小説・文芸 - オリオンブックス作品一覧

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  • 罠を跳び越える女
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    1巻110円 (税込)
    【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。「茶粥の記」亭主に先立たれた妻と姑。亡夫は食通で通っていたが、ご馳走はほとんど食べたことがなかった。郷里への途中寄った温泉宿でこれからの姑との暮らしを思いやる。「凍雲」一度は結婚したものの親の反対で引き裂かれた夫婦。しかしお腹には赤ん坊が。何とか親を説得しようとする二人だが……。「反逆」夫に死別したお松は貧困で食うや食わずの生活だった。それを助けたのは教会の神父。しかしそれは単に利用されただけであった。しかしお松は娘の病気が神の奇跡で治ることを信じて……。「罠を跳び越える女」槙子は銀行の事務員。しかしある活動をしていた。それが上司にバレて勤めをエサに説得されるが……。たくましくしたたかに生きていく女性を描いた作品。文壇デビュー作。短編四本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 旅役者の妻より
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    1巻110円 (税込)
    【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。女中奉公のぎんは42歳。器量が悪いが愛想がよく働き者である。質素に暮らして他人を疑うこともないので金の無心をされても工面してしまう。「鴻ノ巣女房」。旅役者に惚れて一緒になったが、親からは勘当され戻る家も無い。病気や貧乏から親兄弟に無心せざるを得ない女の悲哀「旅役者の妻より」。妻を亡くし、愛人だった女を家に迎え入れた父。家族の複雑な心情をつづった作品「父」。三本を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • とむらい機関車
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    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編四本を収録。「とむらい機関車」事故が多い機関車にまつわる話。七日ごとに豚を轢いてしまう機関車。いったい何があるのか。やがて悲しい結末が……。「白妖」箱根でひき逃げした車は有料道路へ。しかしそこでなぜか車は消えてしまう。果たしてどこへ行ったのか。弁護士大月が犯人を推理する。「花束の虫」若い資産家が断崖から突き落とされ殺された。目撃証言によると犯人は男だが……大月弁護士の推理が冴える。「幽霊妻」歳の離れた若い人妻。しかしなぜか離縁され自殺してしまう。それ以来死んだはずの妻が現れ、別れた夫は殺されてしまう。幽霊となった女が復讐に現れたのか。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • パノラマ島綺譚
    3.0
    日本の探偵小説界に大きな足跡を残した江戸川乱歩の作品。貧乏小説家の人見廣介と大富豪の菰田源三郎はうり二つであった。源三郎が死んだことにより廣介は成りすましを考える。果たしてそれはうまく実行され、念願の芸術を完成させるためある島をパノラマ島へ大改造してしまう。目くるめく壮大で華麗な島。やがて完成間際というとき、源三郎の妻が疑念を抱く。果たして夫は本物の夫なのか。想像の極地のパノラマ島で起こったこととは……。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 春琴抄
    -
    盲目でありながら天才的な三味線の技量を持つ春琴と丁稚奉公の佐助。類いまれな美貌でありながらわがままで高慢な春琴。どんな仕打ちにも耐える佐助。やがて何者かが春琴の屋敷に侵入し熱湯を浴びせてしまう。醜く焼けただれた顔を誰にも見せたくないと言うと佐助は自ら針で自分の目を潰してしまう。過去何度も映画化や舞台化された作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 神楽坂
    -
    1巻110円 (税込)
    【矢田津世子】女性視点から書かれており、まさに女流作家と呼ばれるにふさわしい。川端康成から女優になるように勧められたほどの美貌の持ち主。文章力を兼ね備えた女流作家として人気を集めた。坂口安吾の恋人とされる。「女心拾遺」若い頃から放蕩三昧だった70歳近い唐沢。そんな夫を諦めといたらなさと自分を責めてきた妻。しかし若い女中との関係を知ると複雑な嫉妬心がわき起こる。「神楽坂」第3回芥川賞候補。神楽坂に住む高利貸しの馬淵。本妻と妾、その周りの女達。人物たちの生き生きとした心情、思惑、哀しさを描いた作品。「く女抄録」寿女はせむしであった。刺繍の才能を見いだされ師匠のもとで修行するが、若くして死んでしまう。その遺作は傑作であった。不幸な女の人生を繊細に情感豊かに描いた作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 闖入者
