磯田道史のレビュー一覧

  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

    Posted by ブクログ

    天災と日本史の関わりについてわかりやすく解説されている。
    非常に読みやすい。
    人間同士の関係性についつい目が向きがちだが、歴史を学ぶときにはその時代の自然環境・気候なども含めて理解することが必要だということに気づかされる。

    0
    2021年03月28日
  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

    Posted by ブクログ

    第一章、第二章では、江戸時代に火災が非常に多かったということに驚いた。細かな火災に関する記録だけではなく、商館長の心情も記録されていて興味深い。また、火災が多い理由や明暦の大火以降に発展していく深川の町についても書かれており江戸時代を知ることができる部分もおもしろいと思った。第六章の島原大変肥後迷惑に関する記載は、細かく描写され、頭の中で映像化されやすく、津波が起きた時の海の様子はとても印象に残った。

    0
    2021年03月25日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

    Posted by ブクログ

    ゲームのルールはいつか必ず変わる。その時に、今いる状況の外に出ても必要とされる能力を持っているかが人の死活をわける。

    かつて家柄を誇った士族の多くは、家柄など、過去を懐かしみ、現状に不平を言い、そして将来を不安がった。
    一方、自分の現状を嘆くより、社会に役立つ能力を身につけようとした士族には未来が来た。
    恐れずに真っ当な事をすれば良いのである。

    0
    2021年03月15日
  • 感染症の日本史

    Posted by ブクログ

    歴史は繰り返すことをまさに示してくれる本です。江戸時代から感染症には隔離がある程度認識されていたこと、ただその知恵があまり広まらなかったことや、スペイン風邪の時にも、なかなか行政が動けなかったことなどが具体的に述べられています。今と同じだと痛感させられます。それでも現代では科学が発達したおかげで、対策がたてやすくなっているのではと、希望も持たせてくれる内容です。歴史は繰り返すが、それでも少しずつでも社会は良くなっていると思いたくなりました。

    0
    2021年03月13日
  • 無私の日本人

    Posted by ブクログ

    これは「ボン書店の幻」に匹敵する名著だと思う。

    真の才能に恵まれた人間だからこそ、このような清貧の極限のような思想に至れるのだろうか。

    資本主義の限界が見えてきた今こそ読むべき本かもしれない。

    0
    2021年02月13日
  • 無私の日本人

    Posted by ブクログ

    無私の日本人として、穀田屋十三郎、中根桃李、大田垣蓮月の三人が紹介されている。

    前書の「武士の家計簿」が歴史として面白く、一個人の成功譚だったのに対して、本書は、現代・未来への問題提起がある。

    現代は競争経済で、経済成長しているのに、昔ほど皆の生活は良くなっておらず(生きるには十分ですが)、数%の高所得者に資産が集まっている。そしてお金持ちさえも、お金だけでは、満たされない何かにぶつかっている。日本もGDPが他国に追い抜かれそう。そういった状況に対する日本人が幸せに生きるヒントがあるように思った。

    サピエンス全史にもある、人間が想像して作り出したやっかいなもの、神、国、貨幣は、無いと困る

    0
    2021年02月09日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

    Posted by ブクログ

    啓蒙短編エッセイという感じで、短時間で面白く読めた。また、磯田先生が茨城大学を去られた経緯も分かって良かった。

    0
    2020年12月20日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古文書読みの磯田氏が古本屋で入手した「武士の家計簿」。幕末から激動の明治維新をこの一家はどう乗り越えたのか。

    興味を引いたのは主人公が自力で債務整理をすること。返すだけ返し、残額をりそくなしの10年賦にする。現代の任意整理そのもの。

    大村益次郎など、有名な人物も登場する。

    加賀藩の御算用者が明治政府の海軍主計になる、数奇なストーリー。

    映画も見たが本で読まないと本当の価値はわからない。

    0
    2020年11月06日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

    Posted by ブクログ

    面白かった~!
    幕末から明治にかけて、約37年間にわたって記録された武士の家計簿。この家計簿を残したのは、金沢藩の御算用者である猪山家だ。この貴重な記録をもとに、幕末の武士の経済状態はどうだったのか、何にいくら使っていたのかを考察する。また、猪山家は家族間の書簡も残していて、幕末から明治にかけての激動の時代に、藩という組織を失った士族たちの暮らし向きがどうなったのか、何を思っていたのかも伝えてくれる。
    幕末の武士の暮らしを知ることができる意味でも、激動の時代を生きた親子三代のドラマとしても面白い。

    0
    2020年10月29日
  • 龍馬史

    Posted by ブクログ

    坂本龍馬を通して幕末の歴史を大いに語ったこの本。

    坂本龍馬といえば、薩長同盟や大政奉還などが評価されているが彼の真骨頂は海軍の創設という話、さすが歴史家。
    彼の生まれ育った環境や様々な史料から分析されていてとても面白かった。

    彼の為人を自筆の手紙から分析した第一章。
    龍馬を中心とした幕末の流れを把握できる第二章。
    そして龍馬暗殺の黒幕に迫る第三章。

    幕末はややこしいけど面白い、それを実感できる本でした。

    0
    2020年10月12日
  • 江戸の備忘録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    歴史家磯田道史さんの随筆集。

