小説 - 完結作品一覧
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3.8号泣度100%!! 【韓国で10万部突破】【ドラマ&映画化決定!】 母のいない少女ウニュのもとに、1982年を生きる別の少女ウニュから手紙が届く。その手紙には母を探しだしてくれるとあるが…。失った家族を取り戻すタイムリープ物語。 ●あらすじ 【第8回文学トンネ青少年文学賞大賞作品】 15歳のウニュは、自分に無関心な父と会話のない2人暮らし。生まれたときから母はおらず、どうしていないのかも父は教えてくれない。ある日、同じ名前の少女ウニュから手紙が届く。そのウニュは1982年に生きていると言う。最初はいたずらかと怒るウニュだったが、「幸運のコイン」をきっかけに、この不思議な手紙を信じるようになる。過去のウニュは、未来のウニュのために母を探しだし、なぜいなくなったのか調べてくれると言うが…。韓国で10万人が泣いた、失った家族を取り戻すタイムリープ物語。 この本に関わった人みんなが泣いた感動作!(翻訳者、編集者、画家、デザイナー) ●過去のウニュから未来のウニュへの手紙より あのね。あなたのお母さんは生きてるんじゃないかな? とにかく、私たちに想像もつかない何かが、どうしても知られたくない秘密があるのは間違いないと思う。 こうして違う世界に暮らしてる私たちが手紙をやり取りするってことは、私たちに特別な何かがあるってことかもしれないでしょ。だから、私がちょっとあなたの手助けをしてあげるっていうのはどう? 過去の中のあなたの両親を探して、あなたのお母さんの秘密を明らかにするの。あなたは私の未来に力を貸して。
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4.7“普通”と異なる孤児の児童保護施設や学校を運営する魔法青少年担当省・通称:ディコミーで、ケースワーカーとして働くライナスは、猫のカリオペと静かに暮らす、きちょうめんでまじめな中年男性。 そんな彼が、最高幹部から抜擢されて重大任務を任された。マーシャス島にある児童保護施設の謎めいた施設長アーサーと、個性豊かな6人の子どものようすを1カ月間観察し、施設が存続に値するかどうかを調べるという任務だ。 危険で重要な指令に戸惑いながら、しぶしぶマーシャス島へ行ったライナス。それは、かけがえのない出会いがもたらした大きな転機のはじまりだった── ライナスの成長を描く心温まる現代ファンタジー。
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-1980年、夜、霧の中の別れ。 さて今日は、何曜日だろう? 片岡義男の短編小説では、男女の出会いは路上で起きる。 それが再会、としての出会いであれば しかも完璧に偶然のそれであれば、 物語はめまぐるしく時をかけめぐる。とりわけ、過去の方へ。 路上での、偶然の、実に17年ぶりの邂逅。 2人には、これもまた偶然に、通りかかった友人によって あの日のスナップが残されていた。 それを所持しているのは女のほうだ。 しかし時はとまらない。男はオートバイ、女はマーキュリーで1人を生きる。 やがて、あたりを取り囲んだ濃い霧の向こうに去っていく。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-殺意と反射、その20年 20年。長い時間だ。20年かけて男は二人の女に会う。20年前は母親のほう。そして20年後の現在は娘のほう。二人は共に28歳である。20年前に自分の中に刻印されてしまった憎悪が男にはある。その20年前の出来事を描写するのに、〜た。〜た。〜た。の短いセンテンスをひたすら続けていく文体のアクションがすばらしい。さあそして20年後の今。男の憎悪はようやく解放の時を迎えるのだろうか。女も、男も、それぞれピストルを所持したその状態ではたしてどう展開するのだろうか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-人はなぜこれほどたやすく17歳に戻ってしまうのか? 再会があった。45歳、という中年の男女の再会。 実に28年ぶり、ということは、かつて二人は17歳だった。 人生における最も輝かしい年齢。その時初めて二人は「女」になり、「男」になった。 この小説の冒頭は、47歳から始まる。 つまり、再会からさらに少し時を経て、デートを重ねた地点なのだ。 女性から男性に贈られるプレゼントと、彼女から打ち明けられた話は30年の時を超えて彼を狼狽させる。 美しく、そしてどうしようもない狂おしい思いがそこにある。 いったい二人はこれからどうなるのか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ガイドブックでは語り尽くせない、本物の温泉の魅力に迫る大著。これまでに4000以上の温泉に浸かった「温泉教授」による、温泉愛あふれる読み物。 本書で取り上げる宿や温泉施設の数は700軒以上。日本各地の100以上の温泉地を、本のなかで巡るように紹介する。宿探しから温泉に入るときの作法、温泉街での外湯巡りや土産物紹介などを含めた「温泉場」を楽しむための極意が満載である。
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-明確な目的を持った彼は、まだその一言を発していない 元本は、ハワイをめぐる5つのラヴ・ストーリーが 収録された『頬よせてホノルル』。 ハワイにいる男の許に、日本から1人の女性がやってくる。 女性を歓待しながら、男には果たしたいと願うある目的がある。 しかしその瞬間はなかなか訪れず、 どういうわけか、空気銃や双眼鏡、古いラジオなど どこかアナログの匂いのある装置などを時間の中に散りばめながら ストーリーは展開していく。 彼はその一言をいつ、どのようなシチュエーションで発するのか。 答えはまだ、双眼鏡の彼方だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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4.2
