磯田道史のレビュー一覧

  • 日本史の探偵手帳

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    【単に江戸は歴史の中のものだけでなく、私たちが生きる現代にも脈々と流れている点も考えねばなるまい】(文中より引用)

    現代を代表する歴史の語り手である磯田道史が、日本史の面白さや巷間には知られていない小話について紹介する作品。日本のアイデンティティから江戸の街中に落ちた隕石の話まで、多様な分野の多様な話を収めています。

    どっしり構えて対面する歴史ではなく、ちょこっと脇に控えて手に取りたくなるような歴史の面白さを教えてくれる一冊。一次資料をかき分けた著者でなければわからない好奇心をくすぐるエピソードが満載で、日本史熱に日を付けてくれる嬉しい体験ができるかと。

    磯田氏が出演しているNHKの『英

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    2020年02月10日
  • オランダ商館長が見た 江戸の災害

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    江戸時代というのは、戦乱のようなことが無かったことから、様々な社会制度や経済活動が色々と進歩して種々の文化が花開いた平和な時代であったが、その他方で地震や洪水や火山噴火、更に年が壊滅的被害を受ける大規模火災というような災害が相次いだ時代という一面も在った。
    地震や火山噴火や大規模火災というような出来事の衝撃、被害状況の伝聞、現場や近くに居合わせた場合の経験というようなことに関しては種々の記録も伝えられていて、それが現在も研究されている。そういう種々の記録の中に、少し異色かもしれないが、非常に興味深いモノが在る。「欧州の人達が綴ったモノ」である。
    江戸時代を通じて、「欧州の人達」と言えば、公に滞

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    2020年01月07日
  • 戦乱と民衆

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    面白く興味深くバラエティ豊か! 民衆はつねにか弱いのだろうか? 戦乱の一方的な犠牲者だったのだろうか? 名だたる戦乱の遠景として扱われてきた、名も無き当事者としての「民衆」の別の姿を、時代ごとに語り明かしていく。応仁の乱の前後に頻発した土一揆が、乱の期間中にぱったりと無くなっていたのは何故なのか。明治時代に入った時点で、京都市街の六割は焼失した状態だった。この視点を持って、もう一度同時代のあれこれを読み直したい、と考えさせてくれる好著。

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    2019年10月29日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    司馬遼太郎の功罪について歴史学者の磯田道史が分析した一冊。

    プロの歴史学者が司馬遼太郎を分析することはないので、それだけでも価値のある一冊。
    また、俗に司馬史観と呼ばれるものの功と罪の部分をしっかり描いており、非常に勉強になった。

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    2019年09月13日
  • 無私の日本人

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    あっぱれな人がたくさん登場します。慈愛に満ちているのか、それともただの怖いもの知らずかは定かではありますが、大変素晴らしい人々です。映画館には思わず何度も足を運びました。本が苦手な方はぜひそちらからでも観賞していただければと思います。

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    2019年07月23日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    時代は幕末。新しい時代を築くべく行動を起こした若きリーダー達(坂本龍馬や高杉晋作など)ではなく、歴史上無名の一介の士族・猪山家がこの激動の時代をどう生き抜いたかが家計簿と手紙のやり取りから手に取るように見える。
    "歴史とは過去と現在のキャッチボールである” 
    テクノロジーによって日々目まぐるしく進化する今の世の中をどう生き抜けば良いのかという問いを持って本書を読んだ時、過去から返ってきたボールに学びを得た。幕末という激動の時代に生きた士族の運命は、世襲によって得た肩書や特権の上にあぐらをかいていた者と、”既存の組織の外に出ても、必要とされる技術や能力をもっている”者で大きく分かれた。

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    2019年06月20日
  • 素顔の西郷隆盛(新潮新書)

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    ネタバレ

    勉強熱心な長州藩では、とかく抽象的な議論がまかり通るため、しまいには成否に関係なく討ち死にしても良いと言う話になりがちでした
    斉彬の考え方は、大雑把に言えば、アジアは西洋から辱めを受けてはならない、日本は一つとなって西洋列強に立ち向かわなければならない、と言うものでした
    西郷はせっかちな人に多い、味の濃い、塩辛いものが好きでした
    西郷の目的は、最初から朝鮮を攻めとろうと言うのではなく、朝鮮も共に近代化しよう言うことにあったと思います
    古文書を読むとき、どういう目的でその資料が作られたか、きちんと見る必要があります
    要するに、結局は人であり、人間が世の中を動かしている。制度や法律の類ではなく、人

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    2019年06月11日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

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    2019/3/10
    引き続き磯田道史さんの日本史の本を読んでみました。天災〜の本の内容とかぶる内容もあったけれど、こっちの方が出版された年が早かった。とりあえず細かいことは気にせずに読んでみたけれども、やはり古文書通の磯田さんの解読と考察はすごく面白い。
    歴史から学んでいくということはまさに磯田さんが実践していることなんだろうなと改めて実感させられました。
    古文書というとものすごく古い紙に書かれたなんだかよく分からない字がたくさん書いてあって全然読めるわけがないと思いがちかもしれないが、昔の内容が書かれているものは全て古文書であり、それには時代が経過している、していないは関係ないのだと思った。

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    2019年03月11日
  • 無私の日本人

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    話はもちろんとても感動でき、公のためにこれほど尽くせる人が昔の日本にいたことをとても誇らしく思えた。
    また、江戸時代の価値観(磯田さんは先祖、子孫を最も尊ぶ一種の宗教と呼んだ)も知ることができ勉強になった。

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    2019年03月06日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    過去日本に起きた天災、災害について古文書から読み解き、昔の人の経験や教訓をこれからの自分たちに生かして行こうという筆者の思いが前面に詰まった一冊。
    歴史というと、小中学校では覚えることがたくさんあって、よく分からない政治のことやら人物やらできごとやらを一生懸命覚えてテストして…これに歴史を学ぶ意義を見出して一生懸命取り組めって到底無理な話だなぁと思いながらとりあえず授業は受けてたけど、磯田さんのこの本を読んで、歴史を学ぶことというのはこういうことなんじゃないかなと思わされました。
    当時の人々の生き様、そこにあった苦労や経験の結晶として古文書が現代にも多く残されているのであり、一次史料からそうし

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    2019年03月02日
  • 日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで

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    2019/02/17
    普段テレビでよく見かける歴史研究家の磯田さんのこの本がずーっと自分の家に置いてあって、多分親が読んでいたんだろうと思っていたけど、そんなに興味が湧かずスルーしてました。でも、ある時、部分的にたまたま手にとって読んでみたらすごく深い内容でこれは面白いぞと読み進めているうちにあっという間に読み終わってしまった感じです。
    この本のすごいところはとにかく磯田さんの徹底的な研究姿勢と古文書に関する半端ない知識、古文書という一次資料から読み取ったことを現実と照らし合わせて的確に検証していることだと思います。
    歴史は繰り返すってよく聞くけど、昔の人の記録をじっくりと読むことで現代の生活

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    2019年02月17日
  • 日本史の探偵手帳

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    ネタバレ

    国家と言うものは古今東西、民のおこたりには厳しいが、法権力を握っている自分たちの怠りには甘い
    ノーベル経済学賞を受賞したD・ノースは、取引費用が大きな社会では、経済取引そのものが不活発になり経済発展が阻害されると看破した
    日本社会は安定しているときには所属や世襲の原理になりやすいが、一旦、動き始め変革期に入ると、実力主義・能力主義に急に向かう
    教育といっても、生活と出世のためだけにする勉強は、人を幸せにしない
    墓石は永遠の象徴である

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    2019年02月16日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    2010/6/25 予約 7/3 借りる。7/5 読み始める。7/16 読み終わる。

    2010年12月4日 映画公開です。

    古本屋で見つけた古文書は、ある優秀な下級武士の30年にわたる几帳面な家計簿だった。
    それを読むことで、幕末から明治を生き抜く武家の暮らし、その頃の世間の物価など いろいろなことがわかってくる。
    これは すごく面白い本です!
    これまで時代劇や時代物の小説で、?だったこともすこし納得。目からウロコ。

    さらに、著者の 「あとがき」 に感動。
    ・ 「歴史とは過去と現在のキャッチボールである」、過去に問いかけ、過去と対話する。
    ・ 社会変動の時代を生き抜いたのは、今いる組織の

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    2019年01月12日
  • 無私の日本人

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    穀田屋十三郎、中根東里、太田垣蓮月。
    タイトルどおり「私」を捨てて民のために事を成した人たちの物語。
    すごかった。ただただスゴカッタ。
    なれないけど、少しでもこうありたい。
    ありがとう。

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    2018年12月31日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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     私たち世代は(おそらく)日教組の教職員から中学高校と「日本はダメな国」史観を叩き込まれた。昭和天皇を終始「テンちゃん」と呼ぶ教諭までいた。
     長じて、司馬遼太郎の著作に接し「日本も捨てたものじゃないな」と、考えを改めた。
     幕末から明治に至る日本史は、世界史の中でも希有にして奇跡的な歩みだろう。
     ギリシャ民族にホメロスあり。中華民族に司馬遷あり。大和民族に司馬遼太郎あり!

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    2018年12月13日
  • 天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

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    日本史の1つの切り口、災害史。
    日本は歴史的に数多くの自然災害に遭遇している。
    このため、それを遺した古文書が数多くあるというのが、
    磯田氏が繰り返し伝えられている過去の災害の記録である。
    東日本大震災から月日が経つにつれて、地震や津波に対しての関心が早くも薄れつつあることを感じる。
    しかし、過去の歴史に学ばなければ、将来に来たるべき災害から自らの身を守ることはできない。
    改めて、身近な地域から自然災害について考えてみたい。、

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    2018年11月15日
  • 龍馬史

    購入済み

    おもしろくて読みやすい

    非常に面白いです。司馬さんの竜馬がゆくが好きな人は、この本を読むとより理解が深まります。おすすめです。

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    2018年11月06日
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

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    歴史を蘊蓄でなくエンタメとして身近に感じることができる。地震、津波を知る為に古文書を活用するとこんなにリアリティーがあるのか。
    古文書を操る歴史学者というと、研究室にこもった姿を想像しがちだか、磯田さんの古文書を社会を通じて今の社会に貢献する熱意に心を打たれる。文章はとても楽しい。新幹線から関ヶ原を観る作法は笑った!

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    2018年10月30日
  • 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

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    歴史の細かいところまでよくわかる良い本だった
    最後は共感力が大切とのこと
    正直が徳目
    別に金儲けのためにやっているのではない国を良くするためにやっている
    現代の日本人は総務が弱い
    お金儲けのためだけなっている

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    2018年10月21日
  • 武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新―

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    はしがき 「金沢藩士猪山家文書」の発見

    第一章 加賀百万石の算盤係
    わかっていない武士の暮らし/「会計のプロ」猪山家/加賀藩御算用者の系譜/算術から
    くずれた身分制度/御算用者としての猪山家/六代 猪山左内綏之/七代 猪山金蔵信之
    /赤門を建てて領地を賜る/江戸時代の武士にとって領地とは/なぜ明治維新は武士の領
    主権を廃止できたか/姫君様のソロバン役
    第二章 猪山家の経済状態
    江戸時代の武士の給禄制度/猪山家の年収/現在の価値になおすと/借金暮らし/借金整
    理の開始/評価された「不退転の決意」/百姓の年貢はどこに消えたか/衣服に金がつか
    えない/武士の身分費用/親戚づきあいに金がかかるわけ

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    2019年08月31日