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Posted by ブクログ
この本を読んで、西郷隆盛の姿をより深く知ることができました。
本の帯にあるように、彼が「愛すべき異端児」でありながら、新しい日本国家を作るために徹底した破壊を断行したことから、畏敬の念と感謝の情を抱かざるを得ません。
西郷隆盛は強烈な個性をもった男であり、「傷がある金の玉」というような存在であったと聞いて納得できました。
彼は少年時代から「ややこしい奴」であり、「面倒くさい男」、本人が述べている「始末に困る人」ではあったとのことです。
しかしながら、「観念を現実に具体的に変換する能力」や「人間平等の原理」を持ち、大久保のように「規格内の人材リーダ」ではなく、「規格外の人物リーダ」として活躍していきました。
国内で内戦するのではなく、国防に重点を置き、近隣諸国とは親善外交を促進する方針を固めていった、ということもわかりました。
私は西郷隆盛の情緒的には、空間的に離れたところへ行くと、その誰かと同じ気持ちになる性質を持っている「餅のような男」や金銭感覚としての「子孫のために美田を残さない」といった人生観に引き付けられました。
こういうことで、「完全無欠の銀玊」よりも、「傷あり金の玉」だからこそ、現在でも日本国民や鹿児島県民に親しみを持って慕われている存在だと再認識しました。
本書をベースに、周辺の人物や時代背景、近代日本史について、さらなる興味が湧いてきました。
以上
Posted by ブクログ
磯田氏の人気の秘密は、埋もれていた古文書を掘り出し、拾い集めて、ミクロの視点で歴史を解釈して見せることにあるでしょう。
西郷隆盛という人間は体格も、人物スケールも大きい。
いわばマクロの代表のような人です。
それを、ミクロから解釈して見せるのですから、面白くないはずがない。
この組み合わせですから、成功が約束されたようなものです。
ミクロの視点は本を読んでもらうしかないのですが、例えば西郷の下男の証言がちょくちょく出てくる。
この下男は西南の役の相当最後の部分まで西郷に付き従っていたようですが、ハイレベルな視点とは正反対だけれど、これほど身近に仕えていた人物ですから、人物をあぶりだすには格好の視点なのです。
西郷という人間は評価が分かれると思います。
磯田氏はどちらかと言うと、あえて欠点を多く書いているので、好意的には描いていない。
しかし、彼が歴史で果たした役割の大きさには全面的に認めている。
NHKは見ていないが、あの男優で西郷の心の闇の部分を描けているのか、はなはだ疑問ではあります。
Posted by ブクログ
★★★2019年5月★★★
『武士の家計簿』などの著作で知られる、磯田氏による西郷論。西郷こと吉之助少年は、周囲から「ややこしい奴」だと思われていたらしい。自らの高い志のため、妥協する事がなかったからだろうか。
君主斉彬の死、自らの入水自殺未遂、弟吉二郎の死、多くの出来事が西郷に影響を与えた。命知らずの西郷はこうして形成されてゆく。
西郷は征韓論者であったかという議論については、西郷は積極的な征韓論者ではなかったと筆者は述べる。
岩倉らが欧州視察に赴いた際の留守政府が非常に優秀だったという考えは、井沢氏の意見と一致。そもそも「留守」政府という言い方自体がおかしいという考えには僕も賛成だ。
なんだかまとまりの無い感想文になってしまった。
西郷の生涯をダイジェストでたどるには格好の一冊だと思う。
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