ひとしさんのレビュー一覧
レビュアー
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人生の価値は経験
この本は,一つの仮定から始まる。作者は人生は有限であり,一番人生で価値のあるものは喜びの経験であると考えている。もちろんこれを皆が賛成してくれるとは思っていないようだが,もし,この考えに賛成してもらえるのであれば,どうやって喜びの経験を最大化するのか,という話になる。
この喜びを最大化するために必要なパラメータとして,お金,健康,時間,がある。お金と健康は喜びの経験の基礎となり,時間はどんな経験をするかに関係する。たとえば,趣味の時間かもしれないし,子どもと過ごす時間,パートナーとの時間などがある。
また,多くの人はお金の最大化のみに心が奪われていて,人生をお金のために使ったあげく,健康を -
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心穏やかに生きるヒント
この本にはさまざまな心穏やかに生きるヒントがあったと思う。特に私の印象に残ったことは,苦しみのない心でいるためには,「相手に反応して自分の心を失わないこと」だった。
これは眼の前の相手の嫌な言動に対してだけではない。自分自身の過去についても同じことが言える。自分が過去に何か嫌な目にあった時,それがずっと昔のものでも,自分がその過去の記憶を思い出して,また嫌な気分になることがある。これも,反応していることの一つである。自分自身で自分の心を暗くさせてしまっている。
このような反応によって起こる苦しみは私にも意外に多いと読んでいて気がついた。
自分の苦しみがどこから来ているのか気を付けて生活しよ -
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オリジナリティは選択である。
オリジナリティは選択である。という主張がとても響いた。オリジナリティは何か持って生まれたものではなく,それを成長させることができるというものである。また,多くのことは自分で制限をもうけてしまっていることも思いあたることがあった。
また,同じ街や時代など同じ環境でも異なる行動をする人の違いに,親が子に説明をしたかどうかがかかわているという部分はとても興味深かった。親が子に対し,「説明を理解できると信じること」という態度をとることがオリジナリティを生み出す人たちの共通点というのを調べていく著者の研究心がすごいと思った。
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人生の方程式
人生の方程式は参考になりました。
稲森氏はすばらしい人だとは思いますが,すばらしすぎて私には参考にならない部分もあります。
特に私は人間ができていないため,私心無しでは生きられません。また私心があることこそ私であり,それが良いと感じているので,私には稲森氏の生きかたは無理です。私が人を助けたいと思う心も私の場合には私心です。
それでも,稲盛氏のような生き方は素晴らしいと思いました。この書籍をありがとうございました。
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単純,退屈な考えにこそ本質あり
単純,退屈な考えにこそ本質あり
アイデアは,「重要で得意な部分に一点集中し,リソースを集中することで成長を加速する。」という基本的であたりまえなものである。しかし,基本的であたりまえであるからこそ強いし,広く応用できる。
多くのプロジェクトにはパレートの経験則がみられる。これは 2 割の部分が 8 割の結果を生んでいるというものである。では,もしその 2 割に集中して,8 割を手放す,あるいは移譲するなどができたらどうだろうか? 単純に長く働くなどであれば,2 倍までは長く働くことはできるかもしれないが普通,10 倍は不可能である。
この 8 割りを捨て,2 割に集中するを繰り返す。繰り -
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技術と人の関係
記憶をとばせる薬があれば人はどう使うのか,また,期待した結果と違う場合に何が起きるのか? ある意味,SF の王道である,「ある技術が社会に,人間にどう影響するのか」の話で,その部分が面白かった。
数年前,PTSD に対する新薬を開発した科学者の1人が TedTalk で得意気に話をしていたが,その応用が戦争での PTSD であったことに,コメントでは批判があった。そもそもその場合は人為的な病気なのだから,病気を予防する方に力をさくべきではないのかというものである。
後に,戦争で心に傷を追った人を回復させてはまた従軍させた話,薬の開発スポンサーが武器製造会社という話がでてくるにつれ,人の命を -
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自分で自分の人生を選ぶ
1960年代のまだ性差別がノルムの時代に自分らしく生きた人の話と私は読みました。
エリザベスが私の心に響いたのは,自分らしくあること,自分に素直に生きたという点です。
自分で自分の人生を選ぶと,闘争が起きます。それは時代によると思います。現在でも,「あなたはそうすべき」という人の自分らしさを削ってくる人たちに従う道もあります。それはある意味闘争しなくていいので楽ではあります。しかしそうすれば自分の人生を他人の考えに渡してしまい,自分の人生は生きられなくなります。
会社がつらくとも3年は我慢すべき,結婚すべき,安定した職業につくべき,などとという「すべき」の多い世界です。そこで,自分とは何か -
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セオリーを具体に落とした本
ドラッカーのセオリーを実践する形で具体に落とした本です。しかもその具体の話が楽しめるという素晴らしい本でした。セオリーを具体例で説明してしまうと,その抽象度が下がって利用する場面が限られてしまうこともある一方,抽象度が高いままでは,どう使っていいかわからないこともある。というジレンマの中で,抽象から具体へと,感情を媒介して話が作られているということに驚きました。例えば,「顧客とは何か」を高校野球で具体として考えた部分などがすばらしかったです。素敵な本をありがとうございました。
私がこの本を知ったきっかけは,あつみゆりかさんの,1冊まるごと「完コピ」読書術でした。
ところで,BookLive -
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読書術ではなく自己変革メソッド
これは単なる読書術ではなく,自分の行動の基礎を作るための一つの手段として本を読むというものでした。そのため,この方法は別に本でなくとも映画でもポッドキャストでも良い方法などだとわかりました。そしてその体験をもとに作者に近づくためにPDCAを回すというのが新鮮でした。自分自身を変えるための一つのメソッドと考えて読むのが良いと思いました。
本をありがとうございました。
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真の豊かさを入手するための捨て
今,物があふれ,人ともネットですぐにつながることができ,仕事も場所を選ばなくても良い時代になりました。物を持つ豊かさ,人とつながれる豊かさ,仕事の場所や時間を選べる豊かさが手に入りやすくなりました。しかし,本当にそれで豊かになったでしょうか?とこの本は問います。たくさんの物で家が散らかり,落ち着けなくなってはいないか。人とのつながりは増えても希薄で逆にストレスになっていないか。仕事の場所や時間が選べても,ではその仕事は本当に好きで選んだものなのか?私は本書で豊かさを再考しました。
忘れがちですが,人生は有限です。その人生を本当に豊かに生きるにはどうすればいいのか。本書は一つの方法として「捨て