面接はきわめて大事な仕事である。そこで誠実さ、職業倫理、ユーモアのセンス、視野の広さなどを見極めなければならないからだ。「私たちは『C』で始まる特性を求めます」とラーソンは言う。「commonsense(常識)、curiosity(好奇心)、caution without being stubborn(慎重さ)、creativity(創造性)、confidence without arrogance(自信)」などである。次いで、アナリストと担当業種との相性を見る。ここは肝心なところなのだが、なかなか自分ではわかりにくい。あるIBMのエンジニアの履歴書には、SF小説を書いて出版したとあった。このような閃きある創造性が、のちにアナリストとして成功させる鍵となったのだ。もっとも、彼が頭角を現したのは、ハイテクではなく流通分野であったが。
採用では完璧を期するため、一人当たり一五回から二〇回の面接を二日間かけて行う。面接を担当する社員の一人一人が、候補者の運用能力をあらゆる面から検証するのだ。「知的能力が高いからといって、優秀なアナリストになれるとは限りません」とラーソンは言う。「どんな時にも、さらにもう一歩突っ込んで調べてみよう、という態度があるかどうかです」