あらすじ
当代一の歴史家が、日本人の歴史観に最も影響を与えた国民作家に真正面から挑む。戦国時代に日本社会の起源があるとはどういうことか? なぜ「徳川の平和」は破られなくてはならなかったのか? 明治と昭和は本当に断絶していたのか? 司馬文学の豊穣な世界から「歴史の本質」を鮮やかに浮かび上がらせた決定版。
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Posted by ブクログ
読む前は、「司馬遼太郎史観」という言葉だけが一人歩きしていて、歴史的事実ではない、歴史小説の文体で司馬遼太郎が伝えたい主題をその小説ごとに伝えていると認識していました。
この本は、歴史研究者の磯田道史が司馬遼太郎の著作を歴史学的な視点から読み解いています。
例えば、著作年表や歴史文学のジャンル分け(歴史小説、時代小説、史伝文学)という視点です。
読後は、司馬遼太郎がなぜこのような著作を書いたのか?一貫したメッセージは?など、著作と著作を繋げて捉える新しい視点に気がつきました。そのような視点で再度、司馬遼太郎の著作を読みたくなる良質な解説書です。
以下、本文引用
・戦争体験を持つ司馬さんは、「なぜ日本は失敗したのか」「なぜ日本陸軍は異常な組織になってしまったのか」という疑問から,その原因を歴史の中に探りました。(30ページ)
Posted by ブクログ
父の書棚にあった本。
とても読みやすく「司馬遼太郎」作品を解説している。
磯田道史氏の本を読んだのはこれが初。
「花神」について紹介されているが、早速、購入し
2冊目を読んでいる最中である。
司馬遼太郎から見た
「なぜ日本が無謀な太平洋戦争に突き進むことになったのか」
がわかる。
父も太平洋戦争時代を生きていた。
これを読みながら共感する部分があったのではないかと推察する。
司馬氏は兵隊として、戦争へ行かなければならなかった。日本の戦況状況を知りながら戦う事の恐ろしさについて紹介されている。
昭和初期生まれの父は、よく銃を持って立川から都心へ向け行進したようである。父はそれを誇りに思っていた時もあったようだ。運良く兵隊として戦うことはなかったが。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の思考をその著作から読み解いた本。
司馬遼太郎の著作を通して、日本の歴史・日本人の特性を知り、今後の日本について考えられる良著。
なぜ司馬遼太郎さんの著作は多くの人々を惹きつけ、考えさせるのかが理解できる。
印象に残ったキーワード
・着眼大局、着手小局
・格調高い精神にささえられたリアリズムと合理主義をあわせ持たなければならない
・司馬さんが21世紀を生きる日本人に伝えたかったこと。「「共感性」を伸ばすこと」「自己の確立」
Posted by ブクログ
司馬さん自身が戦争体験者ということもあり、なぜ日本は戦争に向かっていったのかということを問い続けつつ作品を発表して行ったと述べておられる。
司馬作品を紹介しつつ、司馬さんの心情も解析している。それで著者自身が歴史学者であるゆえに戦国時代からの日本の歴史の流れも分かりやすい文章で綴っている上に、過去の歴史の観点からこれからどうするべきかという意見もあり。
1冊でも司馬作品を読んでからの方が楽しめるでしょう。
Posted by ブクログ
私は正直言ってしまえば歴史には疎いです。
本当にある種の時代(この本中の時代じゃないよ)には
もうそれはそれはひどいほどに。
本当にこの本は読者にとっても大変有意義な本です。
新書としてのレベルもずば抜けて高いです。
「司馬遼太郎」という名作家を軸に取り上げていますが
なぜ彼が自分の生きたであろう時代を取り上げなかったか…
それはきっと、そのくらい「暗黒も暗黒」な時代を
恥じていたのかもしれませんね。
だからこそ、その歴史小説は
深い感銘を与えるのだと。
読んだシリーズはこの本の時代のものではありませんが
まさしく彼の取り上げた法則通りの人物が
出てきました。
(そして決してその後も明るくはない人)
いろいろと考えさせられましたね。
Posted by ブクログ
歴史学者による司馬遼太郎作品の素晴らしいブックガイドのように読みました。
大好きな司馬作品の読み解きについて磯田さんと熱く語り合っているような感覚で、嬉しい時間でした。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の功罪について歴史学者の磯田道史が分析した一冊。
プロの歴史学者が司馬遼太郎を分析することはないので、それだけでも価値のある一冊。
また、俗に司馬史観と呼ばれるものの功と罪の部分をしっかり描いており、非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
私たち世代は(おそらく)日教組の教職員から中学高校と「日本はダメな国」史観を叩き込まれた。昭和天皇を終始「テンちゃん」と呼ぶ教諭までいた。
長じて、司馬遼太郎の著作に接し「日本も捨てたものじゃないな」と、考えを改めた。
幕末から明治に至る日本史は、世界史の中でも希有にして奇跡的な歩みだろう。
ギリシャ民族にホメロスあり。中華民族に司馬遷あり。大和民族に司馬遼太郎あり!
