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工作機械は「機械を作る機械」であるため、「マザーマシン」と呼ばれる。私たちが日常で使うスマホといったものだけでなく、航空機など、あらゆる人工物を作るのに欠かせない。そのため、日本やドイツのように、強いものづくりの背後には必ずといってよいほど強い工作機械産業が存在する。そしてこの四半世紀、日本の工作機械産業は世界最強であり続けた。表舞台にはめったに登場しない「世界最強の裏方産業」50年の革新史を描く。
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Posted by ブクログ
名著!! 最終完成品でもなく部品でもない第三の道として補完財へ注目することの意義と可能性。 モジュール化されたパソコン産業が急速な技術進化を遂げたように、モジュラー戦略の持つ技術進化能力をできるだけ上手く活用することが肝要である。 それによって補完財と最終完成品との間に共進化メカニズムを作り、補...続きを読む完財が技術集積装置へと進化する道が開ける。 それによって正面きっての価格競争を避け、日本独自の役割を果たす事で共存共栄の関係を新興国と作り上げることに繋がる。 日本が世界一を貫く工作機械産業。その理由とそんな業界の中で、ファナックが素晴らしい業績を残している要因。
丸善 ”ものづくりをなめんなよ!!” これは,技術経営に携わる者に共通するマインドであろうw 今回の一冊は,日本の工作機械産業が,いかにして世界市場で優位に立ったのかを読み解ける,すばらしい一冊。 本書で取り上げている「ファナック」。 実は,もう遠い過去になるが,学部の卒論で研究テーマに選ん...続きを読むだ企業の一つ。 その当時から,黄色い,何やってるかわかんないけど,儲かっている不気味な集団のオーラを出す企業であった。 そのころ,情報化という言葉が最先端で,新しもの好きの私も,それをタイトルに盛り込んだ。 情報化時代に,人々の労働がどのようになるのか? 一言で言えば,そういう内容の論文を書いた。 今で言う,AIで世の中の労働がどうなるか? というようなテーマである。 そんな最先端なこと,一介の学部生がわかるわけない。 書けたとしたら,なんか写したのだろう。 実際,NC旋盤とか,その当時,最先端のキーワードを適当に盛り込んで,日本の自動車産業もこうしたマザーマシンに支えられているとか,適当なことを書いていたような気がする。 その卒論時に,なんとなく盛り込んだキーワード。 それらが,ああ,こういうことだったのか! 本書を読んで,初めてわかった。 ここで,正直に言おう。 本書で,もう一方のタイトルとなっている「インテル」。 今でこそ,その名前は当然知っているが,卒論書いていた当時,そんな名前見た記憶がなかった。 なので,本書を最初に手にしたとき,なんでインテル?インテルの工場に工作機械納入してるのか?くらいにしか思っていなかった。 しかし,内容は,インテルの成長にファナックの現場が大きく貢献しているということ。 海外の企業のステップアップに,日本企業が大きく関わっている事例は多い。 例えば,ナイキ。 この巨大企業の成長のきっかけは,鬼塚タイガーと,今はなき日商岩井というのは有名な話。 インテルの技術も,ファナックが大きく関わっていたことが,本書を読めばよくわかる。 【まとめ】 ●富士通の社内ベンチャー ●尾見半左右(はんぞう)技術担当常務 ・新規事業:コントロール分野とコンピュータ分野で大きな方向性を示す。 ・それぞれのプロジェクトリーダーに,稲葉清右衛門と池田敏雄が選ばれる。 ●すごいのが,方向性の枠内であれば「何をやっても良い」とかなりの裁量を与えられたこと。 ●稲葉氏は,コントロール事業のテーマをNC装置に決める。 ●1975年,ファナック主導で,NC工作機械にインテルのMPUを採用。 ●そこから,ファナックの飛躍がはじまる!
