岸見一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレアドラーをはじめ、さまざまな文献をあげて、
悩みに回答している。
筆者の似顔絵がひとつずつに描かれていて、
笑ったり、苦言を呈していたり、その顔だけで、
言わんとする雰囲気が伝わる気がした。
「悩む」と「考える」は別だと思う。
どうしたらいいかは、考えるもの。
どうしたらいいかわからなくて、頭の中でどうしようどうしようとグルグルしてるのが、悩んでる状態
だと思う。
よく、悩みには寄り添ってとか、共感が大事という。弱っている時や、とにかく話を聞いて欲しい時にはそれがいいと思う。でも、何とかしたいと思ってる時には、「こうです」とキッパリ言ってくれるほうが、ありがたいと思う。
この本は、そういう部類の本だと思う。
以下、本の中から。
①周りからよく言われなかった経験をしてきたから
自分を好きになれなくなった、というとき。
それは自分を好きにならないと決心してるのだ。
自分についての他者の評価と、自分の価値や本質は別物。褒められたからといって、自分の価値があがるわけではない。そう思ったら他人にどう思われるかなんて気にならなくなる。
②どんな状況でも乗り越えられる強さなんてない。
自分の力が及ぶ範囲外にあることを何とかしようと思ってはいけない。なにが出来て、なにが出来ないか見極めて、必要なら他者の助けを借りる。
③AだからBが出来ない、というのは、本当はBをしたくないだけ。
仕事は人付き合いとは直接関係ない。つまり職場での対人関係が苦手でも仕事はできる。
心に余裕がないからと必要な決断をしない人は、自分の人生を生きていない。
④嫌いという感情は1度きりの関係では起こらない。店員の対応が悪くて気分を害したら、それは嫌いではなく、腹がたったのだ。
嫌いという感情は相手との距離が近いことを意味する。
人を変えることは出来ない。変えるべきは相手でも自分でもなく2人の「関係」。関係を変えるために自分が出来ることをすればいい。
こちらが気を使う必要はなく、きちんと主張する。
⑤友達と知り合いは違う。知り合いを「増やしたい」なら正しい。友達は「増やす」ものでも「作る」ものでもない。コミュニティで知り合った人が後に友達に「なる」ことはある。気づいたら友達に「なっている」のであって、友達を「作る」ためにコミュニティに入るのは動機が不純。
なにかのために友達を選ぶというのは友情ではない。彼氏や彼女を「作る」という人は、その恋愛は純粋なものではない。
⑥怒ったところで相手を変えることは出来ない。
きつく叱ったら相手が行動を改めたと見えるのは、
あなたが変えたのではなく、相手が自分の行動を変える決心をしただけ。
⑦叱られたりほめられたりすると子供は自分に価値があると思えなくなる。
子供には対等に接する。対等の関係であれば、ほめたり叱ったりすることはない。
叱るのは「言葉で言ってもわからない」と思い込んでいる。相手を見下している。
ほめるのも、「できないと思ってたことが出来た」からほめるのであって、子供側からみたら、
出来ないと思われてたんだと馬鹿にされてたと思う。
叱られたからやめる、ほめられたからやる、ではなく自分がしていることの価値は自分で判断するもの。
⑧尊敬と愛だけは強制出来ない。
「私を尊敬しなさい」「私を愛しなさい」と言われても出来ない。相手に好かれようと働きかけをするのは「私を愛しなさい」と言うのと同じ。
⑨ケンカするほど仲がいいということはない。
口論してる時点で愛し合っていない。
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Posted by ブクログ
■■評価■■
★★★✬☆
■■概要・感想■■
○アドラー心理学をもとに、学術的になりすぎずに実用性のある形で考え方を示した本。
○他の本とも同じ様に、幸福とは他人と比べてどうか、順位がどうか、比較的に恵まれているものを掴みに行くなどという話ではない。幸福は他と比べず、自分の中にすでにあるもので、外に見つけに行くことではない。幸福に”なる”という言葉がそもそも違くて、幸福”である”というだけである。
○成功することを目指さないで幸福であれ、と言っているわけではない。この2つは次元が違う話で、対立でも同一視でもするものではないのだといっていると感じる。
○未来のために我慢する今という価値観や、過去のせいで〇〇になってしまった。という今につながらない後悔はしない。今ここだけに意識を向けて日々を充実したものにしたい。 -
Posted by ブクログ
GW帰省の新幹線の中で読もうと、乗車前に寄った丸善で購入。ただ、移動中はmediumを読んでいたため、本書を読んだのは結局帰宅後。何のために買ったのやら。
