あらすじ
ベストセラー『嫌われる勇気』著者にしてアドラー心理学の権威が考える、これからの親とのかかわり方。
もくじ
第1章 生きるということ
倒れた母から学んだ「生きる意味」/できないことをできないと認める勇気 ほか
第2章 ありのままを受け入れる
現実を受け入れることが苦しくても、目はつぶらない/親が過去を忘れてしまったら、新しい関係を築けばいい ほか
第3章 親とどうかかわるか
親との権力争いから降りることは、「負け」ではない/親から受けたことを、子どもは親には返せない ほか
第4章 いまここを生きる
人生を効率的に生きることに意味はない/「余生」を考えて生き方を変える必要はない ほか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どうして本書を手に取ったのか、よく考えてみた。
実際に親が後期高齢者となり、認知症にはなっていないが不安な要素はいくつかある。さらには、足が悪く今はまだなんとかすこしなら歩けるが、いずれはそれも出来なくなるかもしれない。
そういった先々への不安への対処の仕方や、不安そのものの正体が知りたかったのか。
覚悟のような、気持ちに整理をつけたかったのかもしれない。
本書では「老いた親」への向き合い方や考えかたなど、とても為になることが多く書かれていた。
でも、やっぱりつらい。老いた親を見るのも、介護をするのも考えるのも。
本書のように感情をうまく抑えてコントロールできるか、不安でしかたない。
Posted by ブクログ
「嫌われる勇気」で有名な著者。
自身の父母の介護のことを記している。
読んでいて、こんな風に考えられて、感じることができたら、素晴らしいなーと思いながらも、難しいな。。。とも思う。
読み進めていくと、やはり、アドラー心理学が根底にあり、それを実践されているのだなーとは思うが、なかなかアドラー心理学を身につけるのが難しい部分もあり、自分にはまだ無理かも。。と思ってしまう。
「いま、ここ」を生きることは、普段は意外に難しい。
Posted by ブクログ
「嫌われる勇気」の共著者が介護について書いた本。実践的な内容ではないが、根を詰めすぎない心の持ちようが介護をしている人には参考になりそう。まだまだ親が元気な私も、読んで良かったです。
Posted by ブクログ
アドラー心理学を広く世に知らしめた岸見一郎さんが、
ご自分の両親を介護した経験から、
介護にのぞむ気持ちや経験などを伝えるエッセイ。
僕も母親に介護が必要で、
おもに親父が介護をしていますが、
そのやり方が神経質で職場的で暴力的かつ支配的。おまけに根性論。
だからといって僕が取って代わるような余裕もなく、
日々消耗していく。
なにか本書にヒントはあるかと思って読みました。
たしかに、一理ある言葉が並んでいます。
しかし、それが一事が万事のように
僕の家庭にあてはまるかといえば、そうではない。
いちばん、心に残ったのは、
「真剣になるのはよし。深刻にはならないこと」
というようなところでした。
これは、そうだなあと思います。
ときおり思い出したい言葉でした。
うちの親は子どもの時間や人生を搾り取るような親なんですが、
それでもここ10年くらいは希望をもってなのか期待してなのか
自分でも判然としませんが、
僕の働きかけで、よい方向へ親を導いてやろう、
彼らが進歩していくきっかけになろうとしていました。
でも徒労なんですよね。
著しく子どもである僕の人生は消耗し、
金銭的にも健康面でも苦しむことになっていく。
それでもますます犠牲を強いるか、
あるいは僕から利益を得ようとするばかりです。
暴力的、嗜虐的、支配的な父親ですから、
母をなかなか放っておけず、かといって、
母は母で現実がみえていない。
これは比較的健康なときからそうですが。
オカルトとかスピリチュアルとか宗教とかじゃなしに
こういった問題に考えていくと、
やっぱり、どうやら親のために頑張るのはやめたほうがいい。
残りの人生だって無駄にするだけ。
そう決めてみても、
一日中こだまする親父の怒鳴り声や暴力で、
僕の心臓は痛みだすのでした。
と、今回は書評みたいにはならなかったですね。
すいませんが、そういうときもあります。
Posted by ブクログ
アドラー心理学の岸見先生の本。
なかなかに読み進めるのがつらい本だった。
岸見先生のファンでも講演会やセミナーで出会ったこともないのに、その先生のご両親、と思うだけで、つらくて切なくて。
親が後期高齢者なのでなにか参考になるかもと思って手に取ったが、リタイア。
p54
英語のlifeにはただ「生命」だけではなく、「生活」さらに「人生」という意味もあります。
p61
ここにいてもいいと思えることは大切なことです。帰らなくてもいいことがわかって以来、父は少し落ち着いたように見えました。
p65
しかし、重要なことは事実ではなくて、父にとっての真実です。
p71
何度も繰り返し語られる話は親にとって重要なことなので、その話はきちんと聞こうと思いました。
p78
(認知症になることによって)父は過去をなくしましたが、証人をなくした私も過去の一部をなくしてしまったといえます。