ハーレクイン・ロマンス小説作品一覧

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  • 情熱の燃える島
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    ソフィーは母クリスティーナの葬儀を終えた翌日、コスタスという見知らぬギリシア人男性の訪問を受ける。母はギリシア人の祖父から勘当され、見放されたままだった。最初ソフィーは、コスタスが祖父の使いと思い、怒りをぶつける。しかしコスタスがやってきたのは、自分の幼い娘のために骨髄移植を受けてくれと、クリスティーナに頼むためだった。あてがはずれたコスタスは翌日、半ば強制的にクレタ島へソフィーを連れて帰った。初対面の彼女に欲望を覚えていることはおくびにも出さずに。
  • 悩める愛人 疑惑のジュエリー II
    3.0
    大手宝石店に勤めるジェシカは、ボスのライアンとつき合っている。彼は裕福でハンサムで、まさに女性が理想とする男性だ。ジェシカとの関係を始める際、ライアンは四つのルールを定めた。一つ、彼に猫を近づけない。二つ、スキャンダルにならないよう二人の仲は内密に。三つ、子供は絶対につくらない。四つ、もちろん結婚もしない。ジェシカは時おり胸の痛みに襲われつつも、愛する人のそばにいられるならと、そのルールを守り続けた。だが交際も二年が過ぎたころ、ジェシカはあることに気づいた。おなかにライアンの子供がいることに……。★作家競作6部作〈疑惑のジュエリー〉2話目です。去年、デビュー早々ご好評いただいたテッサ・ラドリーが、ブラックストーン家の次男ライアンのロマンスを描きます。★
  • あの夜にさよならを
    3.0
    アッシュは八年ぶりに故郷のダブリンへ帰ってきた。名門フィッツジェラルド家の令嬢である彼女がある日忽然と姿を消したとき、周囲の誰もが驚いた。上流階級のスノッブたちとパーティ三昧だったアッシュに醜聞は付き物であり、実際彼女は誰の目にも甘やかされた娘としか見えなかったのだ。だが、アッシュは生まれ変わった。生まれ変わらざるをえなかった――あまりにもつらい経験をしたから。父親に強制されて久しぶりのパーティに出席した彼女は、会場の隅に幼なじみのゲイブを見つけ、胸が苦しくなった。彼は気づいているのかしら?自分がすべての元凶だということを。★本作は旧ハーレクイン・アフロディーテ、2008年10月5日刊『守れないルール』の関連作品です。顔を合わせれば喧嘩ばかりのアッシュとゲイブ。二人の関係はどう変化していくのでしょうか?★
  • 誰かとめて、この愛を
    -
    ヴェネチアの学校で英語教師をしているジョージアは、夏休みの間、家庭教師を頼まれてトスカーナで過ごすことになった。やはり休暇中の姉夫婦と三人で飛行機に乗ったときのこと、隣席のハンサムなイタリア人が親しげに話しかけてきた。ちょっときざな人だけど、俳優かなにかかしら?なんとなく見覚えがある。実は、彼はかの有名な元F1レーサーのルカ・ヴァロリで、しかもジョージアが英語を教える子供の叔父だった。ところが、トスカーナで再会したルカは敵意をこめた視線をジョージアに向ける。どうやら体調の悪い姉を部屋に残して義兄と食事をしている彼女を見て、不倫をしていると思いこんでしまったらしい。冗談じゃないわ。私がそんな女じゃないことをわかってもらわなくちゃ。こんな魅力的な男性に誤解されたままなんて耐えられない!
  • 運命の指輪
    -
    サビーナが同居している親友のナタリーは、いつも人に裏切られてきた。そのナタリーが、今度こそは本物の愛を見つけたと宣言し、ロッドという青年と二人で、自由な旅へと出発していった。ナタリーがロッドから贈られた指輪は、紛失を恐れて家に置いてある。ある日、息をのむほどハンサムなヨークと名乗る男性が現れ、あの指輪は瀕死の重病で入院している祖母のものだと言い出した。ヨークはロッドの従兄で、ロッドが祖母の指輪を盗み取ったようだ。祖母は、ヨークが結婚したい女性にその指輪をつけてもらい、二人で病院に見舞いに来てくれるのだけを待っているという。ナタリーを裏切ることはできないが、病重い老婦人のことも心配だ。サビーナは問題の指輪をはめ、ヨークの婚約者役を務めるしかなかった。だが事態が複雑に展開し、つらい恋の悩みまで抱えることになるとは……。
  • 秘書は恋わずらい
    -
    シェリはボスのトリスタンに思いを寄せている。トリスタンはフランスの名家サビナ一族の子息で、美女とのツーショットでゴシップ紙をにぎわすプレイボーイだ。一方のシェリは、自他ともに認める地味で野暮ったく、冴えない秘書。実ることのない恋心だと諦めていたシェリだが、ある日彼に、十日間ミコノス島で一緒に過ごしてほしいと頼まれた。親友の結婚式に参列するのに同伴者が必要らしく、シェリなら他の女性と違って妙な期待を抱かないと判断したようだ。悩んだ末、シェリはトリスタンの頼みを受け入れた。これはボスに女として見てもらう、万に一度のチャンスなのだから。★先月刊行しましたD~1267「エーゲ海に呼ばれて」の関連作品です。親友クリストスの結婚式に秘書を同行させたトリスタンは、いつもと違う秘書の一面を垣間見て心揺さぶられますが……。★
  • パリに恋して
    -
    世界一大好きな街パリを闊歩しながら、キミの心は躍っていた。人気女性誌のファッションエディターである彼女にとって、春のクチュール・ウィークはまた格別のものだ。有名デザイナーのショーを慌ただしく巡っている途中、キミは奇妙な男性に声をかけられた。ぼさぼさの髪に、よれよれのジーンズ。ふるぼけたコートは古着だろうか?だが、キミはすぐに気づいた――みすぼらしい身なりを装っても、危険な獣を思わせる鋭い目は隠せていない。彼は何者なの?ホールデンと名乗るその男は、ショーに入れずひどく困っていた。「正体を明かしてくれたら手を貸すわ」キミはほほ笑んで言った。
  • 摩天楼の影
    -
    研修医のタニアは過酷なER勤務に必要以上に没頭することで、十七歳のときの悪夢をよみがえらせまいとしていた。このまま姉たちのように医師になり、病院でひっそりと過ごせたら。だがそんな思いも、宝石泥棒を捕まえ、負傷したジェシーが救急車で運ばれてきて以来、大きく揺らぎはじめた。ジェシーのようなハンサムな男性に近づいてはいけない。わたしは過去の苦い経験から十分すぎるほど学んでいる。夢中だった大学生に幼い恋心を暴力によって踏みにじられて以来……。でも彼のやさしさは、タニアの気持ちを徐々になごませていった。ところが、ようやくつらい過去をのり越える勇気を奮い起こし、心を開き始めた彼女のまわりで、奇妙な事件が相次ぐようになった。
  • 異国の誘惑
    3.0
    海運会社に勤める有能な秘書クローディアはボスのサムからタザティーンへの出張に同行するよう求められた。サムはアメリカにいるときはただの支社長でも故国タザティーンに帰れば、やがては首長国を治めるシークだ。クローディアにとって初めての飛行機の旅、初めて訪れる国。普通なら心躍るはずのその旅はひどくつらいものになりそうだった。サムが出張と同時に家族が決めた名家の女性と婚約するからだ。この二年間、クローディアはひそかに彼を愛していた。その思いを告げることもできず、彼が婚約するのを目の当たりにしなければならない……。★かなわぬ恋とあきらめつつもボスを愛さずにはいられないヒロインのせつなさを丹念に描いた作品。キャロル・グレイスがお届けする人気のシークものです。★
  • 優しいフォトグラフ
    -
    ボヘミアンなファッションで明るく奔放に生きるレジーナは、結婚式のプランニング会社〈ウエディングベルズ〉のカメラマン。彼女の夫は、同じ町で育ちながら上流階級の別世界を生きてきたデル。ひょんなことから出会った二人は、ある悲しい出来事をきっかけに、お互いのことを何も知らないまま契約だけの結婚をした。一年半が過ぎ、レジーナは悟った。こんなこと無意味だわ。私は恋愛なんてこりごりだけど、夫にはもっとふさわしい女性がいる。私を気遣う優しい彼を、早く解放してあげなければ。ところがデルは、結婚を続け、もっと互いを知り合おうと提案する。離婚は彼の家名を傷つけるから?それとも……。★〈ウエディング・プランナーズ〉の二作目は、契約結婚をきっかけに本当の愛を見つける心優しい二人の物語です。アメリカ東部十三州の古都ボストンの魅力的な名所も数多く登場します。お楽しみに!★

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  • 遅すぎた再会
    -
    F1界のスター、セザール・ヴィヨン――デビュー以来、数々の記録を塗り替えた実力の持ち主であり、貴族出身で世界中の女性のあこがれの的。そして、サラが愛する男性だ。その彼が、レース中に事故に巻き込まれた!サラは意を決してイタリアへ飛び、セザールの病室を訪ねた。六年ぶりの再会だった。案の定、彼の顔に浮かんだのは嫌悪感だけ。彼はいまだにわたしを許していない。でもあのとき彼の招待を拒んだわけを今こそ知ってほしかった。それが彼に生きる力を与えてくれるかもしれないから。
  • ラベンダーは危険な香り
    4.0
    名門ロリマー家の後継者ケイドはメイン州沿岸の小島を訪れた。行方不明だった養父の孫娘がそこで暮らしているとの情報を得たのだ。しかしケイドは、その女性は孫娘になりすました詐欺師と踏んでいた。養父の莫大な財産をねらっているに違いない。一方、テスは突然現れた見知らぬ男に恐怖を覚えた。死んだと聞かされていた祖父のデルは生きていると告げられ、一緒にデルに会いに行こうなどと勝手なことを言われても……。心を見透かすような鋭いまなざし、強烈なセックスアピール。あらゆる意味で私の平穏をかき乱すけれど、そんな彼には屈しない。
  • 冷酷なフィアンセ
    3.0
    リリーは年老いた大叔母に代わって慈善団体を運営しているが、財政状況は厳しく、団体は存続の危機に直面していた。そんなとき偶然知り合った資産家のパオロの途方もない申し出にリリーは当惑しながらも応じざるをえなくなった。慈善団体に資金提供してもらう代わりにパオロの病気の母親を安心させるため、彼の婚約者のふりをすると。嘘をつくのはいや。でも私を頼りにしている人たちのためを思えば……。ただ、リリーはうまく婚約者の役を演じる自信がなかった。ハンサムなパオロがあまりにも魅力的で、その笑顔を見るだけでうっとりしてしまうようでは……。★愛を信じない彼の心を、ヒロインの愛が解きほぐすことができるのでしょうか。彼女の優しくも毅然とした態度や純粋さがとてもキュートです。人気作家ダイアナ・ハミルトン、久々の新作です。★
