ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

1,833円 (税込)

9pt

ヨーゼフ・メンゲレ、アウシュヴィッツ絶滅収容所に移送され、降車場に降ろされたユダヤ人を、強制労働へ、ガス室へと選別したナチスの医師。優生学に取り憑かれた彼は、とりわけ双子の研究に熱中し、想像を絶する実験を重ねた。1945年のアウシュヴィッツ解放時に研究資料を持って逃亡。その後、49年にアルゼンチンに渡った彼は、79年にブラジルの海岸で死亡するまで南米に潜み、捕まることも、裁かれることもなく様々な偽名のもと、生き続けたのだった。そして、その死が遺骨のDNA鑑定によって確認されたのは90年代になってからのことだ。なぜメンゲレは生き延びることができたのか? 彼は、どのような逃亡生活を送ったのか? 謎に満ちた後半生の真実と、人間の本質に、ジャーナリスティックな手法と硬質な筆致で迫った傑作小説。ルノードー賞受賞作。

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ヨーゼフ・メンゲレの逃亡 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年06月10日

    アウシュヴィッツに大量に送られてくるユダヤ人をまるでオーケストラの指揮者のように振り分ける-この本では、収容所に到着してすぐ行われる選別を「オーケストラを奏でる」と多くのシーンで表現されている。異次元の残虐行為、すなわち人体実験が描写されている箇所は少なく、その描写も極めて淡白なもの。むしろ「死の天...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月14日

    「死の天使」と称されたヨーゼフ・メンゲレの逃亡記。
    史実と文献をもとにした“ノンフィクション小説”

    戦時中に行った彼の非人道的な行為と、逃亡生活中の卑小さ傲慢さが際立つ。(さらにアイヒマンが登場することでその卑小さ俗物さが増す)


    「命令に従っただけで自分は悪くない」
    最期まで狂信者だった。

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    Posted by ブクログ 2019年01月07日

    メンゲレのような「命令に従っただけで自分は悪くない」という言い分が通ると思っている卑小な悪、陳腐な悪は決して珍しいものではない。

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    Posted by ブクログ 2018年12月07日

    悔悟も悔悛もない。同情も共感もできないけど、最後の一文に胸を突かれた。いつ、どんな時代でもメンゲレになる人間は存在している。

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    Posted by ブクログ 2018年11月08日

    あとがきによると、著者は、この本のモデルはカポーティの「冷血」でした、と答えているそうです。
    「ローズ・アンダー・ファイア」と続けて読んでしまったので、まさに彼女たちに施された人体実験の首謀者である悪魔の医師が、このような卑小な人物であると知ると、やりきれなさが倍加します。
    イスラエルの諜報機関であ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月01日

    「アウシュヴィッツの死の天使」メンゲレの戦後の逃亡の記録。そう言えばアイヒマンも捕まったのは南米か。戦中戦後、建前中立だった南米がナチの巣窟だったってのは聞いたことはあったけど、そこメインで書いてる本は初めて読んだ。なかなかおもしろい。

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    Posted by ブクログ 2020年11月18日

    ドイツのユダヤ人作家?による「ノンフィクションノベル」。アウシュビッツで恐れられていた白衣の悪魔メンゲレ医師の南米での隠遁生活。驚愕の新事実とかではなく、メンゲレの狂気と恐れをじわじわと描く。3.0

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    Posted by ブクログ 2020年07月19日

    『スターン』誌じゃなくて『シュテルン』じゃないかと思うんだけど。
    それはさておき、戦争責任って難しいんだなあと思う。勝ったか負けたかで立場は全然変わるし、命令を下した側が罰せられるのはともかく、命令を受けて行動した側は、じゃあそれを拒否すれば良かったのかというと、それは勝ったか負けたかという結果が出...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月30日

    ナチズムへの傾倒と功名心から、アウシュビッツで非道な人体実験を行い、多くのユダヤ人などを死に至らしめたヨーゼフ・メンゲレの逃亡記。彼は最後まで「狂信者」だった。

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    Posted by ブクログ 2019年02月08日

    ナチスの人体実験に関して、最も名の知れた科学者ヨーゼフ・メンゲレ。
    ユダヤ人輸送の責任者アドルフ・アイヒマンほどの大物ではありませんが、自身の研究と到着後の“選別”によって夥しい死を実行しました。
    自然死するまで逃げ切ったナチスの一人であり、動向に不明な点が多い人物です。
    著者のメンゲレ研究の末、事...続きを読む

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