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-誰にも知られることなく起こり、そして終わる 主人公は、およそ生活感のない一人の女性。彼女はピストルと、ピストルがもたらす狙撃に興味がある。しかしピストルの入手は日本では許されない行為だからカリフォルニアに渡ってピストルと、自分が持って生まれた狙撃の名手である、という事実を入手する。その後に行なわれる行動は、日常に亀裂を入れたい、という彼女の欲求のままに行なわれ、モラルや感情は一顧だにされない。すべては冷静に、最も怖ろしいままに進行する。そして被害者がすべて男性である、という事実をはたしてどう受け止めるべきなのか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-3人で食事を愉しむとは、いかなる行為か 待ち合わせをして、3人が食事のためにレストランに集まった。 女性が2人、男性が1人。 1人の女性は男性のかつての恋人であり、もう1人は現在の恋人。 しかも1人の女性からもう1人の女性へ 男性を「譲渡」(!)している、というその成り行き。 ワインが、パスタが、3人の旺盛な食欲と身体をかけめぐる。 食事中にもかかわらず(だからこそ?) 裸にだってなってしまう(ただし、想像の中でだ)。 やがてそこにサボテンが・・・ 最後まで触覚的な短篇小説である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-やっぱり最後にあの言葉 主人公は作家。作家が女性と食事を共にし、 小説のアイデアを語って聞かせるという冒頭の展開は 片岡作品になじみのシーンの一つと言っていいだろう。 そこに、これまた片岡作品ではしばしばあらわれる実在した小説家、 リチャード・ブローティガン、という固有名が挿入される。 ブローティガンは主人公である作家にとっても 創作意欲を刺激してやまない小説家であり、彼がブローティガンがやろうとしていた あるアイデアを自分もまた試してみたい、と口にするのだから 小説の最後にやってくるのはやはり、あの言葉なのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-そして彼女も彼も、没入する 自身が写真家でもある片岡義男の小説には、しばしば登場人物が写真を撮る行為や写真について人々が語り合う場面が描かれる。この小説においては、友人の姉を男が撮る、という形になっている。ジャズ・ドラマーであり歌手でもあるその女性は彼の部屋を訪ねてきては水着に着替えてみせたり、欲求に従って大胆な行動をとる。撮る男と撮られる女は惹かれあっていく。撮ること、写真について語ることに加えて片岡作品の大きな力になっているもの、それは女性が撮られる際の、圧倒的な没入のあり方である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-女たちの中に男が1人、そして締まりのないレッスン この短篇小説においては 主人公の男以外の登場人物はことごとく女性である。 母親。2人の姉。親しく交際している女性。 そして男が実家に帰ってみると、 家族ではないが過去に会ったことのある女性もそこにいて なにやらそうした環境の中で甘やかされているような 決定的なセリフをただ先延ばしにしているような あいまいな日々が続いていく。 少しばかりの苦味をもたらしてくれるものは もはやコーヒーくらいのものである。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-その日はじめてのコーヒーは最高の瞬間にやってくる 「その日はじめてのコーヒー」と題された片岡義男の小説はこれ1つではない。 もう1つ、1984年に発表されたバージョンでは コーヒーを淹れようと考えてから実際に口にするまでの工程が 充実した時間として描かれていた。 対するに1990年バージョンは、ごく淡いものである。 しかしその、コーヒーの現れ方は印象的だ。 1人の女性と1人の男性、一見何の関連もないような2人のストーリーが 交互に独立して続いたあと、それがクロスする瞬間がやってくる。 そこに「その日はじめてのコーヒー」がサーヴされるのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-短篇小説のアイデアを語り合うことは短篇小説だ 片岡義男の小説にはしばしば小説家や編集者が登場する。 そして、会話の中の言葉やフレーズが、そのまま小説のタイトルに成り得る、 というようなやりとりが描かれたりする。この短篇がまさにそうだ。 男性作家が短篇小説の構想を女性相手に語る。語る内容はまだカタチにはなっていないが 語っている行為、言葉そのものがこの小説である。 読者はその入れ子構造を愉しむ。そしてもちろん、 構想として語られる来るべき小説と、そのアイデアを聞いている女性とは むろん、密接な関係があるのは言うまでもない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-その要約を物語にすると、女は殺されても生きるだろう ミステリ小説の好きな女性が、移動の時間を利用して買ったばかりのミステリに読みふける。至福の時間だ。 それがおよそどんなストーリーなのか、といった説明がまず地の文をなし、後半では恋人に近い存在の男性にむかってそのミステリの重要な鍵である「失踪」という概念について語る。 そこでは会話、という推進力によって、今ここにはない架空の、この小説の中で作られた架空の物語が生き生きと立ち上がる。その時、読者が読んでいるものは果たして何か。 フィクションの中にもう一つのフィクションが入れ子状になった一編。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-息子セイの結婚をきっかけに、冷え切っていたマコトとココロの関係に変化が起きる。未来に起こるかもしれない、そんな夫婦の喧嘩模様。 〈NovelJam2021Online参加作品〉