  • 背徳の恋
    4.0
    シドニーのしゃれたカフェでランチをとろうとしていたシャーニは、店に入ってきた男性を見て目を疑った。亡き夫レイに生き写しだ。体形も顔も、歩き方から髪をかきあげるしぐさまで。レイは養子だった。もしかして双子の兄弟がいたとか?生まれたときに双子が別々の家族の養子になることはあり得る。彼女は男性のテーブルに近づき、おずおずと疑問を口にした。シャーニの憶測はあっさり打ち消されたが、エイドリアンと名乗ったその男性は、彼女に誘いをかけてきた。五年前に夫を失って以来初めて、シャーニの心は男性に向いたが……。★偶然出会ったシャーニとエイドリアンですが、ふたりには共通の知人がいると判明!それが「取り引きされた夜」(R~2304)の有能な弁護士ジョーダンです。彼女は本作でも重要な役割を果たします。★
  • 砂漠の王と月の女神
    3.0
    ベスは勤務先の高級デパートの年間最優秀店員に選ばれ、副賞としてアラブのカダール王国への旅と、新しい国王の即位を祝う宮殿での舞踏会に招待された。実はデパートの経営者がこのたび即位したカーリファ・カディルで、ベスは彼からトロフィーを授与されることになっている。舞踏会が始まる数時間前、宮殿近くの浜辺を散策していたとき、彼女は一糸まとわぬ姿の男性が海から上がってくるのを目撃する。完璧な男性美を備えたその姿に見とれているうち、いきなり冷たくて固いものを首筋に押しつけられた。あまりの恐ろしさに凍りつき、ベスは振り向くことさえできなかった。
  • 謀反人の娘
    3.3
    横暴な父が、あろうことか国王への反乱を企てて失敗し、エリンは男爵の一人娘から、謀反人の娘という立場へ転落した。共犯だと誤解されれば、どんな罰を受けてもおかしくはない。怯える彼女に王が下した裁定は、思いがけないものだった。国王直属の騎士で、勇猛果敢な戦功を讃えられる伝説の戦士、マルコム・ル・ファルーシュと結婚し、跡継ぎを作れというのだ。エリンは結婚が怖かった。父に虐げられた亡き母を思い出す。マルコムは大柄で力が強い。あんな人に服従を強いられたら……。だが初めての口づけを受けたとき、その不安は期待へと変わった。
  • ふさわしき妻は
    3.5
    戦功をあげ祖国へ戻ったシンジンは、ふっと諦めの溜息をついた。父は領地の存続もあやういほど莫大な借金を遺して亡くなり、初恋の人セアラは本当に愛する人を見つけ、結婚してしまった。自分に残された選択肢は、裕福な妻を迎えて家を救うこと……。すると当のセアラが彼の苦境を聞きおよび、お節介をしてきた。彼に花嫁候補を紹介できる、顔の広いレディと引き合わせたのだ。その女性とは、高飛車で口の減らないクラリサ・ボーモント。いくら美人とはいえ、社交界によくいる軽薄なタイプに違いない。妻にはぜひ慎ましい女性を選ぼう――まさに彼女とは正反対の!
  • 私のプリンス 危険を愛する男たち I
    4.0
    親善ツアーで訪米し、民衆に手を振るウスタンジア皇太子に向かって何者かが発砲した。危ういところで暗殺は未遂に終わったが犯人は逮捕されず、ツアーは皇太子の身代わりを立てて続行されることになる。選ばれたのは、海軍特殊部隊SEALの将校ジョー。そしてイメージコンサルタントのヴェロニカが彼を皇太子に仕立てあげる仕事を任された。この粗野で無礼な男を、高貴なプリンスに変身させなければならないなんて……。絶望的な気分でヴェロニカはレッスンを開始した。熱く危険な命がけの恋が待ち受けているとは夢にも思わずに。
  • 誘惑のエーゲ海
    -
    パーティ会場で、レアンドラは自分の格好にうんざりしていた。露出度の高い悩殺的なドレスを着て、まるで商売女だ。ギリシアの若き富豪デモスの頼みで愛人役を演じているのは、売れないとはいえ舞台女優である自分にはぴったりだが……。パーティには、デモスの従兄テオも加わっていた。余命いくばくもないデモスの祖父のたっての望みで、独身生活を謳歌する孫を早く許嫁と結婚させるためだった。テオはレアンドラを金目当ての女と決めつけ、蔑みの目でながめる。その態度に屈辱と怒りを感じながらも、彼女はテオに激しく惹かれた。彼の所有する島に閉じこめられることになろうとも知らずに。

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  • 嘘みたいなプロポーズ
    -
    「きみの婚約者はほかの女性とも関係を持っている」父の右腕であるグリフィンにそう告げられ、エバは頭が真っ白になった。どうやら結婚に反対していたエバの父親が、彼に調査させたらしい。グリフィンとは知り合って十年になるが、エバは昔から彼のことが好きではなかった。野心家で堅物で、今や二社のCEOを兼任するほどの仕事人間。何より、いつも見下したような態度でエバに接してくるのだ。よりによってその彼に、こんな話を聞かされなくてはいけないなんて。理不尽と知りつつ、エバは沸き上がる怒りをグリフィンにぶつけた。そのときとんでもないことが起きた。彼が突然、キスをしてきたのだ。
  • エーゲ海に呼ばれて
    -
    息子と暮らすアヴァの前に、ある日思いがけぬ人物が現れた。クリストス・シアキス――アヴァがかつて心から愛した男性だ。二年前、ギリシアを訪れたアヴァは彼と出会い恋に落ちたが、彼の兄との不貞を疑われて追い払われたのだった。もしかして、クリストスはようやく認めてくれたの?私の息子が、お兄さんの子などではなく彼自身の子だということを。だがクリストスの話を聞き、アヴァのはかない希望は打ち砕かれた。兄夫婦が事故で亡くなり、一族の海運会社を継いだクリストスは、次の後継者となる兄の息子をシアキス家に連れ戻しに来たのだという。クリストスは最後に、傲慢な口調でつけ加えた。息子と離れたくないなら、僕は君と結婚しても構わない、と。
  • 十日間だけの花婿 疑惑のジュエリー I
    -
    バカンスを終えてオークランドに戻ったキンバリーは、突然、空港でカメラマンや新聞記者に取り囲まれた。いったい何が起きているのかわからず呆然としていると、一人の男性が現れ、彼女を守るかのようにマスコミの前に立ちはだかる。リック?彼がどうしてここに?十年前に別れた元夫の登場に、キンバリーはさらに混乱した。夫といっても、リックと夫婦として過ごしたのはたった十日間。当時父のもとで働いていたリックが、出世のために自分と結婚したと知り、傷ついたキンバリーはすぐさま彼のもとを去ったのだ。リックに促され、キンバリーはマスコミから逃れて彼の車に乗った。そこでリックが口にしたのは、残酷で信じがたい事実だった。★大手宝石店を舞台に繰り広げられる恋物語をお楽しみください。★
  • 美しき証人
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    マンハッタンの高級ホテル〈ハッシュ〉で殺人事件が起きた。殺されていたのは、悪い噂の絶えないパパラッチの一人だ。第一発見者であるコンシェルジュのミアは、なんとかショックを抑え、警察からの聴取を受けていた。いったい誰が彼を殺したの?私なら犯人を見つけ出せるかしら?「ここからは僕たちの仕事だ。わかるね?」まるでミアの胸の内を見透かしたように、刑事が鋭く言った。バックス・ミリガンと名乗るその男は、挑発するような目つきで彼女を見つめている。なんだか面白くなってきたわ……。ミアはひそかに、その挑戦を受けることにした。★本作はHA-44『週末のファンタジー』HA-51『摩天楼に抱かれて』HA-54『マンハッタンの恋人』HA-60『ロマンスのレシピ』の関連作品です。事件の解決と恋の行方は……。★
  • アヴィニヨンの再会
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    車窓に広がる南仏ののどかな田園風景をぼんやりと眺めながら、ヴェロニカはパリでの秘密の情事に思いを馳せていた。まったく私らしくもなかった。革命記念日の夜、熱に浮かされたように出会ったばかりの男性、ルークと奔放な一夜を過ごすなんて。でも、彼の発する強力な磁力にはどうしても抗えなかった。今朝、彼は私のいないベッドで目を覚ましたとき、何を考えたかしら?列車がアヴィニヨン駅に着き、ヴェロニカはホームに降り立った。これから妹のカレンと一緒に、知人のヴィラで休暇を過ごす予定なのだ。駅を出たヴェロニカは、道の向かい側で女性と談笑する男性をひと目見るなり、凍りついた。ルーク!なぜ彼がここにいるの?★ハーレクイン・ロマンスやイマージュで活躍するS・ネーピアが、満を持してディザイアに初登場です。フランスを舞台に繰り広げられる、甘く危険な男女の駆け引き――はたしてその結末は?★
  • 臆病なマーメイド
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    ケンダルの住む町の外れに、長らく放置されて荒れ果てた屋敷があり、彼女はその敷地内のプールで泳ぐことを密かな日課にしていた。そこなら醜い脚の傷をだれにも見られずにゆったりと水に抱かれて心を癒すことができる。ところがある日突然、日に焼けた長身の男が現れた。彼はこの屋敷の持ち主ハドソン・ベニントン三世だという。水着姿で泳いでいるところを見つかった彼女は家に逃げ帰った。ハドソンの瞳に魅せられ、心がざわめいたのが怖かったのだ。もうだれかに恋をすることなんてありえないのに。あの事故以来。愛する人を失って以来……。
  • すみれ色のウエディング
    3.0
    シルヴィー・デュシャン・スミスは今をときめくイベントプランナー。今回は、亡き母が設立した慈善団体のイベントとからめて、シルヴィーにとっての“夢の結婚式”を企画することになった。美しい庭園を持つ大邸宅を使い、彼女自身が花嫁を演じる筋書きだ。準備のため現地を訪れたシルヴィーは、ある男性を見かけて動揺した。邸宅は数カ月前に大金持ちのビジネスマンに買い上げられたと聞いたが、まさかトム・マクファーレンのものになっていたなんて。彼は、不実極まりない男性だ。シルヴィーが妊娠を知らせる手紙を届けたのにもかかわらず、半年すぎてもなんの連絡もよこさないままなのだから。★実力派作家リズ・フィールディングが、貴族の娘であり、イベント業界の売れっ子でもある女性を描きます。作品の舞台となる邸宅もかつてはヒロインの一族のものでした。この美しい大邸宅がたどる運命にもご注目!★
  • 忘れえぬ香り