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    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「闖入者」富士山の裾野の別荘で画家が死亡した。しかし発見された部屋からは見ることのできない富士山が描かれていた。これはダイイングメッセージなのか。妻とその愛人が殺したのか。または事故死か。「デパートの絞刑吏」ある夜、デパートの宿直員が殺されビル下へ投げ落とされた。その死体のそばにはデパートから盗まれた高価なダイヤのネックレスが……。強盗殺人なのか。青山喬介の名推理がさえる。「灯台鬼」海中に突きだした岬に立つ灯台で濃霧の夜の異変。灯台の頂上で男が殺され、大岩が暴れまくったように転がっている。それは幽霊か化け物か、人間の手ではとうてい運ぶことはできそうにない大岩。水産試験所の東屋が洞察する。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 死の快走船
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    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「三狂人」古い精神病院で起こった殺人事件。犯人は三人の患者たちか。警察は捜索するが犯人と思われる患者は列車にひかれて死んでしまう。恐ろしい結末に思えたとき、松永博士の推理で事件は動く。「三の字旅行会」東京駅の赤帽をしている伝さんが友達からあること聞かされた。しんみりと感動してしまうようないい話。これを誰かに話したくてしようがない。しかしそれは……。「死の快走船」深夜のヨットセーリング中に殺人事件。発見されたのは元商船の船長だった男。岬の先端に建つ白亜の豪邸に移り住んでいたキャプテン深谷。私は水産試験所の東屋三郎と一緒に捜索に向かう。外部の人間の犯行なのか。しかし東屋が意外な着想から犯人へたどり着く。果たして犯人は誰か、またその動機は?※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 香水紳士
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    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「銀座幽霊」銀座の煙草屋の二階で女同士のトラブルから殺人事件が発生した。それを向かいのカフェの女給たちが目撃する。駆けつけてみるとなんとも不可解な現場であった。果たして自殺か他殺か?犯人は?「坑鬼」ある炭鉱で発生した火災。逃げ遅れた峯吉が閉じ込められた。そして次々と殺される人々。それは峯吉の復讐なのか。いったい犯人は誰?そしてどうやって殺されたのか。菊池技師の鮮やかな推理。「香水紳士」列車の乗り合わせた紳士は何者?16歳の少女が推理を働かせて大活躍。ハラハラドキドキの愉快な物語。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 最終戦争論
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    【石原莞爾】(いしわらかんじ)日本の陸軍軍人。最終階級は陸軍中将。軍事思想家としても知られ「帝国陸軍の異端児」。「人類の闘争心は、人類のある限り恐らくなくならないであろう。闘争心は一面、文明発展の原動力である」東洋の王道主義と西洋の覇道主義の衝突は不可避だったのか。人類の歴史は持久戦争と決戦戦争を繰り返している。しかし決戦兵器の登場により最終戦争がおこると予言。それは核兵器のことなのか。「次に訪れる決戦戦争こそが、最終戦争である。この戦争をもって、世界が統一され、国家の対立がなくなり、戦争がなくなる」果たして人類の念願、平和な世の中が到来するのか。「新日本の進路」を収録。
  • 気狂い機関車
    -
    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「カンカン虫殺人事件」造船所の作業員が殺された。心臓を一突きされ縛られた挙げ句、身体中が傷だらけの無残な死体。名探偵青山喬介が謎を解き犯人を追い詰める。「寒の夜晴れ」 クリスマスイブの夜、教師の妻と従弟が殺された。やってきたのは悪魔のサンタクロースか。家の周りは降り積もった雪。足跡は一筋のみの密室殺人事件。謎がとけるとき悲しい結末。「気狂い機関車」駅の操車場で連続殺人事件発生。線路に沿って血痕が残されているのはなぜか。機関車の暴走は食い止められるのか。名探偵青山喬介の推理が冴える。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • あやつり裁判
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    1巻110円 (税込)
    論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「あやつり裁判」際どい裁判のたびに証言台にたつ謎の美女。はたして何者?名探偵の青山の推理が冴える。驚愕の真相を暴く。「石塀幽霊」ある暑い昼下がり、大きな屋敷の家政婦が殺された。逃げていく犯人を二人が目撃するものの、なぜか消えたようにいなくなってしまう。新人巡査が推理するが犯人はわからない。名探偵青山が解決する。「動かぬ鯨群」一年前に沈んだ捕鯨船の北海丸。それは鯨の祟りなのか。沈没した砲手の未亡人の元に現れたのは幽霊か。しかし誰かに殺され本当の死体となってしまう。手がかりを追って大海に乗り出す。水産試験場の東屋の鮮やかな推理。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 真珠塔の秘密
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    1巻110円 (税込)
    本格派探偵小説。それぞれ趣向が異なる短編三本を収録。台風の夜、ある家が放火されそこに住んでいた親子が殺された。そこには驚くべきトリックが……「琥珀のパイプ」。高価な真珠で作られた真珠塔が偽物とすり替えられた。どうやってすり替えたのか?果たして犯人は?「真珠塔の秘密」 少年たちの活躍で偽札偽造団を捕まえる。小さな証拠から推理する洞察力は見事「偽札事件」。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 愛のために
