文化系のための野球入門~「野球部はクソ」を解剖する~

文化系のための野球入門~「野球部はクソ」を解剖する~

ビジネス・実用
1,144円 (税込)

5pt

なぜか戦後から色濃くなった武士道精神、ネットで嫌われる〈体育会系〉としての野球部、甲子園に残り続ける朝日新聞のパターナリズム、女子マネージャーの役割と女子野球の歴史に見るジェンダー、ニュージャーナリズムが影響する「Number文学」の問題点、大河ドラマ『いだてん』に登場した「天狗倶楽部」の革新性……。日本の野球を「文化」の側面から批評し、インクルーシブなライフスタイルスポーツとして捉えなおす。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

文化系のための野球入門~「野球部はクソ」を解剖する~ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    本書が提示する「スポーツは大人の社会に利用されてきた」という視点は、私自身の経験と強く響き合った。子どもの頃、父はプロ野球中継に、母は夏の甲子園に夢中だった。家庭のテレビが野球に占領されることへの反感と同時に、勝敗に一喜一憂する大人の姿に不思議な魅力を感じていた。
    学生時代はスポーツは“するもの”だったが、社会人になると“見るもの”へと変わる。この変化は、本書が指摘する「スポーツが大人の社会構造に組み込まれていく過程」をまさに体現している。
    また、文化系と体育会系の対立を扱った序盤の議論は、身体性と文化性を分断してきた日本社会の構造を丁寧に読み解くものであり、スポーツを単なる娯楽としてではなく文化として捉え直す契機を与えてくれる。
    本書は、スポーツを“する/見る”という単純な二分法ではなく、社会の中でどのように位置づけられてきたかを考えるための視座を提供してくれる。「野球部はクソ」と、何となく共感できる話題から、そう思う人が出てしまう構造への問題提起が面白かった。

    0
    2026年08月05日

    Posted by ブクログ

    なんだかんだ、日本において、野球は特別な立ち位置を保っているのだと思う。

    個人的には、小中と野球をやっていたし、メジャーや国際大会は見ないけれど、タイガースファンとして生を受けた。

    自分のいたクラブは坊主の文化もなかったし、“クソ”とされる文化には片足くらいしか突っ込んでいなくて、正直過ごしやすい環境だった。

    本書では、野球が背負わされてきた、社会、歴史、国際の事情を丁寧に紐解いている。

    だから野球は悪くない、とも言えないけれど、何事にもそこに至るまでには大きな流れがあり、何かに責任を求めるのは難しい、ということがよくわかる。

    0
    2026年06月29日

    Posted by ブクログ

    そもそも野球ってどう生まれて広まったの?というところから、データや資料に基づく記述は読み応えあり。
    結局は、いろんな経緯(戦争など)があって今の弊害も起きているけど、野球が悪いのではなくて、使う人や構造が良くないってこと。

    0
    2026年04月01日

    Posted by ブクログ

    ここ数日のいらいらからようやく解放されそうだ。
    ワールド何某、世界選手権、スポーツの祭典、全て大嫌いである。当然この何日間のオリムピック報道、見たくない、聞きたくない、にも限らず漏れ伝わってくる。
    選手たちの皆様には何の恨みもありません。TV、ラヂオ、インターネットなどのマスメディア
    を通してのこれでもかと言う「感動したの押し付け」には全くウンザリです。
     
     何気なく手にして読み始めたのですが、いやあ面白い。「野球」をメインに考察していらしゃるのですが、歴史的な事実、当時の世相、当時の民衆への情報操作、いちいちなあるほどと得心しながら読み進めさせてもらいました。
     本書での「野球」をその他のスポーツに置き換えて考えてみても、その「仕組み」と「構造」はそのまま「そりゃあ こうなってしまうよなあ」と思い至りました。

     そして、もうええ加減にして欲しいと思いながら、冒頭の気持ちに戻っていくのでした。

    0
    2026年02月25日

    Posted by ブクログ

    タイトルから日本の変な野球文化を面白おかしく書いた本かと思いきや、意外にも骨太な本でした。アメリカでの発祥と日本の明治時代における黎明期から現在までの野球文化の歴史が新書としては多めのページ数で詳しく解説されています。

    主なテーマは甲子園に象徴される軍隊的な魂の野球と、運動することを楽しむエンジョイ・ベースボールとの対比です。なぜ日本の野球が一部のエリートが青春の全てをかけて燃え尽きるまでやるスポーツになったのか、そしてこれからの野球がどうあるべきかについての筆者の提案が書かれています。

    いろんな野球うんちくも楽しいです。自分も野球をやっていましたが、少年野球の頃から応援に口汚い野次が混じっていたことが、明治の一高のころからの文化だと知って意外でした。華美で商業主義な野球を批判して炎上した朝日新聞が、良い野球を広めるという建前で始めたのが高校野球の全国大会で、結局は新聞社が新聞を売るためのマッチポンプだったというのが面白いです。

