あらすじ
日本史の達人が語り尽くす
日本史を語らせたら当代一! 磯田道史が、半藤一利、阿川佐和子、浅田次郎、養老孟司ほか、各界の「達人」を招き、歴史のウラオモテを縦横に語り尽くす。最新科学で探る日本人の起源から、歴史上のリーダーたちの品定め、弥生式土器を自作した少年時代を語った「磯田道史ができるまで」など、歴史好きなら参加したくなる歴史談義。目からウロコの連続です。
・DNAでここまでわかった日本人のルーツ
・頼朝から家康まで リーダーの知られざる素顔
・信長はアスリート体形?
・秀吉、淀殿の「カルテ」を読むと
・家康自ら調合した薬が現存する?
・昌平坂学問所の首席を輩出した会津の教育
・「靖国の原型」は柳川藩と薩摩藩?
・龍馬 刀傷三十八カ所の意味
・スパイ戦に長けた西郷兄弟
・学歴エリートの陸軍、海軍の武士道 ほか
目次
「磯田道史」ができるまで ×阿川佐和子
日本史のリーダーを採点する ×半藤一利
日本人の不思議な起源 ×篠田謙一・斎藤也
信長はなぜ時代を変えられたのか? ×堺屋太一・小和田哲男・本郷和人
戦国武将の養生訓 ×酒井シヅ
徳川家康を暴く ×徳川家広
幕末最強の刺客を語る ×浅田次郎
歴女もハマる! 幕末のヒーローたち ×杏
「龍馬斬殺」の謎を解く ×中村彰彦
脳化社会は江戸から始まった ×養老孟司
鎖国か開国か? グローバリズムと日本の選択 ×出口治明
幕末からたどる昭和史のすすめ ×半藤一利
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルどおり磯田さんがホストとなって著名人・専門家のみなさんと歴史を語り合うという、私好みの一冊でとても楽しく読ませていただきました。
とくに印象に残ったのは、養老孟司さんとの対談の中で、自然史と人間の歴史を結びつけるとさらに面白いという話。
昆虫の話から始まり、日本人が均質的に見えるのは客観的な事実かも…と結論づけるあたりは、なるほどなぁと頷きながら読みました。
とくに「思わぬ自然変化が歴史に影響する」という説が面白かったです。
大災害が一度に起こると、その後、被害に対して感覚が鈍くなる。太平洋戦争のような乱暴な戦争をしたのはそのせいではないか、そうでなければ、モダンな大正時代からなぜ軍国主義が突然発生するのかわからない…というもの。
そう考えると、いま日本は、幾度も大きな震災を経験し、気象は様変わりし、夏がくるたびにどこがで豪雨や土砂崩れの災害に見舞われています。
養老孟司さんの言われる「無意識の影響」がどんな風に表れてくるのか、少し怖い気がしています。
Posted by ブクログ
少年の頃から古文書を読むことが趣味だったという変わり者の著者だが、NHKの歴史ドキュメンタリー番組ではゲストの話をちゃんと聞きながら、自分の意見もしっかり伝える如才ない司会っぷりに感心していた。
この対談本も、期待通りの内容。
しかし養老孟司は、この傑物たちの中でも抜けてる感があるなあ。
Posted by ブクログ
阿川佐和子、半藤一利、堺屋太一、杏など学者や俳優と磯田道史さんとの対談
戦国武将たちの健康状態、地域性から見た日本のリーダー像、新選組、竜馬暗殺の謎、戦中の日本の話など楽しく会談を読ませてもらいました。
歴史は事実の積み重ねかもしれませんが、資料や本を通じて、それを解釈するのは後の時代の人たち。歴史の解釈は時代に合わせて変わるのが面白い。
また西と東でリーダー像が異なるという話は面白かったです。
堺屋太一さんなど既に亡くなられた方もいますが、考えてみるとなかなか、豪華な対談
Posted by ブクログ
近年の日本史ブームの間違いなく立役者の一人の磯田直史。
主に文藝春秋を舞台とした対談をまとめた一冊。
他の専門的分野からの視点と融合した新しい日本史はさらに魅力的。
Posted by ブクログ
磯田さんと著名人たちが色んな視点で歴史について語られており、私にとって刺激的な一冊だった。
また対話内容からも学べることが多く、再読したいと思えた。
読みやすい一冊。
Posted by ブクログ
信長と龍馬の話が多いですね。
信長の異質性ってのはいろんな分野の人が思うんですね。
また、大局で捉えると日本の歴史は東と西のシステムの交代なんですね。東の上位下達システムと、西の合議で自由なシステム。頼朝と家康の東のスタイルか。東京に住む自分は東のシステムで生きているのだろうか。少し行っただけでこんなにも文化圏が違うというのは奥深いし、現代も地続き。面白すぎる。
また、戦後の人がモノに執着した理由、関東大震災の影響などが面白い
Posted by ブクログ
磯田氏と様々な専門家等の歴史対談集。
オムニバスで読みやすいが、テーマがやや偏っている。面白かったのは、次のとおり。
・阿川佐和子さんとの対談では磯田氏の少年時代の凝り性の話が面白かった。探究型の子供と古文書を具に研究する磯田氏の今の姿が重なる