アドラー関連の著作の多い岸見一郎さんの人生指南本。30個の相談内容に回答していくスタイル。ポジティブに何でも克服できると説くのではない「後ろ向きの人生論」ということだが、悩みに対して行動を要求するなかなかストロングスタイル。甘えを許してくれなくて厳しい。
でも、これまでを振り返って、自分の生活がマシになったなと思えたときって、ツラくてもちゃんと行動したとき。そんなこともあって、この本の一つひとつの回答を「なるほど」と思いながら読んでた。
心に余裕がないからといって必要な決断をしない人は、自分の人生を生きていないのです。(p.121)
悩むのをやめた時、決断しなければならないのです。(p.197)
悩み続けるのではなく、自分にできることから取りかかる決断をして、とにかくやってみる。そうすることで、物事は変化していくし、私たちは自分の人生を生きることができる。なんという骨太な人生論だろうか。 -
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本書は、愛と幸福にまつわる様々な問題に、明確な回答を提示しようとするものである。
「あなたの愛は、なぜ幸福をもたらさないのか」
この究極の問いに対して、心理学者や哲学者が示してきた見解が紹介される。
そもそも、人が"愛"について悩むとき、その関心の大部分は"どうすれば愛されるのか"という点にある。
どうすればあの人から愛されることができるのか。
どうすれば失った愛を取り戻せるのか。
愛されたい、愛して欲しい、愛情を獲得したい…。
本書は、愛に対するこのような受動的な態度を否定する。
愛にまつわる悩み事を解消するためには、受け身の姿勢でいてはならない。
愛について大切なのは、"愛する"という能力であり、技術であり、それはどこまでも能動的なものであるのだ、と。
このように断ぜられれば、感情的に反発したくなるのが自然だろう。
自分がどれだけ人を愛そうとしても、相手からの愛が得られなければ意味がないではないか。
そうであれば、"愛される"ことが一番の関心事になるのは当然ではないか。
しかし本書は、このように"愛される"ことに関心を向けるのは、"愛する勇気"を持てないからだと言う。
自分の気持ちを受け入れるかどうかは相手が決めることであり、それを自分がどうこうすることはできない。
気持ちを伝える場合、拒絶される可能性を排除することはできない。
しかし、だからといって、傷つくことを恐れて告白をためらってはいけない。
傷つく可能性があっても、その可能性を受け入れて、勇気を持って恋愛という対人関係に踏み出すべきである、と。
そして、このような勇気を持つためには、自分に価値があると思えることが必要である、と言う。
自分には価値があると思い、そんな自分を好きになることが必要である。
それは、「自分の価値は自分で肯定せよ」という、とても厳しいメッセージである。
"愛される"ことを求める人は、他者に愛されれば、自分の価値を肯定できると考えているのだろう。
そんな人にとって、「自分の価値は自分で肯定しなさい」というメッセージは、突き放されたように感じられるだろう。
しかし、自己肯定ができなければ、幸福な恋愛関係を築くことはできない。
どれだけ厳しく、どれだけ困難であっても、自分の価値を自分で肯定できるような成熟した人間に成長することにしか、幸福に至る道はない。
そうであれば、幸福な恋愛関係を構築するために我々にできることは、"自分を成熟させるために努力する"ということに尽きるのだろう。
本書の最後の段落は、次のように結ばれる。
「ですから、今は愛する人がいるのであれば、先のことを思って不安にならず、日々よい関係を築く努力をしましょう。そのような努力をすることが生きる喜びになるのですから。」
相手に何かを求めるのではなく、自分自身が努力し成長することが重要である。
言葉にすれば"当たり前"に聞こえることを、改めて強く訴えかける。
本書はそんな一冊であった。 -
Posted by ブクログ
岸見一郎による「愛」がテーマの哲学をまとめた本。アドラー、フロム、三木清、ウジェーヌ・ミンコフスキーなど著名な哲学者が残した思想を引用しながら、「なぜあなたの恋愛が幸福をもたらさないのか」を解説する。
内容は哲学ではあるものの、そのエッセンスが上手く纏められているために読みやすい。文章も平易で、このあたりは流石「読ませる哲学書」に定評のある岸見さんらしい。
ただしメッセージが自明なものばかりで、「それはわかっているけど、それが難しいんだよ」というものが多いと感じた。個人的には『嫌われる勇気』を読んでもたらされたパラダイム・シフトを超えてこないという感想。
それでも示唆的で面白い考えも多々あった。
特に、「愛すること」は感情や対象の問題ではなく「スキル」だとする思想は興味深い。恋愛を気持ちではなくテクニックとすることで楽になることも増えると思う。