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    「しばらく子供たちの面倒を見てもらえないかしら。村の診療所で代診医の欠員が出てるから仕事の口もあるのよ」外交官の夫に同行しなければならなくなった姉に請われて、医師のヘンリエッタは数カ月間、都会を離れる決意をした。初日、慣れない診療所で一人奮闘していた彼女は、遅れて来た同僚医師マシューのぶしつけな態度にいらだつ。おまけにお気に入りの香水をつけていたことを非難され、反発心はぐんとふくらんだ。マシューが香水に難癖をつけたのにはわけがあったのだが、そのときのヘンリエッタは知る由もなく……。
  • 幸せのブーケ ウエディング・プランナーズ I
    -
    美しく奔放な自由人、キャリー・フィリップス。〈ウエディングベルズ〉のフラワーデザイナーとして、幸せいっぱいの花嫁たちのために、結婚式を溢れる花々で飾る。……皮肉なものね。キャリーはときどき自分に苦笑いしたくなる。さすらいのオートバイ乗りだった夫との駆け落ちに破れたあと、キャリー自身はもう、永遠の愛も、結婚も、信じてはいなかった。ほの暗いバーで、大学時代の友人ジャレッドと再会するまでは。勉強ができて、まじめで、めがねがいつもずり落ちていた彼。パーティの熱に浮かされて、一夜だけ共に過ごしたことがあった……まさか彼が、わたしを思い続け、再挑戦を仕掛けてくるなんて!★結婚式プランニング会社〈ウエディングベルズ〉で花嫁の夢をかなえ理想の夫と出会い、自らウエディングベルを鳴らす日までを描きます。★
  • 運命を知る日
    4.0
    兄夫婦が事故で亡くなり、遺された五カ月の甥ニッキーをジュリーは一人で育てる決心をした。子育ての経験はなく不安を覚えはするが、ニッキーに注ぐ愛だけは誰にも負けない自信がある。ところが兄夫婦が万一のときのために用意していた遺言書には、甥の後見人として兄嫁の兄マッシモが指名されていた。考古学の実地調査に没頭して甥の顔を一度も見に来なかった彼が?仕事を辞めて甥の面倒を見ようとしていたジュリーは納得できず、愛情のない環境で甥を育てるつもりかと彼をなじった。するとマッシモはジュリーをベビーシッターに雇いたいと言いだす。★レベッカ・ウインターズがお届けする温かな愛情物語。兄夫婦の遺児となった甥を育てようと決心したヒロインの前に現れた甥の伯父。二人は慣れない子育てに奮闘しながら互いの優しさに触れます。★
  • 再会は涙とともに
    3.0
    二人の関係には誰もが反対だった。名家マコーマック家の御曹子フリンと、貧しい農場労働者の娘ケイトリン。彼女はすべてを捧げるほどフリンを愛していたが、ある日フリンの母の心ない言葉を聞き、絶望してすべてを捨て、故郷をあとにした。そして四年半後――ケイトリンは父の葬儀のために帰郷し、やがて訪れるであろう再会に怯えていた。彼に告げなくてはいけない秘密を抱えて。
  • 誘惑のチェス・ゲーム 非情な恋人 III
    4.0
    イタリア人実業家、セルジョのロンドン・オフィスの一角には、プレイ途中の高価なチェス盤が展示してある。“手を触れないでください”と表示されているにもかかわらず、この三週間、夜ごと一手ずつ駒を動かす者がいる。セルジョが舌を巻くほどの腕の持ち主だ。意外なことに犯人は、夜間、ビルの清掃作業に通うキャシーだった。ある辛い過去ゆえ、ひっそりと暮らす女性だが、そんな事情を知らないセルジョは好奇心をそそられ、彼女の行為は自分の気を引くための策略に違いないと考えた。彼は警備主任を制して言った。「この件は僕が処理する」★リン・グレアムによるゴージャスな三部作〈非情な恋人〉もいよいよ最終話を迎えました。激しく引かれ合う男女を力強い筆致で描いた作品をお楽しみください。★
  • 情熱と絶望のはざまで ギリシアの光と影 I
    3.0
    レベッカは富裕層向けの航空会社に勤める客室乗務員。顧客はハリウッドスターや王族や大富豪ばかりだ。その中に世界的な建築家アレクサンドロスがいた。目をみはるほどすてきな彼に口説き落とされ、レベッカは会社の規則を破って彼とつき合うようになった。だがアレクサンドロスには訪れる街ごとに恋人がいるという噂だ。レベッカは彼との密会を楽しみながらも別れの予感におびえていた。ひたすら彼からの連絡を心待ちにする日々に耐えきれなくなり、彼女はついに決心した。ただ待つだけの女でいるのはやめよう。たとえそれが二人の関係を破局に導くことになっても。★ハーレクイン・ロマンスの人気作家シャロン・ケンドリックが華麗なるギリシア人双子兄弟をヒーローに据えて贈る二部作をお楽しみください。次回は3月刊、兄キュロスの登場です。★
  • 禁じられた言葉
    3.5
    情熱的な夫ジャンフランコに愛されていないとわかっていてもデヴラはいまの暮らしに満足しているつもりだった。少なくとも夫はわたしを求めているし、愛人になることを拒んだわたしを妻にしたくらいだから。ただ、子供が欲しいという願いはずっと胸にしまいこんでいた。病気が原因で妊娠は望めない体になっていたものの、愛する男性の子供を産む夢はあきらめきれない。そんなとき、妊娠する可能性はゼロではないと医師から告げられ、デヴラは希望を抱いた。ところが、それを打ち砕いたのは夫だった。子供はつくらない。ジャンフランコは冷ややかに言い放った。
  • 罪な一夜
    3.0
    アニーが勤める病院に新しく医師が着任した。ヨシフ・コロフスキー──優秀な救急医にして、有名ファッションブランドを率いるコロフスキー家の御曹子。しかも、ロシアの血を引く近寄りがたいほどの美貌の持ち主だ。看護師たちがこぞって色めきたつのも当然だった。数日後、アニーにとって思いもかけないことが起こった。貧血を起こしてヨシフに介抱されたうえ、キスまでされたのだ!どんな女性もよりどりみどりの彼が、なぜ私を選んだの?驚くアニーにヨシフは口止めした。このことは内緒だと。ほかに恋人がいるから?私が絶世の美女ではないから?★「きらめきの一夜」で愛を見いだしたイヴァンデル・コロフスキーの異母弟が主人公。病院を舞台に繰り広げられるロマンスです。★
  • 伯爵家の呪い
    -
    二十六歳のアンゼリカは半年前、初めて実父との対面を果たした。父はヨーロッパ随一の富豪と評判の著名な男性で、アンゼリカの存在を喜び、ふたりは親子の絆を深めつつある。ある宵、父に呼ばれたアンゼリカは、ウルフと名乗るシチリアの伯爵に引き合わされた。彼の名前はもちろん知っている――希代のプレイボーイとして。確かに、優雅でありながらたくましい彼はとても魅力的だが、アンゼリカに向ける彼の目には明らかに軽蔑がこもっていた。その理由を知ったときアンゼリカは激怒し、心に誓った。決してウルフを許さない。彼が私にひれ伏して謝罪するまで。★百戦錬磨の彼を悩ます女性がついに出現します。ご期待ください。★
  • 愛された不思議
    3.0
    彼はなぜ、ここがわかったの?スペインの隠れ家に現れた夫を見て、エミリーは愕然とした。身重の彼女を疎んじ、秘書と一夜を過ごした夫に愛想を尽かし、ロンドンの家を出てから一年余りが過ぎていた。「僕はすでに目的を果たしたよ」エミリーがはっとして夫の車を見やると、そこに息子の姿が。「子供と離れたくないなら、僕についてくるんだ」半ばさらわれるようにして彼女が連れていかれたのは、フランスのロワール渓谷にある古城だった。夫は私と息子を幽閉するつもりなのだろうか。
  • 悲しきプロポーズ
    3.7
    「きみに頼みがある。きわめて厄介な頼みだ」かつての恋人ディミトリオスの声に、ブリアナは胸を震わせた。モデルとして活躍していた彼女は四年前、ディミトリオスと出会い恋に落ちたが、彼が妻に選んだのは双子の姉、セシリーだった。以来ブリアナは彼を忘れるため、仕事一筋で生きてきた。今ごろになってなぜ?戸惑うブリアナに、彼は告げた。難病の娘のために骨髄の提供者となってほしい、と。彼と再び会うのはつらいけれど、幼い姪を救うためには仕方ない。ブリアナは二度と行くまいと誓っていたギリシアへ飛んだ。
  • 初恋の忘れ物 都合のいい結婚
    4.0
    ミッチ・ヴァレンタイン――高校を出て路上生活を送り、初めて作ったビデオゲームが大ヒット。やがてソフトウェアの開発に乗り出し、出版の分野にも進出。二十八歳にしてふたつの会社を所有する……。ケリーは職場の同僚から渡された新聞を食い入るように見ていた。名前は違うけれど、彼は高校時代の恋人、マイケルに間違いない。十年前、彼女を捨てて姿を消した、あのマイケルに……。ケリーは私立探偵の兄に頼んで彼の行方をずっと捜していた。今では九歳になる娘のことを伝え、彼が父親なのだと告げたくて。写真で見る彼はたくましく、自信にあふれ、何もかも魅力を増している。でも、この目と口元はよく覚えている。彼以外にはありえない。ケリーは地元の大学で催される彼の講演会に、すがる思いで向かった。★12月に続き、人気連作「都合のいい結婚」の最新作をお届けします。今回は前作にも登場したケリーとその娘のディディが主人公です。おなじみの人々が繰り広げる心温まる物語をお楽しみください。★
  • ヴァイキングの誇り
    4.0
    幸せな結婚など、この世には存在しない――それが母の苦労を見て育ったロザモンドの考えだった。だがいやおうなく見知らぬ貴族との結婚が決まり、彼女は絶望的な気分で親戚が住むガストンベリーを訪れた。その道すがら、ならず者に襲われたところを、たくましくも美しいアグレイヴァーという男性に救われる。彼はかの地の守備隊長で、ヴァイキングの血を引く勇者。青い瞳で見つめられ、なぜかロザモンドの体が熱くなった。初めて芽生えた恋心。かなうはずもない夢ではあるが……。
  • 剣を我が手に
    3.0
    数多くの武勲を立てて名を成した、誉れ高き騎士ケインは、殺戮の日々にいやけが差し、剣を捨てて村の鍛冶屋となった。再出発の地でようやく穏やかな日常を手に入れかけたとき、輝く美貌と無垢な心をあわせ持つ領主の娘ソフィアと出会う。彼女にしつこく言い寄っているサー・グリエルは醜悪な男で、目的のためには暴力をふるうことも辞さない卑劣な輩だった。求婚を拒んだため、彼に痛めつけられたソフィアを目にして、ケインのなかで眠っていた騎士の魂が息を吹き返した。ソフィアの身はおれが必ず守ってみせる――この命をかけて。
  • 恋のルールを忘れたら
    5.0
    大家族で幼いきょうだいの世話に追われて育ったトルーディは、ようやく自由を手に入れて、憧れのニューヨークに降り立った。目標は、誰にも縛られずに刺激的な独身生活を謳歌すること。ところが、そんな彼女を心配した親友はお目付役を連れてきて、新しい生活に慣れるまでの間、彼と行動をともにしろと言う。堅物のリンクが横にいたら、恋も冒険もできないじゃない!でもよく考えてみると、彼は洗練された都会の男性そのもの。しかも私と同じく、結婚を毛嫌いしているらしい。思いきり大胆な一夜を過ごすなら、理想的な相手だわ!
