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今から百五十年前、この国のかたちを一変させた西郷隆盛とは、いったい何者か。薩摩での生い立ちから、悩み多き青春と心中未遂、流謫の南島から幕末の渦中へと舞い戻り、策謀と戦闘の果てに倒幕を成し遂げ、ついには賊軍として西南戦争で自決するまで――後代の神格化と英雄視を離れて、「大西郷」の意外な素顔を活写、その人間像と維新史を浮き彫りにする。
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Posted by ブクログ
この本を読んで、西郷隆盛の姿をより深く知ることができました。 本の帯にあるように、彼が「愛すべき異端児」でありながら、新しい日本国家を作るために徹底した破壊を断行したことから、畏敬の念と感謝の情を抱かざるを得ません。 西郷隆盛は強烈な個性をもった男であり、「傷がある金の玉」というような存在であったと...続きを読む聞いて納得できました。 彼は少年時代から「ややこしい奴」であり、「面倒くさい男」、本人が述べている「始末に困る人」ではあったとのことです。 しかしながら、「観念を現実に具体的に変換する能力」や「人間平等の原理」を持ち、大久保のように「規格内の人材リーダ」ではなく、「規格外の人物リーダ」として活躍していきました。 国内で内戦するのではなく、国防に重点を置き、近隣諸国とは親善外交を促進する方針を固めていった、ということもわかりました。 私は西郷隆盛の情緒的には、空間的に離れたところへ行くと、その誰かと同じ気持ちになる性質を持っている「餅のような男」や金銭感覚としての「子孫のために美田を残さない」といった人生観に引き付けられました。 こういうことで、「完全無欠の銀玊」よりも、「傷あり金の玉」だからこそ、現在でも日本国民や鹿児島県民に親しみを持って慕われている存在だと再認識しました。 本書をベースに、周辺の人物や時代背景、近代日本史について、さらなる興味が湧いてきました。 以上
再読したいと思わせてた本。 磯田さんの本は好きだが中でも好きな本の一つ。 学生時代に読みたかったな〜と思った
今や司馬遼太郎の後継者として引っ張りだこの著者であるが、本作も実に西郷を調べ尽くしている。西郷の周りでは多くの人間が死んでいくというのは言い得て妙である。司馬遼太郎の「翔ぶが如く」でも地元では西郷はあまりよく思われていないと書かれていたと思う、多分西郷は時代の破壊者として生まれてきたのであろう。とこ...続きを読むろで本作はひとつの論文としては面白いのだけれど、これを「翔ぶが如く」や「花神」のような歴史小説とするにはもっと筆力が入りそうだが、最近の史実を無視したトンデモ歴史小説を書くぐらいならやめたほうがよさそうに思う。
磯田氏のこの本と司馬遼太郎氏の翔ぶが如く読んだ。もちろん磯田氏は古文書から日本歴史家として歴史を忠実にかかれている。それに対し司馬氏はあくまでも小説家であるため、史実は忠実に再現され、それに創作部分をくわえられている。両書に描かれている共通部分が史実として私は捉えている。 この歳になって、古文書から...続きを読む読み通すのは極めて困難なため、複数の本を読んで自分なりの西郷隆盛像を作り上げることしかできません。ただし、真実と創作の部分の見極めが出来ないといけませんがね。 そのためにも、歴史家の磯田氏のこのような本が大変貴重です。
磯田氏の人気の秘密は、埋もれていた古文書を掘り出し、拾い集めて、ミクロの視点で歴史を解釈して見せることにあるでしょう。 西郷隆盛という人間は体格も、人物スケールも大きい。 いわばマクロの代表のような人です。 それを、ミクロから解釈して見せるのですから、面白くないはずがない。 この組み合わせですから、...続きを読む成功が約束されたようなものです。 ミクロの視点は本を読んでもらうしかないのですが、例えば西郷の下男の証言がちょくちょく出てくる。 この下男は西南の役の相当最後の部分まで西郷に付き従っていたようですが、ハイレベルな視点とは正反対だけれど、これほど身近に仕えていた人物ですから、人物をあぶりだすには格好の視点なのです。 西郷という人間は評価が分かれると思います。 磯田氏はどちらかと言うと、あえて欠点を多く書いているので、好意的には描いていない。 しかし、彼が歴史で果たした役割の大きさには全面的に認めている。 NHKは見ていないが、あの男優で西郷の心の闇の部分を描けているのか、はなはだ疑問ではあります。
西郷隆盛の本はだいぶ読んだが、一生を客観的に記載されており、歴史学者ならではの評伝である。 西郷隆盛を知れば知るほど、わからなくなる。だからこそ、西郷は語り継がれていくのが理解できた。
質素倹約・自己犠牲をいとわない、他者を自己と同一化する優しさと、調査・分析を怠らない冷徹さを持った革命家の一生を描いたノンフィクション。 司馬遼太郎「翔ぶが如く」やNHK大河で終わっていた革命家としての西郷隆盛を深掘りしてくれた作品。 家族にとって困った長男坊という著者の指摘には苦笑いしかできな...続きを読むいぐらいその通りだと思う。
西郷隆盛についてはいろいろな見方がある。この本はその理解しにくい西郷の人物像がわかりやすく書かれており読んでよかった。
★★★2019年5月★★★ 『武士の家計簿』などの著作で知られる、磯田氏による西郷論。西郷こと吉之助少年は、周囲から「ややこしい奴」だと思われていたらしい。自らの高い志のため、妥協する事がなかったからだろうか。 君主斉彬の死、自らの入水自殺未遂、弟吉二郎の死、多くの出来事が西郷に影響を与えた...続きを読む。命知らずの西郷はこうして形成されてゆく。 西郷は征韓論者であったかという議論については、西郷は積極的な征韓論者ではなかったと筆者は述べる。 岩倉らが欧州視察に赴いた際の留守政府が非常に優秀だったという考えは、井沢氏の意見と一致。そもそも「留守」政府という言い方自体がおかしいという考えには僕も賛成だ。 なんだかまとまりの無い感想文になってしまった。 西郷の生涯をダイジェストでたどるには格好の一冊だと思う。
西郷隆盛という人がいなかったら、今のこの国のかたちはなかったかもしれない。 しかしそのキャラクターは子供のように自然体すぎる。人にはない大きな愛と力を持ちながら、ときには全てをほりだして逃げ、脱力し、自然へと帰っていってしまう。 子供みたいな純真な側面がありながら、策謀をはじめるといくらで...続きを読むも悪辣なことを思いつく頭脳、自分が思う世の中を創ると決めたら、それに必要な作業へと変換できる天才的な革命家、人を選ぶ時の抜群の上手さ(西南戦争時の桐野、篠原らは例外?)、そして理不尽な身分制や差別に対する怒り、いずれ人は死ぬのだという諦観。 「人間、いかに大きな仕事をしても、後を残さないことこそ大事」と言った言葉通り、写真一枚残していない。知れば知るほど謎多き人物だ。
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