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1.0「卒業しても、俺らはなんも変わんないよ。」 美大を卒業して離ればなれになったあなたとわたし。理想と現実のギャップに打ちひしがれ、バックれた会社からの電話も鳴らなくなった頃に突然来たある連絡をきっかけに、わたしは再びカンバスの前に立つ...。 美しすぎた過去とも、ままならない現実とも向き合って、再び歩き出そうとする姿を繊細かつエネルギッシュに描いた現代のクリエイター・ノベル。 刊行時には俳優の成田凌、飯豊まりえらも賛辞を寄せ、映画化も決定しているデビュー作「スクロール」(講談社)、 そして収録の1篇「ファン」が松本花奈監督、本田翼主演により映像化された第2作「楽しかったよね」(講談社)などで注目を集める話題の新人作家・橋爪駿輝が、 デビュー曲「夜に駆ける」が半年足らずでYouTube1,000万回再生を突破、Spotify急上昇チャート1位やグローバルバイラルチャート入りなど多方面で注目を集めている ""小説を音楽にするユニット""YOASOBIの3rd single「ハルジオン」の原作として書き下ろした短編小説です。
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-ないないづくしの関係が最高である 姉と弟がいる。何の不思議もない関係だが、ひとたび「男と女」になってしまうと一気に事態は変わる。互いに妻でなく夫でなく、結婚できず入籍できず恋人でも愛人でもなく、知らぬ仲でもなく他人に戻ることもできない。つまり、「姉と弟」でありながら「男と女」であることはそれだけで社会を歪ませるに十分なことなのだ。しかも弟は作家。彼は姉の言葉を、その教えを小説の中に吸収しようとし、その構想をまた姉の前で語り……こうしてますます、社会から逸脱した世界が広がっていく。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-夫婦なのに外で会う、絵になる2人。 女は大阪、男は東京。 夫婦の別居といえば誰しもネガティブな関係を想像するが、情熱を傾けた仕事のために、納得して別々にいる2人はめずらしい。 男性視点と女性視点の章が交互に現れ、 2人は本当に夫婦? どこかでクロスするの? と思わせる構成も見事である。 離れて暮らし、3週間もの時間を開けて外で落ち合う2人は、 そのままタイトル・バックに収まる鮮度に満ちている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-現実と現実ならざるもの この本の仕組みは「あとがき」に作家自身が書いている内容につきる。 フィクションとしての小説に1人の女性の主人公がいてその女性はフリーランスのエディターであり、彼女が作ろうとしている、受け取ろうとしている新たなフィクションこそ現実のこの『タイプライターの追憶』という小説である、というような構造だ。 現実とは何か。小説とは何か。その関係は? エディターの彼女が経験する激しい感情の波とその後の凪の中に その秘密を解く鍵が隠されているのかもしれない。 ※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-物語を生きること、現実を死ぬこと 衝撃の小説、と言っていいと思う。 ここには14歳の少女4人が登場するが、 彼女たちの固い結束は、ズバリ、自殺願望によって形成されている。 陳腐な、つまらない死ではなく、 いかに美しく、そして早死にすることができるか、 そのことが彼女たちの最大の関心事だ。 世間は、大人たちは、そしてもしかすると読者も どこか無邪気ですらあるそうした願望が 現実によって裏切られることを想像するのではないだろうか。 それに対し、この小説が与えた結末は? さわやか、ですらあるその涼しい恐ろしさを見よ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-共感から共闘へ、彼女たちは閾を越える 多くの部分が女性二人の会話で成立した短篇。 ストーリーを主に引っぱっていくのは写真家の女性で 彼女は自身を被写体として、写真を撮り続けている。 撮る人であり、同時に撮られる人でもある彼女の装いは 水着とハイヒール。 日常や海岸、プールなどではなく ホテルの部屋のような抽象空間であえてその格好で写すところに 彼女の野心と、視姦されたい願望がある。 ある時、彼女の前に、ある企みを打ち明けた男性が現れた。 その男性に驚かされたこと、彼の志向をへし折るために、女性二人は共感からさらに共闘体制に入る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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5.0谷崎潤一郎の名作・代表作を一挙収録した谷崎潤一郎全集の決定版。※本書は全9巻中の1巻目です。 ●目次 刺青 少年 幇間 秘密 悪魔 悪魔続篇 恐怖 金色の死 途上 私 或る罪の動機 或る調書の一節