  • 許されぬ結婚
    3.0
    ケイティの父親はある朝突然倒れ、救急車で病院に運ばれた。その騒ぎのさなか、カールトン・リーフという男性から憤怒と侮蔑に満ちた電話がかかってきた。君の父親のせいで大金を失った、と厳しい声は彼女に告げた。真相究明のため大企業の会長であるカールトンのオフィスに赴いたところ、ケイティは信じられない事実を聞かされた。父は事業に失敗して全財産を失い、カールトンにも大損害を与えたという。ショックに取り乱すケイティを、彼は優しくなだめて自宅に送り届け、何か現状を打開する策を一緒に考えようと言ってくれた。数日後、ケイティは彼の屋敷に連れていかれ、理不尽な提案を聞かされた。「僕と結婚するなら、お父さんの借金を清算してあげよう」父親を救う方法がほかに見つからず、ケイティは苦しい決断を迫られる。★H・ブルックスの新作は、ハーレクイン・ロマンスの「クリスマスに再会」(R-2334)でお楽しみいただけます。★
  • プリンスがいた季節
    -
    アランドラの家に舞い込んだ一通の分厚い封筒。それは、グレンドヴィアという国のプリンスからの手紙だった。アランドラは慈善パーティなどのプランニングを手がけているのだが、プリンスは彼女に、十二月のあいだグレンドヴィアに滞在し、国の慈善事業の見直しをはかってもらいたいというのだ。思いがけぬ大役に戸惑いつつも、アランドラは依頼を承諾し、地中海を臨むその国に向かった。だが、プリンスの姿を目にしたとたん愕然とした。先日のパーティで、ベッドをともにしようと露骨に誘ってきた男だわ。アランドラは悟った――彼の目的は仕事ではなく、私なのだと。★ハイディ・ベッツの新作は、クリスマス・シーズン真っただ中に芽生えたプリンスとの恋を描きます。プリンスと恋愛するには普通では考えられない試練がたくさん。果たして恋の行方は?★
  • セカンド・ウエディング
    3.5
    その日、災難は朝からシェリーの身に降り注いだ。まず出社するなり、五年間勤めた会社をいきなりやめさせられ、呆然と帰宅していたところ、今度は車の玉突き事故に巻き込まれたのだ。激痛に見舞われてシェリーは意識を失い、次に目覚めたときは病院の白いベッドの上に横たわっていた。体にチューブがつながれ、麻酔のせいか頭がぼうっとする。そして隣には、思いも寄らぬ人物が付き添っていた。元夫のグレッグだ。彼に会うのは離婚して以来、実に二年ぶりだ。どうしてグレッグがいるの?彼はここで何をしているの?うろたえるシェリーに彼は言った。しばらく僕がきみの面倒を見る、と。★人気作家アネット・ブロードリックの久しぶりの新作をお贈りします。知らぬ間に読み手をストーリーに引きこむ筆力は健在。心あたたまるロマンスをご堪能ください。★
  • 窓辺の戯れ
    -
    故郷のニューオリンズを遠く離れ、ジョージーは極寒のパリで一人、クリスマスを迎えていた。元恋人の手ひどい裏切りに傷つき、新しく現れた恋人候補もテキサスに帰省してしまった。雪の降る、こんな寂しい夜はひたすら絵を描くしかない。ワインをすすりながらキャンバスに向かって屈み込むと、ブラインドを開け放した窓に腰を突き上げる格好になった。ふと振り返ると、誰もいないはずの向かいの窓に人影が見える。誰かいる!私を暗闇からじっと見てる……長身で、おそろしくハンサムで、どこか危険な匂いのする男が──。★セクシー&ドラマティックな展開はお手のもの!人気作家アン・メイジャーのクリスマス・ストーリーをお届けします。★
  • 白ワインは罪の味
    3.0
    ブルック・ギャリソンはバーのカウンターに座り、白ワインを口にした。二十八歳にして初めてアルコールに手を出したのには訳がある。先ほど亡き父の遺言状が公開され、父に隠し子がいたとわかったのだ。大好きだった父が、長いあいだ家族を裏切っていたなんて……。心の痛みを麻痺させようとワインをグラス半分ほど飲み終えたとき、ブルックの目にジョーダン・ジェフリーズの姿が飛びこんだ。ジョーダンはギャリソン家とは長らく敵対関係にある男だ。会うたびに彼に魅力を感じつつも、縁のない相手と胸に言い聞かせてきた。でも、今夜はいいんじゃない?一族の問題など忘れたって。ブルックはワインの力を借りて、大胆にも彼に声をかけた。それがとんでもない事態を引き起こすことになろうとは思わずに。★六カ月にわたりお届けした〈マイアミで愛して〉も最終話。ラストを飾るのは双子の片割れブルックと、ギャリソン家の敵ジョーダンの物語です。二人の想いは一族間の溝を越えられるのでしょうか。★
  • 一夜の恋は永遠に
    -
    二十五歳の誕生日の朝、ジェーンは誓った。今日こそは、これまでしたくてもできなかったことをすべて行動に移す、と。まずその一。とびきりセクシーな男性とキスをすること。テムズ川のほとりを歩いていたジェーンは幸運にも、非の打ち所のない、完璧な理想の男性を見つけた。だが、やはりジェーンには大胆な行動に出る勇気はない。仕方なく彼の横顔を隠し撮りして、彼女がその場を立ち去ろうとすると、男性がいきなりつかみかかってきた。「おい、なぜ僕の写真を撮った?」ジェーンは恐怖と同時にわくわくする興奮を覚えて、愕然とした。
  • 遠ざかる愛
    -
    「君との友情を復活させたいんだ」再会したジャックに言われて、ティファニーは困惑した。数カ月前、彼女はジャックに秘めてきた恋心を打ち明けたが、かえって二人の間は気まずくなり、ジャックは海外へ行ってしまったのだ。戻ってきた彼は、また友達として付き合いたいという。それなのにどことなくよそよそしく、神経質になっている。ティファニーはそんなジャックにとまどい、いらだった。彼女がその不可解な態度に隠された痛ましい理由を知るのは、ずっとあとのことだった。
  • サンタはだれ?