    -
    1巻110円 (税込)
    本格派探偵小説家。それぞれ趣向が異なる短編三本を収録。失業中の困窮している夫婦が偶然赤ん坊を預かってしまう。しかし母親は行方不明。かわいい赤ちゃんだが、主人は病気になりいよいよ生活に切羽詰まってしまう。なぜ母親は出てこないのか「愛のために」。別荘でそこの主人が死んでいる。ただの病死かと思われたがそこには意外な事実が……「青服の男」。高さ9メートル円筒形の奇妙な建物では大学教授が毒蜘蛛の研究をしていた。博士の死後出てきたノートに書かれていたことは。蜘蛛の大群の恐怖「蜘蛛」。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 真田幸村
    -
    真田幸村はなぜ豊臣方についたのか。それは家康との確執があった。天下の智将であり軍略家の父昌幸からの因縁。関ヶ原の戦いでは兄弟が東軍と西軍に別れて戦う深謀遠慮。大阪冬の陣では最重要な砦である真田丸を幸村は三千の兵で数万の大軍を退ける。家康から信濃一国と引き替えに勧誘されたが、あくまで豊臣に味方する。真田三代記。他にエッセイ「大阪夏の陣」を収録。
  • 斜陽
    2.0
    没落していくある貴族の家庭を描いた太宰治の代表作の一つ。「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」いつまでも悲しみに沈んではおられない。かず子は戦闘を開始する。「斜陽族」という意味の言葉を生みだすほどの影響力があった作品。日本版「桜の園」。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 女の決闘
    -
    ある日、ロシア医科大学の女学生のもとに決闘の手紙が届いた。関係している男の妻コンスタンチェからの拳銃での決闘の申し込みであった。しかし女学生は射撃の覚えがあるが人妻は手にしたこともない。コンスタンチェは町で拳銃を買って、撃ち方を教えてもらう。果たしてどちらが勝ったのか……簡素な文章で淡々と綴られていく森鴎外訳のオイレンベルク「女の決闘」。
  • 旨いものが食いたくなる本 一
    -
    篆刻家・画家・陶芸家・書道家・漆芸家・料理家・美食家などで知られる北大路魯山人の食に関するエッセイ集。第一巻は「明石鯛に優る朝鮮の鯛」「味を知るもの鮮し」「甘鯛の姿焼き」「アメリカの牛豚」「鮎の食い方」「鮎の試食時代」「鮎の名所」「鮎ははらわた」「鮎を食う」「洗いづくりの美味さ」「洗いづくりの世界」「鮑の水貝」「鮑の宿借り作り」「鮟鱇一夕話」「生き烏賊白味噌漬け」「いなせな縞の初鰹」「猪の味」「インチキ鮎」「鰻の話」「美味い豆腐の話」の二十話を収録。
  • 桜の樹の下には
    -
    1巻110円 (税込)
    「ある心の風景」喬は女から悪い病気をうつされ京都の街を彷徨する。憂鬱で退廃的な心の中にひとつの安らぎを得る。鈴の音に癒やされるのだった。「ある崖上の感情」あるカフェで二人の青年が知り合う。崖の上から開いている窓をのぞき他人の生活やベッドシーンを見る。俺と同じ欲望で崖の上へ立つようになった俺の二重人格だ。俺がこうして俺の二重人格を俺の好んで立つ場所に眺めているという空想はなんという暗い魅惑だろう。俺の欲望はとうとう俺から分離した。「桜の樹の下には」桜の樹の下には屍体が埋まっている!美しいものにも常に死があり、そしてまた生につながっていることを理解したとき不安から解放される。梶井基次郎の珠玉の3編を収録。
  • 短編集
    -
    芥川龍之介の短編集「カルメン」「英雄の器」「犬と笛」「お時儀」「おしの」の五編を収録。いずれの作品も心の変化を描いている。人生の皮肉と教訓を感じられ、短編ながら読み応えがある作品集。
  • 野分
    -
    1巻110円 (税込)
    白井道也はどこに行っても長くは続かない教師である。東京へ出てきて何とか編集者の仕事をして食いつないでいた。結核の高柳と裕福な中野は学生時代、道也を追い出した教え子たちであった。孤高な理想を持つ道也は貧窮のあまり借金をするが……。後半、道也の迫力の演説に聴衆は圧巻される。見事な大団円に爽快な読後感。
  • 奇怪な再会 馬の脚 魚河岸
    -
    1巻110円 (税込)
    「奇怪な再会」お蓮は陸軍将校の牧野が囲った妾。昔、恋しい男がいたが、生き別れになっていた。易者からは、「その男とは二度と会えない。しかし東京が森に変われば会える」と言われ、信じるようになる。やがてお蓮の元に白い犬が迷い込んでくるとお蓮は狂気と幻想を見るようになる。果して犬は何かの生まれ変わりなのか。「馬の脚」「魚河岸」不思議な短編三話を収録。
  • 秋 或阿呆の一生 影
    -
    1巻110円 (税込)
    信子は女子大学の頃から才媛だった。誰からも作家になるものと思われていた。しかし妹のために従兄の俊吉との結婚を諦め、大阪の会社員へ嫁いでしまう。新婚当初は仲の良かった夫婦もだんだんとすれ違うようになる。久し振りに訪れた妹夫婦宅、そこには俊吉しかいなかった……「秋」。他に「或阿呆の一生」「影」を収録。
  • 硝子戸の中
    -
    1巻110円 (税込)
    「硝子戸の中から外を見渡すと、霜除けをした芭蕉だの、赤い実の結(な)った梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼につくが、その他にこれといって数え立てるほどのものはほとんど視線に入ってこない。」胃の大病を患って外出もままならない漱石が、書斎の中で静かに人生と哲学を語った漱石最後の随筆集。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 津軽