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-いつもそこには煙草とシャツがある タイトルには「煙草」とあるが このシンプル極まりない短篇のもう一つの主役はシャツだ。 普段は吸わない煙草なのに、 フランス土産でもらった煙草がバッグの中にある、という状況。 そして、男物のシャツを、男も女も着て、 それが次々に別の人物の手に渡っていく、という状況。 シャツにはきっと、煙草の匂いがつきやすいだろう。 しかし、煙草は吸いたい時に吸えばいいし、 シャツは所有者が問題ではなく、好きだから着る、 ただそれだけでいいのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-男は消えて、唄が残る。 その唄を男たちは愛し、女たちは・・・・・・ 人違いで射殺されてしまった不運なカントリー・シンガー。 彼が作ったヒット・ナンバーについて それがどんな状況で、どうやって作詞作曲されたかを調べてほしいと かつての恋人が依頼する。 調査の旅で出会う男たちはことごとくその唄を愛し、 対して女の口から出る言葉は「身勝手」「負け犬」。 おそらくは依頼主の彼女もまた・・・・・・ 女と男の平行線をベースにした 私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズのビターな一篇。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-誕生日のドアは、一人で通れ 一緒に生活している男女がいる。まもなく男の35歳の誕生日がやってくる。3日後には、今度は女の35歳の誕生日だ。しかし、家の中の空気はおだやかではない。彼と様々な女性との関係がバレてしまったのだ。一つひとつ暴露されているあいだも腹が減ったといっては食事を作り、コーヒーを飲み、書いた小説(男は作家なのだ)をさんざんにけなされてもその小説について悪びれずに語ってしまう男がなんともユニークだ。誕生日、というものが毎年やってくるドアだとすれば、今年は一人でくぐるしかなさそうだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「エゴの殻は、銃弾でないと、破れない」。 善悪の彼岸へ向かって、最後の仕事が唐突に終わる。 21歳の私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの一篇。 この短編での主人公は、マッケルウェイよりむしろ 彼の上司であるジョニー・アムルステルダムだ。 2つ重なった三角関係をめぐり、メッセージを届ける依頼を受けた アムステルダムとマッケルウェイはさっそく仕事に取り掛かる。 しかし、マッケルウェイは常に出来事に遅れ、 アムステルダムはどんどん先に進み、ついに決定的な 途方もない「ケリ」をつける。 私立探偵の権利をはるかに逸脱したその行為の 突発性にただ途方に暮れる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。この作品集は、第二回・第三回(平成八・九年度)の入賞作品を掲載した合併版(平成十年発行)を電子書籍として復刻したものです。第二回橘曙覧賞の「楽しみは 我だけが知る 胎動の 生命のいぶき 感じいる時」、第三回橘曙覧賞「たのしみは 吾子を抱いて 胸あわせ あたたかい命 感じいるとき」を始め、100作品以上を収録しています。
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-男・マッケルウェイ、21歳。 素っ裸の探偵稼業に勤しむ。 私立探偵アーロン・マッケルウェイシリーズの一篇。 人はそれぞれ裸の一個人でありつつ、 職業を持つことによって、社会から認知された存在になる。 しかしその職業から微妙に逸脱し、あるいはそれがボーダーレスの ゆらぎの中にある時、小説を推進する出来事が起動する。 今回の短編でアーロンが巻き込まれるトラブルは カリフォルニアに巣食う犯罪によって起きたもの。 今度のマッケルウェイは、文字通り「素っ裸」だ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-窓から見える灰色の空 完全に対等な、男女の関係がある。 共に過ごす時間は快適で、偽りがなく無理なところが少しもない。 そうした対等の関係が1日のあいだに連続して起こり、女性の側がすべて同一人物であったとしてそこで起こっていることはいったい何か。 何でもない、というのがおそらくこの小説の回答であり、1対1の関係がただ1個ではない、ということがそこにあるだけだ。 窓から空を見る、という行為であたかも自分をニュートラル・ポジションに戻しているかのような主人公の所作に魅了される。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-夏から秋へ。その時、誰もが淋しい。 作者自身が「あとがき」に述べているようにこの作品はそれぞれ別々に書かれた6つの短編をひとつの流れにつなげ、その集合が全体を構成するように作られている。 ショートストーリーを6つつなげているのだからあるタイミングで登場人物はスイッチし、全体を通しての主人公のような人物は存在しない。 にもかかわらず確かに「1つ」を感じさせるのは5月から秋のはじまりに向かう季節の推移の自然さと各ショートストーリーの人物たちが宿している「愛」のようなものに対する独自の距離感とそこから派生する「淋しさ」があるからだろう。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-彼女と彼がいて、主役はやっぱり・・・ 彼女のほう 時間も場所も完璧に異なる断片が、次々に続いていく。 これが直線的な物語でないことはすぐにわかる。 しかし、ほんとうに完全にバラバラなのか? この彼女とあの彼女は、あの2人とこの2人は もしかしたら同一人物ではないのか? そうでなければ意味をなさないのではないか? と考えるそばからすぐに、やはり一切は無関係な断片かも、 という疑問が湧いてこないでもない。 複数回出てくるものたちに注意を向けたらどうか。 空。光。月。駐車場。ビール。 さあ、断片の中を歩いてみよう。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-20年後の因縁のスコア お盆の季節。