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「なぜ日本人は競争が嫌いなのか?」「競争のメリットとは何だろうか?」「格差の感じ方が人によって違うのはなぜか?」「私たちが公平だと感じるのはどんな時か?」日本は資本主義の国々のなかで、なぜか例外的に市場競争に対する拒否反応が強い。私たちは市場競争のメリットをはたして十分に理解しているのだろうか。男女の格差、不況、貧困、高齢化、派遣社員の待遇など身近な事例から、市場経済の本質を捉え、より豊かで公平な社会をつくるヒントをさぐる。
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Posted by ブクログ
日本人がなぜ資本主義なのに市場競争に拒否反応が強いのか。 たしかに市場経済の授業ってまともに受けたことなかったなあと。 慣れのない中で「負ける苦痛」もそうですが「勝ち続ける苦痛」も耐え続けるのがしんどいんやろなあと思います。 本書を読むと「生産性の低い人」は辛いことになるんやろなあと思います。 例...続きを読むえば残業規制が緩かった時は長時間労働で帳尻合わせてたのが時間内で結果を出さざるを得ないようになると仕事が追いつかなくなるんですよね。 仕事の持ち帰り規制があって長時間労働規制があって有給取得義務化につながるとますます「生産性」が仕事できる人になれるか否かに直結するようになるんやろなあと思います。 大竹先生の本もかなり読み進めることができました。
日本人はなぜ競争が嫌いなのかを経済学的観点から説明しています。身近な話題を取り上げて解説してくれるので読みやすいです。 雇用問題で非正規社員が増加し、その結果、富裕層と貧困層の格差が大きくなったと言われています。世論では、格差が大きくなるのはよろしくない、格差を是正しろと声高々に論じられていま...続きを読むす。一方、経済学の視点から考えると、一番の目的は、市場で効率良く成果を上げて利益を最大化することです。 経済学の視点から言えば、格差が生まれるのは至極当然のことであり、格差を問題と考えること自体おかしいとの考えです。本書では、経済学の観点で、日本中に蔓延している全員平等で公平の考えに一石を投じています。 世の中は経済で成り立っています。一方で、経済学はお金儲けの手段だというネガティブな考えもどこかに潜んでいます。本書で指摘しているように、経済学は何もお金のことだけを考える学問ではありません。お金を通して、世の中が豊かになるのが最終目的です。世の中が豊かになるという目的は全員が共通認識のはずです。お金という側面を考えているかどうかの違いだけだと思います。 世の中が豊かになり、自分が幸せになるためには、お金を味方に付けておくのは絶対条件です。そのためには、経済学をもっと勉強する必要があります。経済や金融の知識は誰もが持っておく必要があります。お金を人生の目的でなく手段のひとつであると捉えて、お金についてもっと勉強することで、世の中の流れが分かるはずです。
日本で市場経済が不人気な理由を行動経済学の視点で分析していて興味深いです。行動経済学が好きな人には超お勧めです。 【以下、興味深かった記述を抜粋】※「?付きの文章」は自分の感想 ・【定年層の育った社会環境】好況→失業率の低下(努力すれば職に就ける)→勤勉である事が重要→(市場)競争に積極的。 ...続きを読む 【若年層の育った社会環境】不況→失業率の上昇(努力しても職に就けない)→運やコネが重要→(市場)競争に消極的→規制強化に賛成。 →好況だと市場競争に賛成な人が増え、不況だと市場競争に反対(規制強化に賛成)な人が増える。最近の草食系ブームの原因は景気なのか? ・規制により、規制の枠内での格差は縮小するが、枠内と枠外の格差は拡大する。例)最低賃金の引き上げは、既に職に就けた人達の格差は縮小するが、職に就けた人と就けなかった人の格差は拡大する。 ・最低賃金引き上げは貧困問題として政治的にアピールし易い。しかし、その結果 ?