    -
    1巻110円 (税込)
    「なぜ旅に出るの?」「苦しいからさ」太宰治の自伝的小説。出版社からの依頼で幼少期を過ごした青森県津軽地方を旅する。思い出を交え当時の世相や風景歴史的な考察をしながら旅する。行く先々で大酒を飲む太宰の姿が痛快。真面目にその町の歴史やエピソードを語りながら、実家や親戚、兄弟とのやりとりの中に太宰の心情、原点がしのばれる。そして幼少の頃、育ててもらった「たけ」との感動の再会。
  • 山浦清麿
    -
    江戸時代末期の刀工。山浦清麿の苦悩と波瀾万丈な人生を描く。信州から江戸に出て刀工の修行を積みやがて江戸の名工として知られるようになる。佐久間象山との出会い、吉田松陰との交流があった。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 蔦の門
    -
    1巻110円 (税込)
    岡本かの子短編集。圧倒的な情景描写と心理描写によってまさにキラリと光る珠玉の五編。「鮨」鮨屋の娘ともよは先生とよばれるその男が気になっていた。ある日偶然町で先生を見掛け、身の上話を聞いたのだった。鮨にまつわる話とは……。「東海道五十三次」東海道の魅力にはまった男は言う「東海道というものは山や川や海がうまく配置され、それに宿々がいい工合な距離に在って、景色からいっても旅の面白味からいっても滅多に無い道筋」読むほどに旅情がそそられる作品。「蔦の門」近所のいたずら娘ひろ子は家の蔦をむしっては老婢を困らせていた。しかし早くに両親を亡くし境遇が似ていることから二人は心を通わせるようになる……。「鶴は病みき」 避暑の為訪れた鎌倉での芥川龍之介とのひと夏の交流を描いた作品。偉大なる文学者芥川龍之介の意外な一面とは。「老妓抄」永年の辛苦で財産もできた。老妓の小そのは言う「何人男を代えてもつづまるところ、たった一人の男を求めているに過ぎない……」小そのは電気技師の若い柚木を自分の家に住まわせる。そのうち養女のみち子が柚木に興味を持ち始めるが……「仕事であれ、男女の間柄であれ、混り気のない没頭した一途な姿を見たい」老妓はそう願うのだった。著者岡本かの子の夫は漫画家岡本一平、息子は岡本太郎。
  • 家なき子 上
    -
    8歳のルミは優しいお母さんと幸せに暮らしていましたが、たいへん貧乏だったのでお父さんがケガをした時、捨て子だったことを知らされ、旅芸人の一座に売られてしまいます。しかし親方は意外にもやさしくて、ルミにいろんなことを教えてくれます。困難なことや苦労な目に逢いながらハラハラしますがルミは乗り越えていきます。はたしてルミはどうなってしまうのでしょう。
  • 青年
    -
    1巻110円 (税込)
    作家志望の青年小泉純一は、上京して有名な作家を訪ねたり、医科大学生大村に啓発されたりして日々を過す。ある日、ふとしたことで坂井未亡人と知り合う。本を借りるという名目で訪れるうち箱根に誘われる。夫人を忘れられない純一だったが、夫人が美しい肉体の持ち主にすぎないと感じた時純一は、今こそ何か書く決意をするのであった。色んな経験をして、成長していく青年の姿を描いた森鴎外の青春小説の代表作。夏目漱石の「三四郎」に触発されて書いたとされる。
  • わかれ道
    -
    1巻110円 (税込)
    現代語訳で読みやすい!夭折した天才作家、樋口一葉。これまで読みにくかった作品を現代語に翻訳しました。孤児の吉三は町内の暴れん坊だが背が低いのでみんなから「一寸法師」とバカにされている。仕立て屋のお京はそんな吉三を弟のように可愛がる。姉弟愛のような純愛と孤独な吉三の心情の吐露が切ない。物語は唐突に終ることで余韻が残り、今後の行方が気に掛かる。
  • 草枕
    3.0
    1巻110円 (税込)
    「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」という文章で始まる有名な作品。洋画家の主人公が山中の温泉宿に滞在する。そこには美しく謎めいた那美がいた。どことなくユーモラスな文体の中にも漱石の物の見方やとらえ方が描かれており味わい深い。この作品は読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 墨東綺譚
    -
    1巻110円 (税込)
    永井荷風の最高傑作の一つ。美しい情景描写に当時の風景、風俗が生き生きと蘇る。ある日小説家の大江匡はお雪と出会う。お雪は玉ノ井の娼婦ながら、可憐で美しい女性。大江はたびたび通い、お雪は「おかみさんにしてほしい」と言われるが、「資格がない」と断ってしまう。過去何度も映画化された作品。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • この子
    -
    1巻110円 (税込)
    現代語訳で読みやすい!夭折した天才作家、樋口一葉。これまで読みにくかった作品を現代語に翻訳しました。結婚当初は仲が良かった夫婦がすれ違いで険悪になったとき子供を授かる。夫婦再生のお話。裁判官の夫と結婚した私だが、強情でわがままなため、結婚生活に不満が募る。そのうち夫は外で遊ぶようになりますますすれ違いの日々。離婚して実家へ帰りたいと願っていたのだが……しみじみと心にしみる深いお話。
  • うつせみ
    -
    1巻110円 (税込)
    現代語訳で読みやすい!夭折した天才作家、樋口一葉。これまで読みにくかった作品を現代語に翻訳しました。美しい名家の一人娘雪子。彼女に許婚者がいるにも関わらず愛してしまった植村録郎。周囲の人々により仲を引き裂かれ、自殺した録郎を想うあまり精神を壊してしまう雪子。食事も摂らなくなり、やせ衰えながらも許しを請う姿は痛ましくも美しい。
  • 睡魔
    -
    1巻110円 (税込)
