海外文学セレクション一覧

  • ギデオン・マック牧師の数奇な生涯
    値引きあり
    4.0
    スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に、神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親しく語らったことを告白し、教区の信徒たちから非難されていた。手記には彼の生い立ちから、自分以外には見えない立石を発見したことや悪魔との出会い、そしてなぜそれを大衆の前で語ったのかがすべて記されていた。――出版者による序文、マック牧師の手記、そしてまた出版者が執筆したエピローグという独特の構成で描かれる、一人の牧師の数奇な生涯。スコットランドを代表する作家が、歴史、風俗、伝説、父子の物語などさまざまな要素を織り込んで綴ったブッカー賞候補作。
  • ライフ・アフター・ライフ
    値引きあり
    5.0
    1910年の大雪の晩、アーシュラ・ベレスフォード・トッドは生まれた。が、臍の緒が巻きついて息がなかった。医師は大雪のため到着が遅れ、間に合わなかった。しかし、アーシュラは、同じ晩に再び生まれなおす。今度は医師が間に合い、無事生を受ける。同様に、アーシュラは以後も、スペイン風邪で、海で溺れて、フューラーと呼ばれる男の暗殺を企てて、ロンドン大空襲で……、何度も何度も生まれては死亡する、やりなおしの繰り返し。かすかなデジャヴュをどこかで感じながら、幾度もの人生を生きるひとりの女性の物語。ウィットと慈しみに満ち、圧倒的な独創性に驚かされる比類なき傑作。コスタ賞受賞作。
  • モッキンバードの娘たち
    値引きあり
    3.7
    わたしが母親になるまでの旅は、母を埋葬した日にはじまった――。本物の魔術を使うことができ、自由奔放に生きた母。わたしはそんな彼女に反発し、大学を出て三十歳になる今まで、まったく違う堅実な人生を歩んできた。だが母が亡くなったとき、奇妙な力を持つ六人の〈乗り手〉が降りてくる彼女の能力を、むりやり受け継がされてしまう。素質のあった妹ではなく、能力など望まない自分になぜ? わたしは母が〈乗り手〉たちをしまっていた、シフォローブの扉を開ける……。母娘、姉妹、家族の絆を深く伝える、世界幻想文学大賞候補作。
  • エディに別れを告げて
    4.5
    子供の頃に、楽しい思い出はまったくない。この時代に、幸福や喜びの感情を経験したことがないというつもりはない。ただ、痛みがすべてを支配しているから、そこに収まらないものは消されてしまうのだ。北フランスの貧しい工場地帯、男たちが力で支配する、強いことだけが価値を持つその世界で、女の子のような少年エディは異分子だった。壮絶ないじめと暴力、同性愛体験……。差別主義の標的となり、苦しい日々を送った彼は逃亡を決意した。家族を捨て、貧しい村を捨て、奇妙な名前(エディ・ベルグル)を捨てた彼は高等師範へと進み、エドゥアール・ルイと名前を変え、同性愛者であるインテリ青年となった。現代の現実世界の出来事とは、にわかには信じがたいほどの貧困の実態、想像を超える差別主義――性差別、人種差別、同性愛差別――そのすべてを赤裸々に語り、自身の半生をつづった衝撃の物語。
  • 雲

    4.5
    出張先のメキシコで、突然の雨を逃れて入った古書店。そこで見つけた一冊の書物には19世紀に、スコットランドのある町で起きた黒曜石雲という謎の雲にまつわる奇怪な出来事が書かれていた。驚いたことに、かつて、若かった私はその町を訪れたことがあり、そこで出会ったある女性との愛と、その後の彼女の裏切りが、重く苦しい記憶となっていたのだった。書物を読み、自らの魂の奥底に辿り着き、自らの亡霊にめぐり会う。ひとは他者にとって、自分自身にとって、いかに謎に満ちた存在であることか……。幻想小説、ミステリ、そしてゴシック小説の魅力を併せ持つ、マコーマック・ワールドの集大成とも言うべき一冊。
  • グレゴワールと老書店主
    4.0