最も貧しい勤労者は職を失い、新規学卒者、子育てを終えた既婚女性、低学歴層の人達は就業機会を失う。 ?既存の雇用者同士の賃金格差は縮小する ・真の貧困救済策はどうあるべきか? ?教育訓練の充実(子供の頃からの教育も重要)。質の高い労働者には、企業は高い賃金を喜んで支払うだろう。 ?負の所得税(給付付き税額控除や、勤労所得税額控除など)。 ※賃金規制という強硬手段で失業という歪みをもたらすのではなく、税と社会保障を用いた所得再分配で貧困問題に対応するのが筋。 ・非正規雇用を雇用の調整弁と位置づけ、その増加をデフレ化の労務費削減ツールとすることで、正社員の解雇規制と賃金を守るという戦略に経団連と(労組)連合の利害が一致した →少数の正社員の過重労働と多数の非正規社員の不安定化という二極化 ・非正規切りの問題点 →不況期の新卒世代で非正規社員が増加 →次の不況で、雇用の調整調整を受け失業。貧困は子供の世代にも波及(貧困層の固定化) →将来多大な社会的コストの支払いが発生 →企業も景気の波に比例した正社員のいびつな年齢構成 →技能継承がスムーズになされず、長期的な競争力を失っていく ・平日労働時間の増加 週当たりの労働時間は変化していないが、週休二日制が普及した為、平日の労働時間が長くなった(平日10時間以上働く労働者の比率は1976年には17%だったのに、2006年には42.6%にまで上昇) →平日の労働時間の長時間化は、睡眠時間の短縮によってもたらされた。睡眠時間という健康投資を削って働いている事は、健康にマイナスの影響? ・日本で、有給休暇の取得率が低いのは何故か? (ヨーロッパ) 労働者に有給休暇のタイミングを決める権利が無い。会社が日程を決め、強制的に休ませる。だから、消化率は100%に近くなる。 病欠は有給とは別に取れる (日本) 労働者に有給休暇のタイミングを決める権利がある。病気など不測の事態の為に、年休を残す傾向がある ヨーロッパの有給に当たるのは、日本の場合は国民の祝日。国が祝日の日程を決め(年々増加)、国民を休ませる。 ・社会保険料の上昇(=事業主負担の上昇) 事業主は、賞与を中心とする賃金の低下と非正規労働者への代替によって対応する ・スポーツと同じで、1人勝ちが発生してしまうと市場メカニズムはうまく機能しない。大事な事は、競争を否定するようなルールを作ることではなく、市場競争がうまく機能するようなルールを作ること。
人間とは合理的な意識を持つことがいかに難しいかがよくわかる本である。 本書は言う。「日本は市場経済への期待も国の役割への期待も最低というとても変わった国である」。とても驚いた。目から鱗である。 経済学者は普遍的な定理を主張するのものと思っていたが、本書では国民文化の違いから考察が始まる。なるほどこれ...続きを読むが「応用経済学」と言うものか。 本書を読むと、縦割りの狭い領域を超える知見こそが新たな発見をもたらしてくれることを感じさせてくれる。まさに知性には限界が無いと思えた。
経済学者による市場経済と平等について書かれたもの。直接、本論について書かれている箇所は少なく、日本人、男女、教育、身体機能等、さまざまなことをトピック的にあるいはコラムとして記載し、素人でもわかりやすく、興味深く読めた。印象的な箇所を記す。 「市場競争の格差対策には2つある。第一は、政府による社会...続きを読む保障を通じた再配分政策によって格差を解消することであり、第二は、低所得の人たちに技能を身につけさせる教育・訓練を充実することである」 「若年層ほど、勤勉よりも運やコネが人生の成功で重要だと答える割合が高い」 「(薬指が長い人は能力が高いことについて)十両や前頭下位で引退した力士よりも、横綱や大関といった上位に昇進した力士の方が、薬指が人差し指より相対的に長いことがわかった。瞬間的な判断力を必要とする職種では、テストステロンの量が重要な資質として機能するようだ。(シカゴ大学、ケンブリッジ大学の研究結果も同じ。薬指の長さは、テストステロンの量と相関があることが知られている)」 「(市場競争のメリット)市場経済に任せると、最も効率的にさまざまな商品やサービスが人々の間に分配される。