    蘭郁二郎ミステリー集。四話収録。湘南のサナトリウムで治療する結核患者たちに迫る死の恐怖。魅力的なマダム丘子に刺青を描く恋と芸術に狂った男。丘子は殺されたのか、そして丘子の秘密とは……「虻の囁き」。他に「睡魔」「足の裏」「鱗粉」。
  • 日輪
    -
    1巻110円 (税込)
    横光利一の初期の作品。「ああ、地上の王よ、我を見よ。我は爾らの上に日輪の如く輝くであろう」その美貌を武器に邪馬台国の女王になった卑弥呼。さまざまな国の権力者たちが卑弥呼を奪い合う。格調高い文章とセリフを楽しめる。女王になる前の卑弥呼を描いた冒険、恋愛小説。
  • ガリバー旅行記
    -
    イギリスのガリバー船長による冒険物語。四話からなるお話。小人の国リリバットや巨人の国ブロブディンナグを旅します。三話は空中都市ラピュタのお話。ガリバーはなんと日本へも来ます。四話は馬の国。ガリバーは住み続けたいと願うのですが……。
  • 古事記物語
    -
    1巻110円 (税込)
    日本創世の物語。さまざまな神さまが生まれ、そして日本という国を造っていった。愛する妻を探しに黄泉の国へ旅する男神。しかし約束を破って復讐される有名なイザナミとイザナギ「女神の死」。アマテラスが天の岩屋に隠れて世界は暗黒に包まれる「天の岩屋」。スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する「八俣の大蛇」など日本人として一度は読んでおきたい古事記。
  • 長ぐつをはいた猫
    -
    三番目の息子がもらったのは猫でした。だけど長ぐつをはかせると猫が大活躍!魔法使いを相手にどうやって勝つのでしょうか。※この作品は楽しい挿絵イラスト入りです。
  • 母をたずねて三千里
    -
    イタリアの少年マルコが母をたずねて、はるばる大西洋を渡りアルゼンチンへ旅する物語。しかしお母さんとは行き違いになり、なかなか会えません。マルコはどうするのでしょう。それでも負けずに周りの人たちにも助けられ旅を続けます。アニメ化や映画化された作品。
  • 顎十郎捕物帳 一
    -
    1~6巻110~220円 (税込)
    仙波阿古十郎は特異な容貌の持ち主。長大な顎ゆえ顎十郎と揶揄される。甲府勤番していたが、飽きては辞めてしまいその後、北町奉行所に勤めるがあまり仕事はしない。その代わり難事件を解決しては筆頭与力の叔父に小遣をせびるナマケモノ。実は卓越した推理力を持つ名探偵だった。顎十郎が鮮やかに解決する。「捨公方」「稲荷の使」「都鳥」「鎌いたち」の四話を収録。
  • 剣の四君子 小野忠明
    5.0
    多数の敵に囲まれても決して負けることはなかった剣の達人。若き神子上典膳は伊藤一刀斎に試合を挑み散々打ちすえられ、自分の未熟さを知り一刀斎に弟子入りし剣を学ぶ。兄弟子の善鬼を破り後継者に選ばれ徳川家に推挙される。柳生但馬守とは好敵手だった。柳生家と並び徳川家の剣術指南役となる。柳生家と違うのは激しい稽古にあった。ただひたすら剣の道に生きた生涯。
  • クリスマスキャロル
    -
    守銭奴のスクルージは人間嫌いで他人からも嫌われている老人。クリスマスの夜、三人の精霊(幽霊)達がスクルージに過去、現在、未来の自分を見せる。スクルージは過去を思い出し反省し、未来の自分の孤独な死を恐れ、目覚める。一夜にして生まれ変ったようにスクルージは世の中の全てが素晴らしいものと気付く……。何度も映画化された作品。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 剣の四君子 林崎甚助 高橋泥舟
    -
    林崎甚助。居合の始祖。百日の山籠もりの鍛錬により神の域に達したと言われる。謎多き剣客だが、林崎夢想流として今でも不滅の光茫を放つ。高橋泥舟。幕末の武士。勝海舟、山岡鉄舟と並んで「幕末の三舟」と称される。幕末の剣雄中に、彼の槍法が断然異彩をもって他の追随をゆるさなかった。槍一つに修行を積んだ人生。二話収録。
  • 鳴門秘帖 上方の巻
    -
    1~6巻110~220円 (税込)
    幕府転覆の野望を抱く阿波の徳島藩主。 10年前に潜入した隠密の世阿弥は行方しれず。 真実をつかむため隠密で剣の達人法月弦之丞と阿波藩士たちの戦いを描く。
  • 剣の四君子 柳生石舟斎
    -
    天下無双、柳生新陰流の始祖、宗厳(むねとし)。幼少より体が弱かった彼はいかにして生き延びたのか。他家へ人質となりながら勉学や武道に励み柳生家を存続させる。徳川家康には師範役として五男の宗矩を差し出すなど子孫の栄達を願う一面もあった。死ぬまで努力、工夫、研鑽を続けた剣の名人の人生。
  • 夢鬼
    -
    1巻110円 (税込)
    血の滲む努力で花形曲芸師になった黒吉。彼は空中ブランコで飛んでいる時予知夢をみることができた。一座の花形で妖精のように魅力的な葉子と幸せな未来を見たいが無理して飛んで片足を失ってしまう。新しい仕事は航空研修所のパラシューター。過酷な運命の黒吉、最後は幸せな気持ちになって飛ぶ。
  • 双子の星
    -
    1巻110円 (税込)
    「双子の星」双子の星のチュンセとポウセは夜の間は銀笛を吹くのが役目でした。ある朝、大烏と蠍がケンカをしてお互いにケガをしてしまいます。チュンセとポウセは彼らを介抱して家に送ってやるのですが、役目の時間がだんだん迫ってきます……。「月夜のでんしんばしら」ドッテテドッテテ、ドッテテド。ある夜、恭一は線路脇を歩いているとでんしんばしらが列を組んで行進していました。電気の大将が号令をかけています。2話収録。
  • 恐怖の口笛
    -
    1巻110円 (税込)
    覆面探偵・青竜王が活躍する。東京で吸血鬼による連続殺人事件が発生。そこには必ず口笛の音が聞こえる。美しき女優赤星ジュリアとは何者か。そこへ凶賊・痣蟹仙斉が海外から帰ってきた。果して吸血鬼の正体は?