Posted by ブクログ
歴史の細かいところまでよくわかる良い本だった
最後は共感力が大切とのこと
正直が徳目
別に金儲けのためにやっているのではない国を良くするためにやっている
現代の日本人は総務が弱い
お金儲けのためだけなっている
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の作品は戦後の復興期から日本人の心を捉えて離さず、彼の作品により脚光が集まった歴史上の人物も多数存在する。
その一方で、司馬史観と呼ばれる、彼特有の歴史の捉え方は、彼の作品の影響力の大きさから、誤った事実を普及しているとして、否定的に捉えられることも多かった。
その司馬史観について、歴史学者の観点から切り込み、彼の思想を読み解き、その思想を理解した上で司馬遼太郎の作品を楽しむべきとした本作。
司馬史観の存在は知っていたものの、体系立てて整理したことがなかったため、大変勉強になった。
ここからはややネタバレになるが、司馬遼太郎の思想として、昭和初期を鬼胎の時代と位置づけ、日本にとって非常に悪い時代とし、そこに至る過程を整理する中で、特に江戸、幕末、明治を紐解き、さらにその源流として織田信長の時代にまで遡っている。
そのため、国盗り物語→竜馬が行く→飛ぶが如く→坂の上の雲、という作品が彼の思想の本筋として存在している。
それに付随する作品、特に作者は花神を推奨していたが、これらの中にも名作が多く、そこには本筋以外の彼の思想が現れている。
彼の作品は、荒唐無稽な日本礼賛ではなく、本質的な日本人の良さを浮き彫りにし、そうした良さを理解した上で国家の形成に役立ててほしいということを伝えている。
歴史的に正しいかということも、もちろん大切ではあるが、そうした彼のメッセージを理解した上で、日本の、特に近現代史に触れることはメリットしかないように思える。
そうしたことに気付かされる、大変有意義な書籍であった。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎さんの描く歴史小説を、冷静に分析しつつ、そのエッセンスを熱く示してくれていると思います(^^)
司馬さんが最も問題意識を持っておられた、昭和初期のようなことがなぜ起こったのかについて、戦国時代や幕末、明治時代の司馬作品をわかりやすくまとめてくれています。
数々の司馬作品を読んできましたが、著者オススメでまだ読んだことのなかった『花神』を一度読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
第二次大戦中、陸軍の戦車(走る棺桶)連隊に配属され終戦を迎えた司馬遼太郎が、終戦後「なんとくだらない戦争をしてきたのか」との思いに悩む。これが、司馬の日本史に対する関心の原点となったという。
その陸軍を作り上げた権力体のもとを辿っていくと、織豊時代に行き着く。その戦国から、幕末、明治の小説を取り上げながら、司馬遼太郎が「鬼胎」と呼んだ昭和初期の「日本人の姿(メンタリティ)を見つめ直す」構成になっている。
日本人には2つの側面(p.54)があるという。
○合理的で明るいリアズムをもった、何事にもとらわれない正の一面
○権力が過度の忠誠心を下のものに要求し、上意下達で動く負の一面
歴史を動かす人間」とは、もちろんひとつ目の人間である。「思想」で純粋培養されたひとではなく、医者のような合理主義と使命感を持ち、「無私」の姿勢で組織を引っ張っていくことができる人物(例えば大村益次郎)である。
なぜ日本の陸軍では不合理がまかり通ったのか。深く考えないという日本的習慣はなぜ成立するのか。明治時代の日本の軍隊は常に新しい強力な武器を持って相手を圧倒する精神があったかもしれないのに、いつからそのような国になってしまったのか(p.71)。
司馬が「鬼胎」と呼んだ時代の萌芽は、日露戦争の勝利(日比谷焼討事件)にあるという。「日本国と日本人を調子狂いにさせた」(p.149)。多くの軍人が「華族」になり、隣国など他者を貶めて優越感を感じる「歪んだ大衆エネルギー」にも繋がった。もし勇気あるジャーナリズムが日露戦争の実態を正しく伝えていれば、これ以上の長引く戦争は日本を自滅させることがわかったはず(他にも、日本に大きな負の要因要員をもたらした。太平洋戦争で、ソ連が仲裁に働くという期待から、戦争を長引かせ被害を甚大にした。北方領土問題も作り出した)。
時代を変革するために必要なのは、「合理主義」と「客観性」。そして「リアリティ」と「変化に対応できる柔軟な頭」。こうして、国・集団を誤らせない、個人を不幸にしないリーダー像を司馬遼太郎は描く。
そのリーダー像の対極にあるのが、伝統(形式)に囚われた人物や組織の在り方、合理主義とは相容れない偏狭な「思想」にかぶれて仲間内だけしか通用しない異常な行動を平気で採ってしまう人や集団。「思想」は人間を酩酊させる。この結果が、敗戦(300万人を超える不条理な死)であった。