    歴史に名を残す信長、秀吉、家康などの為人やエピソードあり、からくり儀右衛門など政治に直接関係のなかった人のエピソードそして学び、昔の人の日記などから暮らしぶりや生き方をわかりやすく解説してくれたり、歴史の中での離婚の位置付けや名前の由来の歴史などなど、いろんな角度から歴史って面白いなと思わせてくれる本。

    古文書などは自分で読み解けないけど、この本が読み解いてわかりやすく解説してくれるので知識が広がります。

    儀右衛門の時代は道楽という心豊かな言葉があり、朝から晩まで勉強に関係のないことで夢中になっていても親御さんが暖かく見守ったことで自由に力を発揮し現在の東芝

    0
    2020年10月07日
  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

    Posted by ブクログ

    江戸初期から幕末まで日本との貿易が続けられたオランダ。布教目的を持たない東インド会社で、商館長をはじめ幹部には報告書を兼ねた日記を義務付けていたことで、はからずも江戸の災害を記録・保存できた。明暦の大火、元禄地震など商館長が体験した大災害の様子がよく理解できた。長崎でも地震が頻発していたとは、管見にして知らず。しかし、雲仙岳という活火山の近くに位置する長崎であることを考えると納得できる。人工島である出島では、地割れが起きた記録はあるが、液状化の記録がないことに驚く。当時の土木工事の技術力の高さもすごい!

    0
    2020年09月12日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

    Posted by ブクログ

    「歴史学は生きている。我々の命をも守りうる現代に必要な学問である。」筆者の強い信念の元書かれた本書は防災史に残る名著であろう。

    歴史研究は決して過去のものではない。現代の目から過去を見つめることにより、未来に活かしていく学問。そんな筆者の考えが本書から伝わってくる作品。

    地震や火山活動には周期がある。人の一世としては短くとも地球から見ればあまりに短い。何千年、何万年のサイクルで見ると、繰り返される大きな地殻変動がある。東日本大震災でも津波が由緒ある神社の鳥居の手前でピタリと止まる場面が多くの場所で見られたという。それもそのはず、過去の人々は苦い経験を基に新たな集落を築き神を祀る、それが長い

    0
    2020年08月22日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

    Posted by ブクログ

    武士だって生活がある。おカネのやり繰りをしないといけない。そんな当たり前の事を生々しく教えてくれる。

    でも、この本の本質はそれではないのかも。。。

    0
    2020年08月08日
  • NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層

    Posted by ブクログ

    歴史書でここまで面白いものはなかなか無いと思う。
    江戸の無血開城、西南戦争、篤姫。。。
    なんとなく日本史で見たなぁというキーワードを、史実と沢山の資料を読み解くことで鮮やかに、生々しく描く磯田先輩は、凄い!

    0
    2020年07月20日
  • 日本史の探偵手帳

    購入済み

    日本史の探偵手帳

    作者の知性、教養、好奇心、研究研鑽の蓄積が溢れている好書で興味深く知的刺激に満ちている。一般公式歴史書には出てこないこれらの貴重な歴史事実は古文書を無数に発掘して読みこなす作者でなければ得られない情報の宝庫で一般読者がこれを容易に読めるのは大変に幸運なことだ。

    0
    2020年06月03日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

    Posted by ブクログ

    この本でまた一つ歴史の愉しみ方を教わった。中学高校時代は歴史が大嫌いだったのだが、磯田氏のおかげで一変した。
    日本人は昔からメモ魔が多くていろんな記録が残っていることが奇跡のようだし、未だに新たな歴史上の発見があることも驚きだ。

    0
    2020年05月11日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

    Posted by ブクログ

    最近は毎年災害が発生しています。
    しかし昔の自然災害による被害は現代とは比べ
    ものにならなかったでしょう。

    そしてそれらは、その後の歴史に大きく影響を
    与えたと推測されます。

    一方で被災に遭った先人たちはその教訓を後世
    に伝えようともしたはずです。

    東日本大震災では震災遺構を残すべきか、それ
    とも「真っさら」にして「無かったこと」に
    してしまうかの議論はニュース等で見た方も
    多いと思います。

    この本は私的な悲しみを乗り越え、公的な使命
    を全うした先人に防災を学ぶ一冊です。

    0
    2020年05月07日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

    Posted by ブクログ

    磯田道史さんは、巨人の菅野智之投手にそっくりだ。ぜひ、写真を見比べてほしい。ひょっとして二人は親戚ではないかと思ったりする。実は秘密の兄弟、親子だったりして。ずっと以前からこのことが気になって仕方がなかった。磯田さん自身は、春風亭昇太に似ていると言われたらしいが、どうかなあ。
    さて、本の方は全くもって素晴らしいというしかない。小学生のころから古文書を読み始めたというだけあって、あちらこちらに出没しては、古文書を発掘し、新しい歴史の一幕を解読してくれる。そこ知的興奮たるや半端ではない。磯田さんは古文書の巨人だ。私が付箋を付けたところは非常にたくさんあるのだが、一部を書いておく。
    ・三方ヶ原の戦い

    0
    2020年04月05日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

    Posted by ブクログ

    一つひとつが短いエッセイスタイルで
    読みやすい。その短い文章の中に筆者の古文書に関する
    経験と歴史の知識と新しい事実発見の喜びが凝縮している。続編がほしい。

    0
    2020年03月20日