  • 小公女
    2.0
    大富豪の家に生まれたセーラは7歳の時、インドからイギリスの女子学校に入学し寄宿生として生活する。聡明で心優しいセーラは友だちと仲良く暮らしていたが11歳の誕生日のときに父の死の知らせと共に無一文になってしまう。周囲は手の平を返したように冷たい仕打ちをするようになるが逆境にもめげず、強い正しい心を持って生きていく姿を描く。けなげに前向きに生きていくセーラがいじらしい。はたしてセーラはどうなるのでしょう。世界中で愛される名作。
  • 地球を狙う者
    -
    海野十三のSF短編集。「火星には高度な文明を持つ生物がいる」大隅圭造は離れ小島の地震観測所への赴任中に火星研究の轟博士と美人助手のサチ子と知り合う。やがて孤島では不可解な事件が発生。博士の残したメモには既に火星人が地球に侵略を始めていると書かれてあった。表題作「地球を狙う者」。他に「ある宇宙塵の秘密」「軍用鮫」「脳の中の麗人」「遊星植民説」を収録。
  • 悪夢 童貞 未亡人
    -
    1巻110円 (税込)
    「悪夢」都会で毎日、忙しく働き、満員電車で家の戻り、ただ食べて寝るだけ生活。毎日同じ生活に、ある日凶悪なものがわき上がる。「童貞」ある日童貞を捨てて帰宅すると今までは何か違って見えた。大人への一歩近づいた男の感情。「未亡人」守山千賀子は私を見るといつもくすぐったいような表情をする。いったい好かれているのか嫌われているのか……。政治家の夫に先立たれ10歳も年下の高木を玩具にする。奔放な未亡人の話。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 河童 首が落ちた話
    -
    1巻110円 (税込)
    「河童」芥川龍之介の晩年の代表作。当時の日本社会を風刺したと言われている。ある精神病院に入院している患者が、河童の国へ迷い込んだ話をする。奇妙な面白さの中にも考えさせられる河童の社会とは。「首が落ちた話」戦争で敵に遭遇し首を切られ、走馬燈のようにこれ迄の人生を振り返りひどく後悔する。もし助かったら罪を償いたいと誓う……のだが。
  • ああ玉杯に花うけて
    -
    1巻110円 (税込)
    幼い時に父を亡くし、豆腐屋を営む叔父を手伝って暮らす主人公の青木千三。千三と首席を競い合い、浦和中学へ進んだ柳光一との友情を軸にお話は進みます。貧困、いじめにくじけそうになりながらも、たくましく乗り越えていく。志を高く持つ少年たちにすがすがしさを感じる。昭和初期の作品ながら、時代をこえて訴えかけてくる少年文学の傑作。
  • 大塩平八郎
    -
    大坂町奉行所の与力を務め、その後隠居して陽明学を学ぶ。清廉潔白な平八郎は、天保の飢饉に際して、私財を投げ打って苦しむ者を助けようとしたが聞き入れられず腐敗した役人や豪商などをを懲らしめるため立ち上がった。史実を元に大塩平八郎の乱のその日を中心に描かれた作品。読みやすくするため現代の言葉に近づけました。
  • 変身 判決
    -
    ある朝目覚めると巨大な虫に変身していた男と、その家族を描くフランツ・カフカの代表作。もし自分がある日起きたら、虫になっていたらと思うとぞっとする。いろいろな示唆に富んでいる不条理な作品。他に「判決」を収録。
  • アンデルセン童話集
    -
    1巻110円 (税込)
    チューリップから生まれたおやゆび姫。いろんな冒険をして花の国の王子様と結婚して幸せになるまでを描く。アンデルセン童話のうち「赤いくつ」「おやゆび姫」「マッチ売りの少女」の三話を収録。
  • パンドラの匣
    -
    1巻110円 (税込)
    「健康道場」と称するある療養所で病いと闘っている二十歳の男の子から、その親友に宛てた手紙の形式になっている作品。そこで働く竹さんとマア坊との恋心。回りの人々との交流を通して描かれる手紙形式の文面を通して主人公の心の動きや親友に対しての表面的な説明や言い訳の中に本音が見える仕掛けになっている。太宰治には珍しい明るく希望にみちた青春小説。過去に何度も映画化されている。
  • 美少女 桜桃 帰去来
    3.0
    1巻110円 (税込)
    「美少女」妻と一緒に甲府の大衆浴場に出掛けた私はそこで青い桃実のような美しい裸体の少女を見た。その感動と後日談。「桜桃」「子供より親が大事」ではじまる父親の苦悩と夫婦のすれ違いのお話。妻から言われる「涙の谷」も切ない。「帰去来」ある事情で故郷の津軽に顔向けできない主人公。それを北さんと中畑さんが相談して実家の母親に会わせてやる心温まるお話。自伝的小説。
  • 仙人桃太郎魔術
    -
    1巻110円 (税込)
    努力すれば願いは叶う。人生には死や苦がつきものだが、それだからこそ生きていることのありがたさや、楽しむことを知ることができる「仙人」。誰もが知っているお話を芥川龍之介が皮肉った内容で価値観が変わるお話「桃太郎」。「魔術を使おうと思ったら欲望を捨てなければならない」人間の欲望と幻想的な内容。どんでん返しで爽快な「魔術」。
  • カインの末裔
    -
    1巻110円 (税込)
    北海道の厳しい大自然の中で、もがく農民たち。野生児、広岡仁右衛門。彼は真面目に働けば誰よりも大金を儲けることができるのだが、不幸が重なり何もかもうまくいかなくなる。生きていく厳しさ、そして凄まじい描写で最後まで目が離せない。アダムとイブの息子、カインのようにどこまでも彷徨の人生を歩むのが、広岡仁右衛門であり、我々なのか。
  • 治郎吉格子
    -
    天下の大泥棒、鼠小僧治郎吉の上方での活躍を描く。湯女のお仙と腐れ縁。長屋に住む極貧の父娘。との出会い。美しい娘、お喜乃の父は武士の頃、公金を盗まれた責任を取らされて今も借金返済に追われ、とうとう芸者に売られるか妾になるかの選択に迫られていた。それは昔、治郎吉が盗みに入った屋敷だった……。