都会に出た多くの人々が帰省し、 旧交を温めるタイミングでもある。 集まったのが、かつて甲子園にも出場したことのある 野球小僧の男たち、ともなれば、大いに盛り上がるのは必至だ。 しかし、なにしろかの栄冠は20年前だ。 輝ける17歳は、今や中年の入口の37歳となった。 そしてなんと、このお盆の時期に、 かつて彼らにあこがれていたという女子チームと対戦することになった。 さて、その結果やいかに? そして今、「花」はいったい、どのあたりにあるのか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.8中学生のぼくが、東城大の医学生に!? 天才少年(?)のカオルが小さな勇気を胸に、大学病院に巣食う悪に立ち向かう! *イラストレーター・絵本作家、ヨシタケシンスケ描き下ろしの桜宮市地図、章扉イラスト収録* 曾根崎薫、14歳。 桜宮中学に通う、ごくフツーの中学生の彼が、ひょんなことから「日本一の天才少年」となり、東城大学の医学部で医学の研究をすることに!? 冷や汗と緊張の連続の中、思いもよらぬ大発見をしてしまい、教授も研究室も大騒ぎ。 学級委員の美智子、ガリ勉メガネの三田村、ガキ大将のヘラ沼と「チーム曾根崎」を結成して事態を乗り切ろうとするが、医学研究の矛盾に直面して……。 お調子者のカオルの決意が、あなたの胸に勇気と希望の火を灯す。 賑やかで爽やかな医学ミステリ! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『医学のたまご』 【関連小文】1 「自作解説」 初出『ジェネラル・ルージュの伝説』 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】 ※本電子書籍は、加筆修正のうえ2020年4月に角川文庫より刊行された『医学のたまご』を底本とし、電子特典を加えたものです。
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-この物語の舞台は昭和四十年代中頃の南九州T町にあるカトリック系男子進学校の中学・高校である。 ある年の中学入試合格者決定の際、入学者数予測で学校は大きな見込み違いを犯してしまい実際の入学者数が定員を四十五人もオーバーする事態を招いてしまった。 これがこの物語の発端である。 学校はクラスを増設してどうにかなったが問題は寮であった。新入生は約半分の自宅通学者を除けば、ほぼ全員が入寮希望者であるため限られたスペースに全員を収容することは不可能であった。 そこで学校首脳陣が考えた苦肉の策は使わないで放置している古い木造の特別教室棟の一部を改装して中学三年生を収容するというものであった。中学三年寮の急拵えである。 これを知って一番驚いたのは当の中学三年寮生であった。 寝耳に水の話で、なぜ学校の失策の責めを自分たちが負わなければならないのかという不平不満は各人が一様に感じたところである。やっと最上級生になって下級生に睨みをきかせる立場になれると思っていた矢先のこの変事はとうてい、承服できるものではなかった。 寮生たちは学校に対して反目し、様々なトラブルや、はみ出し行為、挫折などを経験する。 悲喜こもごもの出来事や これに関わった二人の舎監との関係などを通して、たくましく成長していく寮生たちの一年間の生活を描いたものである。
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-突然のシンクロニシティ なんとも不思議な短篇である。 そして、小説としての不可思議な、割り切れない、ニュアンスに富んだ魅力が充満している作品。 片岡義男は、なぜ? ではなく どのようにして? を書く作家である。 とても起こり得ないようなことがなぜ起こったか、ではなく、 それが確かに起こった、ということが重要だし、 突発的だろうがアクシデントだろうが、それがどのようにして起きたのかが問題だ。 そして交錯する生と死の傍らに、まるで中間地点のように失神がある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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3.8
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5.0孤独が孤独であるためには、孤独同士は交わらないに限る まるでアフォリズムのように短い断章が並び、 しかしアフォリズムとは違って、 かすかにストーリーと呼べそうな出来事が続いていく第1章。 自らの発想ではなく、しかし仕事としての オートバイによる長距離輸送を選び取ることがすなわち、彼女にはふさわしい。 1人であること。長距離を走ること。それはすなわち、孤独であることに他ならない。 第2章の主役は男だ。ここではしきりと「結婚」という言葉が口にされる。 そして最後、第3章が来る。さあ、そこで彼女と彼はどうなる? 【目次】 第一部 中島美雪の夏 第二部 後藤祐介の夏 第三部 中島美雪と後藤祐介の、夏の終わり 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ――オトナ女子って、女子であるほど、親にも彼にも言いづらいこと、どうしてもあるよねえ?―― 恋や男の生態から、アガるグッズや場所・芸能トーク、宇宙と世界の仕組みまで。 小悪魔作家としてデビューしてから13年間。これまでの蝶々の要素をあますことなくギュッとつめた集大成本! 殿堂入りメルマガに大幅かきおろしを加えた1冊。 (掲載内容は執筆時の情報です。)
