海猫沢めろんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◆心に刺さったワード◆
⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
⚫強い心は強い肉体に宿る
◆読んでみたい本◆
⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
⚫世界の実相 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ第二弾はとばして。どれも面白かったが、やはり最後の藤谷治さんの『新刊小説の滅亡』。本に関わる全ての人の背筋を正すような問いかけ。もともこもないが結局本を読む人は新刊がなくても読むし、読まない人は最初から読まない。想像・創造の場が失われたわけでもない。原作なしオリジナル面白ドラマが増えるのも個人的には良い。確かに積ん読は増えてる。再読で事足りるかもしれない。「青」と「赤」のように埋もれていた既刊小説に救われる人もいる。
けど、「それでも……!」(by バナージ・リンクス『機動戦士ガンダムUC』)と言いたい。答えになってないが(笑)、う~ん、悩む。考えさせられる -
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Posted by ブクログ
「あの」海猫沢めろんが育児エッセイ!?と衝撃のあまりに購入。著者に関しては『左巻キ式ラストリゾート』の印象がとても強かったので… でもこの本を読み進めるうちに、ある程度自分の「男性性」という属性に対する反省がなければメタ00年代萌え文化小説なんか書けないよな、と思い直すなど。言葉遣いのところどころに毒を滲ませつつ、主体的に育児に参加できない父親の心情を同じく「パパいや」な父親の視点から説明しているので説得力があった。今のところ子作りに縁がないし恐らくこれからもないのだが、後半部分を読んでいるとかつては自分もそうだった「子供」という未知の生物への興味が湧いてくる。まあその未知の生物の挙動を落ち着
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Posted by ブクログ
各章の対談相手の著書を読んだことがあるということもあるのだろうけど、読んでいて安心感があった。
人間と機械のかかわりを中心に「これから機械とどのようにかかわっていくのか」とか、そもそもなぜ機械とかかわる必要があるのか、というあたりが読み取りやすい。ただ読み終わってみると機械論というよりも唯物論の方が近い気もしてきた。
最終章で「人間と機械の境界はすでに消え」ているとしているのだけど、そのあとに「だから次は機械に幸せになってもらおう」となっていて、どうつなげて捉えればよいのか理解できない。ちょっと難しい。
読み終わってなぜか「形而上学って人間らしさなのかも」とへんなところで納得してしまった -
Posted by ブクログ
ネタバレ愛とは何だろう?と悩み右往左往する主人公、うまく愛を注げずに悲劇に見舞われる主人公、きっとバッドエンドだと分かりながらも愛することを止められない主人公などなど。傷付きまくる不器用な「好き」が飛び交う狂気の短編集。
なかでも印象に残っているのは「新世界」。いわゆる結ばれない運命的なストーリー。ヒロインである「たま子」の、相手から見て恥ずかしいであろう(本当はそんなことないのに)自分の境遇なり世界に泣きたくなる気持ちと、それでもなお自分のことを知ってもらいたいという気持ち。
うまく思うことを伝えられない二人であるが故に、行間から伝わる感情が美しく、それでいて、美しさは必ずしもハッピーエンド -
Posted by ブクログ
8篇の物語が収められている。
今回の物語に特徴的なのは、「小説とは何か」という疑問だ。
「青と赤の物語」では、物語が禁止された世界を描いている。
物語があるから悪いことをする人がいる、そんな考えを持ったエライヒトたちが物語を禁じてしまったのだ。
全く因果関係はないのに、AだからBと決めつけてしまったのだ。
物語は、文学は、何の役にも立たない。
本当にそうだろうか。
物語は時に残酷なものも、悲しいものも、苦しいものもあり、そんな世界を目にするのは時には恐ろしい。
けれども、そんな世界があるから救われる人もいる。
物語に書いてあることは、どんな物語にせよ、誰かから、読者に、あなたに、向けたメッセ