    -
    サリーは、小さな町で両親が経営していた雑貨店を引き継いだ。事故で突然両親を亡くした悲しみは癒えないが、クリスマス前で忙しい店をなんとか切りまわさなければならない。そんなとき、田舎町には似つかわしくない都会的な男性が店を訪れた。大手スーパーチェーンのオーナーの孫、ハンターだ。彼はサリーの父がハンターの祖父と交わしていた約束に従って、繁盛している店を手伝いながらその経営法を学ぶために来たという。まさか私の店を乗っ取るつもりでは?サリーは警戒するが、献身的に働くハンターと過ごすうちに、彼を頼りにしている自分に気づいた。
  • 最高の聖夜
    5.0
    〈秘密のサンタ協会〉のドアが開き、一人の男性が入ってくると、カーステンは思わず息をのんだ。彫りの深い整った顔立ち、少し陰のある雰囲気、寒々しい色の瞳。子供たちのためのボランティアを志願するタイプにはとても見えない。なにをしに来たのだろう?慎重に応対しつつも、カーステンは彼のグリーンの瞳に強く引きつけられていた。〈秘密のサンタ協会〉を訪れたマイケルは、そこにいたカーステンに興味を持った。すぐに赤面するうぶなタイプは久しぶりだ。しばらくここを手伝ってみるのも悪くない。★実力派作家カーラ・コールターが贈る、クリスマスの物語。心温まる本作は、まさに彼女の十八番。お見逃しなく!★
  • 砂の魔法
    5.0
    ジェンは世界援助機構の一員として、砂漠の国ザヒールで医療活動に従事している。五年前に事故で夫を亡くして以来、世界各地の人々を救うことだけが生きがいだった。そんなある日、ジェンのもとにカムと名乗る医師がやってきた。同じ世界援助機構の人間で、活動を手助けに来たと言うが、彼の行動や言葉の端々にジェンはなぜか違和感を覚える。きっと彼がハンサムすぎて医師らしくないせいね……ジェンはそう納得しようとした。まさか彼が、ザヒール国のシークだとは夢にも思わずに。★新人作家メレディス・ウェバーが、砂漠で生まれたロマンスを描きます。どうぞお楽しみに!★
  • 誘惑はマンハッタンで
    -
    カーター・コンプトンと一緒にニューヨークへ行くよう命じられ、弁護士のマロリーはうろたえると同時に胸をときめかせた。カーターはロースクール時代の同級生で、ひそかに思いを寄せていた相手なのだ。だが、プレイボーイとして名をはせている彼は、真面目なマロリーのことなど眼中にない様子だった。案の定今回も、ニューヨークに着いた最初の夜から、カーターはほかの女性とデートに出かけてしまう。マロリーはバッグから一枚の名刺をとりだした。〈イメージ・メーカー〉――~新しいあなたがあっというまに誕生します~彼女はすがる思いで電話をかけた。★本作はロマンス小説界のオスカーとも言われるRITA賞受賞作。マンハッタンを舞台に繰り広げられる、ホットで切ないクリスマスストーリーをお楽しみください。★
  • 砂塵のはてに
    5.0
    サラ・リーヴズは石油産業専門のPR会社の経営者。石油会社との契約のため、中東の王国ベハーレーンを訪れていた。オフィスビルのエレベーターで見知らぬ男と乗り合わせたサラは、その男のすべてに魅了された。精悍な容貌、日に焼けた肌……。気がつけば、彼のほうも謎めいた瞳でサラを見つめている。「ベハーレーンを楽しんでくれ、ミス・リーヴズ」彼はなぜわたしの名前を?別れ際の言葉はサラを驚かせた。だがこの先、さらに大きな驚きが待っていることを彼女は知らない。サラはそのとき、タリクと名乗るその男こそが、石油会社の経営者で、砂漠の民のシークであることさえ知らなかったのだから。★砂漠の王国を舞台に、シークが登場する物語を得意とするデイナ・マートン。広大な砂漠とオアシスの、厳しい自然が織りなす熱いロマンスを、どうぞお楽しみください。★
  • 虹色のクリスマス 都合のいい結婚
    -
    十二月、一カ月後に出産を控えたヘイリーの前に、思いがけない人物が現れた。半年以上前に別れた恋人、マーカスだ。マーカスはヘイリーの大きなおなかを見て、それが自分の子供だと悟り、責任感から結婚しようと申し出る。今でも変わらず彼のことを思っているヘイリーだが、この結婚は自分の望むものではないと言ってプロポーズを断った。納得のいかないマーカスに、ヘイリーはある提案をする。「わたしは時間がほしいの。クリスマスが終わるまで、一緒にいて」それは、幼いころ家族の愛情を知らずに育ったヘイリーが、マーカスと子供で愛に満ちた家庭を築きたいと願う、心からの望みをかけた、最後の提案だった……。★人気連作「都合のいい結婚」の最新作をお届けします。12月、アメリカじゅうのブラボー一族が集まってクリスマスを祝います!なつかしい人物が次々に登場するパーティに、ぜひご参加ください。★
  • 優雅な略奪者
    -
    働きすぎの心身を癒そうと、ジゼルは熱帯の島ファライシを訪れた。ひとりで小さなヨットを操り、珊瑚礁に浮かぶ小島に上がる。寝ころんで読書に没頭していたとき、親しげな男女の姿が目に入った。のぞき見をしたつもりはないのに、ジゼルを見つけた男性は、この島は立入禁止だと言い放ち、無理やり彼女を本島まで連れ帰る。なんて尊大な男!でも、彼の素性を知って納得した。遠く地中海の島々を治めるプリンス・ローマンだったのだから。その夜、ジゼルは再びローマンに出会った。彼は昼間とは態度を一変させ、ジゼルを誘うようなそぶりを見せる。小島で見た連れのセクシーな女性は?ジゼルはとまどった。★ドラマティックな展開で大好評を博した三部作〈古城の恋人たち〉同様、イリュリア公国のプリンスがヒーローです。来年もまた、イリュリアのプリンス、プリンセスの物語を刊行してまいります。どうぞご期待ください。★
  • トスカーナの魔法
    -
    保育士のヘスターは、養育係が必要な家庭で住み込みで働いている。ある日、新しい仕事の面接に行き、雇い主を見て驚いた。コナー・ジョーンズ――学生だったころ、憧れた相手だったのだ。首尾よくヘスターはコナーの娘の養育係として採用され、立派な屋敷でのわくわくするような生活が始まった。よく働くし、娘もなついている。おまけに魅力的だ。ヘスターの仕事ぶりを見ながら、コナーは考えていた。妻として迎えるにはちょうどいい女性かもしれない。休暇へ同行させて、様子を見よう。★初恋の人に出会い、ときめくヘスター。その一途な思いは様々な事情とあいまってなかなかコナーに伝わらず……。キャサリン・ジョージが揺れる心を巧みに描いた作品です。★
  • あの朝の別れから 非情な恋人 II
    4.0
    美貌のモデルだった従姉のイモージェンが亡くなっておよそ二年、その追悼式が行われている教会で、マリベルはレオニダスに再会した。億万長者をはるかにしのぐ大富豪のギリシア人実業家の彼は、かつてイモージェンと親しくつきあっていた男性だ。従姉の恋人に密かに惹かれていたマリベルは、彼女の葬儀の夜、レオニダスと熱い愛を交わしてしまった。その後、彼は連絡をくれなかったし、マリベルのほうからも……。マリベルは彼とは口もきかずに教会をあとにしたが、レオニダスは不意に彼女の家を訪ねてきて、さりげなく問いかけた。「きみには赤ん坊がいるんだね」マリベルが恐れていた瞬間だった。★ハーレクイン・ロマンスの人気作家リン・グレアムによるゴージャスな三部作〈非情な恋人〉をお届けしています。来月はいよいよ、イタリア人実業家セルジョの登場です!★
  • 禁じられた恋人
    -
    「新しい恋人は君が莫大な遺産を受け継ぐのを知っているのか?」ああ、まただわ。財産目当てと疑っているのね。恋人ができるたびに邪推する彼に、サラはうんざりした。彼の名はニック、少女時代から憧れつづけてきた後見人。一度でいいから振り向かせたいという思いから、サラは男友達を恋人に仕立ててクリスマス・ランチに招待し、仲のよさを見せつけてニックの気を引こうとした。そのために挑発的なドレスを買い、ダイエットまでして。そして当日、訪ねてきた友達と、ニックの目の前で熱いキスをする。あまりに危険な賭。けれど、もう後戻りはできない。★叶わぬ恋に身を焼くヒロインの下した決断は?ハーレクイン・ロマンスを代表する作家ミランダ・リーの力作をご堪能ください。★
  • 砂漠にひそむ罠
    3.0
    派遣社員のモーガン・フィールディングは、ジャマルバード国のシークがゴールドコーストに滞在する間、その母親の話し相手を務めている。ある日、いつものように話に花を咲かせていると、王者の風格を漂わせたシーク・タージク本人が現れた。どうやら予定を早めて明日帰国することにしたらしく、タージクは、君も一緒に来ないかとモーガンに誘いかける。突然すぎる提案にうろたえつつも、好奇心に負け、モーガンは彼らとともにジャマルバードへ向かった。だが宮殿に着いたとたん、タージクは皆の前で信じがたい宣言をした。「ミス・フィールディングは僕と婚約して、我が国の王妃となる」★本作は11月刊「ボスと愛人契約」に登場したティーガンの双子の姉、モーガンの物語です。異国の地を訪れた彼女は、突然、危険なオーラを放つシークに結婚を強要されて……。★
  • 憎めども恋しくて
    4.0
    アラナは病院の待合室で、ラウル・マルシンが現れるのを待っていた。ラウルはスペインの侯爵で、二年前、アラナと彼は結婚を約束していた。しかし式を控えたある日、アラナは知ってしまった。ラウルは彼女を愛しているわけではなく、ただ跡継ぎを産むバージンの花嫁が欲しいだけなのだと。二度と会うまい――そう誓って彼のもとを去ったのに、また顔を合わせる日が来るなんて。しかもこれから彼に、残酷な知らせを告げなければいけない。そのときラウルが現れた。以前にも増して魅力的な彼を前に、アラナの胸は締めつけられた。
  • 眠れる竜
    -
    リリーは精神を病んだ母から生を享け、修道院で暮らしていた。あるとき、母がウェールズの首長と因縁があることを漏れ聞き、自分の素性を知りたい一心で、首長の住む城へと向かった。門前払いされてもあきらめられずに城壁をよじ登っていたところ、道半ばで首長の忠臣イアンに捕らえられてしまう。“ドラゴン”の名で恐れられる彼の威圧感にもひるむことなく、リリーは首長への謁見を申し込んだ。すると、イアンは火を噴く竜のごとく、辛辣な言葉を吐いた。「汚らしい小娘に首長のベッドを温めてもらう必要はない」
  • 七年目の誘惑
    4.0
    冬の夜、安食堂には場違いな客が、ジェシーに声をかけてきた。「結婚してくれ。書類上の妻がほしいだけなんだ。それも今すぐに」男は、貧しいウエイトレスにとって輝くナイトに見えた。だが正式な書類が整うと、彼は花嫁に目もくれず立ち去った。7年後――美しく変貌を遂げたジェシーはあるパーティ会場にいた。あれ以来会うこともなかった夫は、今も自信と魅力に溢れている。結婚によって、彼は会社の実権を手に入れたという。今度は私が、ただ一つの望みをかなえてもらう番だ。どうしても子供がほしい。そのために、夫を誘惑しなければ。
  • 聖夜が終わるとき
    -
    クリスマス・イブの吹雪の夜。オボイル家が穏やかな団欒のひとときを過ごしていると、チャイムの音が鳴り響いた。偶然、二階の部屋にいたキャットは、家族が見知らぬ二人の男を招き入れるのを階上から眺めていた。彼らは車が雪にはまって立ち往生したらしい。キャットが妙な胸騒ぎを覚えた瞬間、男は銃を取り出した。強盗だ──彼らは雪がやむのを待って逃げるつもりだ。私たちを殺して。見つからないうちに別荘を抜け出したキャットは、犯人の車で倒れている一人の男を見つけた。クレイグ!私の昔の恋人がなぜここにいるの?