    いちばん目から鱗だった主張が「甲子園は高校生には贅沢」という主張です。莫大な費用と関係ない大勢の生徒の応援招集をかけてまでやる必要なし。自分たちで運営すれば教育にもよい。その通りだと思いました。

    甲子園を見て何か100%熱中できない自分の気分をみごとに言語化してくれた本でした。

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    野球部のクソ度合いを語る本かと思っていた。
    が、どのように日本独特の野球文化や高校野球の世界が育ったのか、その長い歴史を紐解きながら、なぜクソと言われてしまう状況が生まれたのか、を語る本だった。
    とても興味深かった。

    私は完全なる文化系で、そして野球好きだ。
    文化系女子が野球を嫌う気持ちもよく分かる。
    一方で、この本の視点は全く違うが、野球の複雑さなどルールを理解すると文化系の人こそ面白いのではと思っている。
    野球部クソ理論て競技そのものじゃなくて、競技を取り巻く環境に嫌気をさした体験があり、イメージダウンを招いた、とかもあるのかも。

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

     私は中学高校と野球をやっており、そのしんどさから一時は離れ、現在は草野球的に活動している。感情は複雑で、高校野球はやりたくないが、野球はしたいのである。本書は高校野球という特殊な構造を解き明かし、野球を改めてスポーツとして、楽しむためにどうすれば良いかを提案する。
     昨今の野球マンガにしても、技術論が全面に出され、選手の主体性からの、教育という面での成長を描くものが多い。それだけ時代が変わったのだろう。もちろん根性の野球も好きなのだが、この野球という文化が無くならないような、持続可能なラインを持って接していくべきである。

    0
    2025年09月27日

    Posted by ブクログ

    中盤から野球の歴史になったけど、全体として著者の言わんとするスポーツの在り方、今後の検討は真っ当。
    スポーツの関わり方として「やる」「みる」「サポートする」と大別した場合「やる」が結果的に軽視される世の中になりつつある。
    特に少子化や娯楽の多様化によって「やる」人が減ることになる中でどのようにスポーツ本来の価値を享受し活かしていくかを考える一歩になりそう。

    あと昔の朝日新聞の拝金主義、現在のスポーツ新聞の感動ポルノ的に消費する振る舞いはスポーツのみならず一貫した問題。

    0
    2025年06月08日

    Posted by ブクログ

    書名から野球文化を批判する本のように思えるが、ベースボールの発祥から日本での野球文化の形成について、それぞれの時代や文化背景などから論じた一冊。野球の歴史だけでなく、日本の体育・スポーツに対しての問題点や提言もされており非常におもしろかった。
    野球の女人禁制の話題の際に取り上げられる大相撲についても明治以降に「作られた」伝統である可能性が高く、「坊主頭」と「暴力的指導」については戦後のプロ野球人気で野球部の人気の沸騰とスポーツ環境の貧弱さとアンバランス調整のために活用されたが、それが次第に「慣習」「伝統」となったという説は面白い。このような明治以降に作られた新しい「伝統」や「慣習」は日常生活のあちこちに溢れている。
    「野球害毒論」の連載により炎上し不買運動にまで発展した朝日新聞がそれを覆すため、野球の害悪を「善導」するというスローガンのもと、夏の甲子園の前身となる野球大会を企画。「善導」の1つとして、試合前後の整列と礼が取り入れられた。これも作られた「伝統」である。「大会を主催してニュースを作り出し、それを新聞の拡販につなげたい」という本音を「善導」で隠すスタートの時点で健全とは言えない文化が埋め込まれた。大手マスコミの行動は今も昔も変わらず独善的だと感じた。
    関東軍が自主性を持ち過ぎて日中戦争に突入したという背景から、戦後に上意下達が徹底されたという。また、戦況の悪化で軍紀が乱れて厳しい上下関係が刷り込まれ、戦後にそれを経験した野球選手たちが各地の学校に広めていった。高校野球は戦前の日本軍よりも日本軍らしいという指摘は面白い。

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    日本におけるプロ野球以前の野球の普及の歴史が中心。所謂「体育会系」がどういう経緯で出てきたのかということについては意外な流れであり、面白く読めた。また、筆者の高校野球批判も的を射たものだとも思う。
    タイトルが回収しきれていない感もあったので、星は4つだが、新書の中でここまで情報をまとめきっているのは凄いことだとも思う。

    0
    2025年04月29日

文化系のための野球入門~「野球部はクソ」を解剖する~ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

光文社新書 の最新刊

無料で読める スポーツ・アウトドア

スポーツ・アウトドア ランキング

中野慧 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す