  • 魚紋
    -
    かつて大名の側室だったお可久様と、取り巻きの男達。そこへ伝馬町の牢屋に捕まっている盗賊から隠された大金七百両のありかを知らされる。彼らは疑心暗鬼で策略をめぐらし、やがてお互い殺し合う。果たして生き残るのは……。
  • 脚

    4.0
    信州松代藩の農民彦太は、百姓一揆の首謀者として無駄に命を落としたくはなかった。大いなる志をもって江戸へ出てくるもあまりに堕落した世の中を見ることになる。それは江戸の往来を行く人々の脚だった。若き彦太の葛藤と希望。
  • 少年
    -
    1巻110円 (税込)
    主人公の堀川保吉の少年時代の回想記。幼い少年の保吉の目には海の色は青ではなかった。何かの時に幼い頃の思い出がよみがえる。芥川自身の少年期を描いたとされる作品。
  • 雪の女王
    -
    1巻110円 (税込)
    貧しい女の子ゲルダは雪の女王にさらわれたカイを取り戻すために旅にでます。たくさんの試練を乗り越え、雪の女王のお城にたどり着きますが、カイは……。はたして雪の女王の魔法はとけるのでしょうか。アンデルセン童話。読みやすくするため現代の言葉に近づけました。
  • 雲霧閻魔帳
    -
    天下の大盗賊、雲霧仁左衛門。とうとう捕まってしまうが、やり残したことに気がついた……ひと目娘に会いたい。しかし処刑の日は迫ってきている。親子の情を描いた珠玉の作品。
  • 女生徒
    4.0
    1巻110円 (税込)
    ある女生徒の、朝起きてから夜寝るまでの一日を描いた作品。思春期の女子の繊細な感情が独白形式で綴られる。目に映ることや気分が次々に移り変わる不可解な乙女心。現代の女性にも圧倒的な支持される太宰治の作品。
  • 番町皿屋敷
    -
    岡本綺堂版「番町皿屋敷」。江戸の番町が舞台。青山播磨とお菊は相思相愛だった。しかし主従の身分違いからなかなか結ばれない。そんなところへ播磨に縁談話が持ち上がる。それを知ったお菊は……。夜な夜な古井戸からお菊の幽霊が現れる。
  • アグニの神
    -
    1巻110円 (税込)
    上海で遠藤は行方不明になっている領事の娘、妙子を探していた。妙子はインド人の老婆に捕らわれていることを探る。しかし老婆は妖術使いでアグニの神がついていた。遠藤と妙子は策略をめぐらす。
  • 妖婆
    -
    1巻110円 (税込)
    芥川龍之介の怪談。妖婆に魅こまれたお敏、彼女を救いだそうとする新蔵と泰。新蔵とお敏の恋はどうなるのか。次々とおこる怪奇現象。ふしぎな術を使う妖婆との戦い。
  • 山椒魚
    -
    1巻110円 (税込)
    僕がまだ若い頃、夏休みに木曽へ旅したときの出来事。ある宿で女子学生二人が毒殺されてしまう。その事件の直前、山椒魚が部屋に放たれていた。果たして犯人は? 山椒魚がまるで恐ろしい女の姿かのようにみえる。
  • 鬼

    -
    1巻110円 (税込)
    治水、開墾工事に命を賭けた男。それは他人には鬼に見えた。農民たちから反感を買い、恨まれながらも鬼となっても困難を乗り越えていく。プロジェクトリーダーの孤独や信念、いかに生きるかを考えさせられる。
  • 女の決闘
    -
    1巻110円 (税込)
    人妻コンスタンチエが亭主の浮気相手と決闘する。浮気相手のロシア医科大学生、芸術家の亭主、三者からこの物語が描写される。森鴎外訳のオイレンベルグ「女の決闘」を太宰治が解説し更に新たな物語を創造する。太宰治の小説論が垣間見える。
  • 嘘

    4.0
    1巻110円 (税込)
    久助君のクラスに横浜から太郎左衛門という美しい少年が転校してきました。しかし太郎左右衛門は嘘ばかりつくのでみんなから相手にされなくなります。ある日みんなで遠くの浜まで大きなくじらを見に行くことになりました。
  • フランダースの犬
    -
    ネロとパトラッシュの愛と感動のお話。ベルギーのフランダースという片田舎。画家のルーベンスに憧れるネロ。しかし貧しいネロはお金を払って絵を観ることができません。唯一の希望はクリスマスに自分の絵が選ばれること。しかし……涙とともに、心が洗われるような美しいお話。
  • 死者の権利
    -
    1巻110円 (税込)
    金持ちの放蕩息子須山春一はカフェの女給小夜子に恋をする。しかし別れ話のもつれから殺してしまう。死人に口無しとばかり、小夜子は裁判で誹謗と中傷で散々おとしめられ、春一は執行猶予を勝ち取りますが……。
  • 一房の葡萄
    5.0
    1巻110円 (税込)
    絵を描くのが好きな少年はある日ジムの絵の具を盗んでしまう。しかし級友たちに見つかり大好きな若い女性教師に言いつけられる。少年の悲しみと教師の思いやりに心温まる。幼い少年だった頃の甘酸っぱい思い出が蘇る。
  • 生まれいずる悩み
    -
    画家への強い憧れ持つ木本。私は彼の持つ才能に驚く。しかし木本は家族のため北海道の実家に帰り、貧しい漁師で生計をたてる日々に追われる。北海道の厳しい自然と労働。その中で苦悩する青年の姿を描く。
  • クねずみ
    5.0
    クねずみは高慢でひがみ屋で自分が一番偉いと思っていました。エヘンエヘンというのが癖です。猫大将につかまって家庭教師に雇われますが……。宮沢賢治の楽しい童話。
  • どんぐりと山猫
    -
    ある日、山猫から、一郎の家にハガキが届きます。明日裁判をするので来てくださいという招待状です。山猫を訪ねてふしぎな世界で一郎が活躍します。一郎はどんな判決をするのでしょう。宮沢賢治の楽しい童話。
  • なめとこ山の熊
    -
    なめとこ山に小十郎という熊撃ちの名人がいた。生活のために仕方なく熊を撃つのだが、熊たちは小十郎のことが好きだった。ある日、木に登っていた熊を撃とうとすると二年待ってくれと言われる……小十郎はどうしたでしょう。