  • 風にゆれる花のように
    -
    花店を営むケイティは、男性を拒むようにひっそりと暮らしていた。けれどそんな彼女にも一つだけ、ひそかな楽しみがあった。花束を注文しに店に現れる得意客ディランの存在だ。ディランは、二軒先にオフィスをかまえる会社の経営者で、毎月のように違う女性に花を贈る名うてのプレイボーイ。彼みたいな男性とは、付き合ったら最後、確実に別れがやってくる。だからディランに心引かれながらも、あの手この手で彼からデートに誘われだしたとき、ケイティはかたくなに拒絶したのだ。もしかしたら、退屈した彼が始めた新しいゲームかもしれない……。
  • 砂塵に抱かれて
    5.0
    旅客輸送会社で働くダイアナの夢は、いつの日か自分のタクシーを所有し、ロンドンの街を走ることだ。そんな彼女に千載一遇のチャンスが舞い込んだ。会社の上級ドライバーが体調不良で休んだため、イギリス訪問中のシーク・ザヒールのお抱え運転手に抜擢されたのだ。普段なら絶対に任せてもらえない大役だ。夢に近づくためにも、なんとしても無事にやり遂げよう。だが空港で彼を迎えたとたん、ダイアナの胸は怖いくらいに高鳴った。彼はまさに砂漠の王子だ。気高く危険なオーラにあふれている。これほど魅力的な男性を相手に、私は任務をまっとうできるかしら?★ベテラン作家リズ・フィールディングが、シークとの熱い恋を描きます。ユーモアあり涙ありの一作です。★
  • プリンセスはひとりぼっち 王宮への招待
    -
    夫亡きあと、ローズは彼の両親につくす毎日を送っていたが、二度目の命日に、夫の両親から理不尽な申し出を受ける。彼らとの隔たりの大きさを痛感したローズの心に、現実的でないと感じていたもう一つの申し出が浮かびあがった。“大公家に戻ってプリンス・ニコライと結婚してほしい”祖国アルプ・ドゥ・モンテスからの手紙にはそう書いてあった。プリンセスの地位を追われて十五年間、平凡に暮らしてきたのに。書面によれば結婚は一時的なものらしく、そのあとは自由になれる。婚家にとどまり、義父母の思うままに生きるよりはいい。ローズは新たな人生を歩むパートナーに会う決心をした。
  • 運命と呼ばせて
    -
    シンガポールの、とある高級ホテル。仕事を終え、ひとりバーで飲んでいたクリステンは、カウンターに座るハンサムな男性に目を引かれた。彼の鬱々とした様子は、まさにクリステンの気分と同じだった。自然に言葉を交わし、なぜか波長が合って、二人は一夜を共にした。知っているのは、彼の名前がネイトだということだけ。二カ月後、クリステンは新しい仕事につくためオーストラリアへ飛ぶ。勤務初日、CEOのオフィスへ挨拶に向かった彼女は、ドアを開けたとたん、めまいを起こしかけた。そこには、忘れもしないあのネイトがいたのだから!
  • ニューオーリンズに降る雪
    -
    ローラは祖父が遺したホテルで総支配人として働いていた。伝統こそあるものの破算寸前のホテルをどうにか立て直そうと奔走していた矢先、ホテルの新しい所有者だと主張する冷徹なビジネスマン、ジャクソン・ホークが現れた。ぜったいにホテルは渡さないわ!反抗的な態度のローラにジャクソンは賭をもちかけた。ローラが三十日以内に千五百万ドルを用意できれば買収はあきらめるという。ただしできない場合は、ひと晩ベッドをともにするという条件で。
  • 口づけの行方 テキサスの恋
    3.4
    アイヴィは物心ついたときから、自分勝手な姉に振りまわされてきた。美しい長女だけを溺愛していた亡き父が、遺産のすべてを姉に遺したため、今では経済的にも苦しい日々を強いられている。そんなアイヴィの心の拠りどころは、親友のメリーだ。ある日、メリーの家に泊まったアイヴィは、真夜中のバスルームでメリーの兄スチュアートと鉢合わせてしまう。アイヴィは彼が苦手だった。そばにいるとどうも落ち着かなくなる。しかも彼は、アイヴィが姉と同じく奔放で遊び好きだと思いこみ、辛辣な態度で接してくるのだ。だが、その夜のスチュアートはいつもと少し違った。不可解なまなざしを向けてきたかと思うと、突然、アイヴィにキスをした。★人気ミニシリーズ〈テキサスの恋〉の最新作をお届けいたします。初めての恋心に揺れるヒロインですが、彼の態度は冷たくて……。おなじみのジェイコブズビルの面々も多数登場いたします!★
  • 永遠が欲しくて
    -
    ナイトクラブで会計士をしているローリンは、クラブのオーナーであるアダムにとんでもない取り引きを持ちかけられた。百万ドル支払う代わりに、二年間だけ彼の妻になってほしいというのだ。アダムはビジネス協議会会長の座を狙っていて、貞淑な妻をめとることでプレイボーイのイメージを消したいらしい。実のところ彼の提案は、ローリンにとって願ってもないものだった。そもそもアダムのもとで働き始めたのは、彼の所有する家が、かつてはローリンの生母の家だったため。妻になれば、家に隠された自分の出生の秘密を探りやすくなるだろう。だけど……愛のない結婚なんてできる?しかもこんなに魅力的な人と。不安を覚えつつもローリンは覚悟を決めた。「あなたと結婚するわ」★〈マイアミで愛して〉第5話は三男アダムの登場です。世間体を良くするために妻が必要になった彼は、地味で目立たない部下に白羽の矢を立てますが……。来月はついに最終話です!★
  • 報復のカウントダウン ゴージャスな罠 III
    -
    テスは信じられない思いで、目の前に立つデイミアン・ザウアーを見つめた。愛する彼のもとを去ったのは、もう六年も前のこと。まさかこうして再会する日が来るなんて……。テスがうろたえていると、彼は平然とした口調で頼みがあると告げた。家の改装やパーティ・プランニングを職とするテスに、あるコテージの改修を頼みたいという。それはかつて、将来二人で住もうと誓った想い出のコテージ。息をのんだテスは、デイミアンの目に燃える炎を見て悟った。彼は私に復讐するつもりなのだ、と。★ミニシリーズ〈ゴージャスな罠〉もついに最終話です。ラストを飾るにふさわしい、切なくて甘い罠をどうぞご堪能ください。★
  • いくつもの夜と昼を
    -
    デイナはアメリカ政府直属の秘密組織〈オメガ〉で働く捜査員。今回の任務はスコットランドのゴルフトーナメントに参加し、北朝鮮の天才ゴルファー、キムリーを父親とともに亡命させること。かつてオリンピックのカヌー競技で優勝したスポーツ万能のデイナには、アマチュアゴルファーを装い、キムリーに近づくのは容易なことだった。ところが、現地のゴルフクラブで出会ったのは昔の恋人ルーク。彼は会うなりデイナを腕に抱き、いきなりキスをした。デイナは苦い思い出がよみがえり、すぐに身を引きはがしたが、このことが任務の妨げになるのは明らかだった。翌日、オリンピックの金メダリストと元恋人のキスが新聞をにぎわすと、デイナはとても極秘の行動がとれなくなった……。★ハーレクイン・スポットライト・プラスが装いも新たにリニューアル!シリーズ名がハーレクイン・プレリュードに変わります。ドラマティックで多彩な作品をお届けする中から、今月は待望の連作〈オメガ〉の最新作が登場。新シリーズの今後にご注目ください。★
  • 砂漠に降る雪
    -
    見習い修道女のケイリーンは、砂漠の王国エルデハリアへ派遣され、孤児院の学校で教えている。子ども好きで、自分も孤児の身の上だった。ある日、突然訪れた村の族長に、かわいがっていた三人の幼い姉妹が無理に連れて行かれるのを、彼女は黙って見ていられなくなった。離れ離れにされたうえ、十分な教育も受けさせてもらえないなんて。ケイリーンは断固立ちはだかり、姉妹を連れていかせまいとした。大騒ぎになる中、駆けつけたのが王国のプリンス、エイサドだった。彼は族長の体面を守り、子供たちの心配も解消するため、ある提案をする。エイサドが三人を引き取り、彼女にも養育係として来てほしいというのだ。思いがけない話にケイリーンは迷ったが、子供たちのために受け入れた。まさか王族とともに、宮殿に住むようになるとは思いもせずに。★ハーレクイン・スポットライト・プラスが装いも新たにリニューアル!シリーズ名がハーレクイン・プレリュードに変わります。多彩な作品をお届けする新シリーズにご期待ください。★
  • 幻の恋人
    2.0
    ペギーはまさに崖っぷちの状況に立たされていた。婚約者と銀行強盗の女がベッドにいたところに遭遇し、その女に銃で撃ち殺されそうになったのだ。そこでFBIの心理分析官として有名なオリバー・バーゴに助けを求めようと思い立つ。うまく本人に接近したまではよかったが、オリバーはなぜかペギーをキャメロンと呼んで誘惑してきた。どういうことかわからぬまま、すがる思いのペギーは夢のような一夜を過ごした――複雑に絡み合う事情を知ることもなく。★ハーレクイン・スポットライト・プラスが装いも新たにハーレクイン・プレリュードとして生まれ変わりました。今後も人気作家のドラマティックな作品を刊行予定です。★
  • 伯爵のウエディング 華麗なる貴公子たち III
    -
    誰にも気兼ねすることのない、自由気ままな旅暮らし。セレナはそんな生活をこよなく愛している。ある日、彼女は旅の途中でイタリア人のレオと知り合った。無骨な印象を与えるが、彼は親切で思いやりがあり、ふだんは田舎の農場でつましい生活を送っているという。セレナはレオに親しみを覚え、しだいに思いを寄せていった。やっと私にぴったりの男性に出会えたんだわ。しかし、セレナの喜びはほどなく打ち砕かれた。レオが途方もない億万長者であるだけでなく、高貴な称号の持ち主でもあることを知ったのだ。★二度のRITA賞受賞に輝く作家ルーシー・ゴードンが描く『華麗なる貴公子たち』は、イタリア人貴族のヒーローが読む人のハートをとりこにしてしまう連作です。★
