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Posted by ブクログ
「歴史学は生きている。我々の命をも守りうる現代に必要な学問である。」筆者の強い信念の元書かれた本書は防災史に残る名著であろう。
歴史研究は決して過去のものではない。現代の目から過去を見つめることにより、未来に活かしていく学問。そんな筆者の考えが本書から伝わってくる作品。
地震や火山活動には周期がある。人の一世としては短くとも地球から見ればあまりに短い。何千年、何万年のサイクルで見ると、繰り返される大きな地殻変動がある。東日本大震災でも津波が由緒ある神社の鳥居の手前でピタリと止まる場面が多くの場所で見られたという。それもそのはず、過去の人々は苦い経験を基に新たな集落を築き神を祀る、それが長い年月の間に忘れられてきた歴史を繰り返している。そんな実例を筆者は多くの土地を取材し実例を挙げていく。
本書は2013年から2014年の新聞連載。当然、東日本大震災の記述が多い。古文書を紐解くと過去にも同様な災害が起こっている例の実に多いこと。人はまだ過去から学び続ける必要がある。
本書の後書き、筆者は3つの危機を記す。第一は地震津波など地学的危機。第二は風水害、高潮、土砂崩れなど気象学的危機。そして
「第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的的危機も高まってきている。第三の医療・健康・感染症対策については、ここでは述べることができなかった。」
筆者の予想は残念ながら的中し、世界は新型コロナウイルスによる感染と未曾有の経済不況に不況に見舞われている。
本書刊行より後の話だが、筆者は今スペイン風邪その他過去の感染症の古文書を読み解き先人たちの苦闘と克服の過程を各種メディアに提供している。歴史学のあるべき姿を実践する姿勢には感銘を受ける。今後のさらなる活躍に期待しつつ、この本を多くの方に読んでいただきたいと思う。
素晴らしい一冊でした。
Posted by ブクログ
過去日本に起きた天災、災害について古文書から読み解き、昔の人の経験や教訓をこれからの自分たちに生かして行こうという筆者の思いが前面に詰まった一冊。
歴史というと、小中学校では覚えることがたくさんあって、よく分からない政治のことやら人物やらできごとやらを一生懸命覚えてテストして…これに歴史を学ぶ意義を見出して一生懸命取り組めって到底無理な話だなぁと思いながらとりあえず授業は受けてたけど、磯田さんのこの本を読んで、歴史を学ぶことというのはこういうことなんじゃないかなと思わされました。
当時の人々の生き様、そこにあった苦労や経験の結晶として古文書が現代にも多く残されているのであり、一次史料からそうした当時の人々の様子を読み取って、現代に伝え、教訓として活用していくことこそ本当の歴史を学ぶということだろうなと。そして学校とかではそんなことを学ぶ機会なんてそうそうないから、歴史をニガテに感じたり、暗記だと思ったり、毛嫌いする子もいるのではないかと思いました。
特に日本は地震、津波という災害とは切っても切れない関係にあり、これらをどう克服していくかという課題はまさに古文書の記録や文章に眠っているのではないかと思います。自分も地元の古文書を読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
日本史に関わってくる天災についての本。当たり前の話だが、日本が地震大国と言うのは大昔からなのだと改めて実感する。その時々の経験や知恵が生かされ、また別の分野にも影響を与え次の代へと繋いでゆく。それらが後の天災への対応に役立った例も多々ある。つくづく歴史というものは馬鹿にできない。
それを残すために必要なものは何か、地縁なのである。今回の金沢地震で強制移住の話が議論されてきた時期があったが、そんな事をしてしまえは過去からの繋がりをみすみす絶ってしまい取り返しのつかないことになる可能性もある。
歴史とは何か、歴史について考えるとはどういうことか、机上で唸るだけでなくフィールドワークも大事であると実感した本。
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ビジネス・実用
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