最後に、日本人の最も優れた特徴は「共感性」(いたわり)だという。日本語に主語がないのは「無私の心」があるからだともいう。相手の気持ちになりやすい。気持ちが溶け込んでいる。異文化の人にも適応し理解できる能力、そして「自己の確立」。これらが21世紀に生きる人に重要だと締めくくる。それにしても、司馬遼太郎の小説から受取るメッセージは、現代と未来の日本人に向けた強烈なメッセージでもあると改めて痛感する。
Posted by ブクログ
何となく知っていて、頭のなかで整理したかったことが、明瞭に分かりやすく書いてあり、とても良かった。何で敗戦へと突き進んでいったのか、何を学ぶべきか良く理解できる。
Posted by ブクログ
新書はほとんど読んだことがない。学生時代に仕方なく課題として読んだぐらいで。実は「司馬遼太郎」さんの本も未読。少し恥ずかしいなと思い、「いざ!」読む前に初心者の心構えが知りたくて読んでみた。読みやすくて、わかりやすくて、作品と歴史の関わりも知ることができ、司馬遼太郎さんの考え方も少し知ることができ、読んでよかった。
Posted by ブクログ
「なぜ昭和の戦争で陸軍が暴走したのか」というテーマのもと司馬遼太郎が作品を書いていたことを説明し、その作品を紹介する形で日本人がたどってきた歴史を振り返り、今後私たちが同じ誤ちを繰り返さないように何をすべきか、本書の最後に司馬遼太郎の言葉を引用して締めている。
それはずばり共感性と自己の確立。
本書で紹介されている司馬遼太郎作品を読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
発売当初、書評欄で紹介されてから気になっていた本で、書店でいったい何回手に取っては棚に戻すを繰り返したことか。
日本史を題材にした小説を読みたいと思い、司馬遼太郎作品は、「竜馬が行く!」のほかは挫折の連続。小説の途中で、司馬氏の説明、独演が挟み込まれるのに抵抗有り。本当に魅力的な作品を知りたくて、尚且つ、司馬歴史観満載の日本史をひも解く作品として読むならば、という心構えを教えてくれる本として手にとった。
結果、読みたい本として挙がってきたのは、「花神」「峠」。
こうやって誰かに解説を加えてもらうと興味が勢いづいて、本を読もうという気持ちが倍増するから不思議。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の作品を振り返りながら、戦国時代、江戸時代、明治、大正の日本の歴史の流れを振り返る。それにより、司馬遼太郎が、昭和初期の軍部の独走と戦争への流れを、一連の歴史の中で起きるべくして起きたものと捉えていたことがわかる。
最近、よくテレビなどでも著者をみかけますが、きっちりと史実を押さえ、自分なりに整理されているからこそ、これだけわかりやすく解説ができるのでしょうね。歴史学者だから当然と言えば当然なのですが、学者というとそうでもない人も多そうだから。
Posted by ブクログ
大好きな火神の見方がとてもお気に入り。
国取り物語とか世に棲む日々とかも、また読みたくなってくる。
考えてみるとこういう仕事は大切。一度読んでいろいろインパクトを受けた作品は、再度読むとまた新しい何かを与えてくれるけど、常に積読がある自分が既に中身知ってる本に向かうには、それなりのきっかけが要る。十分な考察と愛着が詰まったre-introductionはまさにそのきっかけを与えてくれる。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎が作家になった経緯の戦車の話、本書を読む前からいつも頭に残っている。◆国盗り物語、花神、坂の上の雲か…◆◆歴史的英雄ばかり書いていると思っていたが、脇役の目を必ず入れていたのかねぇ。◆◆南北朝時代をあまり書いていないのは、戦争への道に行った原因とは思っていなかったのか。◆◆やっぱり花神だよね。倅にDVDみせよう。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎の本はまだ読んだことがなかったので、知るきっかけとして購入。時間をかけて読んだからか記憶が飛び飛び。自分の知らない歴史人物の話もあって、歴史は知っていて損がないなぁと思った。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎さん大好きなんです。司馬史観については世間的には色々と意見があるようですが、それはとりあえず措いておいて、純粋に小説を楽しめる作家さんだと思います。磯田さんの本の中の意見に目から鱗なこともいくつかありました。
Posted by ブクログ
歴史社会学等を専攻する磯田道史氏による、司馬遼太郎自身と作品から日本史を学ぶことについて書いた本。
確かに未だ多くの人に読まれ、そしてその世界に飲み込まれ、あたかも自身がその時代に共に生きている感すら思わせる司馬作品自身は、文学としての評価だけでなく、その影響や、国家観、日本人とは何かといった我々の根源的なところまでも深く浸透することに対し、余りにも多くの問いかけと学びがある。