    老いた元老書店主は朗読を通して青年を読書へと誘う。老人の読書案内は、そのまま人生の道案内でもあった! 本と友情、本と愛情……本は人と人を結び合わせる。老人介護施設で働き始めた18歳の落ちこぼれ青年グレゴワールは、本だらけの居室で本に埋もれるように暮らす元書店主のピキエ老人に出会い、まったく無縁だった本の世界に足を踏み入れる。体も目も不自由になってきているピキエ老人に朗読をするのが日課となり、それは他の入居者たちにも波及する。ある日はサリンジャー、ある日はラブレー、ある日はアレッサンドロ・バリッコ……。そして、二人は下水管を通して発禁本の朗読を希望者にこっそり聞かせるイベントまで企画する! 青年は本のソムリエのような老人の案内に従って様々な本に出会い、その魅力に取り憑かれていく。
  • 言語の七番目の機能
    4.4
    1980年、記号学者・哲学者のロラン・バルトが交通事故で死亡。事故は当時の大統領候補ミッテランとの会食の直後だった。そして彼の手許からは持っていたはずの文書が消えていた。これは事故ではない! 誰がバルトを殺したのか? 捜査にあたるのは、ジャック・バイヤール警視と若き記号学者シモン・エルゾグ。この二人以外の主要登場人物は、ほぼすべてが実在の人物。フーコー、デリダ、エーコ、クリステヴァ、ソレルス、アルチュセール、サール、ドゥルーズ、ガタリ、ギベール、ミッテラン、ジスカール・デスタン、ラング……綺羅星のごとき人々。そして舞台はパリから、ボローニャ、イサカ、ヴェネツィア、ナポリへと……。「言語の七番目の機能」とはいったい何か? そして秘密組織〈ロゴス・クラブ〉とは? 『HHhH――プラハ、1942年』の著者による、驚愕の記号学的ミステリ。アンテラリエ賞・Fnac小説大賞受賞作。
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選
    4.0
    かつて、野良仕事に駆り出される子どもたちのために用意された架空の友人(イマジナリー・フレンド)、言葉人形。それはある恐ろしい出来事から廃れ、今ではこの小さな博物館にのみ名残を留めている――表題作ほか、大学都市の展望台で孤独に光の研究に励む科学者の実験台として連れてこられた少女の運命を綴る「理性の夢」、世界から見捨てられた者たちが身を寄せる幻影の王国が、王妃の死から儚く崩壊してゆく「レパラータ宮殿にて」など、世界幻想文学大賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ネビュラ賞、アメリカ探偵作家クラブ賞など数々の賞の受賞歴を誇る、現代幻想小説の巨匠の真骨頂ともいうべき13篇を収録。【収録作】「創造」/「ファンタジー作家の助手」/「〈熱帯〉の一夜」/「光の巨匠」/「湖底の下で」/「私の分身の分身は私の分身ではありません」/「言葉人形」/「理性の夢」/「夢見る風」/「珊瑚の心臓(コーラル・ハート)」/「マンティコアの魔法」/「巨人国」/「レパラータ宮殿にて」/編訳者あとがき
  • 執着
    4.0
    マドリッドの出版社に勤める編集者マリア。独身の彼女が、毎朝カフェで見かける理想のカップルと思える夫婦がいた。彼女は二人を見ては、幸せな気分で出勤するのだった。裕福そうな夫とカジュアルな装いが似合う妻は、子供を学校に送り出してから二人で朝のひとときを過ごしているらしい。しかし、ある日、出張から帰ったマリアが久しぶりにカフェに行くと、二人の姿はなかった。そして、恐ろしい事件があったことを彼女は知る。あの夫がホームレスに突然殺されたのだ! しばらくして、未亡人ルイサと知り合ったマリアはルイサと親しい、亡くなった夫の親友だった男に恋をする。しかし、彼の気持ちはルイサにしか向いていなかった。そしてある日、マリアは、彼の驚くべき秘密を知ることになる。あの事件は通り魔殺人ではなかったのか? 三角関係の清算だったのか? それとも……? 現代スペインを代表する作家で、ノーベル賞候補と目される著者による愛と死と罪をめぐる哲学小説。