  • 悪魔の弟子
    -
    1巻110円 (税込)
    妻を殺すつもりが誤って不倫相手を死なせてしまった……しかし真相は。犯人からの検事に宛てた手紙には驚くべく内容が書かれていた。今は殺人犯と検事に分かれているが昔は……。本当に殺したのか、事故だったのか。
  • 途上の犯人
    -
    1巻110円 (税込)
    偶然列車に乗り合わせた男は推理小説家の私の本の愛読者。その男は完全犯罪を犯したと意外な告白をする。殺人の方法は私の本から学んだと言う。私は殺人教唆で共犯だと言われ……。痛快などんでん返し。
  • 黄昏の告白
    -
    1巻110円 (税込)
    大川竜太郎は昔、時代の寵児と持てはやされた戯曲家である。妻は美しい元女優。しかし妻は強盗に殺され失意の大川は服毒自殺を図り、瀕死の状態で病院に運ばれる。死ぬ間際に友人に明かしたの告白とは……。そして衝撃のどんでん返し。
  • 正義
    -
    1巻110円 (税込)
    強盗殺人で逮捕された森木国松の弁護人衣川柳太郎。清川純は森木の無実を主張する。確かな証人がいるが訳あって名乗り出られない。いかなる事があっても正義を遂行しようとする衣川弁護士。果たして殺人はあったのか。意外なラストに驚愕する。
  • 柳生月影抄
    -
    徳川三代将軍、家光の時代、天下は再び大乱の兆しがあった。柳生但馬守宗矩と四人の息子たち。柳生新影流を極めた長男十兵衛。そしていずれも個性的な男たち。そこへ謎の美女が現れる。
  • 阿部一族
    -
    江戸時代初期に肥後藩で起きた、家中の重職であった阿部一族が上意討ちで全滅した事件。武士の美風とされてきた殉死を描いた森鴎外の名作。読みやすくするため現代の言葉に近づけました。
  • 高野聖
    5.0
    山の中には驚くほど美しい女が住んでいた。 彼女には蛙、猿、こうもりなど様々なけだものたちが群がってくる。 女は僧を誘惑するかのような振る舞いに次第に心を寄せるが、そのとき知った真実とは……。泉鏡花の代表のひとつで幻想小説の名作。
  • 蝿

    -
    1巻110円 (税込)
    蜘蛛の巣にひっかかった蝿はかろうじて助かる……その蝿の目を通して描かれた状況を淡々とまるで映像を見るかのように鮮烈に描いた作品。 宿場にさまざまな事情を抱えた人々が集り馬車に乗るが、人間たちはみな死んでしまう。さまざまな解釈がある横光利一の名作。
  • 春は馬車に乗って
    -
    1巻110円 (税込)
    死期が迫った肺病の妻、献身的に尽くす夫。日々の生活のなかで二人はわがままやケンカをしながらも長い冬を乗り越え、鮮やかな春の訪れを繊細に描く。
  • 赤い船
    -
    1巻110円 (税込)
    露子は、貧しい家に生まれました。生まれつき音楽が好きで先生の弾くオルガンを聞いて遠い外国にあこがれます。 露子はお姉さまと一緒に海へ遊びに行った時、赤い船を見たことから家に帰っても赤い船のことを思うのでした。 日本のアンデルセンと言われる小川未明の童話。
  • 月夜とめがね
    -
    1巻110円 (税込)
    おだやかな月のいい晩。おばあさんがひとりで針仕事をしているとふしぎなことがおこります。 めがね屋さんがきたり美しい女の子がきたり……。 日本のアンデルセンと言われる小川未明の童話。
  • 赤いろうそくと人魚
    -
    人間の世界にあこがれた人魚のおかあさんはろうそく屋の老夫婦に娘を預けます。 美しい娘に成長した娘が描く赤いろうそくは評判となり、商売は繁盛しますが、欲に目がくらんだ老夫婦はしかし香具師に娘を売ってしまいます。 日本のアンデルセンと言われる小川未明の童話。
  • 和太郎さんと牛
    -
    1巻110円 (税込)
    お酒が好きな和太郎さんは、とてもよい牛を持っています。和太郎さんが酔ってもちゃんと家に連れて帰ってくれます。 ある日酒樽を運ぶ途中酒をこぼして牛に飲ませてしまいます。 和太郎さんも酔っ払ってしまい、行方不明に……翌日ふしぎな赤ん坊を授かります。新美南吉の童話。
  • 狐

    -
    1巻110円 (税込)
    お祭りの夜、新しい下駄を買った文六ちゃんは狐がつくと言われて仲間外れにされてしまいます。 それを聞いたお母さんは何と言ったでしょう。 お母さんの子供を思う気持ちがよく表れているお話です。
  • 花のき村と盗人たち
    -
    1巻110円 (税込)
    ある日、花のき村に五人組の盗人がやってきました。 だけどかしらの他は新米の盗人ばかり。かしらは村の人達から歓待され心を入れ替える。 牛を預けた子どもは誰だったのでしょう。 新美南吉の心温まる童話。
  • 大谷刑部
    3.5
    関ヶ原の合戦、なぜ大谷吉継は不利な石田三成に味方したのか。 三成との幼いころのエピソードからわかる二人の心意気。友のために一緒に戦うことを選んだ男の友情。
  • 夫婦善哉
    -
    1巻110円 (税込)
    17歳の時、自ら進んで芸者になった蝶子。 化粧品問屋の柳吉に一目惚れ、しかし31歳の柳吉は妻子持ち。 一緒に暮らすが蝶子が必死で稼いだ金を柳吉が放蕩してしまう。 商売を転々とするがちっとも長続きしない男になぜ蝶子は惚れたのか。 たくましく生きる大阪の庶民を描いた織田作之助の代表作のひとつ。
  • 地獄変
    -
    1巻110円 (税込)
    「見たものでなければ描けませぬ」良秀は、地獄絵図を描くために弟子を鎖で縛り上げ、梟につつかせる。しか描けぬところがある。燃え上がる牛車の中で焼け死ぬ女房の姿見たいと願う。 果たしてそこに見たものは……。

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