磯田道史のレビュー一覧
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過去日本に起きた天災、災害について古文書から読み解き、昔の人の経験や教訓をこれからの自分たちに生かして行こうという筆者の思いが前面に詰まった一冊。
歴史というと、小中学校では覚えることがたくさんあって、よく分からない政治のことやら人物やらできごとやらを一生懸命覚えてテストして…これに歴史を学ぶ意義を見出して一生懸命取り組めって到底無理な話だなぁと思いながらとりあえず授業は受けてたけど、磯田さんのこの本を読んで、歴史を学ぶことというのはこういうことなんじゃないかなと思わされました。
当時の人々の生き様、そこにあった苦労や経験の結晶として古文書が現代にも多く残されているのであり、一次史料からそうした当時の人々の様子を読み取って、現代に伝え、教訓として活用していくことこそ本当の歴史を学ぶということだろうなと。そして学校とかではそんなことを学ぶ機会なんてそうそうないから、歴史をニガテに感じたり、暗記だと思ったり、毛嫌いする子もいるのではないかと思いました。
特に日本は地震、津波という災害とは切っても切れない関係にあり、これらをどう克服していくかという課題はまさに古文書の記録や文章に眠っているのではないかと思います。自分も地元の古文書を読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
2019/02/17
普段テレビでよく見かける歴史研究家の磯田さんのこの本がずーっと自分の家に置いてあって、多分親が読んでいたんだろうと思っていたけど、そんなに興味が湧かずスルーしてました。でも、ある時、部分的にたまたま手にとって読んでみたらすごく深い内容でこれは面白いぞと読み進めているうちにあっという間に読み終わってしまった感じです。
この本のすごいところはとにかく磯田さんの徹底的な研究姿勢と古文書に関する半端ない知識、古文書という一次資料から読み取ったことを現実と照らし合わせて的確に検証していることだと思います。
歴史は繰り返すってよく聞くけど、昔の人の記録をじっくりと読むことで現代の生活に活かせることが今でもたくさんあるんだなということを実感しました。また、歴史はやはり教科書や参考書で覚えたことではなく、その裏にある人々が織りなす出来事や事柄、当時を生きた人々の生き様や思いまでしっかりと考える必要があり、それについて考えて自分たちがこれからどう生きていったら良いかということにつなげていくことが大事なんだなあと改めて実感した次第です。
一次資料に触れる機会を自分もこれから増やしていきたいなと思いました。 -
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「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」
今でいうと、スパイが書いた敵国の人物報告書?
優秀なスパイが書いたら、事実は小説より奇なりです。笑
孟子の出典に土芥寇讎とは、
「殿様が家来をゴミのように扱えば、家来は殿様を仇のようにみる」
とあるらしい。
歴史って、人に近付くほど面白さが倍増するなー。
歴史を俯瞰すればするほど、逆にもやもやで一杯。
その意味で、こういった「人を切り取る」紹介本は、ホントに大切!
著者のあとがきに、
「豊かになれば、人間というものは、歌舞音曲と恋愛と宗教にしか興味をもたなくなる。これは古今東西を通して歴史の法則であるといってよい」
とあった。
法則であるなら、その豊かな時代に生きれるのって、幸せなのかも、しれませんね。
ただし、世を動かす歴史は生まれないかもですが、心を動かす芸術は生まれそうですね。笑 -
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はしがき 「金沢藩士猪山家文書」の発見
第一章 加賀百万石の算盤係
わかっていない武士の暮らし/「会計のプロ」猪山家/加賀藩御算用者の系譜/算術から
くずれた身分制度/御算用者としての猪山家/六代 猪山左内綏之/七代 猪山金蔵信之
/赤門を建てて領地を賜る/江戸時代の武士にとって領地とは/なぜ明治維新は武士の領
主権を廃止できたか/姫君様のソロバン役
第二章 猪山家の経済状態
江戸時代の武士の給禄制度/猪山家の年収/現在の価値になおすと/借金暮らし/借金整
理の開始/評価された「不退転の決意」/百姓の年貢はどこに消えたか/衣服に金がつか
えない/武士の身分費用/親戚づきあいに金がかかるわけ/寺へのお布施は一八万円?/
家来と下女の人件費/直之のお小遣いは?/給料日の女たち/家計の構造/収入・支出の
季節性/絵にかいた鯛
第三章 武士の子ども時代
猪山成之の誕生/武家の嫁は嫁ぎ先で子を産むのか?/武家の出産/成育儀礼の連続/百
姓は袴を着用できなかった/満七歳で手習い/満八歳で天然痘に感染/武士は何歳から刀
をさしたのか