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-その間、彼女が話したのは一言だけ 午後4時から4時40分くらいまでの時間帯、この小説の舞台となる店は、一日中で最も暇になるらしい。暇だから、数少ない客には目が届きやすい。そこに常連の、一人の大人の女性がいる。年齢のいくらか違う二人のウェイターが、その彼女について、あれこれ想像をめぐらせた会話を交わす。勤務中の私語ではあるけれど、声のトーンはごく控えめで、失礼にはあたらない。しかも噂話などではなく、賞賛に近い、願望のような会話だ。その間、客としての彼女の発した言葉はただ一言。そんな優雅な午後のひととき。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-後ろ姿に、追伸の1球 少年少女向けの文庫レーベル・コバルトシリーズに収録された一篇。 ここでは、思春期特有の繊細さとストレートさ、よくわからないものに向かっていく頼りなさが、草野球という、このうえなくうつくしい舞台を経由して遺憾なく発揮されている。 ボールを投げる。投げられたボールを打ち返す。 その運動に身を委ね、さらにボールを拾い集める、という内省の時間を持ったあとで、彼と彼女は新しい世界に踏み出していく。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-ついていかなくてもよくなった二人 スーパーマーケットの中で、バッタリ友人に会う。 ごく日常的な出来事だが、ここでは同じ35歳の男が二人で、しかも偶然の一致があった。 妻から追い出され、今はひとり暮らし、という共通点だ。 二人はスーパーを出て、コーヒーを飲みながら語り合う。 それぞれの別れの原因になったのは 時間と色彩。その決定的な不一致である。 抽象的なようでどこまでも具体的な不一致は、 歩み寄る努力の余地のないものだった。 ごく近い過去として語る男二人の会話には 哀感と解放感が、ほぼ同量で漂っている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-【内容紹介】 詩家でもある著者がTwitterで毎日綴る140字以内の詩をまとめた詩集になります。今回は2016年4月に綴った詩20編になります。 Poems to poetry of a poet or author spells daily on Twitter in 140 characters. In verse 20 hen wrote in April 2016. 【著者について】 著者名 今井純志(いまいあつし) 。長野県伊那市にて生誕。現在、兵庫県姫路市在中。小説著作 CHANGE!!『漂泊のジャズメン』,アイの才能 , 喫茶 香風は今日も一人の話を聞く為に開店する。
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-唇よりも、手が先。 残暑が徐々に後退し、夜の冷気が肌に心地良い9月半ば。 1台のオートバイが西から東へ、 もう1台のオートバイが東から西へ向かっている。 だからやがて、その2台は合流するはずだ。 2人が会う時、男が手を差し延べる。 1年前の秋の名月の日、初めての出会いの時はどしゃぶりで その時に手を差し出したのは女のほうだった。 今では体を重ねあう関係にある2人も 路上ではライダーとして、唇よりも手が先だ。 そしてこのうえなく冴えた月が2人を照らし出す。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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3.4
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-天にも昇る気持ち 恋人同士ではない。しかし互いに好意は持っている。 会うのは頻繁ではない。半年ぶりくらいか。 そのような微妙な間柄の男女が、百貨店の前で待ち合わせる。 デートのスタートは、ティラミスとエスプレッソ。 「ティラミスとはどういう意味か?」という男性の問いに 女性は即答するものの、微妙に、いや実は大きく誤っており、 そのことについての男性の解説と二人の会話が この小説の方向を決定している。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.5
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-赤いクーペと2台の750 3人いる。女が1人と男が2人。 この組み合わせによる男女3人のストーリーは、片岡義男の小説においては普遍的なものだ。 男と女だから然るべき出来事があり、 そこから三角関係に落ちていかない、という成り行きも、片岡義男が愛する普遍的な何事かである。 そしてこの小説には時間の経過がある。10年ののちの再会という、厳粛な美しさがある。 注意。この小説においても、「あとがき」を絶対に先に読まないこと。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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5.0自分が前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したことを思い出したモブ令嬢のレイラ。しかし、物語はすでにバットエンドに向かって走り出していた。何故なら目の前にいた隣国の第二王子・アルベールにプロポーズされていたからだ。彼は『ヤンデレ最凶王子』と呼ばれ、まともなエンディングがない男だった。 ひとまず最初のバッドエンドを回避するが、アルは事あるごとにレイラに「溺愛」と「監禁」を迫る。だが毎日一緒にいるうちにアルベール自身に惹かれてしまいそうになり、追い詰められたレイラは 「私がアルベールを真人間にしてみせる!」 と決意する。そして、ゲームのヒロインのミアが入学してきて、いよいよゲームの本編がスタートする! レイラはアルとのバッドエンドから逃げ出すことはできるのか?