・篠田氏・斉藤氏とのDNA研究の話で、縄文ルーツを多く持つのが日本人の特徴、かつ歴史的に侵略が少ないからこその多様性というのも面白かった。
・中村氏との龍馬斬殺の謎における分析も面白かった。
・珠玉は出口氏との鎖国・開国論。出口氏が、何故鎖国したのか、その背景・原因を磯田氏から吸い上げ、磯田氏は鎖国あって人に投資せざるを得なかったことが開国後の発展要因と説明。自分が疑問に思っていたことを出口氏が問い、磯田氏がわかりやすくて解説するやりとりがとても面白かった。
・最後の半藤氏との幕末の延長としての昭和史も良かった。突然昭和があったのではなく幕末には既にその萌芽があったと。
ということで、個人的には最初の方と最後の方に面白いテーマが集中していた結果、真ん中で挫折しそうになったが読み通して良かった。
Posted by ブクログ
磯田氏と各界著名人との歴史対談集。やはり違う視点から
読み解く歴史は面白い。DNAから日本人のルーツを探る観点や、医療面から戦国大名を探る観点は非常に面白いし、やはり浅田次郎や養老孟司の項は非常に興味深かった。
Posted by ブクログ
磯田がホストとなり、相当に多方面の「歴史の達人」を迎えた座談きじのオムニバス。だいぶ前のやつもあるし、ん、この人は?と思うゲストもある。それでも磯田は、あくまでにこやかに、相手の顔もつぶさずに、うまく話を回し、誘導しているというのが面白い。
Posted by ブクログ
良い。
著名な知識人の方々とのコラボ。磯田道史さんの知識、見解の確かさは誰とでも対等に渡り合える。
今までの常識を打ち破りリーダーとして歴史を変えた、織田信長、源頼朝など。現代に生かせる手がかりがありそう。
Posted by ブクログ
磯田さんが様々な分野の人と対話し、多岐に渡る話を展開されている。半藤一利さんとのリーダー論、篠田謙一さん・斎藤成也さんとの日本人のルーツ、酒井シヅさんとの戦国武将の養成訓など、鋭い視点、思わぬ方向性の話、また色々な人に触れ、対話本の面白さを知った。
Posted by ブクログ
歴史学者の磯田道史さんと各界著名人の対談集。12の対談がおさめられているが、雑誌掲載の古いものは2008年。最新のものは2023年。堺屋太一や半藤一利といった故人となった人との対談は、今となっては貴重。
2013年掲載の『日本人の起源』についての遺伝学者たちとの対談は、その後の技術革新のスピードがとてつもなく速く、脚注で最新情報が付されているのがありがたい。
掲載雑誌の持つカラーや対談相手の選定、対談テーマの設定なども様々なので、内容は玉石混交。相手の立場•立ち位置もあるだろうし。
どれも面白かったが、半藤一利はやはり別格。双方の言説が本当に深い。女優の杏はこの時24歳。歴史好き•読書好きらしくて対談自体が楽しそう。そんな中、出口治明というビジネス畑出身の人だけはちょっと毛色が違う…というより人選ミスでは?の感が否めなかった。歴史関係の著作もたくさん出しているらしいけど。え?それ聞くの?という対話場面が何箇所かあって…知らんけど。
久しぶりに読んだ歴史エッセイ。"ながら読書"に最適です。
Posted by ブクログ
私一人ではわからない日本史のその奥へ
堺屋太一:信長は銭で集めた流れ者の集団をひきいて、信行陣営に戦いを仕掛けていくのです
浅田次郎:結局新選組と言うのは、コンプレックスの塊なんですよ
養老孟司:都会の人間は、全員、田舎に参勤交代しろと主張しています
Posted by ブクログ
日本史を語らせたら今は、この人!目からウロコの歴史談議。阿川佐和子さんとの語り、堺屋太一さん、本郷和人さんとの信長論等もイイが、やはり、半藤一利氏とのからみが一番。勉強になりました。
Posted by ブクログ
歴女で最初に知ったのは「杏」さんだったな
幕末史という飛びつきやすいトコロだな、と
生温かい目で見ていたが、自分の考えも有り
様々な書籍を読んでいるのが分かり、失礼な
自分だったな・・・と反省
Posted by ブクログ
題名のとおり、歴史家磯田道史の対談集。
著者が「武士の家計簿」で世に出た直後のものから最近のものまでが載っている。
初期の対談は先達の高説を拝聴する雰囲気で、昨今の切れ味はさほど感じられない。
謳い文句のとおり、日本史の奥深さ、歴史を掘り下げる楽しさは十分に伝わってくるが、巻頭と巻末の相手が半籐一利ではなく司馬遼
Posted by ブクログ
幅広い見識者との対談。 読んでると「日本の歴史は面白い、だからもっと知りたい」気分になっきた。歴史は、暗記だと学生時代は理解していたが、その時々の背景を垣間見ると興味が湧いてくる。 磯田さんは、心底この背景を知り、意見を交わしたいんだろなぁ、、と感じさせてくれた一冊でした。
もちろん私も、この対談での登場人物で一番興味いだいた「源頼朝」の歴史本を数冊購入いたしました(笑)