インデックス投資の握力をさらに高めることができる一冊だった。
結局、運用の最大の責任者は投資家自身の問題である。
今後、ミスターマーケットによる誘惑(予想外の収益や配当、物価指数の変動、新技術の出現、戦争の可能性など)やコロナショックなどの大暴落があることは歴史から学べる。
しかしながら、自分の状況
...続きを読む(年収、資産状況、時間、リスク許容度、投資経験、知識)にあったポートフォリオを作り、相場に振り回せずにインデックス投資を長期運用することが重要となっている。
新Nisaを機にインデックス投資を始めたものだが、アメリカ株のおかけで短期的に絶好調である。しかし、今後も絶好調の状況が続くとは到底思えず、投資利回りは平均に回帰するだろう。ミスターマーケットの誘惑や歴史的大暴落が来たときは感情に流されず、冷静になって、運用基本方針の確認と本書を読み返そうと思う。何回か暴落を経験すればさらにインテックス投資の握力を高めることはできるであろう。
個別投資はしないと思う。機関投資家が市場を作り出している現在、投資は敗者のゲームとなっている。また個人投資家は株式市場全体を見渡して銘柄を探すことができない。2、3社のことをよく理解していない。アマチュアが耳よりの情報と思うものは既に専門化に知れ渡っていて価格にも織り込まれている。学者は素人の売買行動をノイズと呼ぶのは正しい。(p165)勝てたとしても運が良かっただけで、平均に回帰する。
重要だと思ったこと
運用成績を気にしすぎると、大切な長期方針よりも短期的な運用成績のほうに関心が移り、非生産的な思考や行動を起こしやすい。短期を気にしすぎると、短期の成績が重要であるかの錯覚に陥りやすく、長期的なパフォーマンスが続くと思い込む。(p147)
プロの投資家がひしめき合う中で個人投資家が稲妻の輝く瞬間に立ち会うには、売買する(短期的な激しい下げ相場で株を引く)よりも株を持ち続けることが合理的である。(p38)
長期的な運用の成功のためにはリターンよりもリスクが重要である。人間は非合理的な生き物である。そして大きく判断を間違える。そのために投資家がリスクを避けるべきチェックリストが必要だ。(p79)特に忍耐力不足、つまり毎日の株価の動きを気にすることは意味がない。家計簿アプリに連携することは必要ではない。投資において高いリターンを得るより、リスクを最小限にとどめることが重要である。
市場の暴騰、暴落といった極端な場面でも冷静さを保ち、合理的な判断ができる自己抑制能力によって投資の成功が決まる。(p82)ミスターマーケットの仲間たち、広告、市場の見通しを無視する。(p137)
本書以外にもインデックス投資の良書と呼ばれるものはあるが、この一冊を読み込むことが重要である。私は年一回読もうと思っている。Just keep buyingという本も興味をもっていたが、数年後の暇があったときに読もうと思った。他の勉強もしたいため。
あくまでも感想と要約なので異論は認めます。