、その上で中国経済の行先を推理、分析するという手法です。したがい、大変フェアで分かりやすい本ということになります。 ところが、決して読みやすい本ではありません。ジニ係数に現れない資産保有の分析について著者はピケティの「21世紀の資本」と同じロジックでの説明を行なっています。このあたりの理論は面白く、読み応えはありますが、1回読んだだけでは、正直言って理解できませんでした。ただ、理解できた後の爽快感はあります。 デッドデフレーション、ルイスの転換点、ハウスホールドモデル、囚人のジレンマ、ハイエクの自主的秩序、パクリ経済などなど、聞きなれない経済用語も目白押し。なかなか手強い硬派な本と思いました。 本書が書かれたのは、2018年7月。ペンス副大統領の中国批判演説の前ですが、著者の梶谷懐さんが、本書はナショナリズムや安全保障上の問題はカバーしていないと明記している通り、本書は中国経済に特化しています。したがい、ペンス氏の演説前に書かれた本であっても理論は同一と思います。 また各章に参考文献がリスト化されていて、資料としての価値も十分です。読破するかしないかは別にして、この本が880円で買えるなら、買わない手はありません。
中国の経済統計は信頼できない、中国人もそう言う。例えば経済成長率が工業統計と一致しないとか、省の統計の合計と一致しないとか。しかしどこに誤差があるかと言う地道な検証が進んでいる。李克強指数や様々な代替指数でGDP成長率を推定しようとする様々な試みが行われたが、国家レベルでは恒常的な水増しが行われたと...続きを読むまでは言えない。2014〜15年については課題評価されていた可能性が高いが、2016年は代替指数がGDP成長率よりも高い値を示した。GDP統計の誤差の最大の原因がサービス部門の統計に漏れがあることで、例えばヤミ経済が含まれていない。実質GDPを求める場合にもデフレーターの計算で中間財価格の反映に関する技術的な問題があり、輸入価格の変化を十分に反映していないと言う指摘もある。地方GDPについてはそれが地方幹部の評価に直結するため統計のごまかしが継続的に行われていた可能性が高い。 不動産バブルは資本の過剰な蓄積が投資に回り引き起こされた。2000年以降実質GDP成長率に対する投資の寄与は平均50%を超え、2009年は80%を超えた。投資の収益性が下がれば投資を減らして消費を増やすのが合理的な判断のはずだが、「資産価格上昇」への期待が実質的な収益性低下に目をつぶらせる。特にリーマンショック以降は大規模な景気刺激策を実施したが、投資事業を地方政府に丸投げしたため、銀行借り入れや地方債の発行に制限を受けていた地方政府は融資プラットホームと言うダミー会社を使ってマンション建設などを大々的に行った。2003年からの10年間で、10%以上上がったが、ここ数年はさらに加速している感がある。一般的な中国人の感覚では不動産価格は必ず上がる、もし下がれば政府が何とかする、それでも下がれば世界経済が大変なことになると言うものだ。中国政府が何とかソフトランディングをしようとしている感じはあるが地方債務は着々と増えていっている。金融システムそのものはまだ健全なので、一帯一路政策などで過剰資本を海外に流し成長パターンを転換できるかがこれからの課題となる。 農民工や国有企業企業改革なども述べられているが結局は第6章の共産党体制での成長は持続可能かと言うのが本質的な問いだろう。深圳でのパクリとイノベーションの共存のようなのが「上に政策あれば、下に対策あり」と言う中国の活力のもう一方の特徴だ。ただそれが持続的かと言うと基本的に情報が管理された社会なのでイノベーションとの相性は悪い。
20190109〜0124 中国経済の現状と今後の見通しについて、オーソドックスに分析し平易に解説している良書だと思う。中国については、感情的な見方によって大分左右されるから、こう言う冷静な見方は貴重。欲を言えば政治情勢や国内における思想、民族宗教的統制の現状も踏まえて欲しかったが、それは本書の守備...続きを読む範囲を超えるものなのだろう。
知りたかった情報 根拠なく 中国万歳 中国崩壊 って声が大きい人が騒ぎすぎて見えにくくなっていたところに本物登場 そうだよね計画経済から急に市場経済になったのだから市場経済のものさしの経済指標で正確に捉えられるわけもなく その観点を得ただけでも儲けもの
全体感として、正論としての経済学から見た足下の中国経済の解釈である。各章のテーマがほどよい分量でまとめられていて読みやすい。 中国経済に関心を持って見ている人にとって、特別に新しい発見はないかもしれない。それでも整理はなるところが評価できる。 参考文献も非常にわかりやすくまとめられており、それ...続きを読むぞれのテーマに対してもう一歩も二歩も理解を深めていく窓口としての役割も果たしている。 ここから先に進むとすれば、本書の内容について、中国に住む中国人の研究者であればどのように書くのか、そんなものがあれば比較研究を通して、本書が議論するところへの正解に近づけるかもしれない。中国の書店でそんな一冊を探してみたくなった。
現代中国経済の概観。標準的な解説で安心感はあるがやや面白みにかけた。地方財政の問題、融資平台と呼ばれるシャドーバンキングを通じた地方政府の資金調達方法は知らなかったので勉強になった。 時折、経済学の基本概念を解説している。教科書としても使いたいのだろうか、解説が少し冗長になっている。
中国のGDP統計は信頼できるのか?との疑問が出された時、私たちは確かにその疑問に囚われてしまう。それは私たちの中国に対する政治外交のいきさつからネガティブに評価する不信感がそのようにさせているのではないか?著者は中国のGDPがでたらめではなく、精度の誤差があるにしても間違いなく世界2位の経済大国で...続きを読むあることを確認させるだけではなく、遅くとも2030年代頃には米国を抜いて世界1位になることも確実だという。中国の国際特許出願数が世界一になっているなど、既にハイテク分野でも日本を上回りつつある実態を解説する。このような強大な隣国にどのように付き合っていくのかが、日本の課題になっているのだ!
中国経済について興味を持っている人であれば断片的には聞いたことがあるであろう情報を一冊にまとめたという感じで、大学の授業でいうと理論的に整理された学問を学ぶというよりは、教養段階として様々なトピックを学ぶと行った趣の一冊。 「中国すごい論」を語る人も、「中国ダメ論」を嘯く人も、どちらも本書を読むこ...続きを読むとはないだろうけど、そういった人たちこそ本書を読むべきであるし、本書を正しく理解できた人はそういった両極端な意見を冷静にやり過ごすことができるようになるだろう。
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梶谷懐
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