また司馬遼太郎から入る日本史というスタイルも多数いるのではなかろうか。かくいう私も知らない人物については、これがその人物の全てではないと気をつけてはいるものの、その膨大な資料の読み込みと、物事と人物への透徹した洞察力で、気がつけば司馬遼太郎に導かれている。
また司馬作品を読みたくなること必至な一冊。
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司馬遼太郎の小説は、明治前後のものが多いが、本書を通して昭和という時代をどのように捉えていたかを知ることができる。青春時代を戦時中で育ったゆえに、原点は昭和にあるのかもしれない。
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司馬遼太郎の作品を読んだことはないが、どういう風に歴史を解釈して描いているのかよく分かった。
そして、その国民的歴史小説家を歴史学者・磯田道史が解説しているためより理解が深まった。
幕末の気運とか、どうやって滅んでいくのかとか、勉強になった。
歴史から学ぶことは多い。
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・ナショナリズムとパトリオティズムの違いは、お家自慢のたとえで考えてみるとよくわかる
・ナショナリズムは、何ら自分の努力で手に入れたわけではないのに、家柄を自慢し、他の家をバカにする。
・パトリオティズムは、自分はたまたま名家に生まれついたのだから、一層きっちりして周りから尊敬される家にしよう。
・明治期の日本がお手本にしたドイツはヨーロッパでは後進国で、市民社会がまだできておらず、君主の権力が非常に強いものだった。日本の国情によく似合っていた。つまり「ドイツ」という服を着て歩くのが一番華々しく自分の体にも合った。
・大隈重信や福沢諭吉はイギリスの服がいいと言ったが、伊藤博文によって追い出された。
・天皇の国家がドイツの服を着て大日本帝国を名乗った。この服に合わせた「軍隊ブーツ」が一度履いたら死ぬまで踊り続ける「赤い靴」だったのが落とし穴だった。
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司馬遼太郎は、単に歴史小説を描くのではなく、読んだ人に、こういう人間になってほしい、とか、こう生きるべきだ、といった人生指南となるような小説を書こうとしたのだという。
司馬遼太郎の小説をすべて読んだ人にとっては、特に目新しいことが書いている訳ではないので物足りないかも。
Posted by ブクログ
歴史を語るときに「司馬遼太郎の功罪」というのがあるようで、小説としては面白いようですが、歴史については史実をは違うことが結構書かれている、というもののようです。
確かに小説に出てくるのが実在の人物が中心で、司馬遼太郎はかなりの量の資料を読み込んで小説にしているそうですが、色々と彼の想像で作り込んでいる部分もあり、それが史実と必ずしも一致していないようです。
ただ、この本で言いたいのは、彼の書き込んでいるている細部ではなく「大局」を読むと、彼が歴史についてどう評価していたかがよく分かるということだと思う。
いつも歴史小説・時代小説、それを元にした大河ドラマは史実に基づいたフィクションだと思っていますが、どの部分が史実でどの部分がフィクションだかわかっていないと、間違った理解をしてしまいそうです。
Posted by ブクログ
司馬遼太郎が暴いた日本人の弱さを、改めて復習する。
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頼山陽と徳富蘇峰、そして司馬遼太郎が、日本で三人しかいない「歴史に影響を与えた歴史家」と定義されている。ほんまかいな、と言いたいところだが、坂本龍馬を「発見」したりと、ある意味確かに歴史を作ってきたのかもしれない。
ただ、本書は司馬が歴史を作ってきたことを説くというわけではない。司馬がそのときそのときでどんな風に見ていたのかを追っていく。
結局のところ、日本人の弱みを書いているからこそ、読者が自らに投影し感激し、ビジネスに活かそうとしてしまったりするのだろうなあ、と感じた。
文学は文学作品の中で完結すべきだという意見には、僕も賛成しない。作品は人に影響を大いに与えればよい。エンターテイメントだと思って読むものだって、何かの糧には必ずなるのだ。
それにしても、昭和一桁代から敗戦あたりまでを非連続の次代だったと語り、あるいは明治憲法下の法体制が、不覚にも孕んでしまった鬼胎のような感じ、などと記した司馬が、本当にそこだけが非連続だと思っていたのか。
今もまた、不覚にも孕んでしまったような状態がある。これは非連続なのか、どこかでやはり孕ませる機会があったのか…日本史を学ぶというよりは現代を思って気持ち悪くなるのだった。