  • すべての愛しい幽霊たち
    値引きあり
    3.5
    心臓移植手術を受けながら、生物学者はどんな夢を見たのか(「デニス・ノーブルの心臓」)。ダイアナ妃に憧れた少女が語る、プリンセスの結婚から死去までの日々とは(「ダイアナを夢見て:十二フレーム」)。“聖戦”に参加するためリクルーターの電話を待つイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか(「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」)。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは(「すべての愛しい幽霊たち」)。幅広い分野の著名人たち、そして世間に名前の知られていない市井の人々。彼らの人生がさりげない語り口で描かれ、浮かび上がる鮮烈なイメージが、わたしたちの心を奪う。ブッカー賞候補作家が贈る、切なさと愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。/【収録作】「雪解け」/「ソロで、アカペラで」/「デニス・ノーブルの心臓」/「シルヴィアはあの世でピンクの服を着る」/「大切なものがある」/「オシレイト・ワイルドリー」/「ダイアナを夢見て:十二フレーム」/「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」/「チェーホフを思いながら」/「市民による逮捕の方法」/「わたしたちはメソジスト教徒だ」/「すべての愛しい幽霊たち」
  • 旅の終わりに
    4.0
    【映画『ロング,ロングバケーション』原作!】ガン治療中のエラと認知症の夫ジョンの老夫婦。ふたりは子供たちの反対を無視し、かつて一家で旅をしたキャンピングカーに乗って、なつかしいディズニーランドを目指し、ルート66でアメリカ大陸横断の旅に出る。記憶はまだらでも、ジョンの運転は昔通り。ハンバーガーばかり食べたがるジョン、痛み止めを飲み続ける助手席のエラ。強盗に遭ったり、危うくエラが置いてきぼりにされそうになったり、ホテルの超高級スイートに宿泊してみたり……。そして最後の最後にふたりが向かったのは? 老いについて、夫婦について、人生について……軽やかなタッチで見事に描いた傑作。
  • 地球の中心までトンネルを掘る
    値引きあり
    4.0
    これは「あなた」だったかもしれない人たちが織りなす、孤独と共感についての11の物語。代理祖父母派遣会社で引く手あまたの「祖母」として働く女性、人体自然発火現象で死ぬことを恐れながら弟と暮らす青年、折りヅルを使った奇妙な遺産相続ゲームに挑む男たち、ある日突然思いつき、裏庭でひたすらトンネルを掘りはじめた三人の若者……少しだけ「普通」から逸脱した日々を送る人々の、生活と感情の断片を切り取った挿話が、不思議としみじみした余韻をもたらす短編集。シャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞受賞作。
  • 地中のディナー
    3.7
    2014年、イスラエルのネゲブ砂漠。秘密軍事施設には“将軍”の命令により、ただ一人の囚人Zが長年監禁されており、一人だけの看守に見張られている。ユダヤ系アメリカ人の学生からイスラエルの諜報員になり、自国の権力者に監禁されるに至った囚人Zの数奇な人生とは──。Zの存在を隠したまま何年も意識不明でベッドに横たわる将軍の回想、パレスチナ難民の青年の受難、パリで恋に落ちたZとウエイトレスのかつての逃避行。幾つかの物語が循環しつつ重なり合い、悲哀、諦観、希望を繰り返しもたらす不条理なパレスチナ紛争と、それに翻弄されながら生きる人々の姿を描き上げる。『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』がフランク・オコナー国際短編賞受賞、ピュリッツアー賞最終候補となった著者による傑作長編!