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-退屈を書くとは、いったいどういうことだろうか なんという、人を食った短篇小説だろうか。 ここには1人の男性と1人の女性が出てきて、しかもわざわざ 展望台のような場所で会ったりするというのに 2人は互いにまったく惹かれあってはいない。 しかしそれでも2人には、待ち合わせの場所に行くだけの 通俗的で不可思議で「退屈」なモチベーションがあるのだ。 女性と男性は、こんなふうに約束したり、会ったりすることもある。 しかし作家の描くタッチは、シニカルなものではなく こうしたこともある、という淡々とした風情を備えていて、 そこがまた怖ろしい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-3月になれば、彼女は 28歳、女性。独身。テレビ番組の制作助手。 彼女の仕事ぶりは完璧だ。 番組制作上、重要な取材の段取りを付け、 自分はけっして目立たず、しかし同行し、サポートに徹する。 多忙と集中の中に、常に彼女はある。 しかしその忙しい日々の流れを自分の意志で止め、 「過去」に向き合うのもまた彼女の流儀だ。 そこにあるのはかつての夫の姿であり、そして雛祭りの音楽だ。 だいじょうぶ。3月になれば彼女は、そのことを思い出す。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-友情の寝正月 2人の女性がいる。 2人とも自立していて、仕事が忙しく、いつも多忙だ。 そんな彼女たちにとって、正月は拍子抜けするようなエアポケットで、久々に2人はゆっくりとコーヒーを飲み、会話を交わす。 しかしそこで、ちょっとした異変が起こる。 でもその小さな苦しみは、すぐに解決するはずだ。 彼女たちの準備とボーイフレンドと友情のために。 佳き1年の始まりが、ここにある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-2021年11月に刊行された『ルーティーンズ』(講談社)の販促のため、書店で無料配布された『長嶋有デビュー20周年記念小冊子』がパワーアップして、『デビュー20周年記念小冊子電子増補版』になりました。 小冊子の「試し読み」と「長嶋有全著作を語る」を掲載し、さらに長嶋有ロングインタビュー(聞き手:与儀明子)と北村浩子による評論「長嶋有のアスペクト、または水平」が追加されています。 特別付録として、『夕子ちゃんの近道』単行本のオビに印刷された応募券によるプレゼント「非売品小冊子」に掲載された2006年のインタビューを再録。 特別付録その2として『文學界』2021年11月号の「長嶋有を作った10冊」と、ジュンク堂池袋本店での選書「長嶋有をつくった20作」(文學界の10冊の拡張版)、今野書店での「これで大人になりました」選書15作のコメントもまとめました。 総字数6万7千字以上! 長嶋有を定点観測したいすべてのファン必携!
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-「東京は激変するよ。だから東京を撮っておくといい」 1950年代から60年くらいの東京を舞台にした長篇小説。作家と同じヨシオ、という名前を持つ若者が登場する。彼が高校生から大学生にかけて接触する女性たちは、すべて年上だ。変わってゆこうとしている東京の街で、ヨシオは女性たちに学び、まだ何者でもない自分の中に核のようなものを作ろうとしている。そしてこの小説は高度成長期の、前を向いたエネルギーばかりでなく過去を確かめ、過去の連続の中に現在があることも大切にしている。そのことを端的に現すのが、この小説における写真の役割であろう。 【目次】 名前は仮にスーザン 肩はいかにセクシーか 美しき太腿のほとり 謎を記録する、謎を記憶する 可能性という謎 電話を受けているうしろ姿 あとがき 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.5
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-「地べたでもなくて、空中でもないところ」を 彼ら、彼女らは、季節は、めぐっていく。 サンダーバード。オールズモービル。 リンカン・コンチネンタル・マーク4。 この日本、という国を走るにはいささか大きいクルマたちが 梅雨前線が停滞する東京湾岸をすべっていく。 18歳か19歳。一番の年かさでも、せいぜい24歳。 1人の死に始まり、出会い、いくつかの別れ、旅立ちがある。 すべては時とともに移ろっていく。 青春期から大人へ移行する時期の痛みを 東京湾岸の風景とともにやさしく抱きとめた長編小説。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-と、彼らは語り合った ある時、本のあいだに挟んであるモノに気が付き、 思わず昔を懐かしむ、ということは誰にでもある。 この小説では1枚のスナップ写真だ。 ほんの3年前。しかし20代の3年間といえば、 当時と現在とでは大きな差異があることも理解できる。 文庫本の中に挟まっていた1枚のスナップ写真を見ながら 若い夫婦は旅に出る。それは過去の検証から始まり、 「そうだったのか」という軽い驚きを伴いながら、 やがて空想へと至る。 そしてあの頃と現在をつなぐのは、赤い花束だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-誰もが例外なく、移ろいゆくものたち。 天空の星座のように。 夏のイメージが強い片岡義男の小説にあって この物語は明確に秋を舞台としている。 「時には星の下で眠る」という短編が先行してあり それが北米大陸を舞台としていたのに対し、 こちらは明確に、日本の、高原の秋だ。 オートバイを愛する者同士の4年ぶりの再会を介して 人が4年、という時間を生きることの、いくつもの模様が描かれる。 そこにはいくつも死があり、不在がある。 生きている者たちも紅葉の色の変化のように確実に変わってゆく。 そして時には友とともに、星の下で眠る。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。77年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-互いの明日が、まるで違う道になろうとも、 人は時に、星の下で眠る。 21歳の私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの一篇。 今度のマッケルウェイは、ついてない。 不意にとばっちりをくらう羽目になるのだ。 それも二度。二度とも銃弾が飛び交うハードな状況だ。 