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家出のすすめ
「書を捨てよ、町へ出よう」――若者の未来の自由は、親を切り捨て、古い家族関係を崩すことから始まる――。愛情過多の父母、精神的に乳離れできない子どもにとって、ほんとうに必要なことは何なのか? 「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」と4章にわたって、現代の矛盾を鋭く告発する寺山修司の青春論。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved -
不機嫌な恋人
三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女(ひと)は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の雰囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが……。恋、背信、心がわり。――揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。 -
古川柳おちぼひろい
川柳は座右におき、いつも眺めているのがいい。年を重ねるほどに、今までわからなかった句がわかるようになる。こうして面白い句を拾いあげ、掌にためるのがおちぼひろいの楽しみである。ユーモアの達人である著者が、先達の作品から秀句を拾いあげ、掌上で男心や女心の微妙な味わいを楽しんでみる、卓抜エッセイ。 -
私の大阪八景
〈上の天神さん〉の境内で行われるラジオ体操。カタコラカタコラ下駄履きで集まると、在郷軍人の小父ちゃんが台に上って号令をかけていた。/トコのちぢれ毛をまっすぐにして下さい。中原淳一の絵の女の子みたいにして下さい。/チョロ松と二人で、ゆぶねに腰かけて唱歌をうたった。「旅順開城 約なりて 敵の将軍ステッセル 乃木大将と会見の 所はいずこ水師営」/あとを頼むぞ、とか何とかいって戦地へいくと、若い盛りにパッと桜のように散る。そしてほめられる、新聞にのる、勲章をもらう、みんなに泣かれる、いい気なものだ。男のほうが人生の花を独り占めして、女はカスの部分をつかまされる。/日常のささやかな描写の中にすべて戦争が描き込まれた名連作短篇集。 -
小説 あゝ、荒野
寺山修司原作の青春物語。映画版ノベライズ。 2021年、新宿。少年院帰りで、住む家も仕事もない沢村新次(菅田将暉)。吃音障害と赤面対人恐怖症に悩み、他者との関係を築くのが苦手な二木建二(ヤン・イクチュン)。ある日、対照的な二人の若者が、プロボクサーを目指し、さびれたジムで奇妙な共同生活を始める。やがて二人は友情を育み成長を遂げていくが、その一方で、母親との離別、父親からの暴力、仲間の裏切り…、それぞれが抱える問題に向き合うことになる。新宿という都会の荒野の真ん中で孤独と戦い、誰かと繋がりたいと渇望する人間たちを描いた、魂を揺さぶる青春物語。寺山修司唯一の長編小説を現代に甦らせた映画版を完全ノベライズ! -
私本・源氏物語
「どの女も新鮮味が無うなった」「大将、またでっか!?」ウチの大将・光源氏の君は御年17歳。好奇心はちきれんばかりの色けざかりの遊び好き。花の如き美貌の貴公子であらせられるが、女にモテすぎて、もはや恋愛傾向がアブノーマルになりつつあるのが悩みの種。さて今宵もまた、大将のおなご漁りの橋渡し役にひと肌脱ぐとしますか……。世間をよく知るオッサン家臣「ヒゲの伴男」が、庶民目線で無敵のナンパ師「光源氏」の恋愛ライフを語る。お茶目な源氏物語! -
恋する罪びと
秘めやかに、深く烈しくつのる想いは、ときに生死を超え、時空を超えて成就する――そんな究極の恋の見本帳がここにあります。本書は、『伊勢物語』『今昔物語』などの古典や『万葉集』『古今和歌集』などの詩歌、今に残る伝説・史実などから、お気に入りの恋物語を取り出して田辺流解釈で楽しむ本です。「死ぬ前にもう一度、情の深い男に抱かれたい」という老女と契った在原業平の本当の“色男”ぶり。出世のために自分を棄てた夫をミイラになるまで待ちつづけた女房と、その幽鬼の妻と一夜を共にした男の話。心で結ばれていたために永遠を獲得した、お通と宮本武蔵の純情秘話。紫式部と年上の夫との可愛くも機知に富んだ恋のかけひき……など、著者が「なんと日本人は<恋する能力>に長けた<血の熱い>民族だったのか」と嘆息する、とっておきの24話を収録。1篇ごとに味わいの異なる恋物語。あなたの心にときめきと潤いを与えてくれます。 -
戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
美しい男娼マリーと養子である美少年・欣也とのゆがんだ激しい親子愛を描き、1967年の初演以来、時代を超えて人々に愛され続けている「毛皮のマリー」。そのほか1960年安保闘争を描いた処女戯曲「血は立ったまま眠っている」、「さらば、映画よ」「アダムとイヴ、私の犯罪学」「星の王子さま」を収録。寺山演劇の萌芽が垣間見える、初期の傑作戯曲集。 -
エッセイベストセレクション
田辺聖子さんといえば、女性の心を鷲掴みにする甘やかな恋愛小説や、古典教養の世界に軽やかに誘う名随筆の数々……だけではありません。1971年から16年間の長きにわたり週刊文春に連載されたエッセイ「女の長風呂」シリーズには、男女の性の話、つまり下ネタが満載! 「女の性欲」「四十八手」「名器・名刀」などなど、今日の文豪・田辺聖子のイメージをひっくり返すようなタイトルが毎週並んでいました。もちろん、田辺エッセイに欠かせない相方「カモカのおっちゃん」も絶好調。笑い、ペーソス、下ネタ、時事ネタ……私たちがエッセイに求めるすべてがそこにはあります。おせいさんのエッセイが毎週読める、そんな贅沢な時代がたしかにあったのです。 本書は、長寿連載の中から、さらなる絶品、逸品を選り抜いたベスト・オブ・ベスト第1弾。女(男)ってこんなこと考えてるのか! と愕然としつつも、深いアフォリズムと成熟した大人の智恵が深く心に響いてきます。まさに必読。まだ読んでいない貴方が羨ましい、と申し上げるほかはありません。 -
ニーベルンゲンの指環
ライン川の川底にひそかに眠る黄金。これから指環を作れば、その持主は絶大な権力を握るといわれる。それを守る乙女たちをだまし、こびと族のアルベリッヒは黄金を奪う。一方ワルハラ城を神々のために建造した巨人族二人は、主神ヴォータンに謝礼を迫り、黄金を要求する。ヴォータンは地下の国を訪ね、アルベリッヒから黄金と指環を奪い、これを二人に与える…だが、指環には呪いが。二人の巨人ファーゾルトとファーフナーは争い、指環は後者の手に移る。「たった一つの指環をめぐってくりひろげられる数奇な物語は、非現実の陶酔にさそいこんでくれる。ページを繰って耳をすますと、壮厳にして官能的なワーグナーの楽劇がきこえてくることだろう」これは寺山修司の言葉だ。