磯田道史のレビュー一覧
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無私の日本人として、穀田屋十三郎、中根桃李、大田垣蓮月の三人が紹介されている。
前書の「武士の家計簿」が歴史として面白く、一個人の成功譚だったのに対して、本書は、現代・未来への問題提起がある。
現代は競争経済で、経済成長しているのに、昔ほど皆の生活は良くなっておらず(生きるには十分ですが)、数%の高所得者に資産が集まっている。そしてお金持ちさえも、お金だけでは、満たされない何かにぶつかっている。日本もGDPが他国に追い抜かれそう。そういった状況に対する日本人が幸せに生きるヒントがあるように思った。
サピエンス全史にもある、人間が想像して作り出したやっかいなもの、神、国、貨幣は、無いと困る -
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ネタバレ歴史家磯田道史さんの随筆集。
歴史に名を残す信長、秀吉、家康などの為人やエピソードあり、からくり儀右衛門など政治に直接関係のなかった人のエピソードそして学び、昔の人の日記などから暮らしぶりや生き方をわかりやすく解説してくれたり、歴史の中での離婚の位置付けや名前の由来の歴史などなど、いろんな角度から歴史って面白いなと思わせてくれる本。
古文書などは自分で読み解けないけど、この本が読み解いてわかりやすく解説してくれるので知識が広がります。
儀右衛門の時代は道楽という心豊かな言葉があり、朝から晩まで勉強に関係のないことで夢中になっていても親御さんが暖かく見守ったことで自由に力を発揮し現在の東芝 -
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「歴史学は生きている。我々の命をも守りうる現代に必要な学問である。」筆者の強い信念の元書かれた本書は防災史に残る名著であろう。
歴史研究は決して過去のものではない。現代の目から過去を見つめることにより、未来に活かしていく学問。そんな筆者の考えが本書から伝わってくる作品。
地震や火山活動には周期がある。人の一世としては短くとも地球から見ればあまりに短い。何千年、何万年のサイクルで見ると、繰り返される大きな地殻変動がある。東日本大震災でも津波が由緒ある神社の鳥居の手前でピタリと止まる場面が多くの場所で見られたという。それもそのはず、過去の人々は苦い経験を基に新たな集落を築き神を祀る、それが長い -
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日本史の探偵手帳
作者の知性、教養、好奇心、研究研鑽の蓄積が溢れている好書で興味深く知的刺激に満ちている。一般公式歴史書には出てこないこれらの貴重な歴史事実は古文書を無数に発掘して読みこなす作者でなければ得られない情報の宝庫で一般読者がこれを容易に読めるのは大変に幸運なことだ。
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磯田道史さんは、巨人の菅野智之投手にそっくりだ。ぜひ、写真を見比べてほしい。ひょっとして二人は親戚ではないかと思ったりする。実は秘密の兄弟、親子だったりして。ずっと以前からこのことが気になって仕方がなかった。磯田さん自身は、春風亭昇太に似ていると言われたらしいが、どうかなあ。
さて、本の方は全くもって素晴らしいというしかない。小学生のころから古文書を読み始めたというだけあって、あちらこちらに出没しては、古文書を発掘し、新しい歴史の一幕を解読してくれる。そこ知的興奮たるや半端ではない。磯田さんは古文書の巨人だ。私が付箋を付けたところは非常にたくさんあるのだが、一部を書いておく。
・三方ヶ原の戦い