  • 翼ある歴史 図書館島異聞
    -
    読者よ、その手をこちらへ。帝国オロンドリアを二分した、書物と言葉を巡る大乱。その只中を生きた四人の女性たち――戦いにその身を投じた剣の乙女、彼女を愛した遊牧民の歌い手、反乱軍に囚われた女司祭、政略結婚の駒として翻弄された王家の娘は、正史からは葬られた物語を自らの声で語り始める。重なり合い、響き合う物語からやがて立ち上がるのは、彼女たちにとっての“歴史”――デビュー作にして世界幻想文学大賞など四冠の長編『図書館島』の世界に連なる、壮大にして精緻なる傑作本格ファンタジイ。/解説=河野聡子
  • 読書セラピスト
    3.6
    悩める人々に読むべき本を処方する、読書セラピーを始めたヴィンチェ。ある日、彼のスタジオの階下に住む婦人が失踪、状況証拠から夫が殺人の容疑をかけられる。読書家の彼女が残した本のリストからヴィンチェは真相を探る……。彼女はどこに消えたのか? 本当に夫に殺されたのか? 「失踪」「別の人生」「入れ替わり」といったテーマの読書歴のある彼女の真実は? シニカルで文学的で不思議な味わいのビブリオ・ミステリ。本書は、イタリアのミステリの賞・シェルバネンコ賞を受賞している。
  • パリンプセスト
    3.0
    夢の中で訪れることのできる街パリンプセストに魅せられた四人の男女。彼らは肌にパリンプセストの地図を持つ相手と次々に体を重ね、眠りの中で街を歩く。失われたものを取り戻せる街パリンプセストでは、鮫頭の将軍を打ち負かし勝者となった女カシミラが移住者を求めていた。何度か夢で訪れるうちに四人の男女は次第にパリンプセストに永住したいと願うようになるが……。ミソピーイク賞、アンドレ・ノートン賞作家がおくる、幻想と夢が交錯する摩訶不思議な物語。
  • パールとスターシャ
    4.0
    1944年、ユダヤ人の12歳の双子、パールとスターシャはアウシュヴィッツ絶滅収容所に家族とともに送られ、優生学研究に取り憑かれた〈死の天使〉、ナチス・ドイツの医師ヨーゼフ・メンゲレが集めた多くの双子たちとともに《動物園》と呼ばれる施設に入れられる。子供たちに自らを〈おじさん先生〉と呼ばせ、おぞましい人体実験を繰り返すメンゲレ医師の研究対象となった二人が、少女の純粋な目で見た恐るべき世界を叙情的な、それでいて力強い筆致で描いた物語。生命の尊さ、人間の言葉の力を描いた、そして人間の本質について深く考えさせられる一冊。
  • プラハの墓地
    3.9
    イタリア統一、パリ・コミューン、ドレフュス事件、『シオン賢者の議定書』……すべてに関わるひとりの男がいたとしたら? 知の巨人が描く憎しみのメカニズム。ユダヤ人嫌いの祖父に育てられ、法学を学んだ青年、稀代の美食家シモーネ・シモニーニは、祖父の死後、ある公証人のもとで遺言書等の文書偽造の仕事を任されるようになる。陰謀渦巻く、混沌とした19世紀ヨーロッパを舞台に、偽造の腕を買われた彼は各国の秘密情報部との接点を持つようになり、その守備範囲は遺言書や証明書等の個人的な書類から政治的な文書へと広がっていく。そして、行き着いたのは史上最悪の偽書と言われる『シオン賢者の議定書』だった。捏造であることが判明した後も、ナチのホロコーストの根拠とされ、アラブ世界ではいまだに読まれつづけているというこの文書の陰に、シモーネ・シモニーニの存在が……。本書の登場人物中、彼以外はほぼ全員、実在の人物である。
  • 編集者とタブレット
    -
    編集者ロベール・デュボワが週末に原稿の束を抱えて帰ることはもうない。持ち帰るのは何本もの原稿の入ったタブレットのみだ。紙の本は消えてしまうのか? 読者は何を求めているのか? なじみのレストランでの、ワインと料理に舌鼓を打ちながらの著者との打合せも、もうなくなるのだ。今や、ワインよりビール、コーラとハンバーガーの若者たちが中心となり……彼らの提案の新鮮さに驚かされもする。おまけに行きつけの昔ながらのビストロはスシ・レストランに身売り! 紙に埋もれて生きてきた昔ながらの編集者デュボワが直面する時代の変化の嵐。当惑そして諦め……しかし軽やかに飄々とそれらを超越する彼。変わりつつある出版界と読書人たちに捧げる、小品でありながらも風格ある一冊。
  • 方形の円 偽説・都市生成論
    4.0
