医者「なぜ患者さんは治療方針を決められないのか」
患者「なぜお医者さんは不安な気持ちをわかってくれないのか」
人間心理のクセがわかれば、溝は埋められる!
「ここまでやって来たのだから続けたい」
「まだ大丈夫だからこのままでいい」
「『がんが消えた』という広告があった」
「本人は延命治療を拒否しているが、家族としては延命治療をしてほしい」
「一度始めた人工呼吸管理はやめられない」
といった診療現場での会話例から、行動経済学的に患者とその家族、医療者の意思決定を分析。
医者と患者双方がよりよい意思決定をするうえで役立つ一冊!
シェアード・ディシジョン・メーキングに欠かせない必読の書。
「行動経済学では、人間の意思決定には、合理的な意思決定から系統的に逸脱する傾向、すなわちバイアスが存在すると想定している。そのため、同じ情報であっても、その表現の仕方次第で私たちの意思決定が違ってくることが知られている。医療者がそうした患者の意思決定のバイアスを知っていたならば、患者により合理的な意思決定をうまくさせることができるようになる。また、医療者自身にも様々な意思決定におけるバイアスがある。そうしたバイアスから逃れて、できるだけ合理的な意思決定ができるようにしたい。患者も行動経済学を知ることで、自分自身でよりよい意思決定ができるようになるだろう。」――「はじめに」より
Posted by ブクログ 2020年10月24日
医療に関する意思決定をする際に陥りやすい『思考のクセ』をわかりやすくまとめてくれた一冊。
行動経済学の枠組みを一通り説明したのちに、具体的によく見られる事例を紹介してくれていることで、すごく納得感があり、学びの多い内容となっていました。
患者目線では、陥りやすいバイアスを知っておくことで、より適...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月25日
医療者と患者の認識のギャップについて行動経済学的に解釈できる一冊。
心不全患者への行動変容を促すためにこの一冊を買いました。
読んでみると、如何に私には現状維持バイアスが多いことか。
悪いことではないけれど、それだけでは挑戦できないこと聞く気づかされました。
また、改めて医療者の言葉の重みを感...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月18日
NHKEテレの番組、ヘウレーカに何度か出演されていた、経済学者の大竹文雄先生が、行動経済学の観点から医療をとらえた本です。
自分が病気になって長期で入院することになり、医療従事者と患者がうまくコミュニケーションをできない場を何度か見かけ、どういうときにディスコミュニケーションが起こるか興味が沸いて手...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月15日
この本はドライかもしれませんが今の医療のあり方と社会保障のあり方の中で1つの処方箋を示すものになると思います。
もちろん治すための医療は必要ですが身体に負担をかけてまで高度医療を続けるのか。
社会保障の観点からも議論が必要です。
サンクコストバイアス(返ってこないコストにこだわる)
現状維持バイア...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月03日
「なぜ人は思い通りに行動してくれないのだろうか?」と思うことはないだろうか。
全ての人が合理的に行動できるとは限らない。というよりもむしろ合理的に行動できる人の方が少ない。
わかってはいるけれど、なかなかできない。それは行動経済学的に説明可能な人間の性である。
行動しないその個人が悪いので...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月22日
医学、公衆衛生学、心理学、行動経済学などの分野の研究者が集まり、行動経済学の医療への応用について研究を進めてきたその集大成といえる本。
第1部で行動経済学の枠組みから入り、医療行動経済学的研究を紹介する。第2部では、主に患者と家族の意思決定のバイアスについて議論する。がん治療における適切な意思決定支...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月24日
医学、公衆衛生学、心理学、人類学、ソーシャルマーケティング、行動経済学の研究者が集まって話した研究会の成果と謳ってる書籍。
内容は、細かく理解しようとすると、単語レベルから難しい。書いている内容はかなり難しいのと、書き方も簡潔だがわかりやすさよりも簡潔さを重視した文章なのがわかる。
また、広義の医...続きを読む