第四章 葬儀、結婚、そして幕末の動乱へ
莫大な葬儀費用/いとこ結婚/出世する猪山家/姫君のソロバン役から兵站事務へ/徹夜
の炊き出し/大村益次郎と軍務官出仕
第五章 文明開化のなかの「士族」
「家族書簡」が語る維新の荒波/ドジョウを焼く士族/廻船問屋に嫁ぐ武家娘/士族のそ
の後/興隆する者、没落する者
第六章 猪山家の経済的選択
なぜ士族は地主化しなかったか/官僚軍人という選択/鉄道開業と家禄の廃止/孫の教育
に生きる武士/太陽暦の混乱/天皇・旧藩主への意識/家禄奉還の論理/子供を教育して
海軍へ/その後の猪山家
あとがき
参考文献リスト -
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磯田氏の人気の秘密は、埋もれていた古文書を掘り出し、拾い集めて、ミクロの視点で歴史を解釈して見せることにあるでしょう。
西郷隆盛という人間は体格も、人物スケールも大きい。
いわばマクロの代表のような人です。
それを、ミクロから解釈して見せるのですから、面白くないはずがない。
この組み合わせですから、成功が約束されたようなものです。
ミクロの視点は本を読んでもらうしかないのですが、例えば西郷の下男の証言がちょくちょく出てくる。
この下男は西南の役の相当最後の部分まで西郷に付き従っていたようですが、ハイレベルな視点とは正反対だけれど、これほど身近に仕えていた人物ですから、人物をあぶりだすには格好の視点なのです。
西郷という人間は評価が分かれると思います。
磯田氏はどちらかと言うと、あえて欠点を多く書いているので、好意的には描いていない。
しかし、彼が歴史で果たした役割の大きさには全面的に認めている。
NHKは見ていないが、あの男優で西郷の心の闇の部分を描けているのか、はなはだ疑問ではあります。 -
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ネタバレやはり頭のいい人の対談は面白い。そしてメディア慣れしている人たちだから、面白い対談をしてくれる。歴史おもろー
二宮金次郎の話が多かったけど、勉強になることが書かれていた。「譲」の精神は大事だ。
経済をたらいの水だと喩えて、たらいの水を自分のほうへかき集めても、すぐに逆方向に逃げるように遠ざかって行ってしまう。でも、たらいの水を外に押し出せば、今度は自分のほうに波となって帰ってくる。お金の流れをこのように例えるの、非常に良いなぁと思った。
あと、基本的に江戸時代のステレオタイプなイメージを払しょくするような話が色々出てきて興味深かった。貧しい農民と裕福な武士という固定観念を払しょくするのによいね。 -
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坂本龍馬の現存する百三十九通の自筆の手紙の中から十五点を選び、年代順に追っていき、龍馬とはどのような人間だったのかに迫る。
一次資料の自筆手紙から龍馬の性格、思考、節目節目の行動、人間関係、幕末の政局にどのようにかかわったのかを読み解くわけだけど、龍馬って本当になんでも手紙に書いちゃうんだね。
これ敵対している側に読まれたら不味いじゃんって内容もバンバン書いちゃってて、著者もいうように自分は死なないという根拠のない自信と奔放であけすけな性格が調書でもあるけど短所でもあり寿命を縮めたんだろうな。
第三章は龍馬の暗殺について様々な説を手紙とその他の資料などを用いて分析し、結論を出している。
この本が出た後だと思うけど、一度テレビで著者と同じ説を取ってるのを見た覚えがあるな。 NHKだったかな? -
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サブタイトルに忍者の文字があるけど、忍術合戦みたいなのを期待してはいけない。
忍者はどんな仕事をして、どこに住んでいたのか等を古文書から考察しているので地味といえば地味だけど、それが面白い。 そこから更に発展して当時の薬学知識にまで手を伸ばしたり。
そんな著者は静ではなく動の人。
何かに興味が湧くとまず関連する古文書があるのかを調べその古文書があると判るやそこへ赴き、その地の人に話を訊いて現地を歩いたりもしつつ古文書と向き合う。そんな古文書探索の過程も読んでるとワクワクする。
興味の幅も広いうえに視点も独特なので面白い。
忍者だけでなく、妖怪の目撃情報に蓮華焼き。手塚治虫の祖先の話から石川五右衛門の話まで教科書や漫画でよく見るようなことよりはその裏側や表にあまり出てこないは事実等に目を向け古文書を探す。
それに応えられる古文書がこの世に存在しているのも面白い。
これは古文書を探す時に、何をヒントにするかの発想の素晴らしさが大きく貢献しているのではないかと思う。
3.11の震災で、震災について古文書から学べることがあるとそちらの研究に力を入れているので、本書の後半は震災関係についての話が多い。 為になるので読んでおいて損はない。
そんな著者は新幹線の乗り方も独特であったw