  • クリスマスに再会
    3.5
    双子の姉が緊急入院したと聞き、ブロッサムは子守りに駆けつけた。夜、子供たちがようやく寝てくれたとき、来客があった。ザック・ハミルトン。姉の夫が勤める会社のオーナーだ。長身でハンサムなザックに、ブロッサムは心を動かされたものの、過去のつらい経験から、もう恋はしないと決めている。ザックの強引な誘いにも抗いつづけた彼女だが、ついに食事に行く約束をしてしまう。退院してきた姉は彼の女性遍歴を耳にしていて、あんな男性は絶対にやめたほうがいいと忠告する。わかっているわ。一度つき合うだけ。絶対に、二度目はない。
  • 熱砂の花嫁 非情な恋人 I
    3.0
    ティルダは母が明かした話に愕然とした。知らないあいだに母が巨額の借金を抱えていたなんて。このままでは住んでいる家から立ち退かなければならない。しかも融資を受けた相手は、バカール王国の皇太子ラシャドだという。かつて無理やりナイトクラブでアルバイトをさせられたティルダは、客として訪れたラシャドと、つきあっていた。だが財産狙いのふしだらな女と誤解され、交際は数カ月で終わった。返済を待ってもらおうと、ティルダはラシャドに面会に行く。するとラシャドは非情なまなざしを彼女の全身に這わせて言った。「きみが提供できるもので僕が欲しいのは、きみとの情事だけだ」★ハーレクイン・ロマンスの人気作家リン・グレアムによるゴージャスな三部作〈非情な恋人〉を三カ月連続刊行いたします。ヒーロー同士が親友で、第一話はシーク、第二話はギリシア人、第三話はイタリア人という豪華版です。★
  • ヴィーナスの目覚め
    4.0
    アレサンドロは高級車を降り、荒れ果てた屋敷を見つめた。ここにトマソの孫娘、ローラ・ストウがいるはずだ。“孫娘を見つけ、イタリアに連れてきてほしい”亡き父の共同経営者であるトマソにそう頼まれたのは、数日前のこと。孫娘を連れて帰れば会長職を辞すると約束され、アレサンドロは会社の全権を得るため、イギリスにやってきたのだ。とにかくローラに会って任務を果たしてしまおうと、彼は屋敷の近くにいた使用人らしき女に話しかけた。まさかこの不器量でずんぐりとした無愛想な女性が、当のローラ・ストウだとは思いもせず。★人気作家ジュリア・ジェイムズの新作をお届けします。人里離れた場所で一人暮らすローラ。幼い頃に自分を捨てた父方の祖父にイタリアに呼び寄せられ、彼女の運命は一変します。★
  • くちなしは誘惑の香り
    -
    キーラとパトリツィオは一目で恋に落ち、結婚した。そしてわずか一年後、破局を迎えた。原因はキーラの浮気だ。もっとも、彼女はその一夜のことはまるで記憶にない。覚えているのは、翌朝夫に激しく罵倒されたことだけ。離婚手続きを進めているうちに、状況が変わった。キーラの弟とパトリツィオの甥が大喧嘩し、放校寸前だというのだ。二人のためにとパトリツィオに偽装復縁を持ちかけられたキーラは、彼の愛を取り戻すチャンスだと、その提案を受け入れる。しかし、そんな彼女にパトリツィオは冷然と言い放った。「あいにくだが、君にはもはや憎しみしか感じない」
  • ボスと愛人契約
    3.0
    「親友の結婚式でハワイに行くから、一週間だけ入れ替わって」秘書をしている双子の姉に頼みこまれたティーガンは、ボスはそのあいだ出張中なのでばれはしないと説得され、承諾した。だが当日になって予定が変わったらしく、出張は中止に。ティーガンはひやひやしながら、姉のボス、マーヴェリックに仕える羽目になる。幸いマーヴェリックは、彼女の正体を露ほども疑っていないようだ。なんとか無事に初日をやり過ごし、ティーガンは安堵してオフィスをあとにしようとした。そのときだった。彼女は不意にボスに呼び止められて……。★年の瀬が近づいてきたこの季節にぴったりな作品を人気上昇中のトリッシュ・モーリがお贈りします。姉になりすましてヒーローのもとで働き始めたヒロインですが、事態は思わぬ方向に向かっていきます。★
  • うたかたの結婚 熱きシークたち II
    -
    この異国の悲惨な独房でわたしは人生を終えるの?オリヴィアは中東の独裁国家ジャバルを旅行中、あらぬ嫌疑で逮捕され、絶望のどん底にいた。そんな彼女の前に、ひとりの男性が現れる。「君のお兄さんに頼まれ、救いに来た」わけがわからないまま、男性と監獄を脱出したが、いつの間にかオリヴィアは彼の婚約者となっていた。当局の執拗な追及を逃れるため、男性が嘘をついたのだ。なんと彼はサルク国王の弟、シーク・ハリド・フェールだという。二人の逃避行は、三つの国を巻き込む大騒動に……。★中東の架空の国を舞台に、期待の作家ジェイン・ポーターが綴る二部作〈熱きシークたち〉。第二話の本作は中東を旅行中、シークと出会ったヒロインのシンデレラ・ストーリーです!★
  • 至福への招待状
    -
    テサは疲れきった体でエーゲ海に浮かぶ島へたどり着いた。南米の空港でギリシアの大富豪の婚約記事を目にし、衝動に駆られるまま地球の反対側まで来たのだ。記事の写真を見たときは驚いた。そこには彼女の命の恩人――内戦前夜の砲撃で死んだはずのスタヴロスが写っていたのだから!彼に会って、四年間お守りにしてきたこの指輪を返さなくては。しかし、再会したスタヴロスは別人のように冷酷だった。「婚約パーティの夜に妻が現れるとはね。めあては和解金か?」彼は今になって現れた私を疑っている。でも妻というのは?テサは混乱した。四年前、彼は私と本当に結婚してくれたの?
  • 消えた乙女
    4.0
    名家の生まれながら話し相手(コンパニオン)として働くサラは、亡き兄に隠し子がおり、自分の助けを求めていることを知る。姪がいるはずの館は、毎夜堕落した宴が開かれることで悪名高い。足を踏み入れれば、私の評判は地に落ちてしまうだろう。それでも姪を救わなければ!サラは内密に館に赴くことにする。だが噂は瞬く間に広まり、大切な幼なじみのレンショー卿でさえ、軽蔑もあらわにサラを侮辱した──彼女の純潔まで疑って。淡い恋心を打ち砕かれ、サラは頬を涙に濡らして館へと旅立った。やがて、レンショー卿と苦い再会を果たすとは夢にも思わずに。
  • 薔薇と狼
    4.5
    一介の男爵令嬢の私に、国王がいったい何のご用だというの?キットは王に呼ばれていることを知り、動揺のあまり逃げだすが、継父に連れ戻され、手ひどく折檻されてしまう。顔に大きなあざができ、服も泥だらけの彼女の前に、王の使者である黒髪のたくましい騎士、ウルフが現れた。実は前夜、キットは水浴びに訪れた湖で彼に出会っていた――唇を奪われ、名をきかれても、彼女は答えずに立ち去ったのだが。ウルフは目の前の薄汚い娘がゆうべ見初めた娘と気づいていない。複雑な思いを抱え、キットは彼に連れられて男爵邸をあとにした。
  • とらわれのエンジェル
    -
    ある夜、カリーは暴漢のグループに襲われた。警察に救われて事なきを得たが、犯人のうちの一人、カルロスという名の恐ろしいほど澄んだ瞳を持つ男のことが頭から離れず、事件のあとも毎晩のように彼と愛し合う夢を見た。半年後、とあるレストランで端正なタキシード姿の紳士を目にし、見覚えのあるその横顔に彼女は息をのんだ。あれは間違いなく、カルロスだ。カリーはみずからの秘めやかな夢想をかき消し、この場に犯罪者がいることを周囲に知らせるため、彼に歩み寄った。そして今にも叫ぼうとした瞬間、彼の唇に口をふさがれた。
  • ゲームの終わり
    -
    イブの夜、クリスは絶望に打ちひしがれていた。この4年間、亡き夫への思いを胸にひとりで娘を育ててきたが、愛する男性が側にいない人生に耐えきれなくなったのだった。そのとき不意に、玄関を叩く音が響いた。今度はどの親戚だろう?顔に笑みを張りつけて扉を開けたクリスはその場に凍りついた。グレッグ・レイノルズ――忘れられない初恋の人。車が故障したという彼を送る道すがら、クリスは彼が離婚したことを知る。そして別れ際、グレッグはある提案をした。それは、あまりにも甘く切ないアバンチュールの始まりだった。
  • いたずらな出会い マイアミで愛して IV
    -
    バハマのホテルを経営するキャシーは、仕事帰りに寄った砂浜で声をかけられ、振り向くなり息をのんだ。先ほどホテルで見かけ、一瞬にして目を奪われた男性が立っていたからだ。彼の名はブランドン。どうやら休暇でバハマを訪れたらしい。二人で会話を楽しむうちにどんどんブランドンの虜になり、いつしかキャシーは、彼との出会いに運命的なものを感じ始めた。そして幾度かディナーをともにしたあと、知り合って間もないというのに、本能のままにブランドンに身を捧げてしまう。彼との出会いが仕組まれたものだったと知るのは、ベッドをともにした翌朝のことだった。
  • 金の瞳のシーク
    -
    私は平凡なジェイン・ジョーンズ。学生時代にロンドンで出会い、熱烈な恋に落ちたタリックは、実は砂漠の王国ザイードのシークだった。二人の結婚なんて、はじめからうまくいくはずがなかったのだ。義父の国王から疎まれた私は、浮気をして身ごもったなんてひどいぬれぎぬを着せられ、夫の信頼を奪われ、追放された。幸せの絶頂から引きずり下ろされて、五年が経った。正式に離婚して、新しい恋と人生をスタートしよう。なのにタリックは、私に冷たく言い放った。「離婚はしない。ジェイン、もう一度ザイードへ来るんだ」★三カ月にわたってお届けした、新作家テッサ・ラドリーのギリシア人ヒーローの物語。最後は、ギリシア人を母に持つシーク、タリックが登場します。愛し合っていたのに、陰謀によって引き裂かれた二人。砂漠の嵐や、空を舞う鷹の描写も美しい、よみがえる愛の物語です。★