とある偶然から、クルマを運ぶ役割を引き受けたかと思うと 友人が犯罪に手を染め、手錠につながれるシーンに居合わせたりする。 生きていくことのままならなさ、誰もが明日をも知れぬ存在であることを マッケルウェイは身を持って知ることになるだろう。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-抑えること、でも忘れないこと。それがメロディー 後輩に対する先輩の好意から、あるお見合いの機会が訪れる。男性側にも女性側にも、相手がどんな人物か一切教えないというかなり変わった、ミステリアスなお見合いだ。あるのは取り持ってくれる先輩への信頼だけ。そして当日。引き合わされたのは、互いに唖然とする相手だった。そこには長い時間と、ひたすら抑制してきた意志とそれでも抑えきれない気持ちが、手と手を取り合って奏でているメロディーがある。この小説こそがそのメロディラインだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-見る前に翔べ、と悪い星がささやく。 ティーン向けのレーベルであるコバルト文庫に収録された一編。 冒頭、朝の新宿駅のシーンに象徴されるように 17歳の女子高生2人は、朝のラッシュ・アワーで怒涛のように流れてくる人波に逆行し、そこから外れて生きる存在として描かれている。 通常のヘテロセクシュアルからの逸脱。死への傾斜。 生まれてくるべき星は、ここではなかったのかもしれない。 だから、「翔びなさい」と別の星が言う。 しかし彼女は、この星の現実の中でしか、飛ぶことはできないのだ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-いつも未知のほうへ、生命のきらめきのほうへ、 ビリーは向かって行った。 ビリー・ザ・キッドといえば、アメリカ西部開拓時代のヒーローとして、 数々の小説や映画に描かれてきた。 そのビリーの生きた日々を、片岡義男が書くとどうなるか。 伝説の男による銃の早技は確かに描かれはするものの ここにあるのは少年から青年に移ろうとする1人の男の 一日いちにちのていねいな積み重ねであり、 主人公である彼さえもがその一部になってしまう 北米大陸の圧倒的な自然、そして時代の苛烈さである。 ビリーが求めたものは栄光ではなかった。 自分を日々新たに鍛え直す、恐怖に似た未知のほうへ 彼はいつも向かっていったのだ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-彼女たちのうつくしき自給自足は、いつでも「いいわよ」と答える 女性経験のまったくない18歳の大学生が 福引で当たったカメラを持って、次々に女性を撮りまくる物語。 こう書くとまるで冗談のようだが、片岡義男の手にかかれば それが1つの青春の姿であり、同時に女性たち(とりわけ年上の女性たち)にも それぞれ微妙な変化をもたらし、セクシュアリティをも描かれることになるのだから やはり小説は読んでみなければわからない。 男性とは何か。女性とは何か。写真とは? 内面とは? 時間の経過とは? 強い肯定感に満ちた長篇小説である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-これからはひとりになるのだから、 彼女は路線バスを選んだ。 18歳。未成年ではあるが、車の運転は可能な 大人への入り口に立った年齢だ。 ある雨の夜、2人の18歳には、楽しい偶然があった。 同じような環境に暮らす2人は心を許しあった。 やがて彼女のほうの生活環境は、新たな次元に入る。 彼女はほんとうに1人になるのだ。 また別の雨の夜。今度は彼女は、もう1人の18歳には頼らない。 1人で路線バスを選んだ。ただし、彼にはしっかり手を振りながら。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。88年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-祖国独立のためにオランダ軍と戦い、身障者となり、徐々に絶望に沈んでいく若者。児童婚で純潔さを奪われる隣人の少女をただ見守るしかない幼い男児。割礼を目前にして恐怖と宗教的意義に対する高揚感――そして贈り物への期待――に心揺れる少年。 ノーベル賞候補にもなったインドネシア最高の物語作家プラムディヤ・アナンタ・トゥールが、楽天的世界観と暗い現実の間で戸惑う若者たちを温かく意味深い言葉で綴った傑作短編集。
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-ひとつの、充実した結婚のかたち 不思議なタイトルである。 というのも、この小説の中では実際に、結婚した男女が毎年休暇を過ごす南の島が出てきてそれは架空の島などではないからだ。 しかし、その島の名前も場所も一切明らかにはされないから読者にとってはたしかに「どこかにあるはずの素敵な」島に違いない。 片岡義男の多くの小説がそうであるように我々の日常にあるようなリアリズムや従来の小説がそこをテコにして物語を動かす破綻、のようなものはここには一切、現れない。 あるのは1つの、あざやかな夫婦のかたちだけだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-2台のあいだを行き来しながら、彼女は脱出について語る 後ろには、母親と離婚した父親と、その新しい結婚相手。 前には、母親と、その年老いた父親。 2台並んで走るクルマのあいだを行き来するのは、 日本の大学に愛想を尽かし、外国に行こうとしている娘だ。 最初に後ろのクルマ、途中で止まって前のクルマ、そしてまた後ろのクルマ。 2台でまったく違う空気を感じながら、彼女が考えているのは「脱出」のことだ。 自分が今の世界から脱出するためには、愛する母親よりも、 まるでなじめないが、海外在住の父とそのパートナーの助けこそが必要なことを 彼女は冷静にかみしめている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-時間というものはない。私はどこにもいない 14歳から15歳へ。 この小説は、移り行く季節の中での、二人の少女による 切実な時間論だ。 過去から現在へ伸びてくる時間に対し、 彼女たちは時間が逆行すること、つまり どんどん過去へ遡り、若くなり、幼くなり、 ついには「私」が消滅することを夢想する。 そしてそこに、かつての旧友の、その悲しい母親の 「死」をめぐる奇妙で美しい行為が関わってくる。 時間を、死を考えることは、この不条理な生について考えることと同義である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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