いわゆるIndustry4.0の動きの中で、工場の生産性を向上させる裏方としての意義がますます重要になっているファクトリーオートメーション/工作機械をテーマとした”製造業における経営戦略”を説く一冊。 本書では大きく2つの経営理論が帰納的に説明される。1つ目はいわゆる製造業におけるモジュール型/イ...続きを読むンテグラル型という技術戦略の考え方である。これは、日本におけるFAのトップベンダーであるファナックの製品開発の歴史を軸として説明がなされる。 もう1つは既存事業が相応に育っている組織において、イノベーションを生むための組織理論である。こちらは主に母体となった富士通から新規事業として生まれたファナックの発展プロセスから説明がなされる。 このどちらの話にも関係するのがファナックとインテルの関係性である。実は、本書のタイトルを見たとき、両社の関係性が分からず、それが本書を手に取った理由であった。そのため、実はパーソナルコンピュータよりも6年早く、インテルのマイクロプロセッサをファナックの製品が採用した、という事実や、その開発過程においてインテルの側もシビアなファナックの要求に対して答えることで、品質が向上し、それがその後のPC向けマイクロプロセッサの躍進の母体になっている、という関係性は、サプライヤーと顧客の優れた相互依存のお手本的な歴史であり、非常に面白い。 著者はもともとファナックの社員でもあったことから、なかなかわかりにくい彼らの製品の機能についても、非常にわかりやすい説明がなされており、それだけでも十分価値がある。現代の製造業の経営戦略を考える上で、極めて有用な一冊。
各社専用機械を作成せずモジュール化に徹底したファナック。後発故に、力のある米国企業の完全内製化とは違った路線として、工作機械の専業化やインテルのMPUの導入など独自路線を歩めたことが高い利益率の源泉に。 こういった各企業の成長の源泉を改めて定義化、確認することは面白い。とてもためになった一冊であった...続きを読む。
工作機械に興味があり購入したが、イノベーションのジレンマを克服した事例に触れることができ、期待以上に満足した一冊だった。
日本の工作機械がなぜ世界のトップでい続けられるのかをNCメーカーのファナックと工作機械メーカーの分業という観点から読み解いている。 NC・工作機械関係が自動運転装置・自動車本体の関係と同じという観点は面白かった。
日本の工作機械業界が世界におけるシェアを獲得した経緯がMPU搭載という技術的なブレークスルーを切り口に解説されており、分かりやすい。業界人の歴史理解だけでなく、技術革新による破壊的イノベーションが起こりやすい状況を踏まえた、可能性ある技術と経営との向き合い方等の視点でも参考になる。
ファナックとインテルの戦略の変遷を辿りながら、日本の製造業は将来どのような役割を果たすべきかを論じている。 標準化の持つコスト競争力と、特注化の持つ顧客最適力の相反する性質に対して、ファナックがどのようにバランスを取って開発を進めたかが分かりやすく書かれている。 技術的知識がない私でもサラッと読めま...続きを読むした。
1956年に、それまでのコンピュータ部門とは別でコントロール部門を稲葉清右衛門が任される。 1965年に黒字転換。 1972年に富士通からNC部門を独立させてファナックが誕生。
工作機械はマザーマシンと呼ばれる。ここが強いといろんな産業が強くなる。 ファナックは富士通から分裂した会社。nc機械のnc部分だけが所掌。 米国では、工作機械メーカがncを開発した。自社で開発する余力があったので、自社製品によりフィットするncが作られた。工作機械の顧客は航空機や自動車メーカがメ...続きを読むイン。すでに完成された顧客であり、チャレンジが難しかった。 日本では、工作機械メーカに開発余力がなく、nc専用メーカが出てきた。かつ顧客が中小企業であり、チャレンジが許されたため、nc工作機械が広まった。 さらに、ファナックにすべての工作機械メーカからの要望が集まったので、どんどん進化が進んでいった。 これは、自動運転ソフトと自動車の関係にも言えそう。ソフトとハードの関係。 ソフトがうまくいくには、モジュール化。いろんなハードに使ってもらえるようなソフト。 また、ファナックでは、nc⇒cncの動きの中で、うまい経営判断が採用された。ncとcncは別チームでリソースが与えられ、新規事業であるcncには黒字化までの時間も与えられた。別チームで動きつつ統合リーダがいたので、nc⇒cncへの切り替えを一気呵成に実施するという判断もできた。 これから日本で何作る? 1.最終完成品のハイエンド ⇒ 高級自動車 2.新興国が容易に模倣できないコア部品 ⇒ 村田のコンデンサ 3.補完する製品 ⇒ ファナックのcnc部品。自動運転のソフトウェア。
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日本のものづくりを支えた ファナックとインテルの戦略~「工作機械産業」50年の革新史~
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柴田友厚
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