作品一覧
-
4.0「殺人鬼」美しき依頼人の登場から幕を開ける連続殺人事件。立ち向かうは名探偵藤枝真太郎と小川のコンビ。しかし大富豪の秋川家で家族が次々と殺されてしまう。果して犯人は誰なのか、二転三転する犯人像。稀代の天才殺人鬼に対する藤枝。冴える推理。動機は?果して生き残るのは誰か?日本推理小説の歴史に金字塔を立てた傑作。途中、ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」のネタバレあり。他、意外な結末やどんでん返し。日本の推理小説に影響を与えた全十話を収録してお値段もお得な合本版。収録内容「殺人鬼」「彼が殺したか」「夢の殺人」「彼は誰を殺したか」「殺された天一坊」「正義」「黄昏の告白」「途上の犯人」「悪魔の弟子」「死者の権利」※この作品はイラスト入りです。
ユーザーレビュー
-
購入済み
純粋にミステリーで勝負
一見単純な殺人と、それに対する報復殺人が、終盤で二転三転する構成は、ミステリーとして現在でも通用する力を持っている。100年前の作品とあって言葉遣いや言い回しはやや古いがそれほどの違和感なく読みすすめることができる。この作者の他の作品のように法律家や作家としての自分自身を表に出さず、純粋にミステリーで勝負している所が良い。
-
購入済み
全く古さを感じさせない。
政治の目的とか 世論の動き 権力行使 と いわゆる「正義」について深く考えさせられる好短編である。江戸時代の大岡越前を題材にしているせいもあって、1世紀近く前に書かれた作品なのに全く古さを感じさせない。現代にも共通する重い課題を提示している。
-
購入済み
私小説?
100年近くも前の作品だけあって言葉遣いや舞台にやや古さを感じるが、それもあまり気にならないほど緊迫したやり取りが続く。推理小説としての出来よりも、作中に「検事、弁護士、探偵小説家」である自分自身を登場させ、社会正義を代表すべき検事、弁護士であるものが犯罪を助長する可能性がある探偵小説なんかを書いていいのだろうか と自問する気持ちをそのまま書いたようにも見える 点のほうが気になった。