  • プレイボーイの仮面 モンテカルロの誘惑 III
    -
    親友の結婚式を控え、花嫁介添人としてモナコに滞在中のアメリアは、ここ数日ひそかに悩んでいた。原因は花婿側の介添人、トビー・ヘインズだ。トビーとは十カ月前、彼の魅力に負けて一度だけ関係を持ったことがある。すぐ過ちに気づいたアメリアは、メモだけを残してベッドを抜け出したが、どうやらその行為がトビーのプライドをくすぐったらしい。モナコで再会するなり、彼はまた情事を楽しもうと誘いかけてきたのだ。とんでもないわ!彼みたいなプレイボーイと二度とかかわるものですか。そんなアメリアの決意もむなしく、トビーの巧みな誘惑攻撃はしだいにエスカレートしていった。★モナコを舞台にした、きらびやかなミニシリーズ〈モンテカルロの誘惑〉もついに最終話です。典型的なプレイボーイのトビーですが、どうやら華やかな外面の裏には何か秘密がありそうで……。★
  • 復讐はきみに ゴージャスな罠 II
    -
    マックは怒りに燃え、オーエン・ウィンストンとの電話を切った。オーエンは同じ金融業界に活躍する名の知れた実業家だ。最近オーエンは、若くして台頭してきたマックを妬み、根も葉もない悪評を振りまいて顧客を奪おうとしているのだ。抗議しても悪びれないオーエンに業を煮やし、マックはある復讐計画をたてた。話によれば、オーエンにはオリヴィアという娘がいるらしい。その娘を誘惑して僕のものにし、名誉を汚してやろう。マックはさっそくオリヴィアが勤める会社に行って接触を図った。まさか彼女が息をのむほど美しく刺激的だとは、予測していなかった。★人気作家ローラ・ライトのミニシリーズ〈ゴージャスな罠〉第2話をお届けします。商売敵への復讐にその娘を誘惑しようと決めたマックですが、相手は一筋縄ではいきそうにない女性で……。★
  • ジャスミンは誘惑の香り
    -
    ジェシーは臨月の姉と幼い姪の世話を手伝うため、夏休みの間、ロンドンを離れロングアイランドで過ごしていた。ある日、姉と外出先から戻ったジェシーは、庭のプールに見知らぬ人影を見つけた。泥棒?恐怖におののきながら、そっと様子をうかがおうとしたとたん、彼女は唖然とした。そこには、一糸まとわぬ見知らぬ男性が背を向けて立っていたのだ。彫刻さながらの完璧な肢体には、黒髪から幾筋もの水滴が流れ落ちている。かっとなったジェシーは、男の背後からつかみかかろうとしたが、逆に羽交い締めにされてうろたえた。なぜ、胸が高鳴っているの?そのとき、姉の声が聞こえた。「あなた……モンローなのね?」★期待の新作家、ハイディ・ライスの作品をお届けします。暗い過去を抱えて苦悩するモンローを、無垢で献身的なジェシーはなんとか救おうと手を差し伸べるのですが……。ご期待ください!★
  • 守れないルール
    -
    会ったこともない人物からの突然の仕事依頼に、メローはいらだっていた。彼女はダブリンでも人気急上昇中のインテリアデザイナーだけに、今はとにかく忙しいのだ。ただ、あの電話の依頼主の声は……かなり魅力的だったけれど。翌日、彼女が現場で作業をしていると、一人の男が尋ねてきた。昨日の電話の主――高名な建築家、アレックス・フィッツジェラルドだ。メローが断りの返事をしようと彼の顔を見たとたん、彼女の頭の中に、数カ月前のオイスター祭の夜がよみがえってきた。まさか、あの熱い夢の夜の男性にこんな形で再会するなんて……。アレックスは憮然として言った。「きみと一緒に仕事をするのは無理だな」
  • 愛はワインに似て
    -
    最愛の父親を亡くし、ジェイは悲しみに暮れていた。そんな彼女を、さらなる悲劇が襲う。父とジェイが大切に守ってきたワイナリーを、継母が売ってしまったのだ。買い取ったのは、やはりワイン醸造業者のザック・ホランド。モデルのような体型をした、すばらしくハンサムな男性だ。これまでジェイは、最高のワインを造るという夢だけを胸に、恋愛や結婚にも関心を示さず男勝りに生きてきた。突然現れた男性に、長年の夢を邪魔されてなるものですか。ジェイは彼のもとで働きつつ、ワイナリーを取り戻す機をうかがった。だがふと気づくと、ザックを異性として意識し始めていて……。
  • ドクターのためらい
    -
    研修医のダヴィーナは丘の上から診療所の引っ越しを見ていた。今日は新しい雇い主の医師ローワンがやってくる日だ。彼女はこれからどうなるのか不安でたまらなかった。でも、挨拶を先延ばしにしていてもしかたない。ダヴィーナは診療所へ出かけ、ローワンに自己紹介した。ぶっきらぼうでなぜか視線も合わせてくれないが、都会的で洗練された彼は、とてもすてきに見えた。そのときのダヴィーナは知らなかった。ローワンが実は彼女をさがしていたことも、絶対に恋に落ちてはならない男性だということも。
  • 貴族嫌いのレディ 王宮への招待
    -
    ジョジーは格式のある旧家の生まれだが、家風になじめず、家族とは距離をおいて暮らしている。型にはめられたような生き方が大嫌いなのだ。ところが、マイペースな彼女の生活に変化が訪れた。彼女が勤める貴族の館の主が亡くなり、その親族のウィルが新しい主としてやってきたためだ。ジョジーが携わっている館内の観光客向け喫茶室の運営に、ウィルはあれこれと口を出しはじめた。そしてあろうことか、グレーの制服を着るよう彼女に命じる。お仕着せなんて我慢できない!ジョジーは制服に鋏を入れた。★ご好評いただいた〈王宮への招待〉第二弾をお届けします。イギリスの作家で、自他ともに認めるロマンチストのフィオナ・ハーパーが執筆しました。本作が記念すべき彼女の日本デビュー作品となります。どうぞお楽しみください。★
  • 星降る砂漠で
    5.0
    リーザは砂漠の中にぽつんとたたずむ廃屋の前でジープをとめた。人けのない土地は、写真家としての彼女を魅了してやまなかった。カメラを構え、夢中でシャッターを切る。だがふとしたミスで足をくじき、身動きがとれなくなってしまう。悪いことに、地平線には砂嵐が近づいていた。そのとき伝統的な衣装に身を包んだ男性が黒い馬に乗り、こちらにまっしぐらに向かってくるのが見えた。彼は馬からひらりと降り、リーザを軽々と抱きあげた。この見知らぬ男性はいったい誰?助かるためには、リーザは彼にしがみつくほかなかった。
  • 十五年目の告白
    -
    エイミーは医師として忙しく勤務する今でも、高校時代の同級生、ザックのことが忘れられずにいた。彼とは化学の実験のパートナーというだけの関係で、教室以外では話したことさえなかったけれど。一度でいいから彼のバイクに乗せてもらいたかった……。そんなことを考えながら出勤中、自動車事故に出くわし、エイミーは負傷者の状態を調べていた。「動かすんじゃない」低い声が聞こえて顔を上げると、バイクから降りてきた男性が、ヘルメットの奥から強烈な光を放つ瞳で見つめている。エイミーの全身に、十五年前と同じおののきが走り抜けた。
  • 危険な招待
    3.0
    ある絵画展のオープニングパーティで、ロミリーはネイラー・カーデルという男性に出会った。母親の知人と親しい間柄で優秀なビジネスマンらしいが、話してみると傲慢で無愛想で、ロミリーは腹立たしさを覚えた。もともと男性にはなんの期待もしていない。自分と付き合いながらほかの女性とデートしていた元恋人や、浮気を繰り返して母親をひどく傷つけた父親を見てきたからだ。だが、ネイラーに見つめられると、なぜかロミリーの胸はざわめいた。私は男性に惹かれたりしない。彼のなにが特別だというの?★ジェシカ・スティールの新作をお届けします。母を支えてけなげにふるまうロミリーの姿には胸を打たれます。★
  • 恋はノン・ストップ
    -
    夜ふけのニューヨーク。クレアはナイトクラブ〈ザ・ジャングル〉に足を踏み入れた。人類学の教授になったばかりの彼女が選んだ研究テーマはずばり“夜間の男女の出会いについて”だ。魔法のスカートをはいて、自分が実験台になり、クラブに集う若者を片っ端からリサーチしよう。そう考えたが、店の用心棒からつまみ出されてしまった。彼女に男たちが群がって店を大混乱に陥れたからだ。クレアは催眠術にでもかかったように用心棒の姿に見とれた。そして思った――私って、恋をしたことがあったかしら?★スカートのおかげで見事、マンハッタンの豪華なアパートに住むことになった三人の女性たち。今回は地味で学問一筋のクレアが主人公です。RITA賞受賞作家クリスティン・ガブリエルが上質の現代のおとぎばなしに仕立てました。★
  • ナポリの悪夢
    3.7
    親友のパットに料理の腕を見込まれたサラは、彼女とその夫が企画した船舶旅行に、シェフとして同行していた。旅行も大詰め、明日はいよいよイギリスに帰るという日、マリョルカ島に寄港した一行の船の隣に、豪華なクルーザーが停泊する。クルーザーの所有者はものすごくゴージャスな男性らしく、夜に行われる最後のパーティに彼も招待したと、パットは言う。サラは興味なく親友の話を聞いていたが、現れた男性を見て愕然とした。グイード・バルベリ……二度と会いたくなかった、かつての夫だ。言葉もなく立ちつくすサラに向かって、グイードは笑みを浮かべた。まるで獲物を見つけた獣のように。

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