つまり、売れ残りや品不足が発生しないという意味で、無駄がなくなるということだ。無駄がなくなるということは、同じだけの資源をもっている場合に、私たちの生活は最も豊かになるということである」 「簡単にいえば、市場経済のメリットとは「市場で厳しく競争して、国全体が豊かになって、その豊かさを再分配政策で全員に分け与えることができる」ということだ」 「教科書は、「競争環境をうまく設定すれば、市場競争によって私たちは豊かになれる」という一番大事なメッセージを伝えることに成功していない。それは、市場の失敗と独占の弊害ばかりを強調しているためである」 「(出産時の低体重児は、健康障害及び教育水準低下と関連性があるとの研究について)栄養状態の悪い妊婦から低体重児が生まれ、その子どもが育っても健康状態が悪く、所得が低くなって、子どもを生むと低体重の子どもが生まれる」 「中学生の時に、夏休みの宿題を夏休みの最後の方にやった人は、たばこを吸いやすく、ギャンブルをしていることが多く、借金を背負う確率も高い」 「非正規労働者が、労働者への配分が減ったものの多くを負担している。このことは正社員の雇用を守り、企業の労務コストを削減するという意味で、正社員と企業経営者にとって短期的には合理的である」 「(競争否定論者に対して)オリンピックから競争がなくなって、金メダルが廃止され、単に参加賞しか出なくなったとすれば、オリンピックを楽しむ人は激減するだろう」
データから見る日本と社会と市場と経済。市場経済の話を軸に、関連する四方山話を取り揃えた一冊。祝日が増えると経済はどうなる?ワーカホリックの存在は経済にどう影響を与える?最低賃金引き上げの効果は?移民は?などなど。直近役に立つわけではないが、政治経済に関わる一般社会人としては抑えておきたい。
オイコノミアを見て大竹先生に興味を持ち読んでみた。同番組で取り上げていたトピックと被るテーマが多く、理解しやすかった。 経済学者らしく競争に肯定的な態度だが、日本では敗者復活の道が限られている以上、全面的に競争社会を肯定する気にならない。ムダの排除が経済学の目的らしいが、経済効率と国民の幸福は相関し...続きを読むない、と思う。
市場経済と格差についての考察。 まず、日本人が世界各国から見ていかに自由主義や市場経済、格差についての意識が特殊かというのがデータとともに論じられている。 単純に市場経済と言っても最低賃金や働き方、移民問題など、今の政党の政策等に照らして考えても、面白い。幅広く経済学的な問題を取り上げているので...続きを読む、知識のベースアップにはちょうど良い本と思う。著者の言うとおり日本人の金融リテラシーは低いと思われるが、それに加えて客観的なデータを基に考える、生活行動様式を選択できるようになるのが良い。 また、行動経済学の考え方は今や広く知れ渡ってきているが、これが4年程前の文章ということを考えると、興味深い。
著者曰く、「市場競争も政府も嫌いな日本人に向けて書きました」とのこと。全編通して、市場競争のメリットが展開されていく経済エッセイです。 「アメリカで大企業主義と市場主義が峻別された理由」「不況が人々の価値観にもたらす影響」「ウィキを使って社会問題を解決する方法」などなど、興味深いテーマが多々取り上...続きを読むげられていました。
前半はニューロエコノミクスや行動経済学など、古典的な経済学の仮定した経済人の概念を変更する新しい経済学が中心で余り面白くなかったが、後半は市場競争や伝統的な経済学の理論が現実世界の諸問題に応用できる可能性を描いている。 端的に言って「公平感」というタイトルから期待した内容は少なかったが、経済学が何...続きを読むの役に立つのか、現実世界の問題にどのような視点を提供するのか、どんな物差しを得ることができるのか、などが丁寧に描かれている。 個人的には後半の労働市場の話と後書きが非常に興味深かった。
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