    戦火、崩壊と再建、そして無人化と再定住を数えること7×7=49回にわたり繰り返した、数万の暗い部屋を持つアーチ状の7層のフロアからなる、ミツバチの巣のような外観をしたバビロンならぬヴァヴィロン(格差市)。地上を縦横に踏破し、あらゆる信仰とあらゆる都市を見知った人々が理想都市を建てるにふさわしい地を求めてさまよう中で、一瞬だけ地平線に見出したアラパバード(憧憬市)。起点も終点もなく、天井と地下に永遠に続いていく超巨大建築都市ヴァーティシティ(垂直市)……。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFとファンタジイーの女王アーシュラ・K・ル=グインが愛し自ら英訳を手がけた、ルーマニアの鬼才が描く想像上の都市についての36編。【収録作】日本の読者へ/「ヴァヴィロン――格差市」/「アラパバード――憧憬市」/「ヴィルジニア――処女市」/「トロパエウム――凱歌市」/「セネティア――老成市」/「プロトポリス――原型市」/「イソポリス――同位市」/「カストルム――城砦市」/「・・・・・」/「ザアルゼック――太陽市」/「グノッソス――迷宮市」/「ヴァーティシティ――垂直市」/「ポセイドニア――海中市」/「ムセーウム――学芸市」/「ホモジェニア――等質市」/「クリーグブルグ――戦争市」/「モエビア、禁断の都」/「モートピア――モーター市」/「アルカ――方舟」/「コスモヴィア――宇宙市」/「サフ・ハラフ――貨幣石市」/「シヌルビア――憂愁市」/「ステレオポリス――立体市」/「プルートニア――冥王市」/「ノクタピオラ――夜遊市」/「ユートピア」/「オールドキャッスル――古城市」/「ゲオポリス――地球市」/「ダヴァ――山塞市」/「オリュンピア」/「ハットゥシャシュ――世界遺産市」/「セレニア――月の都」/「アンタール――南極市」/「アトランティス」/「クアンタ・カー――K量子市」/「アルカヌム――秘儀市」/私の幻想都市/フランス語版あとがき/スペイン語版まえがき/πへの道――アーシュラ・K・ル=グイン:英語版序文/訳者あとがき/解説――酉島伝法
  • 本当の人生
    値引きあり
    4.5
    家には四つ部屋があった。両親の部屋、私の部屋、弟ジルの部屋、そして死体の部屋……。それは狩猟が趣味の父親が戦利品をしまう剥製の部屋だった。暴力的な父親と、その顔色をうかがうだけのアメーバのような母親。そんな両親との暮らしだったが、十歳の少女は四歳年下の無邪気な弟と楽しい日々を送っていた。しかしある日、アイスクリーム売りを見舞った事故を目撃した時から、弟は変わってしまった。無邪気な笑みは消え、剥製の部屋にこもるようになり、虫や動物をいじめるように……。なんとかしてあの無邪気な笑顔を取り戻したい! 現実をリセットしたい! 利発な少女の試みは? Fnac小説大賞、高校生が選ぶルノードー賞、ELLE読者賞他14の文学賞を受賞。
  • ぼくを忘れないで
    値引きあり
    3.3
    ぼくには仲良しの兄・サイモンがいた。でも死んでしまった。ぼくはサイモンに会いたくてたまらない。19歳になったマシュー・ホームズは、統合失調症の治療の一環として、自分自身について書いている。大好きだった兄サイモン、ダウン症だった彼の死は、幼かったマシューの思いつきがもたらしたようなものだった。罪の意識に苛まれるマシュー。彼には「ぼくを忘れないで」というサイモンの声がいつも聞こえている。精神科病棟の看護師だった著者だからこそ書ける、病める青年の苦しみ、不安、喜び、そして家族のこと。サイモンとマシューの兄弟を、あなたは忘れることができないだろう。コスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した傑作小説!
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡
    値引きあり
    3.9
    ヨーゼフ・メンゲレ、アウシュヴィッツ絶滅収容所に移送され、降車場に降ろされたユダヤ人を、強制労働へ、ガス室へと選別したナチスの医師。優生学に取り憑かれた彼は、とりわけ双子の研究に熱中し、想像を絶する実験を重ねた。1945年のアウシュヴィッツ解放時に研究資料を持って逃亡。その後、49年にアルゼンチンに渡った彼は、79年にブラジルの海岸で死亡するまで南米に潜み、捕まることも、裁かれることもなく様々な偽名のもと、生き続けたのだった。そして、その死が遺骨のDNA鑑定によって確認されたのは90年代になってからのことだ。なぜメンゲレは生き延びることができたのか? 彼は、どのような逃亡生活を送ったのか? 謎に満ちた後半生の真実と、人間の本質に、ジャーナリスティックな手法と硬質な筆致で迫った傑作小説。ルノードー賞受賞作。

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