磯田道史のレビュー一覧
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6人の論客が日本の問題点を明らかにする。
275ページの新書に6つの論文。
1人40-50ページと短い文章だが、
その中に鋭い視点を見た。
一番鋭いと思ったのは中島岳志氏。
「保守とリベラル」という対立軸に、新しい視点をもたらした。
「リベラルとパターナル」がそれ。
パターナルとは、家父長的、権威主義的。
そこにリスクの社会化、リスクの個人化という軸を合わせ、
4象限で自民党の政策の変遷を分析する。
田中大平のころの自民党はリスクの社会化+リベラルだった、
それが小泉で個人化、リベラルとなり、
安倍で個人化、パターナルとなったと。
自民は時代とともに鵺のように変遷していると。
ちなみに「民主 -
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ネタバレタイトルどおり磯田さんがホストとなって著名人・専門家のみなさんと歴史を語り合うという、私好みの一冊でとても楽しく読ませていただきました。
とくに印象に残ったのは、養老孟司さんとの対談の中で、自然史と人間の歴史を結びつけるとさらに面白いという話。
昆虫の話から始まり、日本人が均質的に見えるのは客観的な事実かも…と結論づけるあたりは、なるほどなぁと頷きながら読みました。
とくに「思わぬ自然変化が歴史に影響する」という説が面白かったです。
大災害が一度に起こると、その後、被害に対して感覚が鈍くなる。太平洋戦争のような乱暴な戦争をしたのはそのせいではないか、そうでなければ、モダンな大正時代からなぜ軍国 -
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高校生向けの特別講義がもと。(笑)(「えーっ」)(「へー」)(「キャーハハハ!」)という反応も挟まっていて、臨場感がある。
百点神社実験、自分の結婚の年齢、ゆるキャラの歴史、サカナくんのネクタイといった、女子高生の喜びそうなネタも入れながら、歴史を学び研究するとはどういうことなのかをレクチャーする。より広く、なにかに興味をもつとはどういうことなのか、それを突き詰めるにはどうすればよいかという本としても読める。
史料だけに頼ることの限界や落とし穴にもちゃんと触れている。ちょっと脱線して、天皇家には姓がないが、姓がなければ易姓革命もないといったことや、前方後円墳の形がなにに由来するのかなど、結構デ -
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読む前は、「司馬遼太郎史観」という言葉だけが一人歩きしていて、歴史的事実ではない、歴史小説の文体で司馬遼太郎が伝えたい主題をその小説ごとに伝えていると認識していました。
この本は、歴史研究者の磯田道史が司馬遼太郎の著作を歴史学的な視点から読み解いています。
例えば、著作年表や歴史文学のジャンル分け(歴史小説、時代小説、史伝文学)という視点です。
読後は、司馬遼太郎がなぜこのような著作を書いたのか?一貫したメッセージは?など、著作と著作を繋げて捉える新しい視点に気がつきました。そのような視点で再度、司馬遼太郎の著作を読みたくなる良質な解説書です。
以下、本文引用
・